大城眞徳税理士事務所Blog

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2011年04月

2011年04月18日

古典から学ぶ経営哲学【第3回】                                    「好運と不運はあざなえる縄のごとし」

 「塞翁失馬(さいおうしつば)」という中国の諺(ことわざ)がある。現代中国語では「人間万事塞翁が馬」に直している。塞翁は、昔中国で北辺の国境近くに住んでいた老人のことである。ある時、その老人の馬が逃げてしまった(不幸が起きた)が、まもなくしてその馬が勝(すぐ)れた一頭の馬を連れて戻ってきたので人々が祝福した(幸せである)。ところが、老人の子がその馬に乗って落ち怪我してしまった(幸が不幸を招いた)。だが、怪我したお陰で若者たちのほとんどが戦死したというのに、老人の子は兵役を免れて死なずにすんだ(幸いである)という故事である。その意味は、人生思いがけないことが幸福を招いたり、不幸につながったりして誰にも予測はつかないということ。だから、やたらに喜んだり悲しんだりしてもならない。(シャープ電子辞書より)

 この故事が教えていることは、ツキまくっている時こそいっそう気持ちを引き締めて事に当らなければならない。日頃から最悪の事態を想定して、それに備えておくことが大事である。又、何をやってもうまく行かないときは、「こういう状態はいつまでも続くはずがない」と自分に言い聞かせて辛抱し、ねばり抜くしかない。(守屋洋「中国古典に学ぶ人間学」より)

 小生、税理士事務所を開業し、おかげさまで順調に伸びて十年目に専門学校を開校した。その当時、経済成長が高く経営環境も良く人材確保がむつかしい時代でした。その課題解決のため設立した専門学校も順調に発展した。何をしてもうまくいくものと錯覚をした。ところが、開校十年目に大きな試練を受けた。学生募集の大幅減で収入が激減し、何億円かの資金ショートを来たした。その時に限って、銀行の融資も受けられず胃が痛む苦い経験をした。幸いにその難も、日頃大事にしてお付合いしている素晴らしい方々の協力を得て無事乗り越えることが出来た。その苦い経験があって、常に危機意識をもつことや計画経営を徹底して行うことの大事さを再確認させられた。

 良い状況や悪い状況に一喜一憂してはならない。そういうことは人生には付きものである。その時、世の中、自分に起ってくることは全て必要必然ベストと考えてプラス思考で当たれば、ほとんどのことはうまく解決できる。

 将棋指し名人の谷川浩司さんは、勝つ秘訣は何かとの問に「そんなものはありません。」が、しいて言えば「形勢がよくなった時、慌てないこと。又、逆に形勢が悪くなった時にあきらめないこと。」と、常に冷静を保つことが大事であると答えた。

 人生には色々な困難なことが起ってくる。しかし、中国の古典「陰隲(いんしつ)録」によれば、運命は変えられるということを安岡正篤(まさひろ)先生(陽明学者)が因果応報の法則の事例で紹介している。仏教でいう「因果応報」とは、過去における善悪の業(ごう)に応じて現在における幸不幸の果報を生じ、現代の業に応じて未来の果報が生じるという意味である。因果応報の報いは直ぐ今日、明日出るのでなく、十年、二十年単位あるいは子の代、孫の代にあるかも知れないが必ずやった行為に応じてしか報いは現われてこない。例えば「米を蒔けば米が生え、瓜の蔓(つる)には茄子(なす)がならない。」という古諺もある。二宮尊徳翁も、運は偶然でなく因果によると次のように教えている。
 「善を積んだ家には、その功徳の報いとして良いことがあり、反対に不善の行為を重ねた家には禍が及んでくる。従って、徹して積善の日々を送れば、その人や子孫には必ず明るく幸せな輝かしい未来が約束されることになる。


所長 税理士 大城 眞徳

2011年04月05日

古典から学ぶ経営哲学【第2回】                                     「応ず可(べ)からざるの変なし−変化の時代にどう対応するか−」

今年の景気は株の上昇で多少良くなるが、来年は債権の暴落があり、2〜3年は悪化するという見方をする経済家も多い。企業経営は外部環境の所為にしてはいけない。どんな厳しい時代でも常にその業界で上位にランクしておれば存続できるのである。

 江戸の大儒学者、佐藤一斉先生の言志四録に次の成句がある。
「窮(きわ)む可(べ)からざるの理なく、応ず可からざるの変なし」
訳すると、天地自然の動きに逆らうことは不可能であるが、それ以外については、この世の道理はどのように困難であっても究明できないものはなく、また、目まぐるしく変化しても、それに対応できないことはない、ということである。

 世の成功者と言われる方々は、厳しい時や逆境にあっても、政治が悪いから、景気が良くないからと、外的要因の所為にしない。

 戦国時代の武将、武田信玄も同じことを教えている。
「成せばなる、成さねばならぬ、成る業を成らぬと捨てる人の浅はか」と、結局、結果を出せない人は出来ないのではなく、やらないだけのことである。私達の身近でも良くあることであるが、出来ていない人に限って出来ない理由を尤もらしく並べるものである。業績を上げている人は常に、どうすれば出来るか、どんなに厳しい中にあっても何か方法はないかを徹底して考える。

 思いは実現する。物事は思ったとおりにしかならない(船井総研の船井先生曰く)。たとえ企業が危機に瀕したときでも、その企業の息の根を止めないためにはどうすれば良いかと、その一点に全力投球すれば必ず道は開けるはずである。と申すのも、どうしてもという思いのエネルギーは非常に強力であるからである。企業で良くスローガンとして例えば「智恵と工夫で目標達成」と掲げたりする。しかし、どう智恵を出すかには触れていない。実現のための智恵を出すには、必ず達成するという真剣さが必要である。課題に対して真剣になれば運も味方する。運をつかむには良い意味の執念と準備が必要である。

 スポーツライターの二宮清純さんは「人事を尽して天命を待つ」では充分でなく、「人事を尽して天命をモギとる」すなわち人事を尽しただけでは、天命はモギとれないと云われた。私は心を打たれた。

運をつかむには執念をもったレベルの人事の尽し方が必要である。経営においても心から危機意識を持ち、命がけであたると不可能と思われることもほとんど解決されると思う。

 アメリカンフットボールの伝説男といわれた鈴木智三さんは、三流のフットボールチームを2年間で1位にした驚異の人である。彼は「自己規制する意識を払拭できれば壁は突き破れる」と某月刊誌で紹介されていた。自己規制は、変化への対応の心の敵である。

 社会に起こること、自分に起こることは全て必要、必然ベストである(船井幸雄先生)と素直に受け止め、「応ず可からざるの変なし」を信じ、変化の激しい厳しい時代を自ら切り開きましょう。


所長 税理士 大城 眞徳

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