大城眞徳税理士事務所Blog

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2012年04月

2012年04月27日

古典から学ぶ経営哲学【第16回】                                     「信 ・・・ 人は言葉を信じないで行いを信用する」

 言志四録に「信を人に取ること難(かた)し。人は口を信ぜずして躬(み)を信じ、躬を信ぜずして心を信ず。是(これ)を以(も)って難し。」 信用を人から得ることは難しい。人は言葉を信じないで、その人の行いを信用する。本当はその人を信用するのではなく、心を信じるのである。しかしながら、心を人に示すことはできないから、人から信用を得るのは難しいのである。
 また、言志四録に 「言を慎む処、即ち行いを慎む処なり」言葉を慎むことは、行いを慎むことである。言葉が慎重になれば行いも慎重になる。すなわち、言行一致が人の信用を得る。

 論語に「先ず其の言を行い、而(しか)る後に之(これ)に従う」言おうとすることをまず実行し、その上でものを言うこと。良いことを言い並べて実行少ない人がいる。それでは人の信用を得ることは出来ない。
 古諺(こげん)に「雷ばかりで雨降らず」とある。たて続けに勢いよく弁舌のよどみもないが、実行がまったく伴っていないということである。

 信用を高めるには言を慎むこと。いかに言葉を飾っても行動が伴わない。すなわち言行不一致では信用されない。よく改善提案をするが、一向に改善がない例を見ることはないか。我々の言行は多くの人が注意して見ているものであるから、常に我が身を戒め、謙虚にふるまい、口だけでなく行動が伴うよう修行を積まなければならない。

 論語に次の事例がある。
 弟子の子貢(しこう)から政治の目標について質問されたとき孔子は答えた。孔子曰く、戦国時代における政治の目標は三つある。「/糧の充実、軍備の充実、人民の間の信義」と答えた。
 三つのうち一つあきらめるとしたらどうか、の質問に答えて「それは軍備だ」さらにもう一つあきらめるとしたら「それは食糧だ」なぜなら人間は死から逃れられないが、信義が失われてしまっては生きている甲斐がなくなるのではないか。
 つまり、「民(たみ)信なくんば立たず」で、戦国時代でさえも軍備より信が大事であった。信義は人間社会において、昔も今も変わりなく最も大切なことである。信義とは約束を守ることである。

 自分との約束も大事である。天は自分との約束を破った者を見逃す事はない。例えば、悪い娯楽をやり過ぎないように約束をしたが、守らないと健康を害し、仕事を損なうのである。

 劉向伝(りゅうこうでん)(前漢末の学者)に「綸言(りんげん)汗の如し」という諺(ことわざ)がある。綸言とは君子が下に対して言うことばである。トップが一度口から出した言葉は、出た汗が体内に戻らないように、引っ込めることができない。トップの綸言が信ならば、その場かぎりの信でも後に平日の信になるが、その反対の場合は取り返しのつかないことになる。

 船井総研主催の経営者の研修で遅刻した或る研修生を叱責した。研修生はアジアに企業進出して、ある程度実績を上げている企業の二世経営者であるが、遅刻の言訳として「アジアの某国では一時間遅刻するのは普通である」ということであった。それに対して船井先生は諭(さと)した。「貴方は日本人である。日本人は時間、約束、礼を守るということで世界から信頼されている。あなたのそれ位の気持ちで行動すると、経営もいずれ失敗するぞ。」信頼されることが如何に大事であるかを切実に教えた事例である。
 時間や約束を破る、礼を失する、それは言葉に慎みがなく、自分中心なところに大きな原因がある。実行出来ないことは約束しない。ことわる勇気が大事である。

 言行一致を心掛け、人の信用を得て価値ある人生を送りましょう。そのためには、物事を深く考え、また謙虚になることを心掛けましょう。

所長 税理士 大城 眞徳


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