幸せな人生とは
先ごろ発表されたレジャー白書2024(速報版)
によれば、仕事に比べ余暇を重視する
との回答が65.7%となり、比較可能な2009年
以降で過去最高になったとのこと。
仕事と余暇のどちらに重きを置いているか
を聞いた質問に、
「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」
が34%、「仕事は要領よくかたづけて、
できるだけ余暇を楽しむ」が32%と、
それぞれ3割前後を占め、
「仕事にも余暇にも同じくらい力をいれる」
は23%となったようです。
仕事の中でやりがいを見出すことが
難しくなってきているように見受けます。
私どもでは、毎年新入社員研修という
研修サービスを提供しておりますが、
研修サービスを提供しておりますが、
そこでは「幸せな人生」という話をします。
社会人となり人生の多くの時間を
「仕事」に充てるわけですから、
その時間が幸せであることは、
人生トータルの幸せを考えた時、
非常に重要なことなのです。
幸せの脳科学
私どもの新入社員研修では、
仕事で幸せを実感するためのポイントとして、
仕事における充実感や達成感を
クローズアップしています。
すなわち、目標を掲げ、その実現に向けて
一生懸命働くことができれば仕事は充実し、
目標を達成した時には
大きな達成感や充実感を得ることができる
と伝えています。
そして、その連続が幸せを感じる上で
重要な要素であるとしています。
実際、人間の脳のメカニズムを考えると、
これらは決して精神論や根性論ではない
ことが理解できます。
人間の脳が達成感や充実感を
感じるときに影響しているのが、
ドーパミンという脳内物質です。
何かを成し遂げた時に感じる幸せ感は、
実はこのドーパミンの力なのです。
ただし、人間の幸せ感に影響を与える
脳内物質はこれだけではありません。
体や心の健康によって生じるセロトニン、
他人や周囲との繋がりや関係などから
生じるオキシトシンといった物質
があります。
よって、いくら仕事が上手くいっていた
としても、そのベースとなる
自身の心身の健康や他人との人間関係が
良好に行っていなければ、
幸せ感は減退してしまうのです。
マズローの欲求段階説にもあるように、
ベースは心身の健康(生存欲求・安全欲求)
その上により良い人間関係の構築(親和欲求)
があり、自我の実現を求めるようになる
という考えと似ています。
それは会社の問題
冒頭の調査結果が示すのは、
仕事場においてはこれらの幸せ物質が
生じにくい状況になってきた
ということなのでしょう。
このような傾向を風潮と考えるのではなく、
会社側の問題として捉えるべきでしょう。
ハラスメントに敏感になり過ぎて、
本来必要な社員との関りが
希薄になっていないでしょうか。
あるいは、甘い目標設定や進捗フォローの弱さ
によって、結果として達成感が生まれ難い状況
(ドーパミンが生じない)をつくり出しては
いないでしょうか。
こうした管理職の消極的な対応により、
社員の働きがいを奪っているとすれば、
それはすべて会社側の責任と考えるべきです。
トップは率先してそうした状態を
解消しなければいけません。
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