大城眞徳税理士事務所Blog

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2012年05月25日

古典から学ぶ経営哲学【第17回】                                     「人生二度なし ・・・ 自己を確立し社会に貢献できる人財になろう」

自己の確立のための四つの要因を言志四録から学ぶ

 一、個性を育てる
 二、独立自尊の精神を育てる
 三、甘えを去る
 四、人間の魅力を養う

 まず、第一について「士はまさに己に在るものを恃(たの)むべし。動天驚地極大(どうてんきょうちきょくだい)の事業もまたすべて一己(いっこ)より締造(ていぞう)す。」たくましい人たるもの(士)は、自分自身にあるものを頼むべきで、他を頼みにしてはいけない。天を動かし地を驚かすような大事業も、すべて自分一人から造り出されるものである。
 頼れるものは自分しかないというギリギリの決意。これほど人間に自立心を与えるものはない。登山や航海など大自然や災害に向かいあったとき、人間の非力さをいやというほど知らされる。その時、頼れるのは自分しかいないという自覚が植えつけられる。命がけになれば人間は計り知れない力を発揮する。普段から他に頼ることなく自分の持っている力を信じよう。

 二、独立自尊の精神を育てる「寛懐(かんかい)にして俗情に忤(さから)わざるは和なり。立脚して俗情に墜ちざるは介(かい)なり。」ゆったりとした心持ちで(寛懐にして)普通の人々(俗情)の考えにあえて逆らわないのが和である。自己の立場を守り、俗情に落ちないのが独立の気概(介)である。
 世の中には自分の考えと違う人もいれば、虫の好かない人もいる。それでも、そういう人々を排し、敵と見なすことなく、寛大な心をもって自分と異なる思想の人とも付き合っていくことが和である。しかしながら、いつも人の言うことに左右されることなく、自分はここに立脚していると毅然(きぜん)とした態度をもって独立の気概を示すことが大事である。
 クラーク先生が、札幌農学校の生徒に「細かい規則が諸君の一挙手一投足を縛っているので、それら一切を廃止する。今後諸君に望むことはただ一つ、紳士たれである。」紳士は定められた規則を守るものだが、それは規則だから守るのではない。自分の良心に従って、自己の判断で行動してよろしいと言われた。まさに独立自尊の精神の育成に相応しい。

 三、甘えを去る「一燈(いっとう)を提げて暗夜(あんや)を行く。暗夜を憂(うれ)うることなかれ。ただ一燈を頼め。」一つの灯火を下げて暗夜を行く。暗夜を心配することはいらない。ただ、自分が下げている灯火を頼りにしていきなさい。
 甘えを去れ、誰にも頼るな。環境や行政や上司のことをとやかく言わない。それよりただ自分自身を掘り下げてごらん、そこから全ては始まる。甘えの心は聖人でさえ出てくる。例えば、釈尊の最期が間近いことを知った阿難(あなん)(釈尊の十六弟子)が「私はこの先、誰を頼ったらよいか」の質問に、釈尊は答えた「阿難よ、自分自身を信頼せよ。これからはお前を灯とし、真理を拠(よ)り所とせよ」と諭している。他に頼ったり甘えたりしないで、己を信じることが如何に大事かを知りましょう。

 四、人間の魅力を養う「有りて無き者は人なり、無くして有る者もまた人なり」世の中にはたくさんの人はいるが、いないのは人物だ。しかしまた、いないようでいるのも人物だ。
 さて、人物はいかにしてできるか。それはまず志を抱き、目的意識を持ち、目標を定めて、こつこつ努力することである。そして、志や目的意識を啓発させるのに「人生二度なし」という自覚を魂に透徹させることが大事である。
 そのためには、坐禅、瞑想、内観等を通して絶対の世界に対峙することがとても大事である。「継続は力なり」と格言のとおり、自己の確立は少しでも良い毎日の修練の積み重ねがないと出来るものでない。

所長 税理士 大城 眞徳

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