経営者の意思決定
日本経済新聞最終面に掲載される
「私の履歴書」では、
世界的投資会社であるKKR
(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)
の共同創業者であり会長である、
ヘンリー・クラビスが自身の半生を
1カ月間にわたり、つづっていました。
その中で、あらゆる大きな決断を
共同創業者であり、いとこでもある
ジョージ・ロバーツとともに
行ってきたという行が、
随所で披露されていました。
企業経営における意思決定。
それは経営者(トップ)にのみに許される、
最も重要な仕事であり、
企業の浮沈に直接的に影響を及ぼす
極めて重要な行為です。
今回は、経営者の意思決定について
考えてみたいと思います。
企業にとっての意思決定とは
企業における意思決定とはいかなるものか。
企業における意思決定とは、
企業の目的を達成するために、
複数の選択肢の中から
最もよいと思われるものを採択することです。
多くの場合、
不確かな将来展望に基づき、
様々な条件が変化する中で、
タイミングよくジャッジを下す
必要があるため、
経営者にとっては相当のストレス
が掛かります。
それゆえ、重要な意思決定を
無意識のうちに放棄してしまうケース
も少なくありません。
そうなれば、環境は変化しているのに、
自社だけ変わらないので、
時代に取り残され、衰退を余儀なくされる
可能性が高くなります。
意思決定スタイルを確立する
では、よりよい意思決定を行うには、
どうすればよいのでしょうか。
もちろんこれに正解はありませんが、
先のヘンリー・クラビス氏のように、
自分自身にとって最も確からしい方法
を確立する事がよいのでしょう。
中小企業における意思決定スタイルは、
いくつかのパターンに分かれます。
最も多いものが独断タイプです。
圧倒的に強いオーナー経営者が
一人ですべてを決めるスタイルと言えます。
成功も失敗もすべて自分自身の責任
となります。
良くも悪くも経営者次第で
すべてが決まります。
企業規模が大きくなるにつれ、
合議制へと移行するタイプが出てきます。
この場合、親族で固めるタイプと、
親族は一切関わらせないタイプに分かれます。
親族経営(親子経営・兄弟経営等)は、
うまく噛み合えば、
最強となる可能性がありますが、
油断や甘えが横行しやすく、
結果的にうまくいかないケース
も少なくありません。
実力主義の非同族タイプは
優秀な社員を登用し、意思決定に参画
させることができますが、
トップが聞く耳を持つかどうかで
成果は変わります。
聞く耳をもたなければ、
上記の独断タイプと同じです。
いずれにせよ、自社にとって
最も効果的な意思決定を行うには、
どういうスタイルがよいのかを、
しっかり見極めることが大事です。
時に耳の痛い意見を積極的に取り入れる
ことも効果的と言えるかもしれません。
それは、結局、経営者自らが
自分自身をよく理解するということ
なくしては、成しえません。
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