かきっと!

イリヤEブックス代表。――書籍、電子書籍。 かきっと!公式ブログ

今後はこちらでひっそり続けます

 2017年7月28日から、別のアカウント「かきっと!」を運営してきましたが、2023年末で終了する予定です。そこで、この間に、「かきっと!」に掲載していた記事を今後は、次のように分散して運営することにしました。
 2023年9月より、ビジネス書の紹介、NFL、旅行などの話はこの「かきっと!(旧・かきぶろ)」に掲載します。今後はこちらが公式ブログになります。

 小説の紹介など本間舜久による記事は、本間舜久のブログに掲載します。
 「カフェで本を読んだり眠ったり」

 また、同じサーバーで運営していた「ちょこはなプロジェクト」はこちらに引越します。
 「ちょこはなプロジェクト」

 そして、一部はnoteに移ります。こちらのnoteは完全休止しいずれ廃止です。
 かきっと!



 
 

NFL 2018-2019 第53回スーパーボウル Super Bowl LIII

 ついに21018年シーズン(2018-2019)も終わりを迎えました。第53回スーパーボウル、Super Bowl LIIIを中心にまとめています。

第53回スーパーボウル Super Bowl LIII

【結果】ペイトリオッツ 13-3 ラムズ
 前半を終わって3-0。後半3Qに入って3-3。異常なほどのロースコアゲーム。あのペイトリオッツがTDできない。そしてあのラムズもまたTDできない。いったいどうなってしまったのか。予想以上に両者が相手の攻撃ポイントを打ち消し合うディフェンスマッチになったのです。4Q、ようやくペイトリオッツがTD。それでもわずか1TD差です。ラムズは勝つか負けるか。賭けるしかなく、その賭けに負けてペイトリオッツはまんまとFGを追加。13-3で勝負ありです。ラムズはうまくすればTDを最後に取れたかもしれませんが負けは負け。
 以前に書いた勝利のポイントをお互いに潰し合う激しい守備。ラムズはガーリーも走れず、アンダーソンはさらに走れず。QBゴフはスクランブル以外では走りませんでした。つまりランゲームをことごとく潰されてしまったので、得意技のプレイアクションパスが滅多に決まらない。すさまじいのはペイトリオッツの守備。4サック、1INTとみごとに守りました。
 

 まるでペイトリオッツのホームゲーム

 この試合で最大の誤算は、これがまるでペイトリオッツのホームゲームのような雰囲気だったことです。ペイトリオッツファンで埋まっていたのです。ラムズの登場にはブーイング。ラムズのオフェンスにはクラウドノイズ。スーパーボウルはたいがい両チームとはあまり関係ないスタジアムでやるので中立になりがちです。それが完全アウェイとわかったときのラムズの驚きはきっと大きかったに違いありません。その動揺が最後まで続いたような印象もあります。
 
 ラムズはオフェンスラインがうまく機能できないときがあって、走路を開けない、QBを守れないといった厳しい状況に陥ってしまったのです。
 このようなとき、ペイトリオッツは30点以上取れるはずなのですが、ラムズ守備もがんばりました。サック1だけですが、INTも奪いましたし、ランもなかなかうまく行かない状況を長く続けていました。
 

 なぜ守備からMVPが出なかったのか?

 今回のような試合はNFLでも珍しい。13点はスーパーボウルでは最小得点による勝利です。両チームでTD1つというのも最小。両チームの合計点16点も最小。
 MVPが誰になるのかと思ったら、なんとエデルマン。確かにペイトリオッツの活路を開いたのはエデルマンでしたからね。ただ、彼は直接TDに絡んでいません。こういうMVPも珍しいです。むしろ、ペイトリオッツの守備がMVPにならなかった点に注目するべきかもしれません。つまり、ペイトリオッツの守備によってラムズは3点に抑えられたのだとする考えよりも、むしろラムズのもたつきによって自滅したのだ、と見る人もいることを推測させます。過去、たとえば第20回(1986年)はペイトリオッツを10-46で破ったベアーズのDEデントがMVPとなりました。ですが彼の功績というよりベアーズの守備選手の功績というべきでしょう。7サック、4ファンブルリカバーをあげますが、デント自身は1.5サック、2ファンブルリカバーでした。
 守備から1人だけ選ぶことはなかなか難しいのが現状でしょう。ちなみに12回(1978年)はカウボーイズからDEハーベイ・マーティン、DTランディ・ホワイト の2人がMVPになっています。
 
 今回、このようなはっきりと試合の行方を決めるほどの守備選手がいたかどうかというよりも、ラムズの攻撃チームに点を取れる雰囲気があまりなかったことは特筆すべき事態でした。
 

 ラムズの敗因を象徴する2Q残り6分14秒

 2Q残り6分14秒。ラムズは自陣45ヤードからはじまる(ペイトリオッツの反則などもあって)チャンス。この時、ガーリーで5ヤード、3ヤードと進みましたが、3dでパスを投げようとしたゴフは左からの圧力から右に逃げたものの、まっすぐ突っ込んで来た#53カイル・バンノイに強烈なサックを浴びました。14ヤードも下がってしまったのです。このときのプレーはこの試合の象徴的なシーンと言えます。QBゴフは時間があったのに投げられなかったし、レシーバーはフリーになるスキームをこなせていなかったのです。今回のラムズの敗因はまさにここに尽きます。
 最後まで1TDを争う展開になったのですから、4Qにこの試合を決めるパスを投げる可能性をラムズは持っていました。でも、このときのままにペイトリオッツ守備は最後まで崩れず、ムリして投げてもパス不成功に終わってしまうのでした。私の記憶では、ゴフは2回、エンドゾーンに駆け込んだ選手にパスを投げましたが、きっちりカバーされていてどちらも、大してチャンスはありませんでした。
 

 ペイトリオッツの凱旋

 ペイトリオッツの強さは、マークを外してフリーになるのがおそろしくうまいエデルマンの存在と、おそらくハイライトでは何度も流されるであろう4Qの唯一のTDシーンに集約されるでしょう。4Qに入って、4分58秒も使ったラムズの攻撃がパントに終わると、その徒労感を突くようにペイトリオッツはさらにギアを一段上げました。6速しかないと思われたギアにもう1つあった、みたいな印象でした。ラムズ守備もさすがに疲れてきたのでしょうが、自陣31ヤードと好位置からはじめたペイトリオッツはまさに王者のオフェンスを見せつけました。グロンカオスキーに18ヤードのパスが通り、エデルマンに13ヤードのパスが通る。連続で一発1dですからラムズ守備は焦ります。そこに、RBバークヘッドに7ヤードのパス。3連続パスです。このあたりはさすがですよね。決め方がすごすぎる。あえてランは使わない。じゃんけんで連続パーを出し続けるような感じ。グロンカオスキーに29ヤードの決定的なパスが通るのはこの直後です。G前に倒れ込みました。ノーミス、反則もなし。ラムズ守備がほんのわずかズレているというか遅れている印象。そして、RBミシェルが飛び込んでTD。このとき、ペイトリオッツのオフェンスラインたちは、まるで城門を突破するように、きれいに穴を開けてみせたのでした。
 みごとにペイトリオッツの凱旋というわけです。この時点でほぼ試合は決まりました。
 

 マクベイはなにを考えていたのだろう?

 時間はまだたっぷりありましたが、今日のラムズにTDできる雰囲気はまるで感じられません。その点では若いゴフはリーダーシップでもまだまだということもあったでしょう。それよりも気になったのは、奇策を繰り出すこともなくコンサバな攻撃を繰り返した若いHCマクベイです。まさかとは思いますが、大舞台で恥をかきたくないとでも思ったのでしょうか。それとも、ラムズは奇策なしでペイトリオッツに勝てると信じていたのでしょうか。まったくもって不可解です。このあとの7分間を見ると疑問ばかりが浮かぶラムズでした。ムリをすべきところとしないところの掛け違いとでもいうのでしょうか。萎縮していたとはいいませんが、会場の強烈なアウェイ感にプランが狂っていった可能性はあるでしょう。
 私のメモでは、このスーパーボウルは最後のニールダウンまで25シリーズあって、だいたい12-13のオフェンスシリーズが両チームにあったわけです。点をオフェンスで取るには10回ぐらいしかチャンスはなかったのですが、それをプランどおりにやりきれたのでしょうか。
 一方、ペイトリオッツは、「必ずキャッチできるはず」なエデルマンとグロンカオスキーにしっかりブレイディはパスを通して勝利をたぐり寄せました。ラムズはWRクックスの8キャッチ120ヤードが目立ちましたが、肝心なところでキャッチできなかったシーンも印象的でした。
 試合全体としては、ペイトリオッツもラムズも3dコンバージョン率が低く(ペイトリオッツは12回中3回、ラムズは13回中3回)、それがこの試合をやや「つまらない」印象につなげていると感じました。先に書いたように、ペイトリオッツはTDシリーズを一発1dの連続で獲得している一方、ラムズは3dで失敗してパントするイメージが強く残りました。5分を超えるオフェンスシリーズは、冒頭の3シリーズ目、ペイトリオッツがFGを失敗して終わりますが、これだけでした。
 
 残念ながらすばらしく盛り上がったチャンピオンシップの2試合に比べると、スーパーボウルはゲーム内容はシブすぎたなあ、と思います。
 
 さて、来シーズン、ペイトリオッツはどうなるのでしょう。ブレイディは? グロンカオスキーは? ラムズも若手が多いとはいえ今回の敗戦によって大きな変化も予測されます。
 
 

マクファーレントイズ NFL18 トム・ブレディ/ニューイングランド・ペイトリオッツ

(ニューエラ) NEW ERA NEW ENGLAND PATRIOTS 【D-FRAME TRUCKER MESH CAP/NAVY】 ニューイングランド ペイトリオッツ

マジェスティック (Majestic) NFL ティーシャツ – ニューイングランド・ペイトリオッツ (New England Patriots) QB Tom Brady #12

オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線 (Number Books)

Riddell Mini フットボール ヘルメット – NFL Speed New England Patriot

 

スーパーボウル事前記事

【事前】ラムズとペイトリオッツのスーパーボウルとなりました。日本時間2月4日(月)。BSNHKは午前8時から生中継予定です。
 ラムズは、「ONE HOUSE.ONE DREAM.」を掲げてプレイオフに臨みました。直訳すれば「ひとつの家。ひとつの夢」ですね。One for all, All for on.みたいな意味でしょうか。そしてこのHOUSEは、新しいラムズの本拠地の意味でもあります。ご存じのように、1936年にクリーブランドで誕生したラムズですが、10年後にはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムへ移転。懐かしい映画「天国から来たチャンピオン」(1979年)では、主人公はラムズのQB。当時はコロシアムでした。ロケもしています。その後、1980年にアナハイムへ。いま野球の大谷選手が所属するエンゼルスと同じ球場だったのです。1995年からはセントルイスへ移転。QBカート・ワーナーなどの活躍でスーパーボウルを制します。2016年には再びロサンゼルスに。いまはコロシアムを本拠地としていますが、2020年シーズン以降、ロサンゼルス・スタジアム・アット・ハリウッドパーク(建設中)に移る予定です。ひとつの家、という気持ちはなんとなく感じますよね。転勤ばっかりの家族みたいな。やっと落ち着けるかもしれない。そのためには勝利が必要です。またとないチャンスがいまやってきたのです。
 ペイトリオッツは、「EVERYTHING WE GOT」を掲げてプレイオフに臨みました。直訳すれば「私たちが得たすべてのもの」ですね。動画などによると、プレイオフのすべてを得るには、すべてを取りに行かなければならない、そしてそのために自分たちはすべてを投げ打つのだ、といった意味があるようです。つまり自分たちはすべてを出し切ることですべてを得るのだという意気込みですね。なんだか深いです。いまさらペイトリオッツを語ることもないでしょうが、スーパーボウルに10回も出ています。1986年(第20回)、1997年(第31回)、2002年(第36回)、2004年(第38回)、2005年(第39回)、2008年(第42回)、2012年(第46回)、2015年(第49回)。2017年(第51回)。2018年(第52回)。ここで表記した年はシーズンの年ではなくスーパーボウルがおこなわれた年です(私が2018−2019なんて表記をするのもこのため)。
 このうち5回勝利しています(2002年、2004年、2005年、2015年、2017年)。全勝しているようなイメージがありますけども。イーブンなのです。まだまだおれたちにはやり残したことがあるぜ、的な意味がEVERYTHING WE GOTにはこめられているのかもしれません。11回目で勝利すれば勝ち越しです。また、2002年からQBはトム・ブレイディーです。つまりブレイディーのスーパーボウルとしては、8回出て5勝ですから勝ち越していますけどね。
 ブレイディが初勝利したスーパーボウルはラムズが相手でした。HCビル・ベリチックは2000年就任ですから、2年目。QBドリュー・ブレッドソーでいまいち線が細い。今年もなあ、というときにWeek2でブレッドソーが負傷。ブレイディーが代役で出て勝ち始めると、ブレッドソーはケガが治ってもスターターに戻ることはありませんでした。そのままスーパーボウルへ駆け上がって、当時最強と見られていたラムズと対戦したのです。そして勝利し最年少MVPとなったのでした。といっても前半はペイトリオッツの守備が光っていました。後半も守備の戦いとなって17-17で残り2分を切ってペイトリオッツのオフェンス。これがすばらしく冷静なブレイディーが一躍スターとなったのです。FGをヴィナティエリが決めて勝利しました。チーム力で勝つ展開ですね。これはペイトリオッツの基本で、現在も続いているスタンスです。
 この強いペイトリオッツにラムズは勝てるでしょうか。対ラムズではじまったペイトリオッツの黄金期を、ラムズが止めるでしょうか? いろいろな話が飛び交っています。

ラムズ勝利のポイント

 ・直前まで負傷者はいない模様。心配なのはRBガーリー。ランだけではなくレシーバーとしても重要な存在ですが、レギュラーシーズンのWeek15からほとんど出ていません。チャンピオンシップで4回10ヤード1TDしたものの、万全ではない印象を残しています。ラムズはランオフェンスを出すことでプレイアクションパスを決めるスタイルですから、ランが止められたらパスも出なくなる可能性があります。ラムズのランオフェンスがどうなるのか。ガーリーは万全なのか。もしガーリーが万全でない場合の代替案はあるのか。
 ・ラムズ守備#99アーロン・ドナルド。今季ディフェンス・オブ・ジ・イヤーに輝いた選手。彼が強力で俊敏なペイトリオッツのオフェンスラインにどう切り込むか。ラムズのラン攻撃を決めるインテリアラインメン(オフェンスライン)がラムズ勝利のカギとなると同時に、守備のラインメンたちがどうペイトリオッツそしてブレイディを苦しめるかはとても重要な要素です。ドナルドは今季41タックル、20.5サックをあげています。ブレイディは、チャージャーズやチーフスといった強力な守備チームからもほぼ守られていました。今回、プレイディもゴフも動き回るQBではありません。ゴフは多少は走りますけど。ブレイディに時間を与えればパスが通るわけで、それをさせない守備は可能でしょうか?
 ・ペイトリオッツは、Week15でスティーラーズに負けています。際どい試合を取りこぼしたのです。意外にもランに対する守備に脆さが出ていました。オフェンスラインが強いとき、ペイトリオッツはうまく対応できないことがあるのです。ブレイディもさすがにサックされるとパスの勢いも止まります。プレイオフではチャージャーズ、チーフスともに、ブレイディをサックできませんでした。ラムズはランオフェンスで点と時間を稼ぎ、さらに守備でプレッシャーを掛け続けることになるでしょう。そしてペイトリオッツとしては前回スーパーボウルではイーグルスに完敗しているのです。それに奮起しての今季でしょうが、かえって意識しすぎて歯車が狂うこともあり得るのでは? ラムズはそこをジワッと攻めることになるでしょう。相手の嫌がることをやることは、どんなスポーツでも重要な戦術です。

ペイトリオッツ勝利のポイント

 ・ラムズQBゴフは、短いパスも長いパスもとてもクイックで鋭く投げます。これにペイトリオッツ守備はどう対応するでしょうか。とくにプレイアクションパスはみごとです。敵の裏をかくロングパスで何度もチャンスを広げてきたラムズですから。ゴフに逃げられないように激しくラッシュすると、スクリーンでロングゲインとなりやすいのでどう対応するか。
 ・Week14のラムズはベアーズ戦でゴフはプレッシャーを受け続け4INT、1セーフティを奪われました。ゴフはプレッシャーに弱いのです。ラムズ守備もがんばって3INT奪うなど活躍したのですが、勝てませんでした。翌Week15ではラムズはイーグルスと戦ってやはりINTをくらって負けています。またイーグルスにけっこう走られていましたね。13勝したラムズですが、セインツ、ベアーズ、イーグルスに負けていて、比較的スケジュールは楽だった印象なのです。ペイトリオッツのハードなタックルが炸裂することで、ラムズは攻撃チャンスを奪われるでしょう。
 ・アグレッシブな選手が多いペイトリオッツですが、たとえばエデルマンの落球や不用意な反則が生じる可能性もあります。接戦になったときにミスをしないチームとしても知られているわけですから、その冷静さを保つことが勝利のカギです。

さらに見所

 ・あまり表情をあらわさない老獪なHCベリチックと、アグレッシブで若々しく表情豊かなHCショーン・マクベイ(33歳です!)の対決。マクベイはレッドスキンズ時代にQBカズンズを育てたコーチとして注目されました。カズンズは鳴り物入りのQBであるRG3が負傷したあとチームを引っ張り続けました。そしてNFL史上最高年俸でバイキングスのQBとなっています。すでにたくさんのスターを育てたベリチック。いままさに自分の時代を築こうとするマクベイ。楽しみです。

チャンピオンシップ

 日本時間1月21日に開催予定のチャンピオンシップ。AFC、NFCのそれぞれチャンピオンを決める試合がおこなわれました。この勝者が2月4日のスーパーボウルで対戦します。

【結果】ラムズ 26-23 セインツ
 まさかの延長戦。そしてまさかのラムズ。
 1Qはセインツの時間。FG、INTからのFG、TDと一方的にセインツが点を入れていきます。結末を知っているなら、最初の2つのFGのうちどっちかTDしていればなあ、というのは言えますが、この時点ではすごくいい状態に見えました。ラムズは流れを変えるためにパントフェイク。それもしっかりとパントフォーメーションを取ってからのパスで、なかなかNFLでは決まるものではないのですが見事に裏をかいて成功。ただし、それでもTDは奪えずFGだったのです。
 2Q。私の事前予想ではここを制したチームが勝利するはず。するとラムズはセインツを抑え込み、前半終了間際にTDを奪いました。しかも81ヤードもドライブしてのTD。中でもコックスへの36ヤードのパスは見事でした。これで乗れるかラムズ。10-13。地元セインツのクラウドノイズの中で、いつものようなオフェンスのできないラムズでしたが、守備はクラウドノイズは関係ないのでなかなかいい出来でした。
 3Q。ここはまったくの互角。セインツがTDすればラムズもTDする。どちらも70ヤードほどのドライブで5分ほど使って、3点差のまま。ただ、この3Q、セインツはラン中心のオフェンスに切り替えて勝負に出たように見えました。時間を使い(リードしている側ですから)、ボールを支配しながら加点していけば追いつけないはずだからです。QBヒルを入れてのセインツの今季の特徴的な攻撃もうまく行きました。やれることはやった感があります。それでもラムズは点差を広げられることなく追いついてきました。美しいプレイアクションパスなども決まってゴール前に。パスでTD。負けていません。17-20
 4Q。思わぬ展開。ディフェンスマッチです。手詰まりというわけでもないのでしょうが、攻撃は膠着。パスインターフェアじゃないかみたいなプレイもありつつラムズは必死に守る。突き放せないセインツ。ラムズも決められそうな場面はあったのです。90ヤードもゲインして5分以上かけたのにTDがとれずFG。ところがセインツもFGしか入れられず。残り時間を有効に使ったラムズは同点のFGを決めて23-23。延長戦。
 延長。コイントスでレシーブを選んだセインツに圧倒的な優位が与えられ、多くの人はセインツがTDして勝利するのだろうと考えたとき、まさかラムズにQBブリーズのパスがインターセプトされるとは。それも自陣34ヤードです。シーズンを通してINTやターンオーバーの少ないQBブリーズが、最後の最後のこの場面でまさかのINT……。絶句です。そしてFGを決めたラムズがカンファレンス・チャンピオンとなり、スーパーボウルへ行きます。あなどれないラムズ。第34回スーパーボウル(2000年)でラムズはQBカート・ワーナーでタイタンズとギリギリのゲームを制しています。36回(2002年)にも出ましたが、先発QB負傷で登場したQBブレイディーのペイトリオッツに3点差で負けています。ペイトリオッツの時代がここから始まったわけです。もしかしてその時代に終止符を打つのもラムズなのでしょうか? 羊たちの健闘を祈ります。
 

日本時間2019年1月21日(月)ラムズ@セインツ

 

 ペイトリオッツ@チーフス(AFC)

【結果】ペイトリオッツ 37-31 チーフス
 まさかのチャンピオンシップ2試合目も延長戦。そしてやっぱりのペイトリオッツ。
 1Qはペイトリオッツが8分もかけてTDを奪うみごとなドライブを見せつけて、やっぱり強いんだなと印象付けました。チーフスはパント。そしてまた堂々のペイトリオッツオフェンスが……。なんとINT。チーフスに流れが変わるのか?
 2Q。ところがチーフスはせっかくのチャンスをパントで終わる。これがよくないのです。ケルシーに投げて最初はダメでしたが、2投目は9ヤードゲイン。残り1ヤードをランで取ろうとして失敗してしまったのです。うーん。このあと膠着状態に。お互いにパントで終わる攻撃。守備陣はよく相手を研究しています。うかつに投げられない。慎重になります。でもチーフスはチャレンジャーなのだから、ここでなにかをしないわけにはいかないはず。マホームズの42ヤードパスが決まる(レシーバーはヒル)。これはすごい。もしかしたらと思わせる。このあとがいけない。マホームズはラッシュを逃れるために深く下がったところでサックされてしまう。FG圏内から圏外に追い出されてしまったわけです。またパント。すると今度はペイトリオッツが仕掛けてきました。リードしているペイトリオッツは前半の残り時間を使ってFG狙いか。投げどころがなくブレイディーはいわばセーフティーバルブのホワイトへのショートパス。ロスがなければいいという感じ。それがチーフスの意表をついた形になってあれよあれよと30ヤードのゲインに。こうなるとペイトリオッツは狙ってきますよね。29ヤードのTDパスを決めて、前半を14-0。つまりペイトリオッツ守備は完璧にチーフスを抑え込んだのでした。
 3Q。ここで巻き返さないと時間もなくなります。コイントスで勝ったチーフスは後半勝負としてレシーブを選択していました。だから後半最初のドライブはとても大事。短いゲインを重ねていくのかと思ったら、ワトキンスへのディープミドルへのパス。これが54ヤードのゲインとなっていっきにレッドゾーン。ケルシーに短いパスを投げてTD。14-7。たたみ掛けたいところ。このあとお互いにパントですが、マホームズはサックされてしまったんですよね。前半の経験が活かされていない。もっともチーフスの守備もブレイディのパスをはたくなど、とてもアグレッシブにやっていました。チーフスのパントが短くてペイトリオッツSuper Bowl LIIIにいいポジションを与えてしまい、それがFGにつながってしまいます。17-7。逃げて行くペイトリオッツ。この段階で、今日のチーフスは20点ぐらいしか取れないのではないかと感じましたし、ペイトリオッツは30点取れる勢いを感じました。ですがチーフスはそこからTDを取っていくのです。このシリーズはシビれました。サックされることを見越して自らネイキッドになって、突っ込んで来るペイトリオッツ守備の頭越しにパス。勇気も技術も必要です。#26ウィリアムスへのサイドライン側のショートパスがロングゲインになりました。ペイトリオッツにパスインターフェアランスの反則もあってTDまで持って行くことができました。おみごと。17-14。
 4Q。いけそうな気がする。チーフス守備もがんばって、今日最初のドライブのようにガシガシとやってくるペイトリオッツでしたが、4dインチのギャンブルで飛び込んだところをチーフス守備にしっかり抑えられて失敗。チャンスと思いきやチーフス攻撃はぜんぜん進めずパント。ペイトリオッツはまた攻撃開始と思ったとたんにINT。ここはパントリターナーのエデルマンの手に当たったかどうかというビデオ判定があって、当たってないとなり、ペイトリオッツの攻撃だったのですが、今度はエデルマンに投げたボールが弾けてINTになったのでした。神様は意地悪だ。まだチーフスに流れが来ている。スクリーンパスで#26ウィリアムスが走り込んでTD。ついに逆転です。17-21。残り7分55秒。このスクリーンパスはそもそもプレイ全体が右に行くと見せかけての左だったので、ウィリアムスは誰にも触られずにTDできたのでした。すばらしい戦術。
 このあとはTDの応酬。息もつけない展開で唖然です。チーフスは再び追う立場になって残り時間を使いながらTDをすれば勝利でした。ですが、これがうまくいかない。残り31秒しかないのでしょうがないのですが、ミドルにいいパスが決まっていたのでTDを狙いに行ってもよかったんじゃないかと思いますが、安全にFGで同点にしました。31-31。
 終盤のペイトリオッツの落ち着きと、やはりグロンカオスキーとエデルマンのいるチームへの守備も難しさもあって、チーフス守備はなかなか止められませんでした。せめてFGにしておけば、できればパントで終わらせればと思うものの止まらない。この底力は脅威というか恐怖です。
 延長。コイントスでレシーブを取ったペイトリオッツ。先ほどの鬼のような攻撃はさらに続きます。3d10まで追い込んだチーフス守備でしたが、エデルマンにパスを通されてしまう。このあともパス不成功もあるものの、エデルマンで15ヤード。グロンカオスキーで15ヤードと、ガツガツといわばボディーにいいパンチが入っていく。#34バークヘッド(Rex Burkhead)のラン攻撃は仕上げのようなもの。10ヤード、3ヤードとゲインし、最後に2ヤードのランでTD。試合終了です。37-31。
 この最後のシリーズは、スーパーボウルへの布石にもなっています(たぶん)。34バークヘッドはレギュラーシーズンではあまり目立っていません。4人目のRBといった感じで、ネブラスカ大出身6年目。ベンガルズから2017年にペイトリオッツへ移籍していました。今シーズンは8試合に出て、Week17のジェッツ戦でパスキャッチからのTDを1つ。その前のWeek16のビルズ戦ではファンブルロストを喫していて、正直ペイトリオッツの中でも、それほど目立つ存在ではありませんでした。それがこの大事な延長戦の場面で3回連続でボールを持たされたのです。それだけ層が厚く総力戦ではまだまだ人材はいるぞ、とアピールしているかのようです。スーパーボウルでは誰がヒーローになるでしょうか。

日本時間2019年1月21日(月)ペイトリオッツ@チーフス
 
 これ以前の記事はこちらへ。
 
 

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Riddell Mini フットボール ヘルメット – SPEED Los Angeles Rams 2017

オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線 (Number Books)

NFL2018 カラー写真名鑑 (B.B.MOOK1416)

 


共感と無関心 「どちらでもない」人たちの揺れる気持ち

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私たちは、考えることができないのか?


 私たちは、考えることができないのか? 考えていないのか? そもそも関心が無いのか? そんなことを考えてしまったのは、先日「電車の中でもめっきり新聞や雑誌や本を読む人が減っていて、みなさん、自分の意見や考えをいつ、どのように醸成しているのだろう」とある人が言っていたのです。

 私が思うに、SNS時代になって、少なくともSNSをやっている人たちは、常に他者に晒されていたり、他者をウオッチしています。このときに、考えているのではないか、と仮説を立てました。
 たとえばフォローしている著名人が「Aはよくない」と主張したとして、それに対してさまざまな意見が、見知らぬ人たちから寄せられていきます。「そうだそうだ、よくない」というものから「それは違う、実はいいんだ」といった主張まであるでしょう。中には「いいとか悪いじゃなく」とか「Aさんかわいそう」とか、意見とも主張ともとれない反応もあるはずです。

 私は、「白だ!」「黒だ!」と言い合えばいい時代が終わっていて、「かわいそう」とか「なんとかならないのかな」とか「もう少しそっとしてあげよう」といった、主張や意見からは遠い、もしかすると「どうでもいい」と言われかねない意見を持つ人たちが、多数派を占める時代になってきているのではないか、と感じています。

 それはある意味、共感、です。

 

「こんなはずじゃなかった」 英国EU離脱や米大統領選挙



 共感しましょう、共感できる人になりましょう──といったことは、いまの時代の漠然とした世界的な流れになっているように思えます。
 マイノリティーのことをもっと考えてあげよう、困っている人たちの身になって社会システムを考えよう、もっと親身になって相手を思いやる社会にしよう、と主張する人は遙か昔から存在していました。
 ただ、その人たちは、根に宗教であるとか政治思想を持っていて、そこからの主張として「もっと共感して!」でした。
 いまの時代にも、その流れはあって、欧米でも宗教に根ざした「共感」の主張は、ずっと続いています。
 ところがネット社会になったため、SNSに参加していようと遠ざけていようと、否応なく、「共感」に巻き込まれていく時代になってきました。世界的にそうなっているのではないか。
 EU離脱を決めた英国の国民投票。終わったとたん「なんか違うぞ!」「もう一度やり直そう!」なんて声が上がりました。際どい投票結果でまさに「はっきりさせた」のです。
 はっきりしたとたんに「こんなはずじゃなかった」となる。
 米国の大統領選挙も同じです。トランプ大統領が決まったとたん「間違えた!」「そっちじゃなかった!」と言い出す人たちが出始める。僅差で、共和党か民主党かの選択に決着をつけた結果、「なんか違う!」と感じる人たちが大勢出てきてしまうのです。
 これは、かつては「無責任だ」「不勉強だ」「無関心だ」と非難されてきた行動ですが、なんといっても、バカにできない多数派を、この「そんなはずじゃなかった」が占めていたりするのです。

 

第三の選択肢を設ける? 沖縄県県民投票



 沖縄県の県民投票でも揺れています。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関する県民投票が予定されていますが、「賛成・反対」だけではなく、「どちらでもない」という第三の選択肢を設けることになりそうです。2択では応じられない、4択は多すぎる、などなど議論があるようです。
 県民投票条例を提出 辺野古巡り3択 沖縄県 日本経済新聞
 3択県民投票 改正条例可決 沖縄県議会、自民が一部反対 日本経済新聞

 米国の大統領選は間接選挙なのでちょっと事情は違いますけど、英国のEU離脱は2択の国民投票だったわけで、そこに「どちらでもない」を入れたら、どうなっていたでしょうか。
「どちらでもない」が過半数を獲得したとき、私たちはいったい、なにをどうやって決めていけばいいのか、さらに難しいことになっていきそうです。
 かつての社会は、揉め事を嫌って「一任する」とか「言う通りにする」といった自らの意見をそもそも持たないようにするのだ、と決めてしまう人たちも大勢いました。いまも会社の中、学校の中、町議会などいろいろな組織で、「反対しない」とか「一任」が暗黙の行動として定着している場面はあります。
 意見を言わない、考えたとしても言わない、考えは考えとして持つけど、表明しない、といったことを私たちは長くやってきたのです。でも、考えても言わないのなら、考えていないのと行動は同じなので、その区別がつきません。
 こうした過去の歴史があるため、この事態を解決する新しい道を過去に求めても見つかりません。
 また、こうした事態だからといって「民主主義は終わった」などと極論を言う気にもなれません。終わったもなにも、日本においては、そもそも民主主義がちゃんと出来てないのです(女性議員の少なさからも民主主義の未成熟が明らかです)。
 同時に、欧米をお手本にすることも難しいわけです。
 明治以降の近代日本は、他国の先例から「いいとこ取り」をする方式で進んできたのに、いまではそれはほとんど使えません。かといって、メジャーではない事例をもって、自分たちの範とするほどの度量もありません(この件は、福祉国家として知られる北欧の事例とかドイツの事例を、一時的にもてはやしておきながら、結局は無視する選択をした日本ではわかりやすいですよね。先例または範とする事例は、メジャーな例でなければダメなんです。なぜダメなのかと言えば、今回書いているようにマイナーな事例は賛成多数にならないからです)。
 私は、選挙でいえば「無党派層」などと呼ばれる「どちらでもない人」たちは、いま、かつての不勉強、無関心から、共感を中心としたいわば「受容派」が生まれているのでは、と思ったりもします。これからの時代は、受容派が過半数になっていく可能性を持っているのではないでしょうか?

 

受容こそがメジャーな態度なのか?



 SNSをやっていてもやっていなくても、社会はネットを通して変わっていきます。それは「風の便り」や「うわさ」と同じように作用しますし、なおかつ記録として残るので強力です。「うわさ」は否定されると消えていく。「人の噂も七十五日」だった頃が懐かしいですよね。
 たとえば、「大迫 、ハンパないって!!」の元になった映像はずっとYouTubeなどに上がっていて、サッカーで大迫選手が活躍するたびに、またまた再生されていくわけです。滝川第二のキャプテンはずっと再生され続けることになります。すでに現役を引退した卓球の福原愛さんの「泣き虫愛ちゃん」も、いまだに動画でみることができる。これがネット社会です。
 そしてこれからも、いま起きていることで記録されたものは、なんらかの形で残り続ける。
 話題性が乏しくなると順位は下がっていくけど、なにかがあればいつでも蒸し返されます。一生、いえ、死んだあとも……。
 つまり「賛成」しても「反対」しても、その記録は残り、場合によっては「汚点」だったり「傷」になる可能性があるわけ。
 バカボンのパパ的に「賛成の反対なのだ!」とか言ってみたところで、その記録が残るのですから、「なに考えてるんだ」とか「優柔不断」とか「信用ならない」といった判断につながりやすいわけですよね。
 一方、現実世界はネットによって国際的に加速しています。
 自分の周りで「AかBかと言われたら、いまの時代はAだよね」みたいないわば「常識」があったとしても、それを発信したとたん、「なにを言う、わが国ではBが常識だ」とか「Aはすでに学会で否定されています」とか「Bにも問題があるので、むしろCでは?」といった意見が飛び交う。
 自分の意見として一度は「A」にしたのに、そうした反応を見ていると「ゴメンナサイ」と撤回したくなる。
 実際、そうやって撤回したり謝罪している人たちを、私たちは目撃しているわけです。
 だったら、いくら考えてもわからないことについては、自分の意見は持たず、受容する方がベターではないでしょうか?

 

共感することをよしとする世界



 受容を「なにも考えずに従う」こととしてしまうと、私のいまここで考えていることとはかなり違います。考えて、意見も持つけど、さまざまな意見をうかがって、その上で受容する。そういう姿勢です。
 まさに優柔不断。
 でも、いまのような「共感」を善とする世界では、この姿勢のほうが楽なはず。
「Aという意見にも共感できるし、Bと主張する人にも共感できちゃうんだけどなあ」
 理論とか理屈とか計算とかではなく、共感を主体とする世界では、意見や主張の中身だけではなく、「誰が」とか「どんな人が」とか「その人をどんな人たちが賛同しているのか」といったことや「どんな風にメディアで取り上げられているか」「家族はどっち派か」「友達はどっち派か」みたいな、全体的な雰囲気まで含めて共感に落とし込んで、自分の態度にしていくことになるのです。
 こうした態度は、まったくなにも考えていないわけでもないし、自分の意見がないわけでもない(主張するかどうかは別です)。
 その上で、受容する方に身を置くわけです。
 先に書いたように、受容した人の行動は、なにも考えていない人、一任した人と区別がつきません。
 それでいて、先ほど示したように、記録はずっと残るので、その都度、「どうして私はいまこうなのか」を説明していくことで、まったく考えていないのとは違うよ、と表明することは可能です。ここがネット社会以前とは大きく違うところです。
「いま、私はA派。その理由はXとY。ただしZとなったときはB派になるかも」
 といった表明を自由にできる。
「私は確かにA派だったが、ZになったのでいまはB派。このことはすでに表明済み」
 と突っぱねることも可能。
 こうした感覚は、かつての「全体主義vs個人主義」とは少し違っているのではないか。
 どこが違うかといえば、優柔不断なところです。
 ナチスを信奉した人たちは戦争に負けるまで、賛同を続けたわけではないでしょう。途中で気づいた人もいたはずです。逃げた人もいれば立ち向かった人もいたでしょう。
 ただ、当時は「いったんこっち」となったあと、それを否定するのにはかなりの月日を必要としました。
 いまは違います。
 EU離脱で投票結果を見たらすぐ「間違えた!」「そんなはずじゃなかった!」と言い出す。
 そして、決まった日からすぐさま、「そうじゃないんだ」派が台頭し選挙でも勝ちはじめる。
 すごいですよね、これ。
 共感主義による受容派(と私は勝手に定義)が大多数になっていくと、朝令暮改、優柔不断が日常になります。
 それが悪いのかどうかは、よくわかりません。
 テクノロジーの発展、私たちの日常の変化、価値観の変化によって、朝令暮改をしてもそれほど大きな影響はないかもしれません。優柔不断でも、やっていけるかもしれません。
 だって、「共感」だけはしているのですから。「朝礼暮改もしょうがないよね」「優柔不断ってのもありだよな」となっていくのかな、と思ったりしています。

NFL 2018-2019 プレイオフからスーパーボウルへ

 あっという間に終わってしまうプレイオフですが、ワイルドカードからスーパーボウルまでをこの記事でフォローしていきます。最新記事が上に来ます。
 なお、アメリカンフットボール、NFLについての用語などの解説は過去記事のこちらをどうぞ。

チャンピオンシップ

 日本時間1月21日に開催予定のチャンピオンシップ。AFC、NFCのそれぞれチャンピオンを決める試合がおこなわれました。この勝者が2月4日のスーパーボウルで対戦します。

 ラムズ@セインツ(NFC)

【事前】ラムズのペースになったときセインツはどうするのか。セインツのペースとなったときラムズはどうするのか。そんなことを考えるとおもしろいですね。どちらのチームも時間を味方につける戦略でチャンピオンシップにやってきました。前の試合ではうまいこと相手の攻撃時間を奪い取っていましたし、自分たちは時間を使って攻撃をし続けるスタイル。相手にボールが渡らなければ必ず勝てると信じているわけです。さて、このカードもシーズン中にありました。Week9。@セインツというのも同じ。結果は35-45でセインツでした。セインツのRBカマーラに比べると、ラムズのRBガーリーは少し走り足りない印象。この試合でもセインツは4dギャンブルを2回やって2回成功させています。だから必ずチャンピオンシップでもやるでしょう。ラムズはそれを止められるか。カギは2Qにあります。Week9では2Qで波にのったセインツが攻撃しまくる。後半のラムズの攻撃に逃げ切りました。ディビジョナル・プレイオフではイーグルスに対して2Qから攻撃を続け最後まで相手に点を入れさせませんでした。ラムズが勝利するには、2Qを制しなければなりませんね。さらに、ラムズQBゴフはチャンピオンシップに残った4チーム中、もっとも美しいプレイアクションパスを見せてくれるQBと言えるのですが、そのゴフから思わぬINTを奪ったセインツの#47MLBのアンザロンなどLB陣は要注意です。右から中央へ急角度に切れ込んでマークを外すレシーバーにパスをしたはずですが、手前でパスラッシュしているであろうLBが突然飛び出してのINTでした。QBからは見えないですからね。プレイアクションパスは読まれると危険。シーズン中ゴフはファンブルロストも5回とやや不安。セインツQBブリーズはファンブル5回ありますがロストは1回だけです。QBゴフの技量も試されます。

Week9のラムズ@セインツ戦
 
【結果】ラムズ 26-23 セインツ
 まさかの延長戦。そしてまさかのラムズ。
 1Qはセインツの時間。FG、INTからのFG、TDと一方的にセインツが点を入れていきます。結末を知っているなら、最初の2つのFGのうちどっちかTDしていればなあ、というのは言えますが、この時点ではすごくいい状態に見えました。ラムズは流れを変えるためにパントフェイク。それもしっかりとパントフォーメーションを取ってからのパスで、なかなかNFLでは決まるものではないのですが見事に裏をかいて成功。ただし、それでもTDは奪えずFGだったのです。
 2Q。私の事前予想ではここを制したチームが勝利するはず。するとラムズはセインツを抑え込み、前半終了間際にTDを奪いました。しかも81ヤードもドライブしてのTD。中でもコックスへの36ヤードのパスは見事でした。これで乗れるかラムズ。10-13。地元セインツのクラウドノイズの中で、いつものようなオフェンスのできないラムズでしたが、守備はクラウドノイズは関係ないのでなかなかいい出来でした。
 3Q。ここはまったくの互角。セインツがTDすればラムズもTDする。どちらも70ヤードほどのドライブで5分ほど使って、3点差のまま。ただ、この3Q、セインツはラン中心のオフェンスに切り替えて勝負に出たように見えました。時間を使い(リードしている側ですから)、ボールを支配しながら加点していけば追いつけないはずだからです。QBヒルを入れてのセインツの今季の特徴的な攻撃もうまく行きました。やれることはやった感があります。それでもラムズは点差を広げられることなく追いついてきました。美しいプレイアクションパスなども決まってゴール前に。パスでTD。負けていません。17-20
 4Q。思わぬ展開。ディフェンスマッチです。手詰まりというわけでもないのでしょうが、攻撃は膠着。パスインターフェアじゃないかみたいなプレイもありつつラムズは必死に守る。突き放せないセインツ。ラムズも決められそうな場面はあったのです。90ヤードもゲインして5分以上かけたのにTDがとれずFG。ところがセインツもFGしか入れられず。残り時間を有効に使ったラムズは同点のFGを決めて23-23。延長戦。
 延長。コイントスでレシーブを選んだセインツに圧倒的な優位が与えられ、多くの人はセインツがTDして勝利するのだろうと考えたとき、まさかラムズにQBブリーズのパスがインターセプトされるとは。それも自陣34ヤードです。シーズンを通してINTやターンオーバーの少ないQBブリーズが、最後の最後のこの場面でまさかのINT……。絶句です。そしてFGを決めたラムズがカンファレンス・チャンピオンとなり、スーパーボウルへ行きます。あなどれないラムズ。第34回スーパーボウル(2000年)でラムズはQBカート・ワーナーでタイタンズとギリギリのゲームを制しています。36回(2002年)にも出ましたが、先発QB負傷で登場したQBブレイディーのペイトリオッツに3点差で負けています。ペイトリオッツの時代がここから始まったわけです。もしかしてその時代に終止符を打つのもラムズなのでしょうか? 羊たちの健闘を祈ります。
 

日本時間2019年1月21日(月)ラムズ@セインツ

 
 

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 ペイトリオッツ@チーフス(AFC)

【事前】今シーズンそしてこれからのNFLを象徴するような試合です。圧倒的な強さで君臨するペイトリオッツ、QBブレイディ、ヘッドコーチのビル・ベリチェック。そこに立ち向かうのは今シーズのNFLをもっとも盛り上げてくれた若きQBマホームズとチーフス。相撲で言えば、千代の富士対貴乃花(当時は高花田)みたいな世代交代を象徴する試合となるのでしょうか。とても楽しみです。この対戦は、今シーズンWeek6の再試合となります。40-43でペイトリオッツが辛勝しました。このときは@ペイトリオッツでした。今回は@チーフスですから少しはチーフスにアドバンテージがあると見ていいでしょう。また、QBマホームズはWeek6で2INTされています。これは経験の差もあるでしょうから、この3か月の成長でどこまで改善されているかも注目です。チーフスはペイトリオッツの強力オフェンスライン、RBミシェルの鋭いラン、エデルマンのラン・アフター・キャッチ、グロンカオスキーの巨体を利用したゲインなどに対応しなくてはなりません。これは正直、大変です。一方、ペイトリオッツ守備は4Q残り3分あたりで、マホームズは75ヤードのTDパスを成功させて追撃したのが印象的なので、なんとか食い止める策を講じないと投げ負ける可能性も出てきますね。スペシャルチームや反則によって決まってしまうかもしれない、それほど際どい試合になりそうです。

Week6のチーフス@ペイトリオッツ戦

 

【結果】ペイトリオッツ 37-31 チーフス
 まさかのチャンピオンシップ2試合目も延長戦。そしてやっぱりのペイトリオッツ。
 1Qはペイトリオッツが8分もかけてTDを奪うみごとなドライブを見せつけて、やっぱり強いんだなと印象付けました。チーフスはパント。そしてまた堂々のペイトリオッツオフェンスが……。なんとINT。チーフスに流れが変わるのか?
 2Q。ところがチーフスはせっかくのチャンスをパントで終わる。これがよくないのです。ケルシーに投げて最初はダメでしたが、2投目は9ヤードゲイン。残り1ヤードをランで取ろうとして失敗してしまったのです。うーん。このあと膠着状態に。お互いにパントで終わる攻撃。守備陣はよく相手を研究しています。うかつに投げられない。慎重になります。でもチーフスはチャレンジャーなのだから、ここでなにかをしないわけにはいかないはず。マホームズの42ヤードパスが決まる(レシーバーはヒル)。これはすごい。もしかしたらと思わせる。このあとがいけない。マホームズはラッシュを逃れるために深く下がったところでサックされてしまう。FG圏内から圏外に追い出されてしまったわけです。またパント。すると今度はペイトリオッツが仕掛けてきました。リードしているペイトリオッツは前半の残り時間を使ってFG狙いか。投げどころがなくブレイディーはいわばセーフティーバルブのホワイトへのショートパス。ロスがなければいいという感じ。それがチーフスの意表をついた形になってあれよあれよと30ヤードのゲインに。こうなるとペイトリオッツは狙ってきますよね。29ヤードのTDパスを決めて、前半を14-0。つまりペイトリオッツ守備は完璧にチーフスを抑え込んだのでした。
 3Q。ここで巻き返さないと時間もなくなります。コイントスで勝ったチーフスは後半勝負としてレシーブを選択していました。だから後半最初のドライブはとても大事。短いゲインを重ねていくのかと思ったら、ワトキンスへのディープミドルへのパス。これが54ヤードのゲインとなっていっきにレッドゾーン。ケルシーに短いパスを投げてTD。14-7。たたみ掛けたいところ。このあとお互いにパントですが、マホームズはサックされてしまったんですよね。前半の経験が活かされていない。もっともチーフスの守備もブレイディのパスをはたくなど、とてもアグレッシブにやっていました。チーフスのパントが短くてペイトリオッツにいいポジションを与えてしまい、それがFGにつながってしまいます。17-7。逃げて行くペイトリオッツ。この段階で、今日のチーフスは20点ぐらいしか取れないのではないかと感じましたし、ペイトリオッツは30点取れる勢いを感じました。ですがチーフスはそこからTDを取っていくのです。このシリーズはシビれました。サックされることを見越して自らネイキッドになって、突っ込んで来るペイトリオッツ守備の頭越しにパス。勇気も技術も必要です。#26ウィリアムスへのサイドライン側のショートパスがロングゲインになりました。ペイトリオッツにパスインターフェアランスの反則もあってTDまで持って行くことができました。おみごと。17-14。
 4Q。いけそうな気がする。チーフス守備もがんばって、今日最初のドライブのようにガシガシとやってくるペイトリオッツでしたが、4dインチのギャンブルで飛び込んだところをチーフス守備にしっかり抑えられて失敗。チャンスと思いきやチーフス攻撃はぜんぜん進めずパント。ペイトリオッツはまた攻撃開始と思ったとたんにINT。ここはパントリターナーのエデルマンの手に当たったかどうかというビデオ判定があって、当たってないとなり、ペイトリオッツの攻撃だったのですが、今度はエデルマンに投げたボールが弾けてINTになったのでした。神様は意地悪だ。まだチーフスに流れが来ている。スクリーンパスで#26ウィリアムスが走り込んでTD。ついに逆転です。17-21。残り7分55秒。このスクリーンパスはそもそもプレイ全体が右に行くと見せかけての左だったので、ウィリアムスは誰にも触られずにTDできたのでした。すばらしい戦術。
 このあとはTDの応酬。息もつけない展開で唖然です。チーフスは再び追う立場になって残り時間を使いながらTDをすれば勝利でした。ですが、これがうまくいかない。残り31秒しかないのでしょうがないのですが、ミドルにいいパスが決まっていたのでTDを狙いに行ってもよかったんじゃないかと思いますが、安全にFGで同点にしました。31-31。
 終盤のペイトリオッツの落ち着きと、やはりグロンカオスキーとエデルマンのいるチームへの守備も難しさもあって、チーフス守備はなかなか止められませんでした。せめてFGにしておけば、できればパントで終わらせればと思うものの止まらない。この底力は脅威というか恐怖です。
 延長。コイントスでレシーブを取ったペイトリオッツ。先ほどの鬼のような攻撃はさらに続きます。3d10まで追い込んだチーフス守備でしたが、エデルマンにパスを通されてしまう。このあともパス不成功もあるものの、エデルマンで15ヤード。グロンカオスキーで15ヤードと、ガツガツといわばボディーにいいパンチが入っていく。#34バークヘッド(Rex Burkhead)のラン攻撃は仕上げのようなもの。10ヤード、3ヤードとゲインし、最後に2ヤードのランでTD。試合終了です。37-31。
 この最後のシリーズは、スーパーボウルへの布石にもなっています(たぶん)。34バークヘッドはレギュラーシーズンではあまり目立っていません。4人目のRBといった感じで、ネブラスカ大出身6年目。ベンガルズから2017年にペイトリオッツへ移籍していました。今シーズンは8試合に出て、Week17のジェッツ戦でパスキャッチからのTDを1つ。その前のWeek16のビルズ戦ではファンブルロストを喫していて、正直ペイトリオッツの中でも、それほど目立つ存在ではありませんでした。それがこの大事な延長戦の場面で3回連続でボールを持たされたのです。それだけ層が厚く総力戦ではまだまだ人材はいるぞ、とアピールしているかのようです。スーパーボウルでは誰がヒーローになるでしょうか。

日本時間2019年1月21日(月)ペイトリオッツ@チーフス
 
 

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スーパーボウル

(以下、スーパーボウルとカンファレンスチャンピオンシップの【結果】はいずれ別ページとなる予定です)

 ラムズとペイトリオッツのスーパーボウルとなりました。日本時間2月4日(月)。BSNHKは午前8時から生中継予定です。
 ラムズは、「ONE HOUSE.ONE DREAM.」を掲げてプレイオフに臨みました。直訳すれば「ひとつの家。ひとつの夢」ですね。One for all, All for on.みたいな意味でしょうか。そしてこのHOUSEは、新しいラムズの本拠地の意味でもあります。ご存じのように、1936年にクリーブランドで誕生したラムズですが、10年後にはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムへ移転。懐かしい映画「天国から来たチャンピオン」(1979年)では、主人公はラムズのQB。当時はコロシアムでした。ロケもしています。その後、1980年にアナハイムへ。いま野球の大谷選手が所属するエンゼルスと同じ球場だったのです。1995年からはセントルイスへ移転。QBカート・ワーナーなどの活躍でスーパーボウルを制します。2016年には再びロサンゼルスに。いまはコロシアムを本拠地としていますが、2020年シーズン以降、ロサンゼルス・スタジアム・アット・ハリウッドパーク(建設中)に移る予定です。ひとつの家、という気持ちはなんとなく感じますよね。転勤ばっかりの家族みたいな。やっと落ち着けるかもしれない。そのためには勝利が必要です。またとないチャンスがいまやってきたのです。
 ペイトリオッツは、「EVERYTHING WE GOT」を掲げてプレイオフに臨みました。直訳すれば「私たちが得たすべてのもの」ですね。動画などによると、プレイオフのすべてを得るには、すべてを取りに行かなければならない、そしてそのために自分たちはすべてを投げ打つのだ、といった意味があるようです。つまり自分たちはすべてを出し切ることですべてを得るのだという意気込みですね。なんだか深いです。いまさらペイトリオッツを語ることもないでしょうが、スーパーボウルに10回も出ています。1986年(第20回)、1997年(第31回)、2002年(第36回)、2004年(第38回)、2005年(第39回)、2008年(第42回)、2012年(第46回)、2015年(第49回)。2017年(第51回)。2018年(第52回)。ここで表記した年はシーズンの年ではなくスーパーボウルがおこなわれた年です(私が2018−2019なんて表記をするのもこのため)。
 このうち5回勝利しています(2002年、2004年、2005年、2015年、2017年)。全勝しているようなイメージがありますけども。イーブンなのです。まだまだおれたちにはやり残したことがあるぜ、的な意味がEVERYTHING WE GOTにはこめられているのかもしれません。11回目で勝利すれば勝ち越しです。また、2002年からQBはトム・ブレイディーです。つまりブレイディーのスーパーボウルとしては、8回出て5勝ですから勝ち越していますけどね。
 ブレイディが初勝利したスーパーボウルはラムズが相手でした。HCビル・ベリチックは2000年就任ですから、2年目。QBドリュー・ブレッドソーでいまいち線が細い。今年もなあ、というときにWeek2でブレッドソーが負傷。ブレイディーが代役で出て勝ち始めると、ブレッドソーはケガが治ってもスターターに戻ることはありませんでした。そのままスーパーボウルへ駆け上がって、当時最強と見られていたラムズと対戦したのです。そして勝利し最年少MVPとなったのでした。といっても前半はペイトリオッツの守備が光っていました。後半も守備の戦いとなって17-17で残り2分を切ってペイトリオッツのオフェンス。これがすばらしく冷静なブレイディーが一躍スターとなったのです。FGをヴィナティエリが決めて勝利しました。チーム力で勝つ展開ですね。これはペイトリオッツの基本で、現在も続いているスタンスです。
 この強いペイトリオッツにラムズは勝てるでしょうか。対ラムズではじまったペイトリオッツの黄金期を、ラムズが止めるでしょうか? いろいろな話が飛び交っています。
 ・ラムズ守備#99アーロン・ドナルド。彼が強力で俊敏なペイトリオッツのオフェンスラインにどう切り込むか。ドナルドは今季41タックル、20.5サックをあげています。ブレイディは、チャージャーズやチーフスといった強力な守備チームからもほぼ守られていました。今回、プレイディもゴフも動き回るQBではありません。ゴフは多少は走りますけど。ブレイディに時間を与えればパスが通るわけで、それをさせない守備は可能でしょうか?
 ・ラムズQBゴフは、短いパスも長いパスもとてもクイックで鋭く投げます。これにペイトリオッツ守備はどう対応するでしょうか。とくにプレイアクションパスはみごとです。敵の裏をかくロングパスで何度もチャンスを広げてきたラムズですから。
 ・あまり表情をあらわさない老獪なHCベリチックと、アグレッシブで若々しく表情豊かなHCショーン・マクベイ(33歳です!)の対決。マクベイはレッドスキンズ時代にQBカズンズを育てたコーチとして注目されました。カズンズは鳴り物入りのQBであるRG3が負傷したあとチームを引っ張り続けました。そしてNFL史上最高年俸でバイキングスのQBとなっています。すでにたくさんのスターを育てたベリチック。いままさに自分の時代を築こうとするマクベイ。
 ・懸念材料 ラムズ Week14ベアーズ戦でプレッシャーを受け続け4INT、1セーフティを奪われました。ゴフはプレッシャーに弱いのです。ラムズ守備もがんばって3INT奪うなど活躍したのですが、勝てませんでした。翌Week15ではイーグルスと戦ってやはりINTをくらって負けています。またイーグルスにけっこう走られていましたね。13勝したラムズですが、セインツ、ベアーズ、イーグルスに負けていて、比較的スケジュールは楽だった印象なのです。
 ・懸念材料 ペイトリオッツ Week15でスティーラーズに負けています。際どい試合を取りこぼしたのです。意外にもランに対する守備に脆さが出ていました。オフェンスラインが強いとき、ペイトリオッツはうまく対応できないことがあるのです。これは修正されたでしょうか? またブレイディもさすがにサックされるとパスの勢いも止まります。プレイオフではチャージャーズ、チーフスともに、ブレイディをサックできませんでした。ラムズはどうでしょう? そしてペイトリオッツとしては前回スーパーボウルではイーグルスに完敗しました。それに奮起しての今季でしょうが、かえって意識しすぎて歯車が狂うこともあり得るのでは?

 
 

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オードリーのNFL倶楽部 若林のアメフト熱視線 (Number Books)

NFL2018 カラー写真名鑑 (B.B.MOOK1416)

……以下、過去の記事です……

ディビジョナル・プレイオフ

 日本時間1月13日〜14日に開催されたディビジョナル・プレイオフはこの組み合わせとなりました。黄金カードばっかりです。ただし、片方は休みなしで戦っていて、片方は1週間お休みしていますので、どうしたってホームチームにアドバンテージが大きくあるのは事実。同時に思わぬ逆転劇も潜んでいるのがディビジョナル・プレイオフなのです。

 コルツ@チーフス(AFC)

【事前】興味深い対決となりました。チーフスのQBマホームズとコルツのQBラック。さらにQBサック数で上回るチーフス守備とコルツ攻撃。見所の多い試合になると思います。過去の対戦結果は今回にはほとんど関係ないでしょう。チーフスはマホームズになってからまったく違うチームになっていると思っていいからです。イメージですがコルツは着々とゲームを作っていくチーム。チーフスはいわばアドリブというか、思わぬところからゲームを動かすタイプ。1週間休んで戦略を立てているであろうチーフスが優位であることは確かですが、チーム力として高いレベルにあるコルツにも突き崩せるパワーはあるはず。とくにチーフスは守備に波があるのでそこを突くことができるか。

【結果】コルツ 13-31 チーフス
 雪が舞うスタジアム。予想以上の大差となりました。コルツがなにもできいないうちに、チーフスは2TD。コルツのオフェンスラインが、チーフスのディフェンスにコントロールされてしまい1dも取れないまま時間が過ぎていきました。それだけコルツは守備の時間が長くなり、疲弊していきます。チーフスQBマホームズの能力のすごさは、たとえば2Qに右にロールアウト。ネイキッドになってしまい、レシーバーも見つからず、投げ捨てるタイミング。そこで投げてケルシーがキャッチしたわけですが、ケルシー以外には取れないところに投げていました。コルツはパントブロックからTDをあげたものの、すぐにチーフスは最高のドライブでTDを取り返す展開。前半で勝負あったか、という感じ。コルツのキッカーはビナティエリ。まだ現役なんですよ、ペイトリオッツ時代が懐かしい。コルツは完敗。チーフスは1週休んで勝負勘が鈍るどころかますます冴えてきた印象。

 カウボーイズ@ラムズ(NFC)

【事前】ある意味、似た者同士のような戦い。QBプレスコットとQBゴフ。私が見ている範囲ではゴフのパスの方が素晴らしいとは思うものの。どちらのチームも強力なRBとWRがいますのでオフェンスではどちらも素晴らしい。土壇場に強いイメージのあるカウボーイズですから、接戦になれば勝機はあるはず。とくにカウボーイズにとっては不安定なオフェンスよりも、強いディフェンスでラムズに対抗していきたいところです。ラムズの強力オフェンスに死角はあるのか。QBゴフも多少の機動力はあるのですが、プレスコットほどではないので、なんとかプレッシャーをかけ続けたいでしょうね。ラムズのオフェンスラインの腕の見せ所でもあります。

【結果】カウボーイズ 22-30 ラムズ
 ジャブの応酬。ただラムズの攻撃はゆったりと構えていて時間を消費していきます。カウボーイズが優勢かと思われたのも束の間、ラムズはRBアンダーソンのロングゲインでいっきに前進。それでもTDはなかなか簡単ではないままに時間が経過。ラムズは徐々にエンジンがかかってくるのか。プレイアクションを2つミドルに決めてスクリーンパス。パワーをかけてきた。フォーメーションはあまり凝らないけど見せ方を変えていく手法でカウボーイズ守備を迷わせる。9分もドライブしてTDする。明らかにラムズのオフェンスラインは元気。焦るカウボーイズに反則が出れば、エースRBガーリーが切り裂く。いっきにラムズは自分たちのペースへ。4Q、カウボーイズも必死の反撃。4dギャンブルからエースRBエリオットが止められるシーンでラムズはかなり優位となった。最後にはラムズはQBゴフが自ら走る、いわばスペシャルプレイを見せて勝利を決定的にした。これはこの試合のためというより、チャンピオンシップでイーグルスかセインツと戦うことを意識して入れたプレーコールではないかとさえ思うほど。点差以上にラムズ強し。

 チャージャーズ@ペイトリオッツ(AFC)

【事前】ベタランQB対決。ただしスーパーボウルで無敵のイメージを持つペイトリオッツに対して、チャージャーズはなかなか届かない残念なイメージ。それを覆せるか。そしてチャージャーズQBリバースにとっては、最高のQBブレイディと対決して勝利することはとても重要なことです。今季のペイトリオッツが以前ほどの恐ろしいばかりの強さを感じさせないのは、主に守備の弱体化によると思いますので、チャージャーズにとっては一泡ふかせるチャンスはあるはず。ペイトリオッツ守備のいまいちさはWeek14でドルフィンズに33-34で負けた試合に代表されます。レイヴンズに勝利したやり方がペイトリオッツに通用するか、興味深いですね。

【結果】チャージャーズ 28-41 ペイトリオッツ
 ペイトリオッツの守備が奮起したのかと言えば、そういうわけではなく、オフェンス力でカバーした印象。つまり力でねじ伏せた感じでしょうか。最初のドライブでまっすぐTDに結びつけたペイトリオッツ。研究していたペイトリオッツの守備の穴をついてお返ししたチャージャーズ。ここまではワクワクドキドキでした。ところがこのあと。攻撃をすればすべてTDになるペイトリオッツ。一方、パントが増えるチャージャーズ。気がつけば取り返しがつかないほどの点差。その主因はむしろチャージャーズの守備でした。休養十分でパワー全開のペイトリオッツのオフェンスラインにやられっぱなし。中央付近のランがよく出ていたのが印象的です。RBミシェルは24回キャリーで129ヤード、3TDと大活躍でした。このランのおかげで、QBブレイディはムリなパスは投げなくてすみました。ムリをしなければならないのはQBリバース。前半だけで7-35はもう絶望的ですよね。後半も特筆すべきことは起きず、エデルマンとグロンカオスキーの大活躍だとか。「ああ、いつものペイトリオッツ」。地元ペイトリオッツファンでも試合終了前に帰宅したというほどの大差でした。こんなに差があるの?とビックリですね。

 イーグルス@セインツ(NFC)

【事前】これまたシブい。カンファレンスのチャンピオンシップゲームのような組み合わせですね。イーグルスは今季、薄氷の上を渡るようにして勝ち進んできました。王者の意地としか言いようがありません。スーパーボウルを制した翌年はチーム力を維持することが難しく(スタープレーヤーが外に出てしまうことが多いので)、またムリがたたってケガ人が増えたりもして、プラン通りに試合を組み立てられないことが多いのです。その厳しさに揉まれながらもやってきたイーグルス。一方、セインツは今季、またしても黄金の輝きを取り戻した印象があります。QBブリースにとってもそろそろ有終の美を飾りたい。もう一度スーパーボウルを、と思っていることでしょう。正直、セインツの強さは全盛期のペイトリオッツに似ていて、無慈悲に強い。Week16のスティーラーズ戦などその典型です。あの調子だとイーグルスは本当に厳しいでしょう。

【結果】イーグルス 14-20 セインツ
 セインツのオフェンスからはじまった試合。いきなりイーグルス守備がINT。そこからのTDで先制。波乱の幕開けでした。さらにセインツの攻撃を抑え、イーグルスは次のシリーズもTD。調子いいぞ、なんて思ったのはここまで。結果をご覧の通り、以後、イーグルスは1点も取れないままで終わってしまうのです。これは予想外でした。点の取り合いではなく、冒頭にイーグルスが点を取り、2Q以降はセインツだけが点を取る展開。だからといってセインツが楽勝したわけではありません。3dコンバージョン15回のうち8回成功させ、4dギャンブルも2回やって2回とも成功させての勝利です。セインツの攻撃時間は37分50秒。イーグルスは22分10秒。15分近い差。セインツのゲームプランはシーソーゲームにされないために、イーグルスの攻撃時間を奪うことでした。イーグルスは追いつ追われつに強く気がつけば勝利している、みたいな試合(ミラクルと言えなくもありません)の印象が強いので、セインツはできるだけ落ち着いてコンサバな試合にしたかったのでしょう。セインツの1d獲得は合計25。うちランによる獲得が9回もあります。RBカマーラとRBイングラムを効果的に使ったのです。とくにカマーラは試合を通して平均的にゲインしていました。イングラムは後半に大きくゲインしました。1d獲得のためにパントフェイクもやりましたし、もう1人のQBヒルを入れてのオプションも見せました。シーズン中もヒルが出てくるとダイレクトスナップというかヒルがそのまま走ることが多かったのですが、この試合ではTDパスも試みました。残念ながらホールディングの反則で記録はありません。守備の時間が長くなりイーグルスはさすがにお疲れな感じに。パスをカバーすればカマーラに真ん中をランで切り裂かれるので、お手上げでした。

 

ワイルドカード

 日本時間1月6日〜7日に開催されたワイルドカードを振り返ります。

 コルツ@テキサンズ

 コルツのパスオフェンスがうまくヒットしてコルツが完全に試合を支配しました。こうなると地元とはいえテキサンズには勝ち目がありませんでしたね。テキサンズはわかっているはずなのにパスディフェンスをしっかりやり切れませんでした。QBラックにプレッシャーをかけられないため、いいパスが通ってしまうのです。前半で21-0。後半もテキサンズは守備の時間が長く疲弊していきます。一方、コルツは自分たちのやりたいことをきちんとやっている印象。チームそのものがフレッシュな感じもありますね。21-7でコルツ勝利。

 シーホークス@カウボーイズ

 カウボーイズWRハーンズが足を骨折する痛いシーンもありつつ、ウィルソンがなかなか本領を発揮できないでいる間にカウボーイズが着々と点を入れていく前半。後半になるとシーホークスも点を入れて追いつこうとします。QBウィルソンが自ら走ってTD。カウボーイズのQBプレスコットも走ります。シーホークスにとってもっとも痛いのは、序盤にキッカーがケガでサイドラインに下がってしまったこと。つまりFGを蹴る人がいない。オンサイドキックを蹴る人がいない。接戦ではキッキングはとても重要なのでこのハンデは大きすぎました。24-22でカウボーイズが勝利できたのは、キッカーの差だったとも言えますね。

 チャージャーズ@レイヴンズ

 ベテランQBリバースの勝利でした。地元なのにレイヴンズのQBジャクソンはパスがなかなか思うように決められないのです。これはマズイですね。後半になると地元なのにブーイングが出たほどの散々な出来でした。最後まで出て、なんとかTDを取るものの時すでに遅し。勝機は前半にあったんですけどね。どちらも守備がよく、チャージャーズはいいポジションから何度もオフェンスができたのにTDできずにいました。この時間帯こそレイヴンズが試合を支配できるチャンスだったのですが……。最終的な点差以上にチャージャーズの試合でした。23-17でチャージャーズ勝利。

 イーグルス@ベアーズ

 こちらも接戦となりました。NFLのポストシーズンゲームで1日に2試合とも前半にTDがない、というのは初だそうです。こちらも守備合戦になりました。ベアーズの守備はなかなか強力です。ところがこの試合ではイーグルスも素晴らしい守備を見せました。とくにパス守備はみごと。その結果、最後までもつれる試合となったのです。イーグルスは残り時間のないところでTDをしましたが2ポイントに失敗。1点差で56秒も残しました。ベアーズはキックオフリターンでいいポジションを取り、FGで勝利を得られる位置へ。43ヤードのFGを成功させればベアーズ勝利でした。43ヤードはキッカーとしては成功させたい距離。ところが失敗してしまうのです。なんとシーズンにも4回もポールにあてて失敗させていたというキッカー(名は出しませんが)。大事なところでやってしまったのでした。またこの試合は、審判にとっても厳しい判断を迫られる場面が多く、今後も議論を呼びそうです。16-15でイーグルス勝利。

 
 

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タスクの積み残しを減らそう 30分タスク管理に挑戦

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 こんにちは。そこはかとない話。
 私は、1日に大きく2つの仕事(行動)をしています。
 1つはルーチン。
 1つはそれ以外(取材、打ち合わせなど含む)。

 フリーランスなので仕事もプライベートもごっちゃになります。
 自然に身についた方法で管理してきましたが、どうも効率が悪い。毎日、積み残しになるタスクが出てきてしまう。そしてタスクのリストにあるのにいつまでも手がつけられないまま放置されているものが出てきてしまう。これはいけない。
 2019年は業務を改革しなければ。

 そこでまずルーチンの圧縮を考えました。とくに時間のない午前中の使い方。
 ルーチンとして必ずやっていること。それはSNSの巡回です。これは、ブラウザーでFacebook、ブログ、メルマガ、ニュースなどを見て、当然自分宛てのメールやメッセージを確認し、返信します。このほかツイッターもありますし。
 漫然とやっていると思わぬ時間がかかる。
 つまりこうした巡回全体には60分しか充てないことにしました。ここで積み残しが出たら、午後以降に合間でやる。

 次に積み残し放置の最たるものである「読書」。これは60分を毎朝、必ずやる。とくに仕事に関わる本はできれば30分で読み切るぐらいの勢いで取り組む。

 さらに原稿作成。これも30分。とにかく手をつける習慣をつける。

 またそろそろ確定申告。経費など元帳の管理にも30分充てる。

 以上、60分+60分+30分+30分、合計3時間は、スマホでタイマーを使ってきっちり計測しながら進行させるようにしました。
 7時半にはじめれば10時30分ぐらいまでに、上記のことをルーチンとしてこなせます。やった!

 達成感も感じることができます。必ずしなければならないことは、この時間帯にルーチンのスケジュールとして組み込み、計測して遂行する習慣をつけるだけで、否応なく、それ以降にしっかりフリーの時間が使えます。つまり、ルーチンではないことや、ルーチンで積み残したことに費やすことができるのです。

 子供のころは、学校をはじめとして「時間割」があって、否応なくつぎつぎとこなして1日が過ぎて行く生活ってのがあったわけですが、大人になるとどーんとそれが崩れ、さらにフリーランスになると完全に崩壊していきます。

 もちろん、なんのルーチンもない日を設けることも大事でしょう。けど、いまのところ、お休みの日にはお休みの日用のルーチンを設定してもいいな、という気になっています。
 タスクを追加することが怖くない、というか。

 たとえば読書60分で、45分で読み終えた場合には15分余裕ができますよね。これが大事。コーヒー飲んだりしてもいいんです。

 実はこのブログは、余った時間で書いています。

 徐々に積み残しは減っていきます。

 60分設定をしているのもあるのですが、基本は30分単位でOKだな、と感じています。
 大切なコツは、時間が来たらピタッと止める。次のタスクに移行すること。延長とかしはじめると、結局は元に戻ってしまうからです。ここで生まれた積み残しは、午後のあいた時間、または翌日に持ち越します。

 集中力も高まっているような気がしますね。あくまで気分ですが。

 

News かきっと! 記事の更新情報など


 今年もよろしくお願いいたします。


 すっかりご無沙汰しておりましたが、昨年末からいくつか記事を更新しております。


『「アタマのやわらかさ」の原理。 クリエイティブな人たちは実は編集している』 (松永光弘著)


 一読してすぐ感動、感心した本です。クリエイティブについて突き詰めていきつつ、わかりいやすい言葉で表現された本です。


『世界一やさしいIndeedの教科書』(高山奨史・新倉也著、Indeed Japan監修)


 あの「いんでぃーど」についての入門書です。編集など少しお手伝いした書籍です。


NFL 2018-2019 いよいよプレイオフ その前におさらい


 2019年の最初の記事はNFL。シーズンを振り返り、ワイルドカードの対戦の見所をまとめました。


NFL 2018-2019 プレイオフからスーパーボウルへ


 そして、ワイルドカードが終了した時点からその結果、次のディビジョナル・プレイオフのカードを展望してします。この記事はスーパーボウルの直前までをフォローしようと思っています。随時更新予定です。


 SSL化を推進しました。


 昨年、SSL化をしましたが、httpsで表示できる、というだけで、既存のhttpもそのまま残されておりました。

 そこで、WordPressの設定を変えてhttpsをメインに変更しました。

 同時に、内部のリンクも可能な限りhttpsへ変更しました。

 ですが、外部からhttpで来た場合でもhttpsを自動的に表示できるようにもしています。


 いろいろ不具合もあるとは思いますが、発見した場合はできるだけ早く対処します。


 コピーされたかも!


 記事を個人のメモとしてコピペされるのは自由です。引用する場合は出典を明記してください。著作権はそれぞれの書き手にありますので、その点はご注意ください。


 このサイトでは、コピーされたかもしれない(つまり文字列を選択されたかも)を感知するプラグインを利用しています。これは、お役に立っている可能性を知る上でもとてもうれしい仕組みです。

 ちなみに、この半年ほどで、もっともコピーされたかもしれない記事は、次の2つです。


 約款が変わる! 民法改正で「定型約款」が誕生


 『充たされざる者』(カズオ・イシグロ著、古賀林幸訳)


 ほかにもカズオ・イシグロの著書紹介記事はいくつかコピーされたかもしれないのですが、顕著なのはこの作品でした。


 これからも、思わずコピーしたくなるような記事を増やしていきたいと決意を新たにしました。

 といってもペースは相変わらずですけども。


 よろしくお願いいたします。


 

NFL 2018-2019 いよいよプレイオフ その前におさらい

 日本では甲子園ボウルが終わり(関学ファイターズ対早大ビッグベアーズでファイターズ圧勝)、ライスボウルが終わり(富士通フロンティアーズ対関学ファイターズで、フロンティアーズ圧勝)、NFLもレギュラーシーズンが2018年12月31日に終了。地区優勝とワイルドカードが決まりました。NFLでは地区優勝チームとそれに継ぐ勝率上位のチームがワイルドカードとしてスーパーボウルへの挑戦権を得るわけですが、地区優勝をしてなおかつ勝率上位になればシードされるのでスケジュールがとても楽になります。ケガ人も戻れるチャンスがあります。だからワイルドカードに残るチーム、シードを得たいチームにとって最後の試合はとても重要となりますね。

 なお、アメリカンフットボール、NFLについての用語などの解説は過去記事のこちらをどうぞ。

ワイルドカード

 今季、私がいつも注目しているスティーラーズは、昨年最高のパフォーマンスを見せたRBベルを失い(契約でもめて出場せず)、いつも下位に沈んでいるブラウンズと引き分けるといった不安な前半からなんとか踏ん張ってきました。ところが、Week16のセインツ戦で負けてしまったのです。この試合、パスインターフェアランスの判断がめちゃくちゃ厳しく、スティーラーズの守備はことごとくイエローをくらい、他の試合と比べてもとんでもなく異常なほど厳しかった(とファンは思うよね)こともあって惜敗してしまったのです。AFC北のライバルチーム、レイヴンズは、シーズン中にQBが変わりました。Week9のスティーラーズ戦でこれまでの先発QBフラッコが負傷。このあとをルーキーのジャクソンが引き継ぎます。これが大当たり。レイヴンズがじわじわと勝率を上げていきついに追いついてしまったわけです。最終戦、スティーラーズは勝利したとしても、レイヴンズが勝てばレイヴンズの地区優勝。さらに9勝6敗1分のスティーラーズはコルツとタイタンズの試合などにも左右されるギリギリのところに追い込まれ、コルツが10勝目をあげてシーズン終了となったのでした。

 一方、NFCでは、シーホークスとイーグルス(前回チャンピオン!)が苦しんでいました。シーホークスは同地区に絶好調のラムズがいたために地区優勝が遠くなっていました。同地区なのでホームアウェイで2回の対戦がありましたが、どちらも僅差で負けています。Week5は33-31、Week10では36-31。どっちも落としたのは痛かったですね。ですが、このWeek10の敗戦から怒濤の勢いを見せるのです。怒濤といっても僅差の試合をものにしていく。途中まさかの49ersに負けたのはどうかと思いますが、3点差試合3、1TD差試合2となかなかの勝負強さを見せました。そして地区優勝は好調ラムズに。なんと13勝とみごとな結果。シーホークスはワイルドカードにすべり込みました。

 イーグルスはQBがころころ変わるシーズンでした。最初の2試合をフォールズで、バックアップQBからスーパーボウルMVPとなったのにWeek3からは、それ以前のスターターであるウェンツが復帰。悪くはないのですが、肝心の同地区ライバルのカウボーイズに2回とも負けるなど苦しみました。最後の3週間はまたフォールズに戻って3連勝し、なんとかワイルドカードを獲得しました。ところがこのフォールズがまた負傷したみたいで、ワイルドカードはどうなるんだ、という気がしますね。

 こうしてワイルドカードは、次のような日程と対戦になりました。

 日本時間1月6日 午前6時35分〜コルツ@テキサンズ 午前10時15分〜シーホークス@カウボーイズ

 日本時間1月7日 午前3時5分〜チャージャーズ@レイヴンズ 午前6時40分〜イーグルス@ベアーズ

ワイルドカードはどうなる?

 コルツ@テキサンズ

 すばらしいディフェンスとランニングゲームを武器とするテキサンズ。パスオフェンスとディフェンスで対抗するコルツ。もしディフェンス合戦になったときには、僅差の試合になっていく可能性があります。一方、コルツがバスオフェンス好調なら点差が開く可能性もあります。予想がつけにくい試合です。

 シーホークス@カウボーイズ

 よくも悪くもシーホークスQBウィルソンしだいになりそうな試合です。カウボーイズはQBプレスコット、RBエリオット、WRクーパーという黄金のトリオが活躍すれば勝利できるでしょう。このオフェンスをシーホークス守備は止められないでしょう。ですが、ウィルソンはプレスコットと同じぐらいのパスとエリオット的な走りが可能なので、もしお互いの守備が活躍するようなゲーム展開となって僅差になった場合にシーホークスには勝機があるはず。カウボーイズはときどき信じられないミスをするのでもしそれが出たらさらに最悪の結果になります。ですが数字からすればカウボーイズが勝つ試合と言えます。

 チャージャーズ@レイヴンズ

 ベタランで今季は満足いく結果を出したチャージャーズのQBリバース。今季彗星のように現れてチームを地区優勝に導いたレイブンズQBジャクソン。ジャクソンにとってはホームで試合ができることはとても有利です。ただしリバースはベテランでロードの試合でもなんともなく勝ちますのでアドバンテージはそれほどないかもしれません。ただチームとして安定して力を発揮すれば勝てるはずのチャージャーズに比べて、いままさに進化しつつあるレイヴンズの未知の部分がどう大舞台で発揮されるか注目です。楽しい試合になりそうです。

 イーグルス@ベアーズ

 ベアーズの守備が試合の流れを決める可能性が高いでしょう。ベアーズはQBトリビスキーの正確なパスも魅力ですが、その点ではイーグルスも同様。誰がQBとして先発してもこのシステムは同じように発揮されるはず。そこで地力としての守備に注目して試合を見たいところです。もしベアーズ守備がうまく機能すればイーグルスといえども簡単に点は取れないでしょう。当然ながらベアーズ守備が崩壊したらイーグルスの圧勝となってしまう可能性があります。満身創痍とはいえ大舞台に強いイーグルスがどんなゲームプランを持ってくるのかとても興味深いですね。

シーズンを振り返る

AFC東地区

 1強3弱なイメージのあるこの地区。ペイトリオッツはやっぱり強かったですね。しかも今季、結果的にスケジュールは緩めでした。それでも11-5と5敗もしています。負けた相手はジャガーズ、タイタンズ、ドルフィンズ、スティーラーズ。同地区内で唯一負けた相手はドルフィンズでした。ドルフィンズは昨年も終盤でペイトリオッツに辛勝していて今回もまたやらかしています。ドルフィンズは開幕3連勝で今季はもしかすると、と思わせておきながら出来不出来の差が大きいチームとなってしまい、ワイルドカードも逃しました。ビルズ、ジェッツはなかなかシンドイ1年でした。ペイトリオッツはAFCの第2シードとなりました。

AFC北地区

 レイブンズが最後に地区優勝にのし上がりました。スティーラーズは好不調の波にもまれ、勝ちパターンができそうでできないままシーズンが終わった感じ。一方レイヴンズは明らかにチームの力が徐々に形になっていった印象があります。新人QBラマー・ジャクソンはちょっとした救世主ですね。フレッシュなチームになった感じもありますけど、ケガ人は多くワイルドカードを勝ち上がるのは大変です。スティーラーズはそろそろチーム再建期でしょうか。QBロスリスバーガーはアグレッシブですけども、ミスも増えている印象。ディフェンスはかつてほどの威力を感じません。この地区で特筆すべきは万年最下位的なブラウンズの躍動です。ルーキーQBのベイカー・メイフィールドがWeek3から登場し、あれよあれよと上位を脅かすチームとなったのです。ただ地区での負けが目立つので、まだまだですね。来季に期待したいところです。そして最下位のベンガルズでも6勝していますから、いつの間にかAFC北地区はパワーバランスが大きく変わっている印象を受けました。

AFC南地区

 すばらしいですね、テキサンズ。プレイオフでどこまで行けるか楽しみです。11勝5敗で地区優勝を決めました。この地区は、コルツも10勝してワイルドカードに入りましたので厳しい地区内争いをうかがわせます。終盤の4連勝(テキサンズ、カウボーイズ、ジャイアンツ、タイタンズ)もみごと。QBラックは7年目で安定してきたようです。タイタンズは惜しいシーズンでした。9勝したもののワイルドカードに届きませんでした。ジャガーズは守備のよさが目立ちましたね。チームの再建は守備からというのが鉄則なので来季、もしかすると、という期待は少し残してくれました。

AFC西地区

 今季、チーフスとチャージャーズのデッドヒートはすさまじいものがありました。どちらも12勝。同地区内対戦の勝敗差でチーフスが地区優勝というハイレベルな戦いでした。チャージャーズはワイルドカードとはいえ目が離せないチームです。ブロンコス、レイダースともにちょっといい部分も見えたのですが、この上位チームとの戦いにかなり割りを食った感じです。チーフスはAFCの第1シードを獲得しました。そして今季、もっともNFL全体を楽しませてくれたに違いないのはチーフスのQBマホームズです。父親はMLBの選手(わずかな期間、横浜ベイスターズにいたこともある)。マホームズ自身野球歴が長い。その肩とセンス、機動力は魅力です。まだ経験の浅い面が出やすい(後述、NFC西地区を参照)ものの、ファンを熱くさせるプレーはすでにスターといってもいいでしょう。

NFC東地区

 このところ熾烈というか10勝ラインぐらいを巡って地区内で激しく争うことの多かったこの地区ですが、今季は比較的早く上位が見えてきました。イーグルスのもたつき、ジャイアンツの低迷によるものですが、イーグルスはワイルドカードに残ったのに、レッドスキンズは残念でした。Week14にジャイアンツにボロ負けし、最終週はなんとイーグルスに完封負けです。ジャイアンツ、レッドスキンズとも再建が厳しそうですね。

NFC北地区

 さて、ベアーズについて語らなければなりません。今季のベアーズを誰が予想できたでしょうか。12勝4敗。終盤の4連勝とみごとなシーズンでした。QBトゥルビスキーはINTも多くけしてすごい感じはないのですが、守備力もよく勝負強いチームとなっています。もっともベアーズの地区優勝は、バイキングス、パッカーズのもたつきの結果とも言えます。バイキングスはなかなかいいチームだと思うのですが、勝負に関していえばまだ途上な印象。パッカーズは完全に凋落しています。バイキングスは最後までワイルドカード争いに残りましたが、パッカーズは早々に今季を諦めました。6勝しているとはいえ、内容も全盛期に比べればまったく力が感じられず残念なシーズンでした。こちらもAFCの北地区に似て、最下位のライオンズも6勝しています。それだけの力はあるわけで、来季はどこが上位に行くか予想がつけにくい地区です。

NFC南地区

 パッカーズのQBロジャースは14年目で今季は思うようにゲームを作れなかった印象があるのに対して、セインツのQBブリーズは18年目39歳でみごとなゲームを作り上げたシーズンでした。地区優勝はもちろん、シードでもNFC1位になったのですから。ロジャースは4442ヤードも投げて25TD。INTはたった2ながらもレーティングは97.57に留まったのですが、ブリーズは3992ヤード、32TD、5INTはあるもののレーティングは115.68。40点50点と貪欲とも言えるほど強力なオフェンスがセインツの魅力です。RBのマーク・イングラム、カマラというツインターボは今季も健在でしかもパスキャッチもできる。ペイトリオッツよりも破壊力は上ではないかと思います。ファルコンズ、パンサーズともに7勝までは到達できたものの、なにかが足りないフラストレーションの溜るシーズンでした。どちらもプレイオフに出て不思議ではないチームだけに。バッカニアーズはいかにも再建中なイメージです。

NFC西地区

 13勝してNFCプレイオフの第2シードとなったラムズ。QBゴフってどうなの?という感じですが、今季は強いチームでした。スケジュールもきつめでした。それを象徴するのは、Week11のチーフス戦ではないでしょうか。AFCの1、2を争うチーフスとの激突です。


 この試合は、スーパーボウルで再戦してほしいカードですし、かなりの確率であり得ると思います。最後の数分、QBマホームズはINTをくらってしまいチーフスは惜しくも負けてしまうのですが、ここでラムズの守備の良さも注目されているところです。
 シーホークスは苦しいシーズンでしたが、最後にワイルドカードにすべり込めて報われました。攻守さらにサイドラインともにちぐはぐな場面の目立った今季です。ちょっと繊細なチームになってしまった印象があります。もう少し骨太になっていただければと期待します。49ers、カーディナルズはともにまったくふるわないシーズンとなってしまいました。

 
 

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