賞与の給与化という動き

まだ少数ではありますが、
一部賞与の給与化という動きを
見受けるようになりました。
先般の新聞報道では、
ソニーグループが冬の賞与を廃止し、
月給(基本給)に組み込むといった
制度変更が取り上げられました。
他にも大和ハウス工業、バンダイなど
が賞与の一部を月給に振り替え、
賞与比率を下げる取組みを
進めているようです。
これには、採用時の訴求力を
高めることのほか、
年功序列型の賃金体系を見直し、
職務・スキル・成果に応じた
賃金制度(ジョブ型)へ
切り替えるきっかけとしたい等の
企業側の思惑も見え隠れします。

若者は月給重視?

一部賞与の給与化とは、
賃金の総額を増やすことなく、
給与と賞与の配分バランスを
変更するということです。
これは、会社にとっても、
社員にとっても損も得もない
(厳密には社会保険料等に影響するため、
損得ゼロではない)
ということになりますが、
「見え方」という点においては、
その時代や業界背景等から
魅力的に映ったり、
逆に魅力を低下させたりといった
影響が想定されます。
昨今の若者は、
あてにならない賞与より、
(確実にもらえる)月給の多寡を
気にするといわれています。
大企業に比べて、
採用において競争力の乏しい
中小企業にとっては、
検討の余地がある方法ではありますが、
それによる副作用も十分に検討する
必要があるでしょう。

ウィンウィンの実現

一部賞与が給与化され、
一旦、月給が増加すると、
これを下げることはなかなか難しい
と考えておくべきでしょう。
特に業績の変動が大きな業界においては、
利益コントロールが難しくなります。
賞与を下げることはできても、
給与を下げることには相当の抵抗
(もらう側だけでなく、出す側にも)
があるように思います。
また、給与ベースが上がることで、
残業単価が上昇するという
副作用もあります。
恒常的に残業が発生している会社では、
残業代の上昇により、
従来の収益を維持することが難しくなる
可能性があります。

いかがでしょう。
今後、こうした流れが大きく進むのか、
一部企業や業界に留まるのか、
何とも言えませんが、
年々採用が難しくなるなか、
賃金制度の見直しの一環で
賃金や賞与の在り方が検討されるのは
良いことだと思います。
より魅力的であり、
社員の成長に寄与するような制度
への変更であれば、
労使にとってウィンウィンが実現
できるのではないでしょうか。