大城眞徳税理士事務所Blog

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2011年12月

2011年12月28日

古典から学ぶ経営哲学【第12回】                                     「自利利他 ・・・ 他人に利益を与えることが自分の利益である」

 西郷隆盛の遺訓に「仏教では人々に功徳(くどく)、利益(りやく)を施して済度することを利他という。」とあり、善行諸法の力により  他人に利益を与え幸福を願うことをいう。

 TKC全国会という日本最大の会計人専用の計算センターの初代会長飯塚毅(たけし)先生は、TKC会員の実践理念として「自利利他」を「自利とは利他をいう」と提唱された。
 自利利他の理念は、平安時代の天台宗の創始者最澄(さいちょう)(七六七〜八二二)の顕戒論の中に「大乗の菩薩(ぼさつ)の道にはすべて自利なし、利他を以って即ち自利となすが故に」の文章があり、その言葉に触発され、飯塚毅先生が「自利とは利他をいう」に読みかえたとTKC会報の中で紹介されている。

 世の中の成功者及び発展し続けている企業は、自利利他の考えを徹底して実践されている。
 自分のことだけ考えていては、一時的にはうまく行くことがあっても、それは時流が良かったことによるものであり、自分の本物の力や努力によるものではないので長続きしない。一生懸命努力し成功した者でも、有名になるといつしか自分を抑える気持ちがゆるんで、自分を愛する心が起ってくる。又、自分自身でオレはあの苦しい中を頑張りよくやったではないかと自画自讃するようになり、謙虚さを失ってしまうことがある。そうなると、世のため人のためということを忘れて、自分のためだけ考えるようになり、それが没落の引き金を引くことになる。

 人間は本来、他人のためになることや幸せになることをしてあげ、そのことを自分の喜びとする天性をもっている。しかし、育った環境でいつのまにか、自己中心、自我のかたまりとなり、本来の自分を見失ってしまうのである。それは欲望によるものである。

 己とは、欲望、邪念が湧き起っている自分のことであるが、成功するには己に勝つことが大事である。

 西郷隆盛の遺訓に「自分の修養には、己に克(か)つということをいつも心がけなければならない。」中略、「すべて、人間は己に克つことによって成功し、己を愛することによって失敗するものだ。歴史上の人物を見るがよい。」中略、「だから、常に自分にうち克って、人が見ていない時も聞いていない時も、自分を慎み戒めることが大事なことだ。」と述べられている。
 しかし、人間は生きていく限り常に煩悩はつきまとう。放っておけば、心の中に常に欲望が湧き起ってくる。煩悩の数は、一〇八ともいわれているが、その中でも三毒という欲望(貪欲(どんよく)、瞋恚(しんい)(怒り)、愚痴)を抑えることが克己(こっき)である。
 心の中に湧き起ってくる煩悩は、自分の意思の力で抑える努力をしないと、いつまでもつきまとってくる。そのための心の鍛錬が必要である。体の鍛錬と同じように、否、それ以上に心の鍛錬が大事である。特に経営者やリーダー等上位にいる者ほど大事である。

 KBC学園では、自利利他を心のよりどころとし、行動基準を示し、毎日朝礼で確認し合っている。その他に、主任以上の者は二ケ月に一回「古典に学ぶ」という名目で、論語や言志四録等で人生哲学の勉強会をして心の鍛錬を行っている。その会では、常に自利利他が根底にある。
 KBC学園の自利利他とは、「無心になって他人の喜ぶこと、為になること、利益になることを徹底しやること」をいう。「自分の本当の利益は、人々の幸せを図っている行為そのものである。」と定義している。

 自利利他が全員に徹底され、自然に意識と行動に表われるようになったとき、偉大な力を発揮するものと確信している。


所長 税理士 大城 眞徳

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