かきぶろ

“聖地書店”編集長。イリヤEブックス代表。――書籍、電子書籍、本づくり、読んだ本の話などが中心です

そんな未来はイヤですが……世界経済は逆行しているのか?

 そこはかとない話、とも言えませんけども。
 今日、ある人と「最近、地上波のニュースではまともに国際情勢をやらなくなった」といった話をうかがっておりました。まったくやらないわけではないけども、「日本に対する直接の影響」があるニュースであるとか、「日本人が巻き込まれている」ニュース、または「巻き込まれる怖れのある」ニュースでなければ、芸能人の不倫や離婚や結婚よりも扱いが雑みたいですね。

 その一つとして、ブレクジット(英国のEU離脱)以降の欧州経済問題などは、ほとんどテレビでは取り上げていません。私たちは、ネットでそういう情報を見たりしているので、とても違和感があるんですけども。

 たとえば、ドイツ銀行の危機。こちらはブルームバーグで見ることのできるドイツ銀行の株価です。1年間のトータルリターンが「-56.31%」。マイナス56%ですよ! 2015年10月には27ユーロだった株価が、いまは10ユーロ(2016/09/26)。

 イタリアの銀行の債務が不良債権化しているとかだけではなく、最近では、「米司法省がドイツ銀行に対し、140億ドル(約1兆4300億円)の和解金を支払うよう要求」という話が出ています。すごいでしょ、まだあったサブプライムローン問題ってなところですよね。米国内での住宅ローン担保証券(MBS)の不正販売問題。日経新聞がこれを記事にしたは、2016/9/16ですからね。

 なおドイツ銀行からは、コメントが公表されています。これは日本のドイツ銀行なので日本語で読めます。「上記金額に近い水準で解決する意図は全くありません。本交渉はまだ始まったばかりの段階です。当行は本交渉により、大幅に低い金額で決着をした同業他社の事例と同様の結果となることを想定しています。」として、交渉によって減額される見通しを示唆しています。

 でも、大変ですよね、なんだかね。

 これは、いま起きている危機なんです。

 ドイツはEUの経済の根幹を担っているわけで、そこの最大手のメガバンクが、もしかすると米国の銀行に買収されてしまうかもしれない……。システミックリスクを避けるためには、どこかと組まなくてはいけないかもしれないわけです。現在、とても厳しい政治状況にあるメルケル首相らは、早々に政府としてドイツ銀行を救済する気がないことを表明しています。選挙があるので、銀行救済を表明しにくい。

 かといって、EUはそもそも戦後の経済大国となったドイツを、ナチスドイツのような道へ絶対に進ませないために、いわば被害者である欧州諸国で考え出した一種の戦後処理です。ドイツが他の欧州諸国を救うことはあっても、他の欧州諸国がドイツを救えるかと言えば、いまの体制ではできない。そこがドイツの苦しさでもあり、EUとしての行動力の乏しさでもある。英国は、そういうゴタゴタに巻き込まれたくないから、離脱を決めてしまった。

 これは世界的に起きている大きな構造の転換を意味しているのでしょうか。

 まずは、ブロック経済によって引き起こされた第二次世界大戦を反省し、戦勝国中心による戦後体制では、WTOを中心に「自由貿易」によって、ブロック化を否定する時代が長く続いてきました。
 しかし、現在は、むしろブロック化へと向かいつつある、という仮説。

 戦後資本主義を牽引してきた「消費」による「GDPの成長」という構図が、崩れている。世界的に消費でGDPが上昇する地域は限定的となっています。
 簡単にいえば、これまで資本側は、「消費を促進するためなら、資本の利益よりも労働の利益を確保すべき」と考え、賃金の上昇、働きやすい環境の整備、成果主義やストックオプションによる高額な報酬、有休休暇を確実に消化することによる消費の増大、低金利による住宅ローン支援などを推進してきたわけ。

 マルクス的に言えば、搾取し続けていた初期資本主義は、消費による成長を軸として、搾取を減らす方向で今日まで推移してきたのですが、いまは、消費による成長が望めないため、再び搾取を増やす傾向になっていく。そうしないと資本を維持できないから、ですけども。

 簡単に言えば、「ボーナスも増やすから、住宅買って、マイカー買って、家電買って、子どもいっぱい産んで。休日もあげるので、お金使って」と言い続けてきた経済が、ここにきて逆行しはじめている。
 住宅も買わず、クルマも買わず、家電も買わず、子どもを作らず、休日をいくら増やしてもそれほど散財はしない、だって老後が心配だから……。

 だったら、これまであげていたものは返してもらおう、と資本側が思うかどうか。

 そして銀行の役割も変わる。マイナス金利になっていくなら、銀行では手数料を高くしないと収益が保てなくなる。その結果、銀行に預けると損をする可能性が出て来ます。いますぐじゃないけどね。

 おまけに、ドイツ銀行のようにあっという間に経営が悪化してしまう可能性があるとすれば、おちおち銀行にお金も預けられない。
 また、日本のようなマイナス金利状態になってくると、そもそも銀行が現金保有を増やす。債券で持っていると損をしてしまう可能性があるなら、現金にしておくのが一番低コスト。日銀に預けてもマイナス金利だしね。

 というわけで、世界的にタンス預金が増えていく。

 そして通貨の流通が遅くなり、お金が回らなくなる。さらに景気は悪化する。悪循環ですね。

 また、資本側が、自分たちの生存のために、消費者(マルクス的には労働者)の利益を減らすとしたら、貧富の差(格差)はさらに拡大していきます。このときに、政府がどういう役割を果たすかといえば、「公共のため」を旗印にして、いったん消費者に渡ったお金を取り上げるための制度を拡充していく。

 すでに日本では、年金生活者からも介護保険を徴収している。「公共の福祉のため」という言葉は、まあ「お国のため」という意味です。

 たとえば「同一労働、同一賃金」で消費者の所得が増えたとしても、消費税などで上昇分を政府が回収していく。「君たちの賃金を上げてあげたのは政府なんだから」とでも言うのか。言いません。そうじゃなく「待機児童を減らすため」とか「もっと働きやすい社会にするため」と言う。

 んん?待てよ? 増えた分は右から左へか? 消費どころじゃないですね。

 国に戻ってきたお金は、国益に寄り添っている事業には還元されますが、そうではない事業にはほとんどいかない。結果的に、国内産業は国益に寄り添った事業のみになっていく。事業者は政府を褒め称える者ばかりとなります。もしそのとき、そのほうが自分の理想を実現するために好都合と思っている政治家がリーダーとなっていたら、どうなるか、自明ですね。

 この閉塞感を打ち破るために、これまでは「外圧」があったのですけど、いまはそれもない。最近ではTPPが外圧でスタートしたのに、その圧力をかけてきたアメリカがTPPを見直そうとしているのですから、もはや外圧ではない。
 エアバッグの問題で日本のメーカーが大変なことになってるよ、といっても、それは外圧ではない。そもそも日本の自動車産業はすでにグローバル化してしまったので、国内産業という側面は一部でしかない。だから政府も動かない。

 アメリカもEUも、自分たちのことで精一杯になりつつある。その意味では、日本にも圧力をかけてくるでしょうが、この場合は日本国内も政府も「跳ね返そう」と考える傾向が強くなる。国益ってやつですね。

 おまけに政治を批判できる仕組みが脆弱になっているとしたら、どうでしょうか。公正中立で力のあるジャーナリズムは減っていき、批判そのものがやりにくい社会になったら? 下手に批判すると個人情報をほじくられ晒され人格や生存権を脅かされるとしたら?

 格差社会は、こうしたときには為政者の味方になりやすい。資本側の人は上記のように為政者に寄り添うことで最大利益を得られる。貧しい人たちは、政府に楯突くよりも、中間的に「いい気になっている人」を攻撃することで溜飲を下げる。貧しい人たちからすると、中間的な人たちは「特権階級」に見える。「いい気なもんだ、特権を貪っておきながら、おれたちの政府を批判するなんて」となる。貧しい人が「おれたちの政府」となる条件としては、貧しい人への仕事の提供、住居の提供などつまり生活水準そのものを政府ががっちり握っている場合です。政府に楯突くと死ぬしかないが、政府に協力すれば食べていける。つまり「おれたちの政府」ということになるわけ。生かさず殺さず政策ですね。

 実は、こうした状況は、戦後生まれの私にとっては、すべてあとで書物や映画で知ったことであって、現実に起こることだとはとても思えませんでした。
 だけど、下手をすれば、そういう社会にもなり得るんだろうな、という実感をいまは持っています。別に毎日の生活で大きな変化はないし、目に見えて危機が迫っている気もしないけど、なんとなく実感できてしまう。そこがいまの時代の難しいところかなと思います。

 ドイツでは金庫が売れているそうです。ただ日本では、地震などの災害を考えると、自宅の金庫よりは多少のコストが将来かかるとしても、金融機関に預けたほうがいいと思う人が多いでしょうか。

 現金主義の世の中になっていくと、「信用」が縮小することになります。これもまた、お金の流動性が低下する要因となりますし、信用による取引で手数料を得ていた産業も縮小していくことになります。もっともこの点では、近未来的には仮想通貨によってほぼ手数料なしで決済可能な時代が来る(楽天的なイメージです)ので、いずれにせよ、そのときには銀行の在り方であるとか、私たちがどのような貨幣を持つか、という部分も含めて大きく変化してしまいそうですけども。

 仮想通貨で給料を得て、消費して、クラウドファンディングで投資する。そこには銀行もクレジットカード会社も介在しません。膨大な手数料が消える。一方、ファンディングで資金を得た側も、得られた仮想通貨の範囲でしか行動はできません。「信用」はよくテコになぞらえるのですが、100万円の頭金で4000万円の住宅を買うことができるのが信用によるレバレッジ(テコ)です。
 しかし現金主義だと、このテコが働かない。クラウドファンディングで200万円希望のところ40万円しか集まらなかったら、計画は練り直し。
 信用をどのように今後、付加していくかは大きなテーマになりそうです。でも、ドイツ銀行が米国から140億ドル(約1兆4300億円)の和解金を求められているそもそもの原因は、このレバレッジを複雑化させた金融工学によって生み出されたサブプライムローンだから……。

 前にも書いたように仮想通貨を担保している技術ブロックチェーンで個人が特定できるなら、戸籍もパスポートもいらない。そうなったときには、「国」の概念も変わってしまう。とはいえ、そんな時代が明日来るわけではない。だけど20年後にそうなっていたとしても、あまり驚きません。だって10年後にはリニア新幹線も名古屋まで開通しているって話だし。

 ああ、未来は明るい。いや、そうか?

 構造の変革が進んで、逆行を別次元へと進めてくれることを期待したいところですね。

 
 

Kindle Unlimited 読み放題は、インディーズにとって役に立つサービスか?

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 こんばんは。8月3日にいきなりスタートしたアマゾンのKindle Unlimited。読み放題サービスですが、その後、沈静化しているようですね。いや、まあ、途中、あまりの人気(?)によく読まれている本を外していく、という思い切ったことをやらかした感じになっていて、それが「それみたことか」的に広まったこともあるし、いま、アマゾンのサイトへ行っても、あんまりプッシュしていないので、気づかない人もいるかもしれませんね。

 いまはタイムセールやプライム・ビデオの宣伝が主のようです。Kindle本のところへ行っても、いつもの「Kindle月替わりセール」だとか新着紹介が主で、どこといってKindle Unlimitedを紹介しておりません。

 ランキングの上位を見ると、ようやく書影の上に「Kindle Unlimited」と書かれているいものが、けっこう入っているな、ということはわかるものの、ほとんどが雑誌ですね、上位は。本の上位は、なんと『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』とか『ナニワ金融道 ゼニのカラクリがわかるマルクス経済学 impress QuickBooks』とか。お金関係が入っているのですが、後者はおもしろいので、ぜひお勧めします。いまどきマル経をやる学生はほとんどいないはずで、私は経済学部でしたが80年代になると、ほぼマル経は姿を消しつつあったと記憶しています。だけど、本書に書かれているように資本主義の本質を見抜いたのは、アダム・スミスでもケインズでもなく、マルクスなのであって、その事実だけは変えようがありません。
 小説では『犬にきいてみろ (「花咲舞が黙ってない」シリーズ) (Kindle Single)』(池井戸 潤)がやっと入っていますね。『マチネの終わりに』(平野啓一郎)もかろうじて。

 小説・文芸 の 売れ筋ランキングに行けば、もちろん、もっと出てはきます。伊坂幸太郎、横山秀夫、三浦しをん、法月綸太郎、森博嗣、サン=テグジュペリ、江上 剛、小松左京、葉室麟、黒木 亮、石田 衣良、貴志祐介など。KDP作家の方々も入っています。しかし、それほどパッとした印象ではありません。地味です。

 このあたりを読み終わったら解約しちゃうのかな?

 そんな印象もあるのは否めません。読み放題サービスを牽引するようなコンテンツは、少なくとも文芸側にはあまりないように見える。ランキングではね。ただ、私としては、光文社古典新訳文庫がほとんど入っていることに注目していまして。『幼年期の終わり』『フランケンシュタイン』『失われた時を求めて』『カラマーゾフの兄弟』『人はなぜ戦争をするのか エロスとタナトス』『賃労働と資本/賃金・価格・利潤』(←これがマルクスですよ!)、『ドリアン・グレイの肖像』などなど、けっこうあるんですよね。ここは、まさに「私の図書館」的なイメージに近いですね。
 こういうコンテンツがあれば、しばらく続けてもいいかな、という気はしています。飽きるまで。

 一方、すでにご存じように、漫画家の鈴木みそさん。『鈴木みそは「アマゾン読み放題」で儲かったのか!? 金額発表!』にあるように、儲かったとのこと。よかったですね。

 インディーズでも文芸系の方からはあんまり派手な話は聞こえてきませんけど、いかがでしょうか。漫画と文芸で比べたら、10分の1から100分の1といった感覚も一般的にありそうなので、漫画家さんが100万円稼いだなら、文芸でも10万円ぐらいは稼いでいていいはずだ、とは勝手に思いますけど。

 もし、毎月10万円黙って入ってくれば、文芸のインディーズ作家さんの生活はがらっと変わるかもしれませんよね。少なくともデザインや校正にお金を使えるようになるかもしれないし……。年間で120万円入るなら、1冊、単行本を新刊で出したときの印税以上の利益になる可能性だってあるでしょう。 1200円の本を10%の印税率として、1万部印刷したのと同じ効果ですから。小説関係では、なかなか簡単に10万部とかいかないので、初版で1万刷ってくれるかどうかは、ホント未知数ですし……。

 それはともかく、以前にここで少し紹介したあるインディーズ作家さんからの近況が、冒頭のグラフです。上の赤いのが売れた本、下の青いのがKENPC、つまり読まれたページ数(読み放題)。

 ピークは完全に過ぎたということがわかるのですが、おもしろいことに、その後、売れてますよね。読み放題は減ったけど、売れた、と。それはそれでけっこうなことじゃないか、と私は思うのですが……。

 印象としては、本の内容や性質にもよるでしょうが、これがずっと続くとは思えません。読み放題は、いわば、壮大な無料お試し期間のようなものだった、その間に少し読んでみて気に入った人は購入してくれた、その結果、ランキングに入ったこともあって新たな読者が得られた、と推測できます。

 なんだ、これじゃ、毎月10万円なんて夢のまた夢か……。

 この作家さんからは、次のような話もきています。

「本には自分のSNS、ホームページをリンクしていましたが、新規のフォロワーが連日増えて、ホームページの閲覧件数は大幅に上昇しました。これは新しい読者が来ていると思えます。自分にとっては、少なくともこの点では役に立ったと思います」

 このあたりも、作家さんによって違うでしょうし、ジャンルによっても違うかと思います。半年とかある程度の期間で経過を見ないとなんとも言えないかもしれません。

 少なくとも、この地味なインディーズ作家さんの場合でも、KDPでのロイヤリティは、8月、9月ともに今年の1月から7月までのアベレージの3倍強にはなっているとのことなので、「一過性でもありがたい」とか。

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 これは、2014年頃からのアマゾンから受け取った毎月のロイヤリティをエクセルで整理してグラフにしたものの一部だそうです。最後のところは、まだ支払われてはいませんが、「月別のロイヤリティ」で8月分がすでにわかっているので、それを追加してみたとのことです。
※なお著書の一部がセレクトになっていなかったらしく、読み放題開始後にセレクトにしロイヤリティ70%を選択したこともあって、ロイヤリティが大きく伸びたみたいです。

 ネス湖のネッシーみたいですが、このビューンと上昇した一番右の棒が、そのまま分厚く推移していくのなら、とてもハッピーなことじゃないでしょうか?

 この著者はたまたまマルチストアをやっておらず、数作品をKDPセレクトのみで販売しています。

 今後、Kindle Unlimitedのサービス内容がどう変わっていくのかも注目ですし、KENPCの金額(1ページ約0.5円)が変化するのかどうかも、注目していきたいところです。

 そして、利用している側からすれば、定期的に雑誌以外で目玉になる作品が読み放題に加わることを、願っています。そうしないと、やめちゃうだろうなあ。雑誌だけならdマガジンや楽天マガジンで充分だもの。


 

ジレンマ、トリレンマ 豊かになれない構造を考える

 こんばんは。久しぶりにそこはかとない話。

 ある取材でケインズ経済学の話が出たときに、唐突に「そういえば、トリレンマってあったな」と思い浮かびました。思い浮かんだことは、ネットで検索すると速いので、Wikiで確認しましたが、私が想起したのは「国際金融のトリレンマ」というやつでしたね。そうそう。マンデルフレミングモデルを拡張させたものなので、そもそもマンデルフレミングモデルが、極めて限定的な条件の下でなければ成立しないといった指摘によって、ぐらぐらしてしまった結果、このトリレンマもいまいちになっている可能性があるのですけども。
 とてもシンプルな説です(あらかた忘れていましたが)。

a,自由な資本移動
b,為替相場の安定(固定相場制)
c,独立した金融政策
 この3つの金融政策は同時に2つしか実現しないという説です。
 たとえばEUに加わってユーロを通貨とすれば、aとbが得られますが、cを失います。
 よく「ジレンマ」と言うけれども、3つぐらいの関係性に絞れば、モデルが簡略化されてわかりやすいってことになりますね。このほか政治のトリレンマとか環境とエネルギーのトリレンマなどもよく使われているようです。

 ここから先は、そこはかとない話なので……。細部はご容赦ください。

 aはまさにグローバリズムですね。グローバル経済が実現している国では、同時に実現可能な金融政策はあと1つしかない、と解釈できないでしょうか? 為替を安定させるか、金融政策の独立性を保つか、どっちか。
 いまの日本に当てはめると、たとえば孫さんが大規模な買収をしたり、台湾企業が日本企業を買収するなど、資本移動はかなり自由度が高い。
 そこで、もし為替相場を安定させようとすれば、金融政策の独立は実現できなくなる。為替相場によって日本の株価が変動している今日この頃ですが、株価を上げるための円安誘導を図りたいと考える人たちもいます。少なくとも1ドル100円では困る、と。110円ぐらいにならないか。
 そのとき、金融政策の独立性をとるか、資本移動の自由を諦めるか。グローバル経済では後者は困難なので、前者となる。つまり、日本銀行などで実行できる金融政策は限定的になってしまう。

 広く世界を見ると、いま中央銀行はどこも苦しい状況です。低金利、マイナス金利で、緩和路線を継続せざるを得ない。唯一、アメリカだけが、利上げを継続させようと必死になっていますけども、まだ成功するかどうかわかりません。
 各国の中央銀行の取り得る手段が減っている状況は、aとbを両立させようとしているからではないか。

 ブレクジット(英国のEU離脱)も、結局は通貨統合に参加しなかった英国は、cを確保するために選択したのではないか。

 一方、各国で台頭しているナショナリズムは、このaを制限していきたい、という発想だとも取れます。bとcを重視することは、たとえば他国などから影響を受けずに自分たちに有利な金融政策を取りたい、という発想であるとか、資本移動を制限して国内産業を保護(ひいては雇用の安定)を実現しようという発想は、「自分たちの国を取り戻す」行為として、ナショナリズムとの相性がとてもいい。

 たとえば、この背景として公共事業によるGDPの引き上げ、という発想があります。公共投資をすれば、自国の利益になるのは当たり前だったのは、グローバリズム以前の話です。
 いまは、たとえば、日銀がいっぱい紙幣を印刷し、それを使って公共投資を行ったとして、必ずしもそれが日本の資本として繰り入れられるかどうかは、わからない。資本移動の自由が完全に確保されていればされているほど、日銀の産み出した信用(紙幣)は、どこかわからない国を潤す可能性が出てきます。

 この構造は、なにも東京オリンピックの施設を外国企業が引き受ける、といった直接的に見えるようなケースだけではない点に注意が必要です。
 公共事業を引き受けたゼネコンが、そこで得たお金でドバイにある現地の合弁会社に投資をするとか、建設機メーカーが公共事業で経営が安定したことを活用して、ブラジルの企業を買収する、とか、間接的にも発揮されていきます。

 この結果、日本にいる人から見ると、「おかしいな。自分たちの税金をつかい、なおかつ国債をいっぱい発行して産み出したはずのお金が、自分たちのところにはちょっぴりしか戻って来ないよね。だけど、国際企業は世界に進出して潤っているように見えるよね。これって、格差を拡大させていることにならない?」と思えるんだろうな。
 その反動で、ナショナリズムに賛同しやすくなる。

 グローバリズムとナショナリズムが正反対なものとするなら、グローバリズムを推進するためには、ある意味のアナーキストになる必要が出てきます。これは、かつての左翼的な意味での無政府主義ではなく、「自分たちのことばっかり言うのはやめよう」といった感覚のものかもしれませんが、自国政府へのウエイトが減ることは間違いない。

 国民が、自国政府のウエイトを減らすとき。困るのは誰か? 政治家と官僚と役人と軍人と軍産複合体と税金で生活している人たちです。「見放された」と思うでしょうね。「自分たちの国がどうなってもいいのか」と訴えるでしょうね。グローバル経済の推進をよしとして、自国政府のウエイトを減らした人たちを「おまえらそれでも日本人か」と非難するでしょう。

 しかし、世の中のグローバリズムは着々と進んでいます。
 たとえば、仮想通貨。ビットコイン。その裏づけとなるブロックチェーンという技術。慌ててアウトラインを勉強した結果、私が得た感触は、「マイナンバーなんていらないじゃないか。自分が自分であることを証明するには、ブロックチェーンでできるんじゃないか」という発想です。ここは飛躍していますけどね。ブロックチェーンはある取引が本当にあったことを記録していくことによって証明していく技術で、それがあるから、ビットコインは「仮想」なのに、信用を発生させることが可能となっている。

 だったら、ある人が、父と母の子であることを証明するのにも使えるよね。

 つまり、自国内で自国民を規定するのではなく、世界中で「あいつはあいつで間違いない」と規定することができれば、それで終了です。
 おお、だんだん、SFっぽくなってきたぞ。

 ビットコインが一般化すれば、為替がなくなります。自国通貨と他国通貨を取り換える必要がない。ビットコインで日本でもアメリカでもフランスでもレストランで食事ができる。給料がビットコインで得られ、納税もビットコインでできれば、それでいい。
 さらに、「ふるさと納税」の世界バージョンが生まれる。「おれ、ジャマイカに納税したい」と思うかもしれない。それができるようになるかもしれない。
 そしてある日突然、目の前に「おまえのカネでこの子が無事に産まれたぜ」とレゲエミュージシャンが家族連れでやってくる、なんてことがあるかもしれない(ないよね)。

 靴を買おうと思ったけどもったいないから、やめて、そのお金でアフリカの子どもたちのワクチン代を提供したとする。すると、国内から「困っている私たちよりアフリカの子どもかよ」と非難されるかもしれない。

 グローバリズムが進んで行くと、「清貧こそ美徳」という人たちと「ふざけるな」という人たちで対立することになる可能性もありますね。清貧に徹した人から流れた資金が、テロリストの武器になる可能性もあるし。「恩を仇で返す」があちことで起こる。ネットであっという間に広まる「美しい話」と同時に、痛ましいテロが発生する。「おまえ、いらないって言ったよな、じゃ、おれ貰うから」みたいなジャイアン的な人たちがのさばる可能性もある。

 こうなると政策や経済というよりも、人間性そのものが試されることになるかもしれません。

 いまの世界の混沌は、もしかすると、こうした大きな意味でのせめぎ合いの一端なのか……。

 ね、そこはかとない話だったでしょ。
 

 

NFL はじまっちゃったぞNFL ルールがまた変わった!

 こんばんは。BSNHKでNFLを細々と楽しんでいる者です。NFLjapanやNFL.comでもダイジェストなどを見ていますけども。NFLjapanのダイジェストはNFL.comよりも、必ず画質が劣化しているわけですけども、今年は少しはよくなったでしょうか。たまに美しい映像も見ることができますね。たまにね。

 おまけに頼みの綱のBSNHKですが、試合後の放送日時がどうもズレているというか、なんというか。9日の開幕戦を10日の深夜にやったのはさすがというか、拍手ですが、以前なら生中継だったろうなあ。パラリンピックとかもあるし、この時期はどっちにせよ、メジャーリーグも日本のプロ野球も終盤ですからね。どうしてもね。

 マニングの抜けたブロンコスが、ラッキーな勝利を得た試合。パンサーズatブロンコスは、スーパーボウルの再戦であり、マニングがいなくなって、ニュートンが成長していたら、お返しをしなければならない試合でした。でも、できませんでした。残り時間が充分にあったのに、確実にFGを蹴られる場所までボールを運べなかったのは、ホントにどうしたことか、という感じでしたね。FGが外れたのは、マイルハイの魔物が地元ブロンコスのために風でも吹かせたのでしょうか。でも、勝ったんだから。ブロンコスとしてはホッとしているでしょう。QBシーミアンはまだ2年目。大したものでした。不用意なパスですけども、まだ正直者らしく、プレーコールの通りに正確に投げちゃうから餌食になりやすい。でも、ここはプレーコール通りに投げている方がいいと思います。賢いQBではないか、そしてパスが正確なのではないかと思えました。まだ1試合ですけどね。今後、悪知恵を身につければ、すごいQBになるかもしれませんね。

 ところで、今季もルールが少しずつ変わっていましたね。

 とにかく目立つのが、キックオフのルール。タッチバックは25ヤードからのオフェンスになります。以前は20ヤードでした。私がこれまで見てきた単なる印象ですけど、エンドゾーンからキックオフリターンをしても、15ヤードか20ヤードがせいぜいで、滅多に20ヤードを抜けることはなく、ましてTDまでいくことは滅多にありません。
 ですが、劣勢の場面であるとか、エデルマンみたいなマッチョな爆弾男のなどは、「いっちょやったるで」とばかりにエンドゾーンからでもリターンする。その結果、ケガ人続出ということにもなりがち。

 というわけで、これはとりあえず試しで導入したようですが、キックオフのボールをタッチバックにすれば、自動的に25ヤードからのオフェンスが得られるのです。これはおいしいでしょうね。ムチャなリターンはしなくていいんですからね。ただ、見る側からすれば、数少なくなった肉弾戦らしい場面とハプニングが減る、という気はします。

 次に大きいのは、主に無線ですけど、フィールド上で無線でコミュニケーションできる選手が1人いるのですけども(coach-to-player communication system)、これまでは通信の相手も1人(1ヵ所というべきか)でしたが、今季は2ヵ所。サイドラインと上の方にあるコーチのいるブースとつながっています。ヘッドコーチの声とコーチブースの声が聞こえるわけです。ある意味、うるさい球場では、無線が聞こえないこともしばしばですから、その補完になるのかどうか。試してみようってことでしょうか。なにか、効果が出るのでしょうか。それとも、声の大きい方のプレーをやっちゃうってことになるのか?

 昨年、試しに導入されたTD後のエクストラ・ポイント(PAT)の位置は、15ヤードで正式になりました。当分、変更しないってことですね。

 チョップブロックが禁止になりました。これは一部は認められていたのです。オフェンスラインが、ブリッツしてくるディフェンスを食い止めるときなど、1人は相手の足元(下半身)にタックルし、もう1人が上半身にタックルする、いわば挟み撃ち的なブロック。当然、危険性も高い。ラインでやるってことは、関取ぐらいの体重の連中がやるわけで、グギッとなりやすい。で、今季は禁止。

 ディフェンスにとって厳しいのは、ホースカラーのルール変更です。ホースカラーは襟首の部分です。これまでは明らかにここに手を入れて掴んで引き倒したら反則でしたが、今季からは、服の上から掴んでもダメで、ホースカラー部分を押し倒すようにしてもダメです。ホースカラーを触るな、ということです。これは、難しい。フェイスマスク同様、意図的または偶然のペナルティが重要な場面で出ることが想像できます。

 タイムアウトできないときに、タイムアウトのコールをしたら遅延の反則を取られることになりました。これはサイドラインも選手も、勘違いしてはいけないってことでしょうね。

 Eliminates the five-yard penalty for an eligible receiver illegally touching a forward pass after being out of bounds and re-establishing himself inbounds, and makes it a loss of down.
 なんかこれはややこしいから、もしゲーム中にあれば、それで理解しよっと。レシーバーがいったんフィールドの外に出てからまた戻ってきてパスされたボールに触ったりキャッチしたときの反則です。

 A player who is penalized twice in one game for certain types of unsportsmanlike conduct fouls is disqualified from that game.これも大きいかな。サッカーのレッドカードのようなルールです。1試合で2回スポーツマンらしくない行為でペナルティを受けたら退場。アンスポーツマンライクコンタクトは、数年前からかなり厳しくなってきていて、恥ずかしい行為、試合を遅らせる行為、相手を侮辱する言葉を吐くなどなど、15ヤード罰退クラスの反則となっています。そして、退場のルールがはっきり定められたわけですね。

 参考にしたのは、NFL.COMのルールのページ。冒頭に変更点が出ています。また、こちらの詳しいブログ「JETS狂の宴」も参考にさせていただきました。

 これまでも、ルールは変更になってきましたが、このルールを決めるのはオーナー会議による投票だったりするので、主に3つの点がいまは主流になっています。試合時間の短縮。安全性の向上。見苦しくない試合にすること。
 ま、野蛮、下品という部分を、どうにか試合の映像からは排除したい。試合以外での問題もけっこう多いので、せめて試合中はスポンサーや観客もいるんだから、しっかりやろう、ということなのかな、と思います。
 これはテレビ側からはかなり厳しくやられている可能性があります。アメリカのテレビドラマでは殺人シーンなども日本のようにズバッとやってはいけない。暴力的な場面をどんどん排除しています。子どもへの影響ということなんです。
 NFLだけが例外というわけにはいかない。テレビで放送する以上、放送コードを守ってほしい、ということもあるんだろうな、と思いますね。
 それが、ひいては、安全性の向上にもつながるだろうと期待されると。関係ないよな、とは思うものの乱闘は減るかな。

 時間短縮はメディアの要請でしょうかね。放送したいけど長すぎるよ、なんとかならないの?ということです。スーパーボウルのようにお化けな試合はともかく、レギュラーシーズンの試合はチャッチャと枠内で終わってほしい、という願望があるんでしょう。
 サッカーは、ほぼ時間内で終わり。延長ありで、PKありなら延びますが、いつもではない。サッカーの番組的な収まりの良さは、人気スポーツの中ではなかなかのものです。バスケやラグビーもそれに次ぐかな。しかし野球とNFLは長い。メジャーリーグは終わるまでやる。夜中になってもやる。NFLはそれよりは短時間ですけど、平均すればそこそこの尺なんですよね。

 はたして、今季のNFL。どんな楽しみが待っているでしょうか。今朝の試合でスティーラーズが勝っていたので、機嫌のいいところで執筆してみました。
 

Kindle Unlimited 読み放題 Book Browserを教えていただいた

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 こんばんは。9月になりましたね。今夜もまた、適当な話ですみません。

 アンリミことKindle Unlimited 読み放題。継続します。

 私が主に使っているのは、iPad miniでのKindleアプリ。しかし、これまでどうやっていたかというと……。

 1、PCで検索。本を見つける。
 2、購入またはアンリミ。
 3、iPad miniで開き、ダウンロード(済んでいる場合もある)。
 4、読む。
 5、PCのブラウザから、アマゾン>アカウントサービス>デジタルコンテンツの管理にある「コンテンツと端末の管理」 で、削除。

 こういう手順が主でした。
 アンリミの雑誌や本、コミックは、お使いのブラウザでアマゾンにログインしていて、しかもKindle Unlimitedを申し込んでいる場合には、丁寧に表示されますし、ボタンも左側にこう表示されます。
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 しかし、たまたまアマゾンにログインしていないブラウザで見ても、これは表示されません。

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 同じ本でも、このように違うわけです。

 また、上記の手順から、「雑誌を読むのにdマガジンや楽天マガジンみたいに、アプリを開いたらすぐ読めるのとは手間が違いすぎるなあ」とFBに書いていたら、鷹野さん(見て歩く者 by 鷹野凌 日本独立作家同盟)から、

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 と教えていただきました。

 へえ。知らなかった。というか、iPad miniのKindleアプリでは、本を読んだりマーカーしたりぐらいしか、使ったことないのです。Book Browserかあ。 Big Brotherじゃないよ。

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 これなんですよ。このマーク。これがBook Browser。ここを押せばいくし、左上のメニューからもいくことができます。

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 するとこんなにぎやかなページが表示されます。おお、Kindleアプリとは思えない……。お勧めを含めて、ここではKindle Unlimited 読み放題に対応した雑誌、書籍、コミックが表示されるわけです。

 これはいい。
 ではさっそく……。

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 お馴染みのニューズウィークへ行き、「読み放題で読む」をクリック。

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 あっという間にダウンロードがはじまって、このアプリで読むことができます。

 たとえば、ツイッターでこういう話題がありました。




 ところがツイッターからリンク先に飛んだとしても、上記のようにアンリミの表示が出ない。またはサファリは、アマゾンにログインしなくちゃいけない(現状、していません。Kindleアプリのほか、アマゾンの商品購入アプリもあるから)。

 でも心配ないさ〜。

 Book Browserで、タイトルの一部などから検索すればすぐ辿り着ける。検索すると、類書も出るので、スマートではないけども別の情報を得られる可能性もあるからそれはそれで便利。

 というわけで、さっそく、その本をDLしてみました。おお、これはいい。PCいらない。

 今後、読み放題サービスに入っている者同士では、「ちょっとこれを見てみて!」的にお互いにやり取りしながら、いい本探しとかができるかもしれませんね。「ちょっと見せて」という感じで。

 ただし、冒頭に書いた手順のうち、

 5、PCのブラウザから、アマゾン>アカウントサービス>デジタルコンテンツの管理にある「コンテンツと端末の管理」 で、削除。

 この削除は、どうなる。「読み放題は1度に10冊」という貸し出し制限みたいなものがあるので、切実なんです。Book Browserに、それらしいメニューはないけど……。

 Book Browserで、11冊目をDLしようとしてみてください。

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 おお! ここで削除できる。

 一覧が出るので、どれかを削除すると、新たに選んだ雑誌や本がDLされます。PCで「コンテンツと端末の管理」へ行ってみても、ちゃんと反映されている(あたりまえか)。

 ありがとうございました、鷹野さんがいま力を入れているNPO法人日本独立作家同盟は、こちらです。なにか大きな企画が動いているみたいですよ。

 Book Browserがあれば、dマガジン、楽天マガジン並みに、雑誌でも本でもコミックでも、簡単にDLしていきなり読める。めちゃくちゃ便利じゃないですか!

 ただし、10冊は少なすぎる気はしますけどね。雑誌10、書籍・コミック5とか。コミック読まないからわからないですが。

 今回、ちょっとびっくりしたことがあって、久しぶりにいくつかコミックを試したのですが、読めないのです。リテラシーを失ってしまった。そういえば、最後に読んだマンガも完結前に放り出した気がします。絵、セリフ、ト書きの処理が、もはや私の脳はできない。楽しめない。これは、驚きであると同時に、少々ショックでした。脳が受け付けないのです。最後に読んだマンガは、『孤高の人』(坂本眞一著x, 新田次郎原作)なので、これが完結したのは2011年なんだな。5年もマンガを読んでいなかった。

 古い手塚マンガも試しましたが、ぜんぜん、ダメだ。なにかでリハビリすれば復活するかな。コミカルなやつはいいみたいなんですが、4コマも楽しめない……。重症だ。

 さて、そんなわけで、私は結局、雑誌系の読み放題(dマガジン、楽天マガジン)をやめてしまって、いまではKindleのアンリミのみ。これは、いわば自分を納得させるためでもあるのでして。文春、新潮などが読めなくなりましたが、実はdマガジン、楽天マガジンのときも、それほどは読んでいなかった……。この手の週刊誌で騒がれる内容は、知りたくなくても耳や目に入ってくるので、読む気がしなくなっちゃう。

 しばらくは、アンリミを楽しんでみることにします。dマガジン、楽天マガジンでもそうでしたが、これまで読んだことのない雑誌も手軽に試せるのが「読み放題」のいい面。アンリミなら、それを書籍にも拡大できそう。そんな風に、考えております。
 












 

 

NFL シーズン前にちょっと書いてみました 所有しない時代

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 こんばんは。すでにプレシーズンがはじまったNFLです。アメリカンフットボールの話です。

 リオオリンピックや高校野球などコンテンツたっぷりの時期ですから、プレシーズンまでしっかり見るってことはなかなかムリなんだけど、3週目あたりからスターターとなる選手もある程度はプレイするようになってきたので、ダイジェストを見てワクワクしています。

 ただし、ここで残念なお知らせがいくつかありますよね。
 
 月刊タッチダウン休刊──
 いや、まさかの。ウソでしょ、という感じですが、確かにいつまでもあると思うな、ですね。8月30日発売の10月号が最終号となります。詳しくはweb TOUCHDOWNをご覧ください。そして『タッチダウンPRO』もなくなっちゃう。

 私は70年代から日大フェニックスを見ている世代です。高校大学と日大だったので、その頃は派手な活躍をしておりましたよね。で、見るようになった。そのとき、篠竹監督の書いた本より先に、当然ながら後藤さんの本を買ってどういうスポーツなのかを知ったわけです。それから自然に『月刊タッチダウン』を読むようになって。

 そうだ、『月刊タッチダウン』で募集していたローズボウルのツアーにも行ったなあ。80年代でした。「アメリカにいれば時差なしで生でNFLの中継が見放題!」とかツアー参加者たちと素直に感動していたものです。ただしこの時期のNFLは、地元の会場のチケットが売り切れていない場合は地元での中継はなし、なんてルールもあって必ずしも見られるとは限らなかったようですけど。

 高校時代は甲子園ボウルとスーパーボウルぐらいしか中継はなく、スーパーボウルは録画で洋画枠でやっていましたがスティーラーズのファンになりました。その後、カレッジフットボ―ルの4大ボウル(ローズ、シュガー、コットン、オレンジ)が録画ではあっても、すべて見ることのできた時期がちょっとだけあり、やがて時代はBS、CSへと進みます。

 7月に亡くなられた大橋巨泉さん解説のBSNHKのNFLはとても楽しみで、かなり熱心に見ていました。巨泉さんは、NFLやゴルフが見たいために、BSなんてない時代に自宅の庭にパラボラアンテナを建てたなんてウワサされたほどでしたし、その後はセミリタイアされてもっと自由にご覧になっていたと思います。
 その解説はしっかりとファン向けでした。だから日本の選手や指導者からは不評だったかもしれません。とはいえプロスポーツはファンのためにあるので、その中継の解説はファンに向けて情報を提供すべきです。いまでも野球やサッカーを見ると「こういうとき選手はどうすべきか」とか解説していますが、たまにはいいけど、本筋ではないんですよ。マラソン解説の増田明美さんは、よくわかっています。思わず笑ってしまうようなエピソード、どうでもいいことも伝える。だからおもしろい。

 そしてGAORA、日テレ(日テレG+)も加わって、その気になれば毎週10試合ぐらい見ることができる時期がけっこう長くありましたよね。GAORAはけっこう見ていたんですよ。関西系なので濱田篤則さんの解説とタージンの実況って、完璧なエンタメですから。まったく試合と関係ない話をしていることもあるほど。名人芸です。

 もちろん英語堪能な近藤祐司さんのクレバーな実況、西澤造気鵑離好沺璽箸兵其靴發茲った。有馬隼人さんを知ったのもGAORA。

 そう。そのGAORAも、今年はNFL中継から撤退。おやおや。でもこのあまりにも短いリリースからは、無念さが滲んでいるようにも思えますね。

 その間に、私も日本国内のフットボールは、社会人Xリーグぐらいしか見なくなっていき、月刊誌も買わなくなりました。まあ、ファン向けの雑誌というよりは、選手とその周辺の人向けの雑誌だから、自然に読まなくなっていきますよね。私は選手でもコーチもでないし。

 80年代はNFLのシーズンになると洋書屋さんに行って新書サイズの選手名鑑を買って(だけどもちろんシーズンがはじまると、選手はかなり移動しちゃっています)、『タッチダウンPRO』や、ベースボール・マガジン社の名鑑なども購入していました。

 いまでは、すべてWebです。すみません。

 ある時期から、NFLJAPANが急速に充実。80年代は、ラジオのFENで仕入れていた試合結果などが、インターネット時代になると、ESPNやNFL.COMで手に入るようになりました。
 NFL.COMは本家ですが、当初は遠慮がちで、ESPNやスポイラに比べるとチープなサイトでしたが、徐々に戦略を転換。いまでは動画を含めてとてもリッチなコンテンツで溢れています。NFLJAPANは、まだそこまでは充実していませんね。日本語対応ってところがネックなんでしょう。そもそもファンの数の問題か。

 NFLは、ある時期にインターネット配信を大々的に開始。NFL GAME PASSの登場は画期的でした。当初は米国内(zipコードのある地域)のみ対応だったストリーミング。それを日本でも楽しむために、米国ヤフーでヤフーIDを取るなどさまざまな裏技を駆使していたファンも大勢いました。
 その情報交換もニフティフォーラムから掲示板、ブログなどへと移行。

 数年前からNFLJAPANは正式に日本向けにGAME PASSの提供をはじめています。日本語はちょっと変ですけど。おまけにサポートは全部英語。JCBカードだとドル決済しか受け付けないなどなど。

 今シーズンは、全試合27644円です。プレシーズンからシーズン、ポストシーズンまで。生中継はもちろん、あとで見ることもできます。今年、気づいたのですが、「2017年7月31日までアクセスできます」とありました。

 強調しているのが、プレイオフとスーパーボウルを現地のCM込みで全部見せるというのです。日本では現地CMは同時には見ることはできず、YouTubeなどでチェックするわけですけどね。いや、CMもNFLがらみのものがあるので……。それに1秒あたりもっとも高いCM料などとも言われているし。

 2月にスーパーボウルで終わるNFLですが、それからもゆっくり回顧できる、ということでしょう。また「2009年から現在までの全試合の完全なリプレイ」がついています。

「あいつ、3年前はあのチームで、こんなことしてたんだぜ」と言える。

 これをPC、モバイル、複数端末で見ることができる。終わった試合は保存してオフラインでも見ることができる。

 ですが、27644円です。高いでしょ。毎週3試合見たとして17週で、合計51試合、ポストシーズンはワイルドカードからスーパーボウルまですべて見て、12試合かな。63試合とすると、1試合あたり約439円。

 どうでしょう……。先日開始したKindle Unlimited 読み放題が月額980円で12ヵ月として11760円。

 なんだか高いか安いかわからない……。

 いまはまだ、G+とBSNHKでの録画中継があります。スーパーボウルは生中継です(CMはないけど、ハーフタイムショーはある)。だから今年はGAME PASSは買わない。

 ですが、もしかしたら、NFL側は、放送権料よりも、テレビ中継を減らし、GAME PASS会員を増やす方向なのではないか、という気がします。

 来季から危ないんじゃないか。BSNHKはレギュラーシーズンは3試合やるようですが、放送時間が短くなっている(カットされている)というし。輿亮さんの解説は継続のようです。もう22年ですか!

 これから東京オリンピックに向けて、オリンピックに関係ないスポーツは弾かれていく可能性があります。極めて危ういと見ています。

 そもそも試合をカットして見せるって……。そりゃ、ムダな時間もあるけど。

 サッカーもそうですが、アメフットも、プロセスというか流れを楽しむところがあって、同じタッチダウンでも、どのような展開からそうなったのかが醍醐味で、タッチダウンシーンだけでは満足できないのです。サッカーなんてもっとも分かりやすいけど、どうしてその位置で敵にボールが渡ったのかといえば、その前に不用意なバックパスがあって、その処理の間に攻め込まれ、焦ったディフェンダーがパスミスをした、なんてことがあるわけですよ。そこを見ているか見ていないかでは、まるで違う。

 アメフットは、モメンタムと呼ばれて、これは株式や為替の市場などにも似ていますが、転換点みたいなものが生まれて、いっきに試合が動いていくことがあります。それがいつ、どこで起こるのか。オフェンスだけを見ていてもダメで、ディフェンスのあるプレーがきっかけだったり、選手交代だったり、サイドラインのミスだったり、いろいろなことが、試合全体の流れを左右するきっかけになっていきます。

 だから、カットされちゃうと、よくわからないのです。そこでしょうがなく、NFL.COMへ行き、Play By Playを見る。このPlay By Playはその試合を1プレイごとに記録されています。これはNFLJAPANにはない。というか、NFL.COMはリアルタイムでPlay By Playが流れ、画像でDRIVE CHARTが見えるのです。これは無料。

 そのままコピペしてはダメでしょうから、ダミーで紹介すると……。

 1st Quarter
 1-10-チーム名 12 (14:57) (Shotgun) 16-選手X up the middle to チーム名 34 for 22 yards (35-選手Z)

 第1クオーター
 ファーストダウン・10 チーム名の側のフィールド(自陣)の12ヤードのところ
 残り時間14:57(このクオーターの) ショットガンフォーメーション で16番の選手Xが中央突破。34ヤードラインまで進んだ。22ヤードのゲイン。タックルして止めたのは敵チームの35番の選手Z。

 こんな感じ。

 すると3回連続でオフェンスが3dロングでパントしていた、とか、パントリターンでチョンボしたとか、だいたいのことはわかります。あくまでだいたい。文字情報は限界がありますから。米国のダイジェスト動画でもビッグプレイを中心にギュッと縮めますから、流れはよくわからないし。

 そもそも陣取り要素の強いアメフットは、「どうしていつもいいフィールドポジションからはじめているのか」とかその逆の「なんでいついも悪いフィールドポジションなの」がけっこう重要。上記でいえば、自陣12ヤードからオフェンススタートって、タッチバックすれば20ヤードからはじめられるのに、どうしてそんな悪いポジションなの。という疑問が生じますよね。そのためには直前のキックオフリターンやパントリターン、またはディフェンスを見ないとわからない。

 その昔、熱心に雑誌を読んでいた頃は、大きな試合については、どうしてあそこでそうなったか、といったことが詳細に書かれていたので、とてもよくわかったものでした。初心者はとくに、漫然と試合を見ていても、わからないものね。

 また、以前の中継ではディフェンスバック(スクリメージから遠く後方を守る選手)が映らないので、ボールが来るまでなにをしていたのかよくわからない。録画して何回見てもなにが起きたのかよくわからない。いまは中継側もよく知っていて、ちゃんとあとでリプレイしてくれることが多くなりました。審判の判断、反則の解説までしてくれます。

 無料のWeb情報、動画配信、さらにサブスクリプションで、過去に遡って全部見ることができるようになったら、初心者の学び方も変わっちゃうなあ、と思います。もっともまず英語を学べ、ということになるけど。

 雑誌が難しい時代になったのは、本も雑誌も買わずに電子的に中身を読むだけですませていく方式によって、お金の流れも大きく変わっていくからではないかと思います。所有することなく、情報だけを得るのです。

 断捨離からさらに進み、「所有しない生き方」への転換がはじまっているとも言えます。もしこれが進んでいるとすれば、「消費者」の在り方が変わっていくので、物価も上がらないよね、だって所有しないもの、ということになるのかも。

 文明がはじまって以来、最大の転換点だったりして。

 話が逸れました。いや、最初から逸れているけど。

 もしかして今年がテレビで見る最後のNFLになるなんてことがありませんように。
 

 
 

Kindle Unlimited 読み放題は主流になるか? スプーンがいらなくなる話 追記あり

末尾にその後の追記あり……

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「物としての本のバリエーションは、機能の点でも、構造の点でも、五百年前となんら変わっていません。本はスプーンやハンマー、鋏と同じようなものです。一度発明したら、それ以上うまく作りようがない。スプーンを今あるスプーンよりよいものにするなんて不可能でしょう。」
──『もうすぐ絶滅するという紙の書物について』P024、ウンベルト・エーコの言葉より引用。


 こんにちは。
 かなり前に、「強い違和感と電子書籍の次の段階」というのを書いていまして、そこに上記の引用をつけました。この記事の中身は例によってあんまりないのですが、書いた2013年07月04日の空気みたいなものは、少し伝わるかな、という感じ。だからあえてリンクはしないですが……。

 Kindle Unlimitedという「読み放題」がはじまりまして、前回は読む側として、また作品を供給する側として両面で「悩む」と書いたわけですけども、もちろん、結論はいまも出ていません。ずっと悩み続けるのかもしれません。いったんは「やっぱり読み放題だ!」となって、その後「そうでもないかも!」となるのか、「そうでもないかも!」となってから「やっぱり読み放題だ!」となるのか。予想はつきません。

 今週日曜日(8月28日14:00~ @グラスシティ渋谷)に、このような興味深いイベントがあります。日本独立作家同盟主催のセミナー。ちなみにGoogleで「同盟」って検索すると3番目ぐらいに出てくるからすごいですね!(1番はWikiの「同盟」、2番はWikiの「軍事同盟」そして、3番がNPO法人日本独立作家同盟)。

鈴木みそ×大原ケイ×仲俣暁生「Kindle Unlimitedは独立作家の福音か?それとも悪夢の始まりか?」緊急討論会を開催

 それを拝見してから書いてもいいのですが、その前にいまのところの雑感をまとめておきます。悩んでいるにせよ、どう悩んでいるのか、という部分ですね。※これを拝見しての追記が末尾にあります。

 その前に、私のいまの印象ですが、上記引用のように、確かに「スプーンはスプーン」で完成しています。その代わりはいらない。だけど、もし、スプーンが不要になってしまったらどうでしょう? スプーンに代わるものはいらないけど、これまでのようなスプーンで食べていた習慣がなくなるような、大きな変化があったら?

 電子書籍は紙の本の代替物であり、紙の本が本として完成している以上、それ以上の改良はない、というのはわかるのですが、電子書籍が紙の本の代替物ではなかったとしたら?

 私も2012年の秋頃から本格的に電子書籍を読むようになって、早くも4年って感じですけども、紙の本も相変わらず読んでいて、明らかに読むスタイルが変わってきました。紙の本は滅多に持ち歩かなくなりました。外出先では電子書籍を読みます。2012年頃はバッテリーとか電源が心配でしたが、いまはあんまり心配しなくていい。ポケモンGOをやらなければ、バッテリーはとっても長持ちする。

 なんといっても、マーカー、メモがつけられ、検索も簡単。これがあとですごく役に立ちます。上記のような引用をするのも簡単ですね(皮肉でもなんでもなく、上記の本もKindle版が出ています)。

 そこにもってきて、「読み放題」となったらどうなるのか。まだ、点数は多くはないですが、これは電子書籍が登場したときと同じ話の蒸し返しでいずれ点数は充分になっていくのではないか。いまのところ、アマゾンの力の入れ方から考えて、そうしたいんだろうと思われます。
 点数が充分に揃ったら、私たちは本の読み方が変わってしまうかもしれません。

 それが、まあ、スプーンなしで食事するようになる、というのにちょっと似た感じになるかも、と感じているのです。

 とくに今回、それをひしひしと感じているのが、ロイヤリティの還元方法です。読まれたページ数で換算されるという。ダウンロード数ではない。積ん読では、ロイヤリティは発生しない。買ってくれればうれしかった時代は終わり、読んでくれなければうれしくない。

 当たり前といえば当たり前ですが、シビアといえばシビアです。成果主義です。会社にまともに導入されると心が疲弊する例の制度です。

 いまの時代に、なにかをつくって(作る、創る)販売し、消費するという経済では、重要な部分の1つに「コスト構造」があります。電子書籍とKDPは、従来の出版とはまるでコスト構造が違う。これによって、ひとつ、大きな変革があったと言っていいでしょう。あとはどの程度の定着となるか、が問われてきました。

 2012年ぐらいなら、「電子書籍市場なんてダメ」と言えたと思いますが、いまではもう言えない。「一定の市場規模になる」と見るのがスタンダードでしょう。株式会社インプレスの2015年度の国内電子書籍・電子雑誌市場規模では電子書籍は1584億円(前年比25.1%増)。あるサイトで見たら、市場規模としては「家事代行業」と同じぐらい。コンタクトレンズにはちょっと及ばず、宅配ピザ(約2600億円)までもう少し、という感じなんです。

 コスト構造が違うため、今後の発展の仕方は、従来の出版・取次・書店、という世界とは大きく変わってしまう可能性があります(スーパーとコンビニの違い、コンビニと商店街の違いなどを想起してみてください)。

 次に大きな変革は、収益構造の違い。インターネットによって「課金」というビジネスが巨大な市場を産み出したことはご存じの通りです。チャリンチャリンも世界規模ならすごいことになります。ポケモンGOは、アプリ内購入の売上が1日で1000万ドル(約10億円)以上と言われています。コスト構造は、どうやってビジネスを回しているか、という部分ですし、収益構造はなにで儲けているか、という部分ですね。ゲーム業界は、ゲームソフトの販売よりも無料で普及させてアプリ内課金がメインになっている(全部ではないですが、そういう市場が新たに生まれている)。

 読み放題とページ当たりのロイヤリティは、なにで儲けるか、という収益構造を変えてしまいます。これによって、なにが変わるのか。もはや電子書籍は本ではない、ということになっていくのか。

 そこが、いま悩ましいところなんじゃないか、と思っています。

 私たちは一生懸命、本をつくっていると思っていた。だけどそのコスト構造は従来の本とはまるで違い、収益構造も変わってしまっているとしたら、それはなんだ、ということですね。なんでしょう! わかりません!


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 上はあるKDPの作品が、Unlimitedになってどうなった、という例。単位、期間は例によってぼかしていますけども。※当初掲載のグラフよりくっきりしたものが入手できたので差し替えました。
 この作品は細分化されたカテゴリーのベスト100以内を狙う程度のものなので、規模そのものは気にしないでいただきたいのですが、上の赤い折れ線がダウンロードで購入された分。下の青い折れ線が「既読 KENP (Kindle Edition Normalized Pages) 」というやつ。つまり読まれたページ数。これはダウンロードした本を読んでいるページ数ではないのです。アマゾンにはこうあります。

 ──Kindle Unlimited (KU) および Kindle オーナー ライブラリー (KOL) から本を読んだ読者がページを読み進めると更新されます。──

 つまり上のダウンロード数と、下のKENPでは、読者が違う。

  KENPが上昇すると、ランクインするので、それによって気づかれる率が上昇し、販売も発生するけど、ランクインしないと販売は発生しにくい。その関係はわかりやすい。宣伝もしやすいですよね「何位です!」とか。

 だけど、この動きから感じるのは、もっと違うこと。

 それは、「Unlimitedが一般的になったら、読者はそこにしかいない」(かもしれない)という不安です。読み放題でなければ読まない、という人たちが生まれるかもしれない。それは、何度も喩えてなんですが、「もう、私たちはスプーンはいらないんです」という人たちかもしれない。

 読み放題の読者に支持されるようなコンテンツとはなにか。そして積ん読ではなく、ちゃんと最後まで読んでいただく、または読んでも読まなくてもいいから、全ページをめくってもらえるようにするには、どうするか。

 ね、いろいろ悩ましい。

 些末なことですが、ページ数がランキングにどのように反映されるのかも興味深いです。キャンペーンなどで人為的にどこまで順位を上げられるか。そのとき、ページ数を何人ぐらいでどうすればどうなるのか。

 さて、私の無料期間はもうすぐ終わります。継続するかどうか……。これはもう、とにかく1回は継続します。そうしないと読み切れそうにない本があって……。

追記

追記2016/08/29……「Kindle Unlimitedは独立作家の福音か?それとも悪夢の始まりか?」を聴講して

 Kindle Unlimited 読み放題がインディーズ作家にとって新たな選択肢の1つとなったという認識を得ました。一方、鈴木みそさんが指摘するように、Kindle Unlimitedの無料お試し期間による一種のバブルは一時的なものと思っていたほうがよさそうです。とはいえ、10月ぐらいまでにさらにいろいろな意見が出てきそう。
 推測するに、Kindle Unlimited 読み放題に向いた作品、向いてない作品がありそう。さらに懇親会で、ある作家さんからは、「そもそも自分が一番好きな流通ルートに読者を誘導したほうがいいのではないか」との意見に、それがまさに選択肢ということだろうと思いました。
 サービスの競争は私たちの手の届かないところで起きていますが、そこに作品を出すか出さないか、そのサービスを利用するかしないかは、ユーザー側に選択権があるし、SNSなどを通じて文句をつけることもできる。
 この状況を戦略的に利用していく、または感覚的に利用していくことが求められそうですね。
 私が思ったのは、ページ数でカウントされるのなら、1冊でデータ量の上限以内であれば、自分の全作品を詰め込んでKindle Unlimited 読み放題に出す、という手もあるかもしれないということです。これだと、読者が好きな作品を見つけるために、かなりのページ数をめくってくれる可能性があるから……。あと、利用者(読者)は1度に10作品しか端末に入れられないのですけども、全集なら残される可能性が高いのではと思います。
 いずれにせよ、さまざまな事例がこれから出てくるかなと思います。
 あと、読み放題と関連して、KDPの品質向上にアマゾンが動き出した件も注視したいですね。誤字脱字の多い作品などにはアマゾンから警告が発せられ、修正されない場合は販売停止になってしまうことになります。作家さんは、このあたりも既刊の見直しなど迫られる可能性があります。
 売れる、読まれるということは、それだけ間違いを指摘される、クレームが入ることにもつながります。それにどう対応できるか。また未然に防ぐことができるか。こうしたテクニックも求められそうです。
 余談1:私は、dマガジンをやめて楽天マガジンの無料期間へ移行していましたが、Kindle Unlimited 読み放題のみにすることにしました。
 余談2:言葉の問題ですが、Kindle Unlimited 読み放題は「あんりみ」と略されることが多いようです。またその読んだページ数でロイヤリティが決まる件で登場するKENP (Kindle Edition Normalized Pages) ですが、KENPC「ケンピーシー」と呼んでいるようです。なお、KENPはアマゾンのKDPのレポート画面での表記。KEEPCは「本のページ数をジャンルや端末に関係なく計算するために、Kindle Edition Normalized Page Count (KENPC) という機能を開発しました」(アマゾン)とあるように、そもそもの仕組みのこと。
 大原さんはこの「Kindle Edition Normalized Page Count」を変な英語だ、とおっしゃっておりました。現場からは以上です。

追記:あるKDP作家さんから、8月分のKENPCを計算すると、1ページあたり約0.5円だったそうです。「合計金額が小数点以下8ケタまで出るんだけど」とのことでした。(2016/09/16)

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 上記は推移だそうです。すでに下段のKENPCはピークを過ぎ、落ち着いています。
 この著者によると、次のような効果があったとのこと。
 1、間違いなく、読み放題のお試し中にいろいろ読んで、期間終了前になったら購入してくれている。
 2、本にはホームページのリンクを入れているが、8月以降、訪問者が200人ぐらい急増した。
 つまり、新たな読者の獲得に寄与した、と著者は考えているようです。
「できればKENPCは、ピークはいらないので、日々、ちょっとずつ発生してほしい。それが購読につながり、サイトへ訪問する常連さんになっていただければ、次を出す意欲になる」とのこと。なるほど!

追記:Kindle Unlimited 読み放題を利用している人は、「お客様のKindle Unlimited」という項目を見ることができるようになっていました。ログインしているブラウザでアマゾンへ行き、「アカウントサービス」にカーソルを置くと、メニューが表示されますが、その下の方に出てきます。それをクリックするだけで、現在購読している本や雑誌の一覧が表示されます。「利用終了済み」を選択すると、削除した本・雑誌が一覧で出ます。

 

 
 

 

 
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