中小企業のDXはどこまで進んだ?
企業経営におけるDX
(デジタル・トランスフォーメーション)
の重要性が叫ばれて久しいですが、
中小企業経営においてこうした取組みは
どれくらい進んでいるのでしょう。
経理事務や人事・勤怠管理等の
バックオフィス系業務のシステム化は、
中小企業でもまずまず進んでいる
ように思います。
また、コロナ禍を機に進んだ
リモート会議の定着により、
コミュニケーションツールとして
ZoomやTeamsを
上手く活用するケースも増えています。
B2C企業では、
販売促進ツールとしてSNSを活用
するケースも増えていますが、
大きな成果を上げているというケースは
限定的であるように感じます。
一方、なかなか進んでいない
と感じるのが、
製造業における生産管理システムや
在庫管理システムといった
企業の中核をなす業務です。
入れてはみたものの、
それぞれの業務の独自性や
これまでの慣習等により、
結局うまく使えていないというケースは
まだまだ多いように思います。
DXで何を実現する?
そもそもDXとは何か。
ひらたく言えば、
「データやデジタル技術を活用し、
企業経営全体を大きく革新する
(イノベーションを図る)こと」
です。
そして、このDX導入で得られる成果は、
生産性や収益性の持続的な向上
でなければいけません。
こうした認識が弱いために、
DXと言っても、
結局「いまのやり方」を少し効率的に行う
ことだけに留まってしまい、
根本的なビジネス構造の再構築
(リストラクチャリング)といったレベル
には到底及びません。
当然、成果も微々たるものですので、
なかなか大きな投資の意思決定にも
至りません。
単なる業務効率の改善であるなら、
エクセル等のスプレッドシートを
上手く活用した方が、
よほど便利に業務効率の改善を図る
ことができます。
目的を見据えて革新する
本来の意味でDXを進めるとなると、
これを機にこれまでのやり方
(バリューチェーン)を抜本的に再構築
するという強い意志が必要です。
やり方を変えるというのは
なかなか勇気がいることですが、
もう少し先に目をやり、
「これまでできなかったけどこれが実現
できれば顧客に大きな価値提供ができる」
というように考えてみてはいかがでしょう。
企業経営にとって、
最も重要なこと(のひとつ)は、
顧客にとっての存在価値を
高め続けることです。
その実現のためには、
バリューチェーンにおけるあらゆる
制約条件(できない理由)を排除
しなければいけません。
そして、その制約条件を排除するための手段
としてDXをどのように活用できるか
を考えなければいけません。
デジタル技術・情報技術が各段に
進化している今こそ、
すべての思い込みを捨てて、
まずは「真のあるべき姿」を
想像してみましょう。
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