大城眞徳税理士事務所Blog

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2013年10月

2013年10月31日

古典から学ぶ経営哲学【第33回】                            「リーダーを信頼させるもの・・・ 徳」

今回から三回に亘り「徳」について記すことにする。

 古来より「徳は得なり」とあり、徳とは後天的に身に付けたものであり、天性の資質というより努力して後から身に付ける要素である。人間は生まれながらの素質にそれほどの違いがあるわけではない。その後の習慣によって大きな差がついてくる。

 「性相近し、習い相遠し。」 「教えありて類なし。」 
 生まれながらの素質には差はない。習慣によって差が付き、教育によって皆向上するものである。つまり、ほとんどの人間は努力して「徳」を身に付けることにより、人々から尊敬される者になれる。

 論語の中に出てくる「徳」を列挙すると、「仁・怒・知・信・勇・温・威・恭・倹・謙」といくつもある。このうち、リーダーにとって特に基本的な徳は「知・仁・勇」である。この三つの徳は上に立つ者にとって大事な要素「不公平感」と「不安感」をどう払拭するかに関係がある。

 人の上に立つ者は、足りないことよりも「不公平」になっていないかを心配し、貧しいことよりも「安心感」のなさを心配する。 ・・・〈李氏篇(きしへん)〉

 徳の要素のうち「仁」は組織における「不公平感」という問題に関わっており、「知と勇」は「不安感」に関わっている。

 「知者は迷わない。仁者は思い悩まない。勇者は、恐れることを知らない」 ・・・〈子罕篇(しかんへん)〉
 「知・仁・勇」は一式である。つまり、何かを始めるに際して情報を収集し、先々の見通しを立てるのが「知」である。その見通しを踏まえて方針(つまり愛を広げて物事を健やかに育む方向に進むこと)を決めるのが「仁」であり、決まったことを実行するのが「勇」である。

「知・仁・勇」について掘り下げてみる。
今月は三つの中の「知」について述べる。

「知」について、論語には次の言葉がある。
 「世の中には十分な知識なく、直観だけで素晴らしい見解を打ち出す者もいる。だが私(孔子)の方法は違う。私はなるべく多くの意見に耳を傾け、その中からこれというものを採用し、常に見聞を広げてそれを記憶にとどめるのである。これは最善の方法にないにしても次善の策といえるのではないか」 ・・・〈述而篇(じゅつじへん)〉
孔子のように、聖人でさえ人の意見を聞くことを大事にした。

 我々は、できるだけ人の話に耳を傾け、疑問を感じたところはしばらくそのままにしておき、納得のいった部分だけを発言する。そうすれば、つまらぬ失敗から免れることができるのである。また、幅広い読書を心がけることも忘れてはならない。そして、疑問に思った箇所はしばらくそのままにしておき、納得のいった部分だけを行動に移す。そうすれば後悔することも少なくなるであろう。 ・・・〈為政篇(いせいへん)〉

 更に「知」について、孔子が子路に「知る」とはどういうことかを次のように教えている。
 「知っていることは、知っている。知らないことは、知らない。と、その限界をはっきり認識すること。それが『知』というものだ」と。
 また、論語における「知者」とは、自分だけがわかっていると主張できる人ではなく、自分には何がわからないか、自分の専門部門の限界は何かをわきまえ語れる人のことである。

次回は「勇・仁」について述べる。

所長 税理士 大城 眞徳

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