ますこっとがあるの玉手箱

ばあばになっても好きなものは語りたい(*´ω`*)Happyでご機嫌な毎日を♪

タグ:本

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わたしたちが泥棒になった理由/松尾由美 著

〜愛すべき、6組の「犯罪者」たち〜

< 誘拐・窃盗・脅迫…… ごく普通の男女が行った人生でたった一度の�猴イ靴き疊蛤瓠� ロジカルでほろっと泣ける絶品ミステリ集。

優しいおばあちゃんはなぜマジメな小学生・ススムくんを誘拐したのか─「おばあちゃんの旅」
鍵がなくて中に入れないという女の子の願いを聞き入れた配達員のぼく。2階の窓から入り込むと そこには─「おじいちゃんの配達」
ネット通販の倉庫で働いていた姉妹が世にも恐ろしいトラブルに巻き込まれて─「わたしたちが泥棒になった理由」
「運動会を中止しないと爆破する」小学校にかかってきた脅迫電話の謎を追うわたし─「ただし例外として」
クリスマスの日、老人ホームのイベントでサンタクロースの役を代わりにやってほしいと頼まれた理由は─「噓つきなサンタクロース」
あるバーで出会ったふたりの男。やがて明らかになる《白猫消失事件》の驚くべき真実とは─「空を飛んだ猫」

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ふつうの人たちが、やさしさや正義感をきっかけに罪へ近づいていく物語です。
と言っても、殺人など重犯罪に手を染めるわけではないので、そういうハラハラ感はありませんが、正真正銘の謎解きミステリー(^^)

お話に出てくるおじいちゃんのキャラ設定が ワタシ好みのなかなかの男前で、その後が気になる「おじいちゃんの配達」は 続編希望です(^^)

隙間時間 さらっと読みたい気分のときにオススメ♪


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逆ソクラテス/伊坂幸太郎 著

敵は、先入観。
世界をひっくり返せ!
逆転劇なるか!?
伊坂幸太郎史上、最高の読後感。
デビュー20年目の真っ向勝負!

カンニングから始まったその作戦は、クラスメイトを巻き込み、思いもよらぬ結末を迎える──「逆ソクラテス」

足の速さだけが正義……ではない? 運動音痴の少年は、運動会のリレー選手にくじ引きで選ばれてしまうが──「スロウではない」

最後のミニバス大会。五人は、あと一歩のところで、“敵”に負けてしまった。アンハッピー。でも、戦いはまだ続いているかも──「アンスポーツマンライク」

一見すると、やる気がなさそうで 子どもに無関心のようにみえる担任の久保先生。そんな先生の姿をみて、授業参観の保護者たちの前で授業妨害し恥をかかせようと画策する者たちがいた──「非オプティマス」

同級生が家で虐待されているかもしれないと感じた僕たち。どうにかして本人に事実を確認しようと考えた僕たち。そんな僕たちは、悩んだ末にゲームセンターに向かった──「逆ワシントン」

書き下ろしを含む、無上の短編全5編。

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さすが伊坂氏ハズレがない!
小学生を主人公にした物語と聞いて 期待度はさほど高くはなかったのに 読後の満足感ときたら(笑)
伊坂小説の特徴である勧善懲悪が、気持ちをスカッと晴れやかにしてくれます。

短編のタイトルを注意して見てみると すべてに否定詞が使われているのに気づきました。それは子どもたちの鮮やかな逆転劇を示していて、「全部いいほうにひっくり返してやるぞ!という気持ちを届けたい」と語った伊坂氏の気概が込められてるようでした。

一番好きなお話は《非オプティマス》
ラスト2ページの大逆転で “世を忍ぶ仮の姿”をしていた転校生 福生の正体が明らかに(^^)

この短編を締めくくる最後の文章『福生はにやけたまま、答えるために、すうっと息を吸った』この後のセリフは 読者に丸投げになっています。
あれこれ想像を巡らせ始めたら、もう伊坂ワールドの中(笑)

いくつかの短編に登場する担任の先生、磯憲。
伊坂氏の小学校時代の恩師がモデルとなってるそうですが、この先生がとてもいい。すっかりファンになってしまった(笑)
どうか長生きしてください(^^)


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本屋さんのある街で/凪良ゆう・瀬尾まいこ・坂木司・一穂ミチ・三浦しをん 著

本屋さんを愛する5人の作家が、本屋さんを描く5つの物語。

『続きは書店で』 瀬尾まいこ
書店でバイトしたいと占い師のもとにやってきた若者。店はあと1ケ月ほどで閉店することが決まっていた。

『歌うように生きて』一穂ミチ
飲み会で出会った中国出身の劉陸海。「桜を見に行きませんか」と誘う彼が指定したのは、意外な場所だった。

『手に取って見てみろよ』坂木 司
本屋の前でふられた。結婚も考えていた職場恋愛の彼女に。その勢いで退職し、友人の誘いで雇われ店長に……。

『小鳥たち』凪良ゆう
結婚生活を終わらせ、父の書店を継ぐことを決めた。改装中のある日、かつて淡い想いを抱いていた同級生がやってくる。

『見晴らし書店の一日』三浦しをん
東京の西の郊外で曾祖父がはじめた小さな書店。いまは、祖母と父親、失恋した私で営んでいる。

人気作家5人が書店とそこで働く人たちへの愛をこめて贈る、珠玉のアンソロジー。

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アンソロジーってすごくイイ!
片寄りがちな本選びで、今まで出会うチャンスのなかった作家さんに 出会えますからね(^^)

前回読んだアンソロジーもそうでしたが、五人五色の物語。本屋さんへの愛をベースに いろんなテイストが楽しめる一冊でした。

ハートウォーミングなストーリーが占めるなか、一穂ミチさんの《歌うように生きて》だけは スパイスがものすごく利いていて、この一冊をぐっと引き締めているように思いました。

雲間から満月が覗いている。
かすかにふるえるリウ。
ルンの手をとり呟く。
『穿过大半个中国去睡你』
ルンには意味がわからない。
その中国語の意味がわかるのはずっとあと。
それは詩集のタイトルだった。

美しく幻想的で、情熱的な愛の告白なのに、儚くとても切ないシーン。《歌うように生きて》のお気に入りのシーンです(^^)

一番好きなストーリーは、凪良ゆうさんの《小鳥たち》。不器用で優しい常連さんたちや 正直でまっすぐな同級生とのふれあいが温かくて、主人公の痛い過去すら吹き飛ばしてくれます。

凪良ゆうさんは初見でしたが、湖国の民であることを知り『もう推すしかない!』と鼻息荒くしています(笑)

それにしても・・・
本屋さんと失恋(破綻)て、題材にしやすいんかな(笑)


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最後の晩餐/江國香織・金原ひとみ・角田光代・寺地はるな・原田ひ香・藤野千夜・井上荒野

あなたは人生の最後に何を味わいますか?
当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ、自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー。

弥生子は「最後の晩餐」について語り合う若い夫婦の会話を盗み聞きして──
江國香織「コインランドリーの夜」

失恋したクズハの家に、女友だち三人は最期に食べたいものを持ち寄って──
金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」

最後のごはんは、鰻がいいっておとうさん言っていたのに、このままだと──
角田光代「最後の鰻」

経理の小曾根さんが退職することになり、送別会を開いたが──
寺地はるな「小曾根幸子の送別会」

ライターの明日香は、今は亡き遠縁の作家の「最後の晩餐」について執筆することに──
原田ひ香「最後に、何を食べたの?」

還暦のゆかり、9つ上のチロルねえちゃんと62歳の笹子の最近の話題は──
藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」

�犧埜紊糧媚銑瓩箸いε垢�長野にあるという。夫を亡くしたばかりの桜子は娘たちとそのお店を探すが──
井上荒野「本当の話」

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個性際立つ作家さんたち(^^)
《最後の晩餐》というお題で これ程テイストの違う物語が出来上がるのかと感動してます。
七人七色どれも読みごたえがありました。

やはりしっくりきたのは、江國香織さん、角田光代さん。すぅーっとお話の世界に入り込めたし、ラストまで登場人物に寄り添えた気がします。

一番好きな物語は意外にも初見の寺地はるなさんでした♪
上向きの気持ちで颯爽と会社を去ってゆく小曾根さんと 見送る者たちのくすぶるような心情が対照的なお話。なかなかに味わい深い世界でした。

江國さんの《コインランドリーの夜》の一節『離婚以来、生活は驚くほどシンプルになった。自分のことだけ考えていればいいというのは、なんと広大無辺に淋しく自由なことだろう』が とても印象深くて、思わずメモってしまった(笑)


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妻が余分/新津きよみ 著

定年退職を目前にして長き単身赴任生活から 家族の住む家に帰った小宮山元。知らぬ間に義母が同居し、大事にしていた物も妻に勝手に捨てられていた。もはやそこに自分の居場所はなかった。
半ば自棄で空き家になっていた実家の整理をはじめた彼は 思わぬものを見つけ……。

表題作「妻が余分」ほか 熟年からの身の振り方や人間関係に惑う男女の姿を軽快に描く全7篇。珠玉のシニアミステリー短篇集。

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《ミステリー集》という謳い文句で借りましたが、欲していたミステリー感はなかったです(^^;)
タイトルから想像した殺人事件も起こりません(笑)

還暦を過ぎた主役たちの悲哀がとにかく切なくて、シニア世代のリアルが身に染みた一冊でした( ω-、)

ですが、7つ目の《十年日記》だけは序盤こそ淋しさ満載でしたが、中盤からはほのぼの感。指輪の持ち主見つかって亡くなったおばあちゃんもさぞやお喜びね、で終わりかと思えば さらに驚きのラストへ。最後4頁で一気にハートフルに変わります(^^)
この物語が最後で良かったです。
心のもやが晴れた気分(笑)

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天国行きのバス/清水晴木 著

「ちゃんと、さよならをしよう」

別れをちゃんとすることの大切さ──。
大切な人の分を生きることはできなくても、大切な人のために生きることはできる。不思議なあの世を走る天国行きのバスに乗った人、乗り合わせた人の最後の別れを描く、書き下ろし連作作品集。

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親子の別れ、兄弟の別れ、夫婦の別れ、親友の別れ──大切な人との別れは突然やってくる。
さよならを告げられなかった4人の登場人物が、天国への旅路に存在するという不思議なバスに乗車することで、思いがけない人と再会する。

ちゃんと悲しんで、ちゃんとお別れすることって、遺された人が一歩踏み出すために 本当に必要で大切なことだとしみじみ思う。

本のなかでは 眩しい夕日を背景に、西部劇の映画に出てくるような寂しい荒野をバスが走っていく。
けれど、大切な人と最後のお別れができた《天国手前》の停留所からは 景色が変わる。色とりどりの美しい花が咲く丘。
本の表紙には、そんなあたたかな世界が淡い色合いで幻想的に描かれている。

亡くなってからのお話だから やっぱりどれも切なくて悲しかったけれど 美しい装画に少し救われた気分。


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ないもの、あります/クラフト・エヴィング商會 著

よく耳にするけれど、一度としてその現物を見たことがない。そういうものがこの世にはあります。
たとえば「転ばぬ先の杖」。あるいは「堪忍袋の緒」。
こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか?
このような素朴な疑問とニーズにお応えするべく、わたくしどもクラフト・エヴィング商會は、この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せて、読者の皆様のお手元にお届けします。

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2025年本屋大賞「超発掘本!」に選ばれた一冊です(^^)

よくぞこんなに集まった23の品々(笑)
確かに、聞いたこと口にしたことはあるのに 見たことがない(笑)
それらを商品化するといったユニークな発想(^^)

誰もが欲しがる人気商品、添えられた取説は ムフフと笑えるだけでなく、使い方を誤るとそこには落とし穴があるという人生の教訓まで。

商品番号・第14番《鬼に金棒》
商品はもはや 鬼の面をかぶったふざけたおじさん。
とても欲しい!(笑)

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ただいま神様当番/青山美智子 著

ある朝、目を覚ますと手首から腕にかけて《神様当番》と太くて大きな文字が書かれていた!
『お当番さん、みーつけた!』突如目の前に現れたおじいさん。

『わし?わし、神様』
『お願いごと、きいて』
神様を名乗るおじいさんの願いを叶えないと、その文字は消えないようで……。

幸せの順番待ちに疲れたOL、弟にうんざりしている小学生の女の子、リア充と思われたい男子高校生、乱れた日本語に悩まされる外国人教師、部下が気に入らないワンマン社長。
奇想天外な神様に振り回されていたはずが、いつのまにか彼らの悩みも解決していて……。
ムフフと笑ってほろりと泣ける、5人の神様当番さんの全記録。

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大好きです!青山さんのあたたかな世界(〃´ω`〃)
読む前からわかっていたホッコリ感。今回もしっかり心和ませていただきました♪

日常に少しだけ不満を抱える5人が 本当に大切なものに気づき、前向きになるという短編集。
構成やストーリー自体はこれまで読んだ作品に共通している部分もありますが、自分自身の本音が《神様》という形で自分の体を自由に出たり入ったりするところが ユーモラスでファンタジー。他とはちょっと違いましたw

このやっかいな神様、キャラ設定が独特。
額からてっぺんに向かってつるつるで、頭の両脇に白い毛がもわもわ生えていて、白ラインの入ったえんじ色のジャージを着ているお調子もののお爺ちゃんていうw

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裏表紙にも登場していますが、ワタシは読み始めから イメージはこの方↓

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吉本の茂造さんでした(笑)

表紙にも実は登場している神様。
のんびりと長い下り坂は 神様のえんじのジャージ。その向こう谷間に見えている光輝くそれは 神様のハゲ頭(笑)
驚きの仕掛けに気づいたときの感動たるや(笑)装画の田中達也さんグッジョブ!(^^)

仕掛けといえば、5人が乗り合わすバスの発車時刻。7時23分。これは、青山さんの遊び心で《おなじみ》の語呂合わせだそうです(^^)

他の作品にも登場する人物が出てくるという青山さんの作品の特徴、この作品でも見つけました。
《猫のお告げは樹の下で》のアイドルグループ・キュービックのたっちん、ハチワレのミクジ、《リカバリー・カバヒコ》のスグル。

二番目のお当番、千帆ちゃんの弟として登場するスグル君(小学3年生)に至っては、理解不能だけれど 大好きなキャラ。性格の良さもさることながら そのセリフが忘れられません↓

『あっ、そうだ、ねえちゃん!』ハムエッグを口に入れたままスグルが言った。『鼻くそってハムの味がするって知ってる?』

愛すべき小学3年生(笑)


またしてもお気に入りの1冊に(о´∀`о)


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春の旅人/村山早紀 著 +げみ 挿絵

小説とイラストの、しあわせな融合。
村山早紀の未発表作品を含む3つの短編を、イラストレーター・げみの世界観に寄り添うやさしいイラストが彩る。
どこまでもやさしい、3つの物語──。

《花ゲリラの夜》
さゆりさんは、いつもポケットに花の種や小さな球根を隠し持っている。散歩のふりをして、町中に種をまくのだけれど...。
《春の旅人》
夜のゆうえんち。そこで出会ったおじいさんから、ぼくは星をみながらとあるお話を聞くことになった。
《ドロップロップ》
ドロップロップ かんを ふると ころん──。大人も子どもも楽しめる、カラフルなお話。

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『花を盗む人のことを、花どろぼうという。じゃあ“花ゲリラ”っていうのはなにかというと、公園や空き地やよその家の庭なんかにこっそり花の種をまいたり、球根を植えたりする人のことをいうんだと、前にさゆりさんから教えられた』

さゆりさんは ただの花ゲリラではない!お花が咲くまで 人知れず面倒を見るから 責任感ある花ゲリラなのだ!とワタシはさゆりさんを弁護したいw

寂しさややるせなさに あたたかく寄り添う幻想的な3編でした(^^)

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約束の猫/村山早紀 著+げみ 挿絵

4匹の猫が、あなたのもとへ。

《七日間のスノウ》
小学生の真実ちゃんは、公園で真っ白な子猫を拾い、秘密の隠れ家で育てようとするのだけれど……。
《五千年ぶんの夜》
引っ越してきたばかりの街。わたしは出会ったばかりの猫と一緒に、人間と猫の歴史を調べはじめた。
《春の約束》
みいこは、久しぶりに訪れたおばあちゃんの家で、あるお話を聞きます。それは、昔この家に遊びに来ていたという猫のお話でした。
《約束の猫》
頭に星の形の黒いぶちがある「星子」という名前の猫と、大切な「お父さん」の物語。

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村山早紀さんの別の本を借りたくて図書館へ。すると、借りたい本と並んでうす〜い本が2冊。ページをめくると挿絵が可愛くて そのまま借りることに。借りたかった本は また後日w

村山さんの作品は《花咲家の人々》以来、7〜8年ぶり。
あとがきを読んでると 子ども向け作品と書き下ろしで構成されてるというだけあって、平仮名が多く、分かりやすい言い回しで、コーヒータイムで完読できる短編集でした。一応、児童書ではなく、一般の書棚に並んでたんですけどね(^^;)

捨てられた子猫、野良の子猫。
登場するニャンコたちは一様に可愛くて、容姿や仕草に目尻が下がるだけでなく、その子たちの命の儚さに涙もしてしまう愛おしくて悲しい4つのお話。

よくよく調べると 村山さんの作品には 猫が登場する物語が多いようです(プライベートで 30年もニャンコと暮らしておられます)。
なのでか、本作も猫愛が溢れていました。

ニャンコ好きなら たまらない1冊(^^)

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リカバリー・カバヒコ/青山美智子 著

──その傷の痛みも きっとまた、リカバリーできる──

5階建ての新築分譲マンション、アドヴァンス・ヒル。近くの日の出公園には古くから設置されているカバの遊具があり、自分の治したい部分と同じ部分を触ると回復するという都市伝説がある。
人呼んで “リカバリー・カバヒコ”

アドヴァンス・ヒルに住まう人々は、それぞれの悩みをカバヒコに打ち明ける。
急な成績不振に悩む高校生、ママ友に馴染めない元アパレル店員、駅伝が嫌でケガをしたと嘘をついた小学生、ストレスによる不調で休職中の女性、母との関係がこじれたままの雑誌編集長……。
誰もが抱く日々の悩みにやさしく寄り添う、青山ワールドの真骨頂。心がじんわりほどける、再生の物語。

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2024年本屋大賞ノミネート作品です(^^)

本作は《リカバリー=回復・再生》がテーマになっています。
主人公たちが 病んでしまうほど悩む状況には 胸がチクチク痛みましたが、逆にリカバリーされたときは その反動で、ココロのメーターがプラマイ“0”ならぬプラマイ“+++”になってるという効果。大いに癒されました(^^)

派手な展開はないけど 心がほぐれていく感じがたまりません(*T^T)

人との繋がりを丁寧に描かれる青山さん。今回も短編連作でありながら 全員が しっかり関わりを持ち、ひとつのストーリーに仕上げておられます。

そして、リカバリー・カバヒコの都市伝説。そもそもの始まりは、サンライズ・クリーニングのおばあちゃんが 遥か昔に まだ幼い我が子を思い即興でこしらえた作り話でしたが、

カバヒコは一人を癒し、また次の悩める人を癒し、また次の、、、という風に繋がっていきます。人がバトンを渡すことで、カバヒコは伝説となり、なん十年経った今もなお悩める人々を救い続けているのです。

1人のお母さんの愛、それを紡いでいく人々。あぁなんて壮大で優しい世界なんでしょう(*T^T)青山さん好きです。カバヒコもw

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ひと/小野寺史宜 著

母の故郷の鳥取で店を開くも失敗し、交通事故死した調理師の父。女手ひとつ、学食で働きながら一人っ子の僕を 東京の私大に進ませてくれた母──その母が急死した。

柏木聖輔は二十歳の秋、たった一人になった。全財産は百五十万円、奨学金を返せる自信はなく、大学は中退。仕事を探さなければと思いつつ、動き出せない日々が続いた。

そんなある日の午後、空腹に負けて吸い寄せられた商店街の惣菜屋で、買おうとしていた最後に残ったコロッケを 見知らぬお婆さんに譲った。 それが運命を変えるとも知らずに……。

最近、本屋大賞を受賞した作品を借りることが多いんですが、こちらは 2019年 第2位に選ばれた作品です(^^)

財布の中には55円。空腹に耐えかねて買おうか迷う50円のコロッケ──出だしから切なかった(;ω;)
追い討ちをかけて明らかになる主人公の身に起きた痛ましい出来事の数々、、、。親目線で読み始めたせいか、序盤からもう胸が痛かった。

表紙のイラストも 主人公の悲哀を感じるあまり、手に取るたびに気持ちが重かったのですが、この青年が “ひと”に利用され、傷つけられても、逆に守ってくれる“ひと”に助けられ、ぶれずに真っ直ぐ生きていく様に徐々に気持ちが軽くなったように思います。
読後に見る表紙の青年の眼差しには はっきりと先を見据える意思の強さを感じられ、印象がこんなに変わるものかと不思議でした。

パアッと明るい結末を迎える、という展開にはならなかったけども 孤独な主人公が “ひと” と繋がり、あたたかさにふれ、大切なことに気づくラストを見届けたとき、とても晴れやかな気分に。

文章が長いと途中迷子になりがちなワタシなんですが、この作品は文章がとても短く区切られているのが特徴。なので、迷子になることなくさらっとテンポ良く読めましたw

あと、コロッケが無性に食べたくなる小説です間違いなく(笑)

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猫のお告げは樹の下で/青山美智子 著

失恋した相手を忘れたい美容師見習い、中学生の娘と仲良くなりたい父親、なりたいものが分からぬまま就活に励む大学生、家族をないがしろにしたと後悔する頑固じいさん、転校したばかりでクラスに馴染めない小学生、夢を諦めるべきか迷う主婦、自分のしたいことに臆病になった人気占い師。
ふらっと神社にやってきた迷える7人は、不思議な猫《ミクジ》と出会い、神社にあるタラヨウの葉っぱを授かります。そこには 本人にしか見えない言葉が書かれていて、それが「お告げ」だと気づいたとき、思い悩む人たちの世界は温かく変わっていきます。
心がふわっとあたたまる連作短編集。

えーワタシは 声を大にして言いたい!(突然なんや!?)
『青山さんの作品はハズレがない!』とw
すっかりハマってしまった青山美智子さん(何回か言うてるw)
寄り道をしても また必ずここに戻ってきたくなる魅力があります。お慕いする川上弘美さんに続く記念すべきお二人目(^^)

物語で興味深いのは、7人の主人公が 次のお話の登場人物とさりげなく出会うシーンが 必ず出てくること(《人魚が逃げた》もそうでした♪)青山さんならではです(^^)

そして、決まってその人物を羨ましく思ってしまうこと。羨ましがられてるとも知らず、主人公たちは自分を “ツイてない” と思い込んでいる設定。
現実社会でありがちな心情は とてもリアルで、虚構の物語であることを忘れさせてしまうほどでした。

“隣の芝生は青い症候群”から救い出すべく、ミクジの授ける何でもない言葉(お告げ)が 徐々に力を発揮していく展開や、お告げの意味に気づき つまづきながらも7人それぞれが 前を向いて歩き出すという結末に 今回も心ゆくまであたためてもらいました♪(特に好きなのは、中学生の娘と一緒に推し活する悩めるお父さん。笑ったし泣かされた〜!)

そして、この物語の仕掛けにも触れますと、他の作品の登場人物が キーパーソンとして顔を出しています。

たとえば、夢を諦めきれない主婦の章で登場する輝也パパは『木曜日にはココアを』で、絵の才能が開花する頃の彼の未来の姿であるし、

馴染めない転校生の章で登場する養護の姫野さゆり先生は『お探し物は図書室まで』の司書、小町さゆりさんの独身時代という貴重な過去であるし、

他の作品とも繋がりを持たせています。
青山さん大好きマンなら気づいてニンマリするところです(^^)

ラストで宮司さんがほのぼの語る《ここだけの話》は、7人の気になるその後が紹介され、その活躍にじんわりと優しい気持ちで本を閉じることができます。

読めば読むほど優しくて心あたたまる物語でした。
もうホンマ大好きです(〃ω〃)

お気に入りの一冊がまた増えました♪

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口に関するアンケート/背筋 著

日常的に行動を共にする大学生グループが、心霊スポットとして知られる山奥の墓地で肝試しを行う。しかし、そのうちの1人が翌日失踪した。その後、この事件に関わる人物たちが新たに現れ、失踪者を除く計5人が、順々に証言を始める。錯綜する奇妙な証言のたどり着いた先は───。

背筋さん、初見でした。
《近畿地方のある場所について》の作者だと後で知ることに(^^)

ホラーは苦手なのに、手のひらサイズの大きさ(カセット大)と63ページという薄さに惹かれ、表紙に描かれたやたら朗らかな女性の口元に『さほど怖くなかろうて』という安易な推測でうっかり借りてしまった一冊w

怖かったわ、、、。

心霊スポットを訪れた大学生グループが体験した出来事についての証言「回答音声」を書き起こす形式で物語が進行します。

最初の人物の証言で大まかな内容はわかるものの、どういう設定で録音されたのかは謎のままで、真実に辿り着くのは最後の最後。
本作ラストに付された表題の「口に関するアンケート」、一見、読者に対するアンケートのようで、実は本作の謎を紐解くメッセージになっています。
最後問7に至った時、録音時のシチュエーションが明らかとなり、なんとゾッとしたことか。恐怖恐怖(泣)

不気味なのは ストーリーだけではなく、本に施された仕掛けにもあります。
裏表紙の黒い部分、お話の中で “呪いの象徴” とされるセミが ぎっしりと印刷されてるそうです(ワタシには見えん泣)

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本文の所々が 黒文字から赤文字に変わる部分も怪しげで、ネタバレすると 証言が赤文字に変わると その人物は自ら命を絶つという恐ろしい合図になっています。

口は災いのもと。
ご神木が 人から人へ伝えられる中で いつしか “呪われた木” となってしまうように、人が口にした言葉は 良くも悪くも現実を変えてしまうという怖さ。

こうして感想を記事にしていますが、もしや作者の意図しない解釈をしてるのではないかと不安がよぎるタイミングで、窓から聞こえるセミの鳴き声が突然大音量に変わり、ちょっとビビっています( ̄∇ ̄;)


苦手なホラーですが、お気に入りの一冊に♪

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グレタ・ニンプ/綿矢りさ 著

俊貴は控えめで笑顔が可愛い由依と結婚する。
不妊治療を4年続けた末、夫婦2人で生きていくと決めた矢先、俊貴が仕事から帰宅すると、由依が珍妙な格好で踊っていた。「ヨウセイダーーーーッ!」。
妊娠した喜びで(!?)由依は内面、外見ともに豹変。髪型はデニス・ロッドマンのような紫色の坊主頭、喋り方は『ドラゴンボール』の孫悟空のようになる。
驚きと笑いに満ちた夫婦の日々を描いた「グレタ・ニンプ」と、バレンタインに手作りチョコを!壮絶な一夜の奮闘を描いた「深夜のスパチュラ」の2編を収録。

綿矢りささんの作品と言えば、当時19歳の若さで芥川賞を受賞された《蹴りたい背中》以来。あれから23年経ち、作風がどう進化したのか、読む前とても楽しみにしていました。

読後の率直な感想は・・・
なんちゅーぶっ飛んだマタニティコメディーなんや!!!
進化どころの騒ぎやあらへんがな!(笑)

思春期の居心地の悪さとか 感情の微妙な揺れを描いた《蹴りたい背中》とは とても同じ作家さんが書いたとは思えないほどのおふざけ感(笑)...良い意味で。

目次を紹介しますと───
一、 『八つ墓村』と化した妻
二、 妻そしてデニス
三、 スキンヘッドパープル
四、 たん、たん、不妊治療つらたん
五、 ヘイキング
六、 あつ子の元氣印
七、 ホラー出産
八、 愛羅武勇我子
これだけ眺めてもぶっ飛んでるのがわかります(笑)

クリニックの待合室で読み始めてすぐ後悔しました。笑いをこらえるのに必死のパッチでw

本文中の文字のデザインや大きさ、フォントを変えるという珍しい試みもされており、漫画のように楽しめて 面白さ倍増です。

出産の細やかな描写、育児に奮闘するくだりを読んで、ふとよみがえったワタシ自身のワンオペ育児。

『ヴオオオアノヤロォ!!!((ヾ(≧皿≦メ)ノ))』
主人公 由依ちゃんのように怒り震えています(笑)


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元カレの猫が、居座りまして。/石田祥 著

34歳のまさきが 元カレから預かった猫の“ヨミチ”は、ブサイクなうえ、なんと人間の言葉を理解して関西弁で喋り出す。
だみ声のおじさん口調で 一丁前に恋愛指南ばかりするが、なぜか時折的を射たアドバイスもまぎれている。おかしな猫だが、まさきにとっては大事な猫だ。
今作ではまさきの恋人・矢代を狙うライバルや、まさきの母の家族トラブルが勃発。
待望のシリーズ続編!

先月は大相撲中継とポイ活に時間をとられ、最多7冊借りてた本も(予約本は容赦なく順番が回ってくるのだ汗) 期限内に完読できず、どれもこれも中途半端で泣く泣く返却するというお粗末な事態を招きましたので、腰を据えて読みきったのは久し振りです( ̄▽ ̄;)

そして久し振りにどハマリした登場人物。と言うか、猫(笑)

今カレの訪問に『やっさん。こんばんわんこそば』とダジャレをかまし、

『オカンゆうんは、歳取ってもオカンや。子供が寒いより、自分が寒いほうがマシや。まさやんのオカンはそういうタイプや』と主人公まさきの母の心情を読み取り、

『悩むんは、メシ食うて、酒飲んで、風呂入ってからでもええがな。心配せんでも悩みは逃げへん。だから一番後回しや。なんなら、明日とか明後日とかでもええ』と悩めるまさきに寄り添ったり。

毒舌ですが 温かい言葉で ほっこりさせてくれる関西弁のオモロ猫(^^)週一と言わず、毎日猫缶あげてほしい!(笑)

こちら続編ということで、順番は逆になりましたが、第1作の《元カレの猫を、預かりまして。》も期待大につき、早速予約(^^)v

お気に入りの一冊となりました♪

1000637593

京都市民限定で求人が出ているとあるバイトについて/円居挽 著

「あなた、京都市民ではないですよね?」
"よそ者"にはたどり着けない世界が、京都にはあるらしい──。

閉じた田舎から出て、黒髪の乙女と出会う青春を夢見て京都の大学に進学した青年、神田祟。
なのに四回生の冬になっても、何の役も、何の縁も、何の物語も得られなかった。
そんな彼に唯一垂らされた蜘蛛の糸。
裏の仕事を斡旋する妖しげな古道具屋の女主人との出逢いにより、祟の奇妙なバイト生活が始まる。

謎まみれのやたら長いタイトルに惹かれて借りました。ストーリーは表紙の陰鬱さが そのまま反映されてます。
京都の土地柄、お人柄がふんだんに描かれたミステリーホラーな大学生のバイトの記録でした。

第12話の途中で、突如時間が巻き戻される現象、何度読んでも意味がわからずで、ネットで調べたら《誤植》ではないかとの声声。う〜む(´-ω-` ;)

読んでる途中、森見登美彦さんがちらついたのは、作者が森見氏を意識されていたからでしょうか。

尻切れトンボで置いてけぼりの読後感ですが、きっと続編があるのでしょう。期待します。


1000637191

神の光/北山猛邦 緒

一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の街にある高レートカジノで、見事大金を得たジョージ。誰にも見咎められずにカジノを抜け出し、盗んだバイクで逃げだす。途中、バイクの調子が悪くなり、調整するために寄った小屋で休むが、翌朝外へ出ると、カジノがあった砂漠の街は一夜のうちに跡形もなく消えていた──。
表題作を始め、奇跡の如き鮮やかな5つの消失劇を収録した傑作推理短編集。

時空や国も超えたミステリー。ホラーや輪廻転生が盛り込まれるという現実離れした設定なのに、トリック自体は物理的に緻密で堅実。ギャップが面白くてページをめくる手が止まらなかった。

中でも、《藤色の鶴》がお気に入り。
時代設定がなんと、1055年から2055年の千年。
それぞれの時代で消失したトリックは、具体的に明かされるものもあれば、明かされず読者に委ねられるものもある。
幻想的な余韻がたまらなかったw


1000636834

新!店長がバカすぎて/早見和真 著

前作で宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、三年ぶりに吉祥寺本店に店長として復帰するところから今作は始まる。 張り切る店長だが、相変わらず人を苛立たせる天才だ。
そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っている。 スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら──。
小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。

第1作目の《店長がバカすぎて》があまりにも面白かったので、借りた続編。

京子さんが契約社員から正社員となったことで、新たに生まれる不満と不安、帰ってきた店長の暴走っぷりはマシマシで、読後、負の感情の描写が印象に残ってしまう程。前作と比べて笑いの要素が控えめだったから、なのかもしれません。
書店員さんを労いたくなったのは 前作と変わらず。

新たな覆面作家登場に興味がそそられますが、その正体は 結構早い段階で気づきます(笑)わかりやすい仕掛けでした。

ラストでは 続編を匂わす新たな刺客が登場したかと思えば、第三弾《さらば! 店長がバカすぎて》が すでに昨年9月に刊行されてるとのこと。
こちらもまたいずれ(^^)

1000635885

お稲荷さまの謎解き帖/朝水想 著

俺が稲荷神となって、はや三百年。偉大なる大神様から「誉人(ほまれびと)」として選ばれた人間の願いを叶えよと言い渡され、今日も神社で人々の願いに耳を傾けている。
俺は人智を超えた神の力を使えるが、人間の心の機微がさっぱりわからない。今回やってきた誉人の女は、病におかされ余命わずかにもかかわらず「どうか私が殺されますように」と願った。遠からず命が失われるのに、一体何のために、誰に殺されたいのか?俺は彼女の願いを叶えることはできるのか──?

神様の少年が解き明かす、人間の不思議と宿命。読後、温かな幸福感に包まれるハートフルな神様ミステリー!
第46回小説推理新人賞受賞作。

いやぁ面白かったぁ〜♪
《神様》《ハートフル》《謎解き》など大好物ワードが並んだだけでも興味をひいたのに 内容もがっつり好み(笑)
笑いあり、涙あり、感動あり(^^)

シンプルな描写は読みやすく、飽きさせない早い展開で さらっと完読♪

『私が殺されますように』『幽霊に会えますように』『あの子が選ばれませんように』『あの人を騙せますように』という誉人たちの一風変わった願い事に悪戦苦闘する少年の神様。その真意に辿り着くたびに 人間の思いに共感できるようになる、いわば神様の成長記録のようなお話です(^^)

この神様、心は成長していくのに 言い回しが神様のままなとこ(誰に対しても常に上からwそして江戸時代の口調w)が 笑えるポイントです。

読み終えてすぐから 次が読みたくなる作品。
シリーズ化に期待します!(^^)


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ヤモリさんとご褒美/群ようこ 著

キョウコは、有名広告代理店を45才で早期退職し、貯金を切り崩しながら相も変わらず、古いアパート「れんげ荘」で月10万円のささやかな生活を送る。
義姉や姪のレイナ、友人のマユちゃんの相談にのったり、お隣のチユキさんと隠れ家でランチをしたり...。
そんなキョウコの癒やしは、散歩で出会う彼女が密かに棟梁と名付けた犬、兄夫婦が飼っている猫の動画や、時折訪ねてくるヤモリ。そしてたまに自分にご褒美で、鰻の特上を食べたり──ささやかな幸せを身の周りでみつけながら、ゆっくり丁寧に暮らすキョウコを、温かく濃やかに描く書き下ろし長篇、シリーズ第10弾。

1〜9弾すっ飛ばして読んでしまった第10弾(笑)やはり、1弾から読んだほうが人間関係がより分かりやすいかな。

エッセイのような読みやすさで、大きな事件はないけれど “幸せな時間” が丁寧に描かれた作品でした。

動物たちに癒されながら 無理なく暮らす生活、ちょっと憧れます(月10万円のやりくりは驚異w)


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貝殻航路/久栖博季 著

北方領土を指呼の間にのぞむ土地で育ち、結婚を機に港町・釧路に移り住んだわたしのもとに、アラスカからの豪華客船寄港の報が届く。
立ち寄る人、去る人が交差する霧にけぶる釧路の町で、わたしは過去の痛みに苛まれる。
アイヌの血を引く夫の不在、かつてロシア船に拿捕された漁師だった父の背中、灰色の海の彼方にたたずむ光を失った灯台── 戦後の歴史と民族の記憶が北の大地に残した微かで確かな航路を辿る。

芥川賞候補作ということもあり、借りてみた。

「『北方領土だからね、壊れても修理にいけないから』
もとは日本の灯台だったのに、今ではもうこちらからは誰も行くことができない。できることは、ただ朽ちていくのを望遠鏡で眺め続けることだけ、もう何十年もそうだ。」

この小説に登場する貝殻島の灯台を調べてみた。

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孤独と哀しみが 静かに描かれた作品だった。

この朽ちた灯台が象徴するように。


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太陽の塔/森見登美彦 著

京都大学の男子学生が「なぜ、自分は彼女に一時期とはいえ、あれほど心を奪われたのか」「なぜ、彼女は自分を袖にしたのか」という疑問から、かつての恋人を「未練からのストーキング」ではなく、「観察と研究」という名目で追いかける、京都を舞台にした妄想青春小説。
森見登美彦氏のデビュー作。

205頁のやや短めの小説なのに、拗らせオタクの世界観を理解するのに、京大生の小難しい言い回しを読み解くのに、やたら時間がかかりました( ̄▽ ̄;)
完読した時の脳の疲労感たるや(笑)

男臭プンプンする描写が多いと思ったら この作品の謳文句が『失恋を経験したすべての男たちと これから失恋する予定の人に捧ぐ』でした。なるほど。
面白い小説でしたが、筆者の言うところの対象者が読めば、ワタシが拾えなかった面白ポイントを根こそぎ回収できるのではないかと思います。

良くも悪くも 森見登美彦氏のイメージが変わった作品です。

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ツバキ文具店/小川糸 著

言いたかった ありがとう。
言えなかった ごめんなさい。
伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。
家族、親友、恋人⋯⋯。 大切に想っているからこそ、伝わらない、伝えられなかった想いがある。 鎌倉の山のふもとにある、 小さな古い文房具屋さん「ツバキ文具店」。
店先では、主人の鳩子が、手紙の代書を請け負います。
和食屋のお品書きから、祝儀袋の名前書き、 離婚の報告、絶縁状、借金のお断りの手紙まで。文字に関すること、なんでも承り〼。
鎌倉を舞台にした心温まる物語。

代書と言うと 本人に代わって美しい文字で清書するというイメージがありましたが、この物語では、依頼者の心や体になりきって文字を綴る(作中では 様々な人の字に憑依する、と表現されてました)という意味が込められています。それは、文字には魂が宿るから、書き残された文字の中に書き手の心が脈々と生き続けるからだと。
美しく書くだけが代書屋のするべき仕事ではないと知ったときは、目から鱗でした。

主人公 鳩子のしたためる手紙は様々で、時に威勢の良い男文字を書いたり、時に目を閉じたまま文字を綴ったり(神業!)、時に鏡文字なる技を使ったりと(秘技!)、まさに想定外。驚きつつも 次はどんな手紙!?という期待感が否めません(筆者の意図するところではないと思うけど、、、)

ちなみに、作中登場する実際の手紙は 萱谷恵子さんという方がすべておひとりで具現化されたものだそうで、それにも驚きました。

あと、筆記具や便箋、切手選び、手紙の書体など 細かく描かれているのがとても興味深く、手紙の奥深さ素晴らしさを今一度再認識するきっかけになりました。
手紙文化が少しでも長く続きますようにと 無責任に祈るワタシです。

鳩子の成長とその後の人間模様は さらに続編で描かれているようで、幸せな未来を期待しています。

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そういうことなんだ/五味太郎 著

1997年に刊行されたエッセイ集『そういうことなんだ』が装い新たに再登場。
なんとなく複雑で、なんだか難しく見えるこの世界。けれど、複雑にしているのも、難しくしているのも、人間のやること。その”やること”をすこしすっきりさせれば、世界だってすこしすっきり見えてくる──。
そんな五味太郎の視点で綴られた52のエッセイ。

少しだけ加筆訂正されたとはいえ、28年の時を経て復刻したとは思えない今の時代にも刺さる言葉。

五味太郎さんの物事の捉え方が独特で、ひょうひょうとした文章をぼんやり読んでいると『そういうことなんだ!』とハッとするページが突然あらわれてビックリします(笑)

肩の力を抜きたいときにおすすめのエッセイです。

落書き風のイラストも 文章にマッチしてて良き(^^)


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君のクイズ/小川哲 著

生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』決勝に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆がまだ一文字も問題が読まれぬうちにボタンを押し正解し、優勝を果たすという不可解な事態を訝しむ。

いったい彼はなぜ正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり──。

クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる小説です。

ひと言で言うなら “謎解きミステリー”
186頁の短めの小説ということもあってか、真相が解明されていくスピードが早めで 一気に読めます。次が知りたくて 翌日に持ち越したくないと思わせるのは、筆者の思惑通りでしょうか。

ラストで自らに投げかける問題『ずばり、クイズとは何でしょう』に即答した三島の答えは、クイズをこよなく愛する純粋なオタクらしくて、正解のピンポンを鳴らしてあげたくなりました。

あと、

この小説、なんと映画化され 今月15(金)に公開とのこと!まさに旬の作品ですね。

イメージ通りのキャスト陣に驚き!

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月曜日の抹茶カフェ/青山美智子 著

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店《マーブル・カフェ》
そのマーブル・カフェが定休日の月曜日に、一度だけ《抹茶カフェ》を開くことに。
ついていない携帯ショップの店員と愛想のない茶屋問屋の若旦那、妻を怒らせてしまった夫とランジェリーショップのデザイナー兼店主、恋人に別れを告げたばかりのシンガーと実家の祖母と折り合いが悪い紙芝居師、時代に取り残されたと感じている京都老舗和菓子屋の元女将と京菓子を買いにきたサラリーマン、、、。

思い悩む人々が 誰かの何気ない言葉で前向きな気持ちになっていく。人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押している。
これは、一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心温まるストーリー。

『木曜日にはココアを』の続編として書かれたこの作品、おなじみのメンバーが登場します。

前作のココアより 少しばかり渋みがきいていました。
時には心が傷つく出来事も起きるけれど 実はそれが幸せの始まりだったり、渋みからほんのり甘さが広がる展開は 抹茶そのもの。
今作は それに加えてほろりと涙がこぼれる場面がいくつかありました。
気がつけば、青山さんに心を羽交い締めにされた感じ。
もうすっかりファンですワタシ(笑)

リレー形式でいろんな人に「縁」というバトンを渡していくという描かれ方は 前作から変わりません。

『この縁は、きっと宝物になる』そう信じずにはおれない物語でした。

装丁は 引き続き田中達也氏。
読後、表紙 裏表紙に登場人物を探す作業が やっぱり楽しかった♪
難易度高めのシロネコちゃんを見つけたときは声出ました(笑)


【豆知識】

本日は 図書館記念日(^^)

日本の図書館の意義や役割を考える日なんですって。

ワタシにとって図書館は なくてはならない癒しの場所。

出来ることなら 館内の一角にテント張って住みたいくらい(笑)


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いつもの木曜日/青山美智子 著

《木曜日にはココアを》の12編の物語に登場したワタル、朝美、えな、泰子、理沙、美佐子、優、ラルフ、シンディ、アツコ、メアリー、そしてマコ。これは彼、彼女たちがあの日に出会う前の物語。
特別掌編として、キーパーソンとなるマスターも登場。

デビュー5周年記念作として一冊にまとめられた絵本のような素敵な作品です。

実に良かった!
とても良かった!
本当に良かった!

心のうちをうまく表現できない歯がゆさに地団駄踏んでいます(笑)
語彙力のなさ万歳(涙)

『《木曜日にはココアを》のあとは《いつもの木曜日》を読むべし!』とネットで紹介してくださった方、ありがとうございます。この気持ちが届くといいのですが、、、。ネットの先生に感謝。

89頁のとても短い作品ですが、青山美智子さんの世界観は 十分に楽しめます。物足りなさはまるでなく、読後はしっかり満たされ気分(^^)

登場人物たちの語る言葉はどれも共感できるし、癒されるし、勇気をくれるし、間違いなく温めてくれます。

それぞれ前作と同じカラーを纏ったショートストーリー、今度は別のアイテムが 美しいイラストで登場し 華を添えています。

本の表紙、裏表紙には やはり登場人物のミニチュアのフィギュア♪田中達也氏。
前作の表紙には登場しなかったマスターや作中に登場したニャンコと鳩、それに実物大のマーマレード瓶やワインオープナーも端っこに!見つけたときは 小躍りしました(笑)

読後に表紙 裏表紙までじっくり楽しめる本は 初めてです(^^)


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木曜日にはココアを/青山美智子 著

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店《マーブル・カフェ》
そのカフェで出された一杯のココアから始まる、心温まる12色のストーリー。
一見何気ない日常の小さな出来事たちが、やがて静かにつながり、最後にはひとつの命を救うという感動の展開へ。
やさしい時間が流れる物語。

ワタシが今ハマっているハートウォーミング小説の巨匠、青山美智子さんのデビュー作です。

時に勘違いや行き違いでぎくしゃくする人間関係も 違う角度から見ることで 相手の心の温かさに気づく、とか

あの時のなにげないひと言に、癒されたり満たされたり、とか

偶然の出会いが後々幸せにつながっていく、とか

青山ワールドがもれなくじんわりと染みてきます。

ほんの小さな行動でも 誰かを救っているかもしれない、逆に自分が救われてるのかもしれないと思わせてくれる物語でした。

気をつけないといけないのは──

読み終わった後の心のぬくもりが 冷えきらぬうちに また次の作品を欲してしまうという中毒性(笑)

今 ワタシの手元には この作品のスピンオフである『いつもの木曜日』と続編である『月曜日の抹茶カフェ』が順番を待っています(笑)
青山マジックにかかればイチコロ(笑)



【追記】

装丁のこと触れてなかったことに気づいて慌てています(汗)

注目ポイントなのに!

ワタシは存じ上げなかったのですが、田中達也氏が担当。大人気のミニチュアアーティストさんだそうです。

登場人物の面々がミニチュアのフィギュアで表紙 裏表紙を飾っています。

それぞれを象徴する色を纏っているので 作品との答え合わせも楽しいです♪

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犯人と二人きり/高野和明 著

謎が謎を呼ぶ、7つの怪事件。
スリルとサスペンス、驚愕の展開と見事な謎解き、そしてドンデン返し。ミステリーをベースに、ホラー、サスペンス、SF、ファンタジーなど、エンタテインメント小説のあらゆる要素を盛り込んだ、傑作短編の豪華詰め合わせ!

7つの怪事件が短編となっており、それぞれの主人公は 年齢も国籍も性別もバラバラで、おまけに時代背景も様々。それゆえ、どれから読んでも楽しめるし、必ずハマる怪事件に出会えます。
テレビ《世にも奇妙な物語》や《古畑任三郎》のような緊迫感を味わえました。

怖がりなワタシは 人を殺めてしまうストーリーが小説とて苦手なので、唯一ビビらずに読めたのは《ハードボイルドな小学生》。小学4年生の男の子が クラスメイトを中傷するビラを撒いた犯人捜しに乗り出すという設定。
この安心感たるや(笑)

この主人公、セリフは小4男子なのに、考察する言い回しが 完全に私立探偵。しかもおじさん風(←ハードボイルドミステリーにかぶれすぎてるため笑)
タバコチョコをくわえ、女子中高生を『年老いた女生徒』と呼んだりします(笑)
それでも探偵料は コーヒー牛乳だったり(笑)

どの事件でも “犯人と二人きり” になるシチュエーションが登場しますが、不穏で不気味な緊張感を体感できるのが この小説の魅力でした。

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お探し物は図書室まで/青山美智子 著

お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?

仕事や人生に行き詰まりを感じている5人がふとしたきっかけで訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手。相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集...。 そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。「本の付録」と──。

自分が本当に「探している物」に気がつき、 明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。

以前読んだ《人魚が逃げた》があまりにもワタシ好みで 好きになった作家さん。他の作品が読みたくなり借りてきました(^^)

5つの短編に登場する人物たちは 他の章でも繋がりがあり、過去から現在までの1つの大きな物語を成しています。人と人とが関わり、接点を持つことによって起こる何か。不透明だけれど ワクワクする未来に向かって 足を踏み出す力になってくれる何か。その一つ一つが とても優しくて愛おしくて心地よかったです。

登場人物たちが 新たな幸せに向かって歩き始める結末はどれもほっこり。読者が温かな気持ちでその先を想像したくなる物語です。

『ハートウォーミングと言えば 青山美智子さん』
ワタシの中に刻み込まれました(笑)


1000576695

婚活マエストロ/宮島未奈 著

40歳のこたつ記事ライター・猪名川健人は、婚活事業を営む「ドリーム・ハピネス・プランニング」の紹介記事を引き受ける。
安っぽいホームページ、雑居ビルの小さな事務所…手作り感あふれる地味なパーティーに現れたのは、生真面目にマイクを握るスーツ姿の美女・鏡原奈緒子。彼女は脅威のカップル成立率を誇る伝説の司会者“婚活マエストロ”だという。その見事な進行で、参加者は完全に鏡原の掌の上。
シニア向け婚活パーティーから、琵琶湖に向かう婚活バスツアーまで、いつだってマエストロは絶好調だ。
気付けば事業を手伝うことになった猪名川だが、鏡原への謎は深まるばかりで──

『成瀬は天下を取りにいく』の著者が放つ、爆走型テンタメ誕生!という謳い文句に惹かれ借りました(^^)と言っても、宮島さんは初見(なんと成瀬シリーズ読んだことがない ^^;)

ストーリーがテンポ良く展開し、難しい表現が一切使われてないこともあり、一気に読破。とても読みやすい作品でした。

第3章の婚活バスツアーでは、琵琶湖でのミシガン乗船、アウトレット滋賀竜王でのお買い物がさらりと描かれており、湖国民の心をくすぐるマイナーな観光や名所に思わず口元緩みました(笑)
欲を言えば、もっと詳細に描いてほしかったけれど、、、(笑)

結婚願望ゼロの健人が 仕事として婚活事業に関わっていくなかで、徐々に結婚への考え方も変わり、不器用ながらも成長していく様が なんか可愛らしくもあり、応援したくもなり。
でも、よくよく考えるとこの主人公 健人は 40歳じゃないか!おじさんじゃないか!もっと頑張れ!と叱咤する自分もいたりして...とにかく楽しく読みましたw

遅咲き健人と 婚活マエストロ“かがみん”との幸せな続編を想像してます。


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本でした/又吉直樹 ヨシタケシンスケ 著

むかしむかし、村はずれにたっている空き家に、いつからか、2人の男が住みつきました。2人の男はある日、小さな看板を出しました。バラバラになってしまった本や、やぶれてしまった本でも、特殊な技術で元に戻すというのです。それどころか、ほんの1ページでも、1行だけでも タイトルだけでも、ちょっとした手がかりさえあれば 元の本の形に復元できる、というのです。村人たちが「本の復元依頼シート」を ポストに投函すると 本はどんどん復元されて──

お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケからの あらゆる感情を詰め込んだ「創作」のバトン。

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以前読んだお二人の著書《その本は》が面白かったので 借りた続編です(^^)

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前作で登場した二人の男が ある村にたどり着いて再び活躍するお話(前作ではラストで裁判にかけられた二人。行く末を案じてましたが 元気で良かったw)

この一冊には 27の復元されたお話が出てくるのですが、なんせ又吉さん、ヨシタケさんの創作力が凄まじいです!ジャンルも問わず、短編からやや長めの小説まで、子どもから大人まで夢中になるような内容でした。

206枚の未復元リスト(復元依頼シート)は 面白いだけじゃなく、読者の想像力を掻き立てる効果もあって、読後 自分もなにか作品を書けるんじゃないかと勘違いする始末(笑)

本を愛する著書たちの 本への思いが ぎゅっと詰まった一冊でした。

最後、二人の主人公は “もっと勉強する”ため、村を去ります。さらに続編の予感(^^)



昨夏から数えてこの本で47冊目(途中リタイアしたものは省く)。

我ながら結構読んだなぁと思う反面、まだまだ読み足りてないとも感じています。

世の中には まだ出会えていない本が数えきれないくらいあって、その中には 人生をがらりと変えてしまう影響力のあるものが息を潜めてるかもしれないと思うと はやる気持ちになるのですw

“本好き” と言うより、もはや “本中毒” (笑)

もたもたしておれません。早速 次の一冊に取りかかります。

それでは!ε=┌(;・∀・)┘

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ブーズたち鳥たちわたしたち/江國香織 著

極上のクラムチャウダーをたべるためにロードアイランド州を訪れた恵理加。レストランですばらしい食事とワインを堪能した彼女だったが、それ以上に興味を惹かれたのが、ルークという不思議なウェイターで……《ブーズたち》

ある日、秋介や真昼はスマートフォンの電源を切っているのに着信音が聞えたり、深夜眠っている寝室で、イスラムの祈りの声が聞えてきたり──「ここにないはずの音」が自分にだけに聞こえるようになっていた。《鳥たち》

心療内科医のさやかは、最近幻聴が聞こえる患者が増えていることが気になっていた。が、それよりも彼女には、差し迫った問題があった。そろそろ妻子持ちの恋人と別れようとしていたタイミングで妊娠が発覚したのだ……《わたしたち》

3つの短篇が連作となっている物語です。

川上弘美さんと同じくらい好きな作家さんなのに かなりご無沙汰でした( ̄▽ ̄;)

カッパ、天狗、お稲荷さん。異世界のものを さも実在するかのように 現実世界と融合させる描写やストーリーが、これまでの江國さんの作風とは違って(勝手なイメージです汗)とても新鮮でした。

物語の終盤、お稲荷さん(白狐)が語ります。
『天狗は世のなかをにぎやかす。カッパたちは世のなかをさすらう。そしてわたしたちは世のなかを繁栄させる。つまり世間を。わたしたちは見守る。見守るけれど、誰のことも助けたりはしない。助けるのは神さまの仕事だし、神も仏もあったものではないのが世間だから』

異世界のものたちと共存し、それらの働きでいかようにも変わってしまうこの世、そして人間は肯定し この世界で懸命に生きる。

なんと言うか...自由で アグレッシブで エネルギーに満ちた、不思議な世界。

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ネコの手を借ります。/山本甲士 著

志望する国立大学に進学するも、人間関係につまずき、また始めたばかりのバイト先からはパワハラの標的にされ、引きこもりになってしまった今津宗也。気がつけば10年の時が経ち、家族との仲もどんどん悪くなっていった。
そんなある日、宗也は側溝に閉じ込められ助けを求め鳴き続ける子ネコの声に気づく。大雨の中、宗也は子ネコを救出し、マリンと名づけ育てることを決意。
そしてこの決断が、孤独な彼の人生に大きな変化をもたらすことになり──。
マイナス続きの人生が、ネコとの出会いで大転換!
心あたたまる小さな奇跡の物語。

子ネコを保護したことで始まる奇跡の連鎖。読んでいて痛々しいほどのひ弱な引きこもり青年が、マリンちゃんのために動物病院受診、昼間の買い物、就職、筋トレ、人との会話をどんどんクリアしていく。

夜の街で若いチンピラとたまたまぶつかったとき、相手を後ずさりさせるほど 逞しく変貌した宗也が 険しい顔を作りながら『お互い、気をつけようや』と言い放つ場面は、さすがに突っ込んでしまったけれど(笑)、元引きこもり青年が そこまで強くなり自信をつけるまでに成長したのは すべてマリンちゃんのため。
やはりネコちゃんマジックの力は凄い!と感じた。

ネコちゃんと暮らしたくなる物語(^^)

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お梅は魔法少女ごと呪いたい/藤崎翔 著

かつては戦国大名を滅亡させたほどなのに、約500年ぶりに復活してからは間違えて人々を幸せにしてばかり……失敗続きの呪いの人形お梅が�爛魯奪圈舎睨‐�女イライザ�瓩覆訖遊舛判于颪辰拭�お梅とは正反対の、人の幸せを願ういけ好かない存在だが、特殊能力満載のイライザをも利用して今度こそ現代人を呪い殺せるのか。涙と笑いの大好評オカルトハートフルコメディ第3弾!

第1弾、2弾を知らずに手を出した第3弾。
知らなくても大丈夫でした(笑)

戦国時代生まれの日本人形お梅ちゃんと昭和45年生まれのイライザちゃん。それぞれが活躍してた頃の話し方、世相を反映してるため、二体の会話の噛み合わなさがツボでした。

幸運の人形であるはずが、時には お梅ちゃんよりも結構残酷なことをしれっと言ってのけるイライザちゃん。嫌いじゃなかった(笑)

『お梅、私を弟子にしてくれない?』
なぜか上から目線で申し出るイライザちゃん(笑)
それに対してはっきり拒否るお梅ちゃん。粘るイライザ(笑)

お梅ちゃんは、イライザちゃんを弟子として受けいれるのか、、、第4弾が発行されたときに答え合わせが出来そうです。

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ありか/瀬尾まいこ 著

母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。 義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするが──。

出版元の担当編集者さんから『瀬尾さんと娘さんの物語をいつか読みたいです』とリクエストされたのがきっかけで 執筆されたというこの作品。筆者ご自身が物語に反映され、実の娘さんもモデルに。

幸せとは、人生とは何か、と面と向かった形で書いたのは初めてと筆者は語っておられます。『これまでの私の人生を全部込めたと言い切れる小説』とも。

子どもに愛情を注ぐ、可愛く愛おしく思う。ワタシは子を持って それが当たり前のことだと感じてきました。
ですが、母となってもそう思えない感じない人もまた世の中にはたくさんいるし、育て方がわからない人だっています(ワタシの子育てが正解だったとは思ってませんが、、、)。
そんな母に育てられたことを不幸に思うのではなく、過去に縛られることなく、自分が求める幸せや欲しかったものが すぐ近くにあるということに気づかせてくれる物語でした。

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ふくふく書房でお夜食を/砂川雨路 著

古びた商店街にある小さな書店《ふくふく書房》店を切り盛りするのは元料理人の夏郎とその娘の成、そして看板犬のフクコと猫の大福。書店の営業時間は夜八時までだが、閉店後ごくごくたまに、店前に灯りがつき食欲をそそるいい香りが漂い始める──。

困りごとを抱える人々が訪れるのは、書店兼食事処という夜の小さな休憩場所。寡黙な店主が作る夜食と娘が作るデザートが、疲れた心を癒やし、明日への元気をくれる。
心あたたまる感動の物語。

お料理の描写がいたってシンプルなのに これ程 食欲をそそられるとは!(笑)
あるはずのない物語の一品一品が 目の前に置かれたようで、いい匂いの湯気が確かにワタシの鼻をくすぐりました(^^)ごちそうさまでした。

小説や絵本に出てくる料理が 再現されるのも興味深いところです。

心痛めるお客様が もれなく癒される美味しい料理と店主親子の給仕(その上、看板犬と看板猫までもが寄り添ってくれます)。けれども、一番元気になってほしいのは 店主 夏郎と娘の成ちゃんでした。

二人に幸あれと、読後穏やかな気持ちで祈りました。

心もお腹も満たされる物語です。

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時をかけるゆとり/朝井リョウ 著

戦後最年少直木賞作家の初エッセイ集。
天与の観察眼を駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴られている。
《ゆとり世代》が《ゆとり世代》を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。

大学時代の無謀なチャレンジと失敗談などは『おいおいおい!』と突っ込みをいれながら 声出して笑いました。
自身のキテレツな言動を俯瞰して 文字に起こして、読者をきちんと笑わせる。巧みです(笑)

筆者が便意を催し個室トイレに座ってると、隣のブースとの仕切りの足元の隙間から 黒髪がぞろっと出てきて驚愕する場面、

──私の肛門は未だかつてない動きをした──

引っくり返って笑いました。

朝井リョウさんは初見ですが、この一冊で “朝井さん=お腹の弱い人” が 無事 刷り込まれました(笑)

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店長がバカすぎて/早見和真 著

吉祥寺の書店で働く契約社員の谷原京子が主人公の物語です。多忙で薄給ながらも本を愛する京子が、名前ばかり勇ましい 「非」敏腕店長・山本猛の “バカすぎる” 行動に日々イライラしながらも、仕事と本への愛を貫く姿が描かれています。

主人公・京子の情熱や憂いに共感し、没入していると 突然笑わしにかかってくるから体に悪い(笑)
京子の独り言、バカな店長やクレーマーとのやり取りは、笑いすぎて呼吸困難、涙腺崩壊必至(笑)
静物に向かって この熱量でこんなに笑えるものなのかと 驚くほどでした(笑)
感想を書いている今この時も 思い出すと口許緩んでしまうからスゴイ(笑)

我々が知ることのない書店員さんの日々のご苦労に敬意を表するとともに、こんな面白い本を世に送り出してくださった早見氏と版元と書店に感謝を。

読みやすくて、読み応えがあって再読したい作品ですが、いかんせん図書館の本。
次の人が首を長くして順番を待っています。
後ろ髪引かれますが、返却(だから買いなさいよー!笑)

本好きな人、腹抱えて笑いたい人は 絶対読むべし!(笑)

ちなみに、大売れに売れたこの作品。
シリーズ化され、第2弾、第3弾が発行されています。
いずれまた(^^)

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ぼくには笑いがわからない/上村裕香 著

自称 “おもしろい話ができない” 言語学オタクの超真面目で優秀な国立大学生・耕助が『好きなタイプは “おもしろい人” “わたしのこと、笑わせてくれる人” 』だという想い人・百合子のために、お笑い芸人をめざす。

最終目標は M-1で優勝すること!笑いのわからない耕助が 仲間を巻き込みながら 目標に向かって努力する姿、自分の言葉を届けて笑わせる喜びに目覚めていく姿を描いた青春小説。

タイトルでお笑い小説かと思いきや、れっきとした文学小説。

想いを寄せる百合子に 半ば強引に論文をプレゼントし 一歩前進したとガッツポーズをする描写に始まり、ひたすら言語学に基づいて笑いを論じようとするくだりが随所に出てきて、主人公 耕助のあまりにも不器用で痛々しいキャラが印象に残る作品でした(笑)

ブログ記事を書くとき、自分の想いを言葉にすることの難しさは日々感じています。面白さは伝わったか、ささやかな感動は伝えられたか、ワタシの場合は、文才と語彙力のなさゆえの 歯がゆさなんですが(笑)
結構ヤバめの耕助ですが《自分の言葉》で届けようともがく姿には共感。

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月収/原田ひ香 著

【月収4万円の66歳】年金暮らし
【月収8万円の31歳】専業を目指す作家
【月10万円投資の29歳】親の介護を見越して貯める独身女子
【月収100万円の26歳】パパ活女子
【月収300万円の52歳】株や投資信託で暮らせる未亡人
【月収17万円の22歳】起業した介護士

それぞれの月収に見合う生活を送る6人。彼女たちが織りなす、お金をテーマにした人間ドラマ。

お金はあってもなくても悩みは尽きない──登場人物の生き方を見てそう感じたくせに、《月にいくらあったら幸せ?》というテーマに対して、読後も変わらず『あればあるほど幸せ!!!』と声を大にして即答してしまうワタシは 浅はかなのでしょうか(汗)
あと何回読めば、筆者の意図するところにたどり着けるのでしょうか欲深いワタシは、、、。

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むかしむかしあるところに、死体がありました。/青柳碧人 著

誰もが知ってる《日本昔ばなし》をベースにした短編ミステリー集。

一寸法師 ✕ アリバイトリック
花咲かじいさん ✕ ダイイングメッセージ
つるの恩返し ✕ 倒叙ミステリー
浦島太郎 ✕ 密室トリック
桃太郎 ✕ クローズド・サークル

正直者のあの人に裏の顔が!?善良なあの人が真犯人!?お話の続きはまさかのサスペンス!?想像を超えた驚きの展開でした(笑)

お馴染みの昔話が 人間の欲望が渦巻く《火サス》仕立ての泥沼劇場に姿を変え、結末がどれも悲しいのに なぜか笑ってしまうという(笑)

特に面白かった『つるの倒叙がえし』は、昔話では絶対にあり得ない奇抜なトリックが仕掛けられており、筆者にまんまと騙されて 結局再読する羽目に(笑)
ラストでタイトルの意味に思わず納得、膝を打ちました(笑)

大人にススメたいもうひとつの日本昔ばなし(笑)

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陽気なギャングが地球を回す/伊坂幸太郎 著

嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女、4人は百発百中の銀行強盗だった・・・はずが、逃走中に別の強盗に「売上」を横取りされてしまう。
奪還に動くや、連鎖するトラブル!
最後に笑うのはどっちだ!?

余すところなく面白かった。
細かな伏線は根こそぎ回収、テンポの良さ痛快さは小気味良く、特に会話の面白さは突出。

悪党であるはずの銀行強盗が 陽気でフレンドリーな人たちにうつったのは、持ち前の哲学で論破しようとむきになるセリフがいちいち絶妙で、ユーモアに富んでたからかと。
なんせ会話の可笑しさときたら。

さすが伊坂氏!外れがない!とつくづく。
都会派ギャング・サスペンスでもあり、ドタバタ喜劇ともとれるこの小説、20年前に映画化されていました。

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こんなにもイメージが合致するキャスト陣とは(笑)

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永遠の出口/森絵都 著

小学3年生から高校卒業するまでの主人公・紀子の成長を大人になった紀子自身が回想する物語。

女の子同士のいさこざ、初恋、失恋、両親の離婚危機、アルバイト先でのしがらみ、友だちとの別れ、誰もが経験する出来事や、女王の教室ばりのモラハラ教師、非行に走って万引きが日常になるやさぐれた日々などが描かれています。

傷ついたり傷つけたりしながら思春期を過ごした紀子。10代の女の子の心の揺れが繊細に描写されていて、筆者自身の経験かと フィクションを疑うほどでした。

大人になってもつまずいてばかり、それでも図太く生きる紀子が エピローグで願うこと──あの青々した時代をともにくぐりぬけたみんなが、元気で、燃料を残して、たとえ尽きてもどこかで補充して、つまずいても笑っていますように──は、紀子と経験が重ならないワタシも共感できた部分です。

関係ない話ですが、

中学時代、ワタシは時代を象徴する学校(いわゆる荒廃した中学)に通っておりました。

ある日、学校一嫌われていた堅物の男先生を 学校一不良で体の大きい男子生徒が ホウキで殴りかかろうとする瞬間 学校一人気の若い女先生が 担任してるその不良生徒を 泣きながら羽交い締めにするという人生初のスクールウォーズに出くわしました。

それ以来、不良(今はヤンキーと言うのですね)は ひとくくりで苦手な人種です。ヤンキー臭を匂わしてくる大人も然りです。

この物語で 不良が出てくる章が2つもあって 奥歯ギリギリいわせながら読みました(笑)

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人魚が逃げた/青山美智子 著

『僕の人魚が、いなくなってしまって… 逃げたんだ。この場所に』

銀座の街をさまよい歩く謎の《王子》の言葉は 瞬く間にSNS上で拡散。人生の節目を迎える5人の男女が《王子》と偶然出会うことで自分自身を見つめ直すきっかけに。
5人を待ち受ける意外な運命とは。
《王子》は人魚と再会できるのか。
そもそも人魚はいるのか、いないのか…。
2025年 本屋大賞ノミネート作品です。

現実に存在するお店や人物と 架空のものたちがまざりあう不思議な世界。
ちりばめられた優しくて繊細な仕掛け。
童話のような温かい結末。
どれもこれも素晴らしかった。

読後、しばらくぎゅっと胸に抱いて、図書館に返したくない!と思えた本です(買いなさいw)

いやぁ、良かった本当に。

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藍を継ぐ海/伊予原 新 著

山口の見島で、萩焼に絶妙な色味を出す伝説の土を探す元カメラマンの男。その目的は、、、《夢化けの島》

都会から逃れ奈良の山奥に移住してきたウェブデザイナーの女性。大家の息子が見たというニホンオオカミに惹かれ、、、《狼犬ダイアリー》

長崎の町役場への面倒なクレーム電話をきっかけに、謎めいた空き家にたどり着いた公務員。空き家の中で目にしたものは、、、《祈りの破片》

北海道遠軽町に隕石が落ちた。拾った女性は発見場所を偽る。年老いた父親のために、、、《星隕つ駅逓》

徳島の海辺の小さな町で、ウミガメの卵を孵化させ、ひとりで育てようとする中学生。その女の子のウミガメへの思いとは、、、《藍を継ぐ海》

日本各地の田舎町を舞台に、大切なものを受け継ぐ人々の姿を描いた心揺さぶられる5篇。第172回直木賞受賞作品です。

『なにげなく暮らしている人が、唐突に異なる世界の何かに出会う物語が好き』と著者が言われるように この小説も思わぬ方向にお話は繋がっていきます。

地球惑星科学を専攻された著者の知識と 巻末に記載の莫大な参考文献、関係者への聞き取りなど、分野を問わない情報が この一冊にぎゅうっと詰め込まれており、ただただ圧倒。紐解かれる歴史や科学分析として ストーリーに展開されるたびに感嘆の声がもれました。

葛藤しながらも大切なものを受け継いで生きていこうとする人々の思いを優しく包む結末。心穏やかな余韻に浸れます。

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トリツカレ男/いしいしんじ 著

何かに夢中になるとそればかりになってしまう“トリツカレ男”のジュゼッペ。オペラ、三段跳び、探偵ごっこ、外国語、サングラス、ハツカネズミ...次から次へとトリツカレる日々。そんなある日、風船売りの少女 ペチカに恋をする。悲しみに凍りついたペチカの心を、ジュゼッペが自分の持つ全ての力で温めようと奮闘する物語。

シュールで少し不気味な表紙に手が震えるのは最初だけ(笑)
お話を進める謎の人物の語り口調に引き込まれ サラサラとページをめくる手が止まらなかった。
あっ、謎の人物、最終章で正体明かされるのだけど 登場したのは想定外の人物。してやられた感(笑)

悪人や根性悪が一人も登場しないので心がささくれなくて実にいい。それどころか、ジュゼッペの純粋でまっすぐな思いに 心が修復されていくようだった。

『きみが本気でつづけるなら、いずれなにかちょっとしたことで、むくわれることはあるんだと思う』ハツカネズミの何気ない前半のセリフは、後になってじわじわ効いてくる。これまでトリツカレて習得した様々なジュゼッペの特技が 少女を幸せにするための手段として無駄なく生かされるから。

《特別サービス》と題された最終章では タイトル通り ポッと心が温まるハッピーな顛末の特別サービスが準備されており、読後感がとても良かった。

ドラマや映画に当たりハズレがあるように、本にだってある。ワタシの場合、ハズレ=好みじゃない、に尽きるのだけど(大ハズレはブログにあげません)、この本をどちらかに分類すると、圧倒的に大当たり!出版されて24年も経つのに どうして今まで出会わなかったの勿体ない!と鼻息荒くしてしまうほどに(笑)

2時間もあれば完読できるこの小説、寒い冬の季節、ちょうど今頃に読むのがおすすめです。子どもにも大人にも(^^)

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忍びの滋賀 いつも京都の日陰で/姫野カオルコ 著

通過してても気づかない!?
NHK朝ドラ『スカーレット』の舞台は、日本一スルーされる県だった!
実は琵琶湖が何県にあるのか知らない人は多い
千葉や佐賀とよく間違えられる
比叡山延暦寺は京都にあると思われている
鮒鮨の正しい食し方について
などなど 滋賀県出身の著者が 地味でマイナーな地元の悲哀について、ユーモラスに語る滋賀県愛あふるるエッセイ。

まず表紙からして地味で切ない(笑)
内容は前述の通りユーモラスに語られてるが、ベースは 一貫してぶれない自虐ネタの連続で これまた切ない(笑)
きっと滋賀県と関わりのない人が読めば笑いどころが多いと思うが 地元人間には 笑えるどころか 避けて通っていた現実に叩きのめされ、切なさだけが残るエッセイだった(笑)

特に、京都と滋賀を若い女性に擬人化したお花見コンパのくだり。
陰で努力する地味な滋賀菜ちゃんは見向きもされず、華のあるあざとい京花ちゃんは 坂男と東男(大阪と東京の男の設定?)の男心をかっさらっていくという まさに京都と滋賀の関係性がもりもりに盛られ、京都に憧れる滋賀県民の妬みそねみが 少しだけ見え隠れする例え話は 悲哀に満ちていた(笑)

滋賀は やはり京都の日陰。人気のある京都に勝とうなどとは思ってはいけない。
悔し紛れに『琵琶湖の水止めたるぞ!』と発散するのはいいとして(笑)
あっ言うときますが、京都は好きですくれぐれも(笑)

最後に締めくくるとするなら

滋賀県は良いとこですよ。

どこが?と言われても困るんやけど(切ないw)

知りたい方は この本をぜひ。


【おまけ】

ワタシの好きな川上弘美さんの本、行きつけの図書館では 1作品につき だいたい1冊か2冊、多くて3冊しか所蔵してないのに、この本は9冊も所蔵されてる。どう?

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