採用ができない
このところ、人手不足の採用難に
拍車がかかっているように感じます。
企業の成長に人材の獲得は
欠かせない課題ですが、
これほどまでに採用が厳しくなってくると、
採用後にも様々な弊害が出てくる
ことが危惧されます。
内定者の確保を優先するあまり、
採用の基準を大幅な緩和、
求職者に有利な様々な条件の提示等が、
後にトラブルの原因に
なってしまうようなことも
容易に想像できます。
もちろん、まずは採用しなければ
始まりませんが、少し冷静になって
採用活動に向き合う必要があるように
感じます。
価値観を共有できるか
中途採用に関しては、
特に次の二つの点において注意が必要です。
ひとつは、自社の価値観
(企業理念やそれに基づく企業風土等)
に合うかどうかです。
目標の人数を確保するために、
その点を考慮せずに採用してしまうと、
せっかく入社しても馴染めず、
早々に離職となってしまうケース
も少なくありません。
価値観とは、何に重きを置くのか、
優先順位をどうつけるのかといった、
仕事上の判断の軸になるものですから、
これが決定的に異なると
なかなかうまくいきません。
あらかじめ、自社の経営理念や行動規範、
企業文化等を十分に説明し、
そうした価値観を共有できそうか
確認することが大事です。
いくら優秀な人材であっても、
この根本的な部分が共有できないと、
十分なパフォーマンスを
発揮することは難しいでしょう。
逆に周囲に悪い影響を及ぼしかねません。
信頼関係を損なわない
二つ目は条件の提示に関してです。
売り手市場になりますと、
どうしても求職者側からの
要求が過大になりがちです。
給与賞与面はもちろんのこと、
年間休日日数や有給取得状況、
在宅勤務を含むテレワーク等の
柔軟な働き方まで、
実に様々な要求を出してきます。
もちろん、すべての要求を実現できる
ような状況であればよいですが、
多くの場合、なかなか難しいのが現実です。
人手不足で採用を強化しているわけですから、
現場はかなり忙しいことが実態でしょうし、
転職早々に柔軟な働き方ができるほど、
教育の制度や仕組みが整った会社も
多くはありません。
そんな実態にも関わらず、
不用意にそうした求職者の要望が
叶えられるような発言をしてしまうと、
後になって聞いていた話と違う
ということになるでしょう。
信頼関係が崩れれば、
当然、会社とは敵対関係となりますので、
ここから好ましい関係の構築は
難しくなります。
そんな情況では、
仕事に対してよいパフォーマンスを
発揮すること等できませんので、
早晩、離職となる可能性が高いでしょう。
いかがでしょうか。
採用が難しい状況ではありますが、
この二つの条件については、
必ずクリアにしておく必要があります。
それが結果的に、
社員と長く信頼関係を構築し、
長きにわたってウィン・ウィンを構築
するための条件になるのです。
コメント