本格的な景気回復

令和5年5月8日以降、
新型コロナ感染症は5類扱いとなり、
インフルエンザと同じ扱いと
なることが決まっています。
それに先立ち、
令和5年3月13日以降、
マスクの着用も個人の判断に
任されることになり、
少しずつではありますが、
マスクを着用しない人も増えてきたように
思います。
3年超の長きにわたり、
不自由な生活を余儀なくされ、
人の行動制限により、
多くの企業や事業主に多大な負担を
強いてきた日常が、
ようやく普通の日常に戻ろうとしています。
人の活動が活発化し、
海外からのインバウンドも増加の一途
をたどることでしょう。
まさにこれから、個人消費を起点とした
景気回復を誰もが期待していることでしょう。

人材不足による機会損失

その一方で、既に一部で発生している
人材の不足による機会損失は、
今後更に深刻な問題となってくる
可能性が高いといえます。
労働者人口のみならず、人口そのものが
減少局面に入っている日本では、
人材確保が最大の経営課題となっています。
人材を確保するために
他社より優位な条件を提示し、
転職市場は益々活発になる可能性があります。
人材の側も、ステップアップ転職が
しやすくなることで、
人の流動性が更に高まることも
予測されています。
人気の業種、成長性の高い業種に
人材が移動する一方で、
人材の流出が深刻な業種・業界は
更なる革新行動が求められること
になるでしょう。
仕事は増えても、キャパシティ(能力)
の限界で、仕事を受けることが
できないという状態が散見される状況
が危惧されます。

魅力ある企業になるために

構造的に売り手市場が続く
と想定される労働市場で、
優秀な人材を勝ち取るには、
働く人にとって本質的に魅力的な企業
であり続ける必要があります。
一方で、働く側のニーズも多様化しており、
それらすべてに
適切に対応していくということは、
あまりにも現実離れした話になります。
実際には多くのミスマッチが生まれ、
いつまでも人材確保に追われる
ことになります。
こうしたミスマッチを防ぐ意味でも、
自分達はどういう会社であり、
何を目指しており、それ故、
どういう人材を欲しているのかを、
明確に示していく必要があります。
これだけでもミスマッチを防ぐ
一定の効果はあるでしょう。
当然、言っていることと、
やっていることが異なれば、
改善されない限り、
いずれ社員は離れていくでしょう。
理想を宣言し、そこに向かって、
皆で頑張っていくという風土をつくり、
組織としての一体感が醸成できれば、
そこにはまた共感する人材が
集まってくるようになるはずです。
人手不足が常態化するこの時代、
結局のところ、
こうした組織づくりが
魅力的な企業づくりになるのでは
ないでしょうか。