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■1993年7月12日 自転車日本一周旅行 第12日目
 ・スタート 5:00 北海道増毛郡増毛町
 ・ゴール  18:00 北海道天塩郡天塩町 
 ・走行距離: 約130キロ            
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1993年7月12日。

この日に起きた出来事を覚えている人は、
もうほとんどいないと思います。
奥尻島の方を除いては。

そう、この日の22時17分、
北海道の奥尻島を津波が襲った、
北海道南西沖地震が起きました。

その瞬間、僕は天塩町、天塩川河口にある、
鏡沼海浜公園のキャンプ場にいました。

ちょうどそこで、その日知り合ったライダーの方々と、
一緒に泊まっていたからです。


この日は朝から快晴。
増毛を出発し、国道232号線に沿ってひたすら北上する行程でした。

途中、留萌、羽幌と、かつてニシン漁で栄えたという町を通過。
それらの町と町の間は、ひたすら左に海を見て、右に丘陵地を見る、
というずっと変わらない景色。
ここは北海道なんだ、と実感させられるスケール感です。

この辺りは通称オロロンラインと呼ばれ、
現在では、風の強い環境を生かして、
風力発電の風車が立ち並ぶ光景で有名です。

それほど風が強いので、なかなか進めず、
約12時間かけてやっと130キロ先の目的地、
鏡沼海浜公園キャンプ場にたどり着きました。

自転車を止めて、キャンプ場内の東屋に寝床を確保した後、
海岸を散策していると、地元のおじさんが釣りをしてました。

ルアー(ワーム)でソイを狙っていたのですが、
これがもう、すごかったです。入れパクです。

いつもこんなに釣れるのかと思って聞いてみたら、
「いやー今日はすごい。これは何か起きるかもしれないね、ハハハ!」
確かに、夕日も異様に赤くて、とにかく不思議な日でした。

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■鏡沼公園から、利尻島を望む当日の夕陽

浮かれて口走ったこのおじさんの言葉が、まさか予言になるとは…。

夜の8時から、このキャンプ場に当日居合わせた人たちで、
懇親会というか、語らう会というか、
まぁ北海道のキャンプ場ではよくある、自然発生的な飲み会が始まりました。

私もその輪に加わって、諸先輩から人生訓等を教えてもらい、
宴もたけなわになった頃…。

なんか地面が揺れるなー、と酔ったライダーの人たちが言いだし、
その後明らかな揺れが!

震源地からは数100キロ離れてるので、揺れ自体は大したことなかったのですが、
驚いたのはその後でした。

キャンプ場にパトカー数台がサイレンとともにやってきて、
今すぐ高台の公民館に避難するように言われたのです。

そして、まさかと思って非難した公民館で見たテレビの衝撃を
今でも忘れません。

津波に襲われた奥尻島の火災。
人生で初めて、津波の被害を見た瞬間でした。

幸い、天塩町には津波はほとんど来なかったのですが、
それでもわざわざキャンプ者にまで避難勧告に来てくれた、
天塩町の警察の皆様に感謝です。

結局、ざわざわしながら、全員で公民館にて、不安な一夜を過ごしました。
自分たちが不安、というよりも、
ここまで旅を楽しませてもらった北海道という場所に、
こんな不幸が訪れたことに対して不安というか申し訳ないというか、
そんな気持ちを皆が感じていた気がします。

翌朝も、いつもなら旅人たちは皆、朝が早いのですが、
この日だけは、なんとなくお互いの無事を祈りあって、
気づいたら大幅に出発時間が遅れていました。

朝9時、出発。
前日の災害がうそのように、翌日も、快晴。
気を取り直して、稚内を目指します!


【 13日目につづく 】

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