大城眞徳税理士事務所Blog

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2011年07月

2011年07月20日

古典から学ぶ経営哲学【第7回】                               「大器晩成 ・・・ 成功をあせらない」

 世はスピードの時代である。何事も早く結果を出した方が評価されがちであるが、急いでは立派な仕事はできない。しかし、のんびり過ごしていいと言うことではない。

菜根譚(さいこんたん)(中国の古典で処世の道を説いたもの)の文の中に
 「早熟なるものは、時間をかけて成熟するものにはかなわない」 という一節がある。
 「大器晩成」 という古諺もある。

 すなわち、大樹になるには時間がかかる。大きく事を成すには時間が必要である。人間も事業も同じで、一本の樹のようなものである。天高くそびえるには根を土中にしっかり張らせることが肝要であり、人生の目標も時間をかけて、あせらず近道を探すのではなく、辛く苦しい修行をしてこそ大きな仕事が出来るものである。
その哲理は昔も今も変りはない。

 「物に本末あり 事に終始あり 先後する所をすれば 即ち道に近し」
                         (儒教の経書「大学」より)

 注釈すると、物ごとにはすべて基本的に大事なものと、どうでも良いものがある。事には終りと始めがあり、先後する所があるということを知ることが、物事の道理に叶い事はうまく行くものである。
 本(根)は人間でいうと徳性であり、末(枝葉)は知能技能である。知能技能も大事であるが、最も大事なものは徳性であるという。徳性(道徳心)を養い根を大きくするには時間を要する。日々を大切に生き、徳性を養わなければ偉大なことは出来ない。

八〇〇年前の中国の南宋の大儒(朱子学者)朱熹が、時間の尊さを次のように歌っている。

 「少年老い易く学成り難し 一寸の光陰軽んずべからず 未だ覚めず地塘春草(ちとうしゅんそう)の夢 階前の梧葉(ごよう)(すで)に秋声」

 解説すると、「少年はあっという間に年をとり、学ぶ事を学ばずに終わる。時間を無駄にしてはいけない。池の端で草が春の夢をうたた寝しているうちに、庭先の桐の葉は黄色く染まり、既に秋になってしまっている。」と、時の早さを痛切に歌っている。
年を重ねている者は、更に時の過ぎる早さを感じるのである。

昭和初期の歌人九条武子の歌に

 「みずや君 明日は散りなむ花だにも 力のかぎりひと時を咲く」

というのがある。私の大好きな歌である。
明日は散って無くなるはかない命でありながら、全力をかけて今この時を咲いている。私達人間も、一瞬一瞬が終わりという自覚をもって真剣に生きれば、必ず素晴らしい結果をもたらすものである。

 「くやむなよ ありし昔は是非もなし ひたすらただせ当下一念(とうかいちねん)

中江藤樹(江戸初期の儒学者)の歌である。
今の当下一念を大事に続ける。今の仕事を一生懸命にやれば、必ず次の世界が開けてくる。未だこない先のことを思い煩わないことである。

 世の中の為に役に立ち、大事なことをなす人は、時間をかけ人間性という大きな根を張り、その上に知能技能を磨くことが肝要である。
 そのために時間を大事に日々を徹して生きることである。そういう意識をもって一生懸命生きる者には、必ず素晴らしい人生が保証されると信じる。


所長 税理士 大城 眞徳

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