加速する経営環境の変化

2024年度もあとわずかとなりました。
昨年末にもお話したように、
今年度を振り返ってみても、
勝ち、負けの明暗がはっきりした年度
であったと思います。
同じ業界であっても、
業績を大きく伸ばす企業がある一方、
大きく落としてしまう企業も
多く存在しました。
人手不足が顕著になり、
仕事を受けようにも受けられない状況で、
あえなく倒産となった企業も
多いと聞きます。
これはひとえに、
経営環境の変化に適応できなくなっている
企業が増加していることを表しています。
前回は企業のビジネスモデルに触れましたが、
経営環境の変化が更に加速する中、
企業はどのように対応していけば
よいのでしょう。

適応状況を客観的に評価する

企業の存続を実現するための
唯一の方法は、
変化する経営環境に適応し続ける
ことです。
環境変化に適応できなければ、
遅かれ早かれ継続が
難しくなるでしょう。
ビジネスモデルを変革すべきかどうかは、
環境への適応度を評価することで
明らかになります。
毎年、増収・増益を実現できている
とすれば、
経営環境への適応は概ねうまく行っている
と考えられます。
中長期的な経営環境の変化を見据え、
将来訪れる変化への対応について
周到に準備をしておくことです。
一方、増収ではあるが
減益になっているケースはどうでしょう。
これは環境変化に
適応できなくなりつつある状態です。
増収となるも、そのために過剰なコスト
を要している状況ですので、
ビジネスモデルをどの程度
変える必要があるのかを
見極めることが肝心です。
その上で、できるだけ早く
手を打たなければいけません。

ビジネスモデルの戦略的転換

年々、売上高が低下し、利益が圧迫
されているとすればどうでしょう。
直ちにビジネスモデルの変革に
着手しなければいけません。
既に環境変化に
適応できなくなっているからです。
早々に手を打たなければ、
早晩、淘汰の波にさらされる
ことになります。
では、どのように変革するのか。
戦略的なアプローチで言えば、
どこのフィールド(市場)で戦うか、
どんな武器(商品・サービスのQCD)
で戦うか、を明確にする必要があります。
市場を変えなくても、
商品・サービスの見直し(差別化)で
戦える余地があるなら、
既存市場に留まることも可能です。
差別化しても難しいということなら、
市場を変えるしかありません。
まずは隣接市場で、
自社の強み(商品・サービスのQCD)を
活かせるマーケットを探し出し、
(見つかれば)強みを持続するための
ビジネスモデルに再構築することです。
この時、できるだけ成長性の高い市場
を見つけ出すことが
成功の大きなポイントになります。

いかがでしょう。

環境の変化が速くなるということは、
こうしたプロセスを
スピーディーに行う必要がある
ということです。
既成概念に捉われることなく、
自社の潜在能力を最大限発揮する
ための勇気ある決断が求められています。