大城眞徳税理士事務所Blog

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2011年06月

2011年06月20日

古典から学ぶ経営哲学【第6回】                               「最上の師−天地自然の真理に学ぶ−」

 「太上(たいじょう)は天を師とし、其の次は人を師とし、其の次は経(けい)を師とす」と江戸の大儒学者佐藤一斎先生の言志四録の一文である。
 太上(最高級の人)は天地自然の真理を師とし、第二級の人は優れた人物を師とし、第三級の人は経(書物)を師とする。天地自然は最高の師でありながら、その偉大さに気付かないものである。もっと天地自然の理に深く関心をもち、その真理から学ばなければならない。

 天地の間に起こる事柄は、今も昔も変わることなく、将来も不変である。最高級の人が自然を師とする所以である。天地間の動きは正しく動いて誤ることがない。こうした正確な自然の動き(自然の理)を師とすれば失敗することはない。
 暗の後には朝がくる。苦しい後は良いことがある。膨らんだものが破れるのも自然の理である。バブル経済が崩壊したのは、自然の理から見ると当然である。バブルの崩壊で財を失った者も多いが、自然の理を学んでおればそんな失敗はなかっただろう。

 平家物語の巻第一に「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹(しゃらそうじゅ)の花の色、盛者必衰(しょうじゃひっすい)の理(ことわり)をあらはす。おごれる人も久しからず、唯(ただ)春の夜の夢のごとし。たけき者も遂にはほろびぬ、偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ。」とある。
 この世は常なく変わっていくものと祇園精舎の鐘は響き、盛んな者は衰えると娑羅双樹の花の色は告げている。奢(おご)れる者久しからず、春の一夜の夢のごとくはかない。猛々しい者もやがて滅びるのは風に漂う塵と同じである。

 常なるものなど一つもない。人間が理解していることなど、宇宙のほんの一片にすぎない。わずかな知識で自分の力を錯覚し、畏(おそ)れを忘れ、謙虚さがなくなり、人の意見に耳を傾けず、又、自利の追求に走り、人間的成長の大事さを疎かにしていないか。
 天は全ての人に使命を課すように生を授けている。世のために、皆のために何か役立つように生きなさいということである。それ故、常に精進し、生涯を終るときは一段と魂が磨かれ、人間性を高くして人生を終るようにしなさいということである。それが人に与えられた使命であり自然の理である。

 明治維新の指導者西郷隆盛翁は、敬天愛人を唱え、天地自然の理を大事にした偉人であるが、翁の教えに「事業を創起する人は、その十の内、七〜八迄はうまく成し得るが、残りの二〜三を終わりまで成し得る人が少ないのは、成功し有名になると、いつしかおそれ戒めの慎むことがなくなり、おごるようになるからである。」とある。まさに奢れる者久しからずである。天地自然の理に学べばそういう失敗は避けられる。かように天地自然は偉大である。

 その偉大なものを師とし、高いレベルの人間性を形成し、それに基づいた行動と正しい判断で事を処理し、人のため世のために役立つことが出来たら、実に素晴らしい人生である。


所長 税理士 大城 眞徳

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