大城眞徳税理士事務所Blog

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2013年05月

2013年05月29日

古典から学ぶ経営哲学【第28回】                                 「人財育成は上に立つ者の役目」

 人財の育成は指導する者の知識や人間性により大きく影響される。自己研鑚し、常に向上する人でなければリーダーとなってはいけない。
 孔子は素晴らしい弟子を多く輩出している。その教育方法は、弟子たちに自分の考えを押し付けず、個性を大事にし、やる気を出させるやり方でした。その教育方法を、守屋洋先生の『論語入門』を参考に紹介する。

 弟子であった子貢が、恒例となっていた、月の始まりに「いけにえの羊を捧げる儀式」をやめようとした。恒例のしきたりを、上に相談することなく勝手に変えられたら、叱責するところであるが、孔子は叱責せず次のように言った。
 「子貢よ、お前は羊がもったいないと思い儀式をやめるかもしれんが、わしは、その儀式がなくなってしまうものを、もったいないと思うよ」
原文は次の通り。
 「子貢、告朔(※)の餼洋(※)を去らんことを欲す。子曰く、賜(し)や、爾(なんじ)は羊を愛(お)しむ。我は其の礼を愛(お)しむ。」
            ※ 告朔(こくさく)・・・昔中国にあった月例の大事な儀式
            ※ 餼洋(きよう)・・・いけにえの羊

 事例に示すように、孔子は常に弟子たちの考えを尊重し、頭ごなしに相手の考えを否定することなく、「お前はそう考えるのか。私はこう考えるのだがな」と伝え弟子達が自由闊達で考える楽しみ、自分で答えがひらめく楽しみを感じさせ、考え抜いてどうしようのないときに師の助けを求めるような育成の仕方をした。
 注目すべきことは、その人の能力や個性を考慮しないで、自分がきびしい体験をしたからといって、部下を一律に同じように崖から落とすような指導はしなかった。そのことについて論語に次の教えがある。

 「訓練していない兵を戦場に送り出すのは、兵を捨てる行為である。教育も同じで、指導もしないでメンバーを未経験の厳しい業務や任務を担当させることは、そのメンバーをどうでもいい人間として見捨てている事と同じである」(安岡活学塾より)
原文は、「教えざる民を以て戦う、是(これ)、之(これ)を棄(す)つと謂(い)う」 (子路)

 教育というものは、その人の個性や能力を活かし、自分で考えさせ、やる気を出させ、自ら進んでやる学習をさせるのであるが、その為には、自分から考える為の基礎的なことは教えてあげなければならない。
孔子は次のように教えている。

 「之(これ)を如何せん。之を如何せんと曰(い)わざる者は、吾之を如何ともするなきのみ」

 訳すると、どうしたらよいか、どうしたらよいかを考え苦しんでいる者でなかったら、私だってどうしてやることもできない。斯様に孔子の教育は、弟子が自分で考え抜く習慣を身に付けさせ、師は本当に必要な時に助けをするというやり方であった。

 森信三先生は「教えることは、すなわち学ぶことである」又、本質的な教育は知識だけでなく人間性の育成まで含むとし、人間の魂をめざますという重責がある。それ故に、リーダーや教育者は、知識の習得だけでなく、人格形成を目指して率先して研鑚しなければならない。人格形成をするには、今ある立場、仕事に徹底して打ち込むことが大切である。

 稲盛和夫さんは、人間を大事にし、素晴らしい人財の力で事業を大成させた人格者である。彼はいつも今ある立場に感謝し、その仕事・役割を天職と思い徹して貫いた。
 社会を良くしよう、人の幸せのために尽したい、私心を忘れ利他の心で生きた方である。そういう人こそリーダーであり上に立つ者である。

所長 税理士 大城 眞徳

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