ストレスフルな時代

先ごろ公表されました2024年厚生労働白書
によりますと、
心身の健康に関する調査で
最大のリスクとして「ストレス」
を挙げた割合が15.6%となり、
この20年間で3倍に増えたとの調査結果
が示されました。
現在のこころの状態について、
「よくない」、「あまりよくない」と
回答した人の割合は、
30代で27.2%、40代で27.3%と
実に1/4以上の人が答えており、
若い世代で「こころの不調」を感じる傾向
が強いという調査結果も出ています。
とりわけこうした傾向にある理由について、
30代では「職場の人間関係」が
4割近い水準となっており、
中堅社員の多くが職場の人間関係に
課題を感じている実態が見えてきます。
こうした状況では、仕事のパフォーマンス
を高めることは難しいといえますので、
組織を運営する側にとっては、
なかなか深刻な状況と言えます。
中堅世代が人間関係に悩めば、
当然、離職のリスクも圧倒的に高くなります。
せっかく、育ててきた中堅社員が
ここで退職してしまうのは、
本人にとっても会社にとっても
痛手でしかありません。

刷り込み、体感させる

ではどうすればよいか。
職場の人間関係をよりよいものに改善
するほかありません。
会社として職場の人間関係が
改善できるような場や機会を提供する
ことも重要ですが、
基本は社員一人ひとりが周囲との人間関係を
良好に保つような努力をする必要があります。
ただ、本人任せでは改善は見込めませんので、
よりよいものになるような指導や
教育的な介入は必要なのでしょう。
私どもの職場でも、周囲の人達と
好ましい人間関係を構築するための行動指針
(改善の前提10ケ条)があります。
この行動指針を暗記し、
毎週(職場によっては毎日)の朝礼にて
参加者全員で唱和をします。
こうして頭に刷り込むことで、
無意識に指針に沿った行動が
とれるようになってきます。
もちろん、しばらくの間の辛抱は必要です。
こうした取組み(企業努力)によって、
よりよい人間関係が構築できるようになれば、
(それらはよい仕事をする上での土台
のようなものなので)
仕事も成果が上がりやすくなります。
成果が上がれば、仕事は楽しくなり、
周囲に目を向ける余裕も生まれてくるので、
周囲から受けている様々な配慮に
感謝する気持ちも醸成されるでしょう。
感謝の気持ちは仕事への使命感を醸成します。
使命感に基づく仕事は、
よりクオリティの高い仕事になる可能性
が高いといえます。
こうした好循環が生まれてくればしめたもの。
「こころの不調」でストレスを抱える社員は
減ってくるものと思われます。
それは組織力の向上に直結します。