かきぶろ

“聖地書店”編集長。イリヤEブックス代表。――書籍、電子書籍、本づくり、読んだ本の話などが中心です

おもしろい小説でなければならない理由はない

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 こんばんは。そこはかとない話。
 あえて、わかりにくいタイトルをつけました。
 
「この本、おもしろい?」
「うん、おもしろいよー! 賞もとったし! みんな読んでるよ!」

 ま、そんな会話は日常的にあるとは思えません。フィクションです。いま私がつくりました。
 そもそも、本を読む人が減っているかもしれないと言われている今日この頃、日常会話で本を語ることはまずないのでは、と思っていたほうがいいでしょう。
 もし、みなさんの中で、毎日のように本について会話をしているとしたら、それはむしろ異常な世界だと自覚したほうがいいかもしれません(いや、そんなことはないけど)。

 少なくとも、私が若い頃(30年も昔の話)だって、こんな調子でした。

「趣味は?」
「読書です」
「どんな本、読んでるの?」
「●●とか××とか。いまは……を読んでいます」
「そうなんだ。でさ、今度スキー行かない? 本なんていつでも読めるじゃん」

 本の話は膨らまない。モテない(これは個人差あり)。通じない。30年前だってそうだったんだから。
 いま急に、誰もが本のことを心配したり楽しんだり重要な関心事にしているとしたら、それはもう大変なことですよ。文化ですよ、文化。文化の大革命ですよ(意味がちがっちゃうけど)。

 そんな中で、セルフパブリッシングを含めて、多くの書き手がネットで作品をアップしている今日この頃、その価値観は主に「おもしろさ」にあると思われます。

 だれもが「おもしろい作品を書こう」としている。

 だけど、私はそんな価値観は糞食らえだと思っています。なぜなら、前提として商業主義の場合には、おもしろさが優位に立つのは明白で、このとらえどころのない価値観を錦の御旗として生きている業界の人たちが多いわけですから、その端くれとしては私だって「おもしろい本を書かなくちゃ」と言うことはあるのです。ダブルスタンダードですけど。

 認めますよ、そりゃ、おもしろい本が売れる。いや、売れてほしい。売れることが多い。

 一方で、ベストセラーを読んで「よく、こんなつまらない本が」と批判する人たちも多数います。つまらない本でもベストセラーになるんですよ! これが現実です。

 もちろん、ある人にとっておもしろい本が、ある人にはつまらないわけで、ましてベストセラーになったと聞いたらそれだけで「おもしろくない」わけですから、これはいわば言葉遊びのようなものですけども。だからといって「冗談はさておき」と続けるほど冗談でもない。一定の真実はあるのではないか。

 匿名の掲示板では、ほぼあらゆる人を罵倒していいみたいになっているので、エゴサーチをしている人たちは、ほんと、お気の毒ですけれども。

 たとえば、エゴサーチして「こんな本、くだらねーよ、書くんじゃねーよ、作家きどりかよ」と罵倒されたとして、「じゃあ、もう書かない」となるのでしょうか?
 コンテストで、受賞できなかった。「じゃあ、もう書かない」となるのでしょうか?
「おまえの、つまらないな」と言われたとして、「じゃあ、もう書かない」となるのでしょうか?

 理由はいろいろあるとは思うけど、いま作品をつくっている多くの作家、そして作家気取りの人、さらに作家になりたい人、とにかく書いている人の多くは、「書きたいことがあるから書いている」のではないのか?

 自分の書きたいことを書く。セルフパブリッシングなら、誰にも邪魔されずにそれを発表できる。売ることもできる。

 そこに、「おもしろい」とか「つまらない」は、必要でしょうか?

 むしろ大切なのは、「本当に自分が書きたいことを書いているのか?」じゃないのか?
 または、「本当に自分が書くべきことを見つけ出しているのか?」じゃないのか?

 なんでもいいからおもしろいものを、というのであれば、映画『ジュラシック・ワールド』をぜひご覧下さい。

 この映画は、1993年のスピルバーグの『ジュラシック・パーク』から続くなんと4作目です。出がらしのお茶のような企画。原作は1990年(いまから27年前!)のマイケル・クライトン の本です。そこから設定を利用して創り上げた二次創作のような映画です。

 この映画は、「おもしろい作品づくり」のセオリーをきちんと取り入れて、実にみごとにお手本のように創り上げた映画です。驚きますよ。教科書のような映画です。そして教科書がつまらない程度にはつまらなくて、それでいてまあ健闘しているとも言えます。
 大きな要素として、主人公たちは最初から欠落している。欠けている人物たちばかりが登場しますが、これも大切な要素でおそらく多くの教科書に出ていることでしょう。
 そして「よかれ」と思ったことがことごとく裏目に出る。これも同様。さらに危機が新たな危機を呼ぶ。とりわけヴェロキラプトルという小型の恐竜(以前の作品では集団で狩りをしていました)を訓練して人間と交流させる話。そこにサイコと化した特殊な恐竜インドミナス(これはもはや怪獣ですが)が出現し、それを狩るためにヴェロキラプトルを使おうとしたら、サイコ恐竜の手下になってしまう。だけど……。というあたりのストーリーづくりは、さすがです。
 しかもちゃんとコメディ要素があって驚くほどテンポよく進んでいきます。過去のシリーズを知っている観客には「あ、あそこは」というくすぐりもしっかり。
 また、こうした作品のお約束として「なんでそっちに行くんだ!」と観客が叫びたくなるようなシーンについても、最初に登場人物たちがなにかしら欠落していることを暗示しているので、行ってはいけない方向へ行ってしまう理由があらかじめ組み込まれています。つまり登場人物たちは多くの人が「行くな」という方へ行く人たちだ、と設定されている。そもそも、公開しちゃいけないジュラシック・パークを観光地として公開しちゃってるんだもの(この前提の説明が曖昧だけど)。
 笑っちゃうのは、この映画そのものがビジネスことしか考えていないのに、この映画に出てくる人たちもビジネスことしか考えていない!

 なんと公開時に全世界で大ヒットして、500億円ぐらい稼いでいると言われています。アカデミー賞、取ったっけ? 取ってない? そりゃそうだな。

 このように、ハリウッドでは、それほどおもしろくもない企画でも、おもしろいに違いない作品に仕立てあげる技術があり人材があるので、ちゃんとやればちゃんとできる。そういう見本であり、まさに教科書です。恐竜映画と思わせておいてサイコホラーの要素を入れた怪獣映画にし、さらに人間と動物(恐竜)との異種間コミュニケーションに「社会性」というテーマを持たせたコメディに仕上げた。

 だけど、この映画を見て、なにが残るのか? 社会性って大事? ホント?

 私はいまこれを書くためにネットではじめて監督が誰か、誰が脚本を担当したのか、と調べたものの、この映画を見たときにはまったく「誰がつくったのか」なんて気にもしませんでした。ファストフードのハンバーガーを「誰がつくったのか」と思うことがないのと同じです。しかもファストフードだからといって、まずいわけじゃない。むしろおいしかったりもする。

 さあ、おもしろい作品をつくろう、というかけ声でも、こうした怪獣的作品も生まれてしまう。悪くはないが、それは商業的な意味であって、「自分の作品」としてはどうだろう。

 小説がおもしろくなければならないなんて、誰が決めたのか。

 誰も決めていない。なんとなくそうなっているだけのことです。映画『ジュラシック・ワールド』に比べれば、大多数の小説はそこまでおもしろくはないはずです。というか、それでいいのです。書きたいことを精一杯、思い残すことなく書くことが、大前提にあるはずだから。じゃなかったら、何万字もの文字を綴る大変な作業をなぜするのでしょう。

 最近、「エンターテインメント作品はこうでなければならない」と主張する本を読みましたが、確かに一理あるとは思うものの、前提として商業的に成功したいなら、ということなのだと理解しました。その本の通りに書いたらいい作品が書けるわけではなく、ファストフードのような作品ができるだろうと思ったわけです。これはもうAI(人工知能)が書く分野でしょう。

 それよりも、生きている人間が作品をつくるのなら、もっと違う価値観で臨んでいいのではないでしょうか。思いきり、書きたいことを書けばいいのではないでしょうか。それができないなら……。

『ジュラシック・ワールド』でも見て参考にしますか?



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校正 先祖返り チェックするのは誰か?

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 こんばんは。今日はちょっと怖い話です。

 先祖返り。印刷業界では、こういう場合があります。

 印刷業界関係者が戦々恐々とする“先祖返り”とは? 『今日も下版はできません! 』 第5話

 システム関係でも使われている言葉のようです。せっかく、修正をしたのに、そのバージョンを使わずに、その前のバージョンを使ってしまう、という間違いです。

 先般、話題になったのが、この事件。






 そして、私もお世話になっている渦中の「ぷれす」さんからは、正式な情報がこちらにあります。すでにこの件は終了、ということになっているそうです(2017/02/16 御礼申し上げます:『岐阜信長 歴史読本』誤植問題)。

 ちなみに、──同文面において「内容の校正・校閲作業」とありますが、当社が担当したのは、あくまで内容の事実関係の調べまで行わない校正(誤字脱字のチェックを主体とした作業)です。校閲作業は請け負っておりません──とありますが、いまはここでは校正の話を中心に考えます。

 「ぷれす」さんは関係先、取引先には、事情について簡潔にお知らせするペーパーを郵送しているようで、私のところにも届きました(上の写真)。いやあ、大ごとです。これはけっこうな影響が出ているようです。巻き込まれた「ぷれす」さんは大変です。がんばってください!

 工程が多く、複雑な場合、どこでミスが起こるかわからないので、ホントに大変ですよね。他人事ではありません。怖い話ですし、教訓にもなるかなと思います。プロセスを見直すなどして、自分でできることは、ちゃんとやらなくちゃ、と気を引き締めております。


……以下、蛇足……

 今回の件はまだ全容はわからないものの、どこで起きたミスかは明らか。

 編集部→校正会社での校正
     著者など関係者による校正
     出版社内部での校正・校閲
       ↓
      校正戻し→編集部
            校正をデータに反映
              ↓
             印刷所

 だいたい、こんな流れが多いと思うのです。

 つまり、それは編集部で起きた。

 校正会社にお願いして戻って来た校正だけで校正が終わるわけではありません。
 編集部でも校正していますし、著者も校正する場合があります。デザインの校正が入ることもあります。そして出版社内に校正部門、校閲部門がある場合は、そこを経由することもあります。

 校閲はドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール』の影響で、校正と同義語に受け止められているようですが、実は校正と校閲はかなり違います。校閲のスタンスは文化的にそして出版社的に、本の内容にも踏み込んで読み込む部門です。著者の主張であるとか、その根拠、論文審査みたいなエビデンスの適切さ、引用の適切さ、論旨の一貫性などに踏み込んでいきます。校正は「修正する、しない」という判断ですが、校閲から指摘された問題点は「解決する」必要があります。論旨の整合性や矛盾点は校正さんでも指摘していただけることが多いものの、校閲はかなりスタンスが違うと私は思っています。

 つまり、編集部には、いくつかの校正の戻しがあります。

 たとえば、校正会社や校正専門家による校正には、いわゆる「赤字」だけではなく、「鉛筆書き」があります。つまり、「こう書いているけど、こうじゃないのか?」といった疑問、「この表現は変えたほうがいいのでは?」といった提案などが、鉛筆で記入されています。

 もし、校正作業が、一直線の工程なら問題はそれだけで軽減されますが、実際は納期の問題などから同時並行となります。

 たとえば、校正さんにはほぼ原稿流し込んだままの状態で送ってしまった、その後、編集部で見出しを変更したり、新たなキャプションが追加された、さらに著者からの要望でコラムが差し替えになった、ページの問題で3ページが2ページになった、などなど。

 いろんなことが起きている中で、同時並行というか、同時多発的に校正が乱れ飛ぶ。

 それを、最終的に印刷用のデータに反映させるわけです。

 このデータ修正を、編集部でやるのか。またはDTPを担当している部門、またはDTPを請け負っている会社でやるのか。いずれにせよ、指示は編集部から出るし、指示どおりに修正されているかをチェックするのも編集部です。

 すでにここまでで、間違いが起こりやすい。実際に私も何度も経験しています。もう印刷所に送ってしまったあとから、著者のFAXが届いて、妙な赤字が入っている。なぜだ? 著者は私たちが見ているよりもずっと前の校正紙を見て、また校正してきちゃった……。

 忙しい著者は、一度校正したコラムというのを忘れて、「あ、ヤバイ」と赤の入っていない校正紙を見つけてわざわざ新たな赤字を入れてきちゃった。

 さあ、どうしよう。どうにもなりませんが……。

 さらに編集部にも複数の人がいて、「これ、間違ってるじゃん!」と青い顔してやってきた先輩が手にしているのは、とっくに終わっている校正前のゲラだったり。
 逆に、「これは古いやつだよな、こんなの見逃すわけないよな」と放置していたら、誰もが見逃していた重大な間違いだったり。

 ここに輪をかけて、編集者が直接、印刷用のデータを触る時代になってからヤバイってことが起こりやすい。似たような名前でデータを保存していて、どれがどれだか。クラウドで管理すると、ちょっとした時間差によって、前のバージョンをDLして使ってしまうこともあり得るでしょうし。ネット環境によっては、リロードされていないこともあり得るでしょう。

 私はDropboxなどのクラウドを活用していますが、異なるデバイスで1つの文書を作っているときなどには、バージョンがおかしくなることがたまにあります。保存されていなかったり、間違って前のバージョンに修正をして上書き保存してしまう、などです。

 これが、怖いんですよね。Ver.1に修正したものがVer.2。ところが、間違えてVer.1にさらに修正をしてしまって、Ver.3で保存しちゃう。
 すると、Ver.2の修正部分が全部抜けているのに、最新のバージョンが出来ちゃう。
 第三者からすれば「Ver.3なんだし、日付も最新だし、これが最新だよね」となる。

 校正さんから来た校正で、自動的にデータを修正するわけではないことからも、さらに複雑になりがち。鉛筆書きの部分の中には、著者に判断してもらわないといけないレベルのものもある。

 著者は「同一性保持権」があると著作権法にうたわれています。厳密に言えば、著者の原稿(著作物)を勝手に変えることはできません。「これでいいのだ!」と言われたら、まあ、そうかな、と。これは「どうしてもこの漢字が使いたい」など、けっこういろいろあるのです。表記はこだわる人はこだわっちゃうし。

 その事情を知っているのは編集部なので、校正さんは必ずしもそこまで対応してはいないのですから、編集部と著者で修正しなければなりません。あるいは修正しない、という決断です。

 こんな諸々の状況を逼迫した時間内にやるわけですが、よく「プリントアウトすれば問題ないだろう」という声もあるものの、上記のようなバージョン管理については必ずしもそうではないのです。
 プリントアウトされた校正紙は、いつもまっさらで、最新のように見える。ヘッダ、フッタに自動で日付やバージョンが入るようにしたとしても、勘違いは同じように起こる。まして、全編を綴じ込んであればまだしも、部分が抜き取られてそのコピーが取られたりすると……。

 というわけで、すべての責任は、印刷データをつくったときの編集部にあります。

 しかも、いまの時代、データ入稿が基本で、印刷所ではそのまんま印刷する。
 私がこの業界に入った頃は、よく印刷所から「このまんま印刷しちゃっていいの?」なんて電話が来たものです。つまり、印刷所でも当時はフィルムでチェックしたり、刷り出しのところでベテランがチラッと見ただけで、「おかしいぞ」と発見してくれたり。

「いま、機械止めてるから」なんて言われて、中野坂上あたりの印刷所に駆けつけたり。電子写植の頃は、写植屋さんが「これ、変だよね」と指摘してくれたこともありました。関係者が多かった頃は、そんなラッキーもあったわけですが、いまはそこは期待できません。

 野球で言えば、外野は1人で守るみたいな。内野を抜けたらあきらめる、みたいな。アイスホッケーの全員攻撃みたいな。キーパーまで下げちゃうような感じ。それが常態化しているのかもしれません。

 また、先ほどから「編集部」という言い方をわざとしていますけども、いったい、何人で本を作っているのでしょうか? 5人? 4人? 3人? 2.5人? 2人? 1.5人? さすがに1人じゃ難しいけど、1.5人とか2人ってけっこう現実的だと思います。

 専任は1人。サポートするか足を引っ張るかわからないけど、もう1人も一応進捗や事情をよくわかっている(はず)ぐらいか。

 そして、あとは外部。編集プロダクションやライターさんなど。優れた人たちをうまく活用することになりますが、最後にまとめる段階で関わる人はとても少ない。

 データの修正時は、結局、1人でやるしかない。これを複数でやると、もっと問題が起こりやすくなる。そして、この1人が、複数の仕事を抱えている場合には、どうなるのか。

 0.5人とか、0.3人なんてことが起こり得る。

 そのときに、複数の校正紙があって、どれをどこまでデータに入れたのかわからなくなっているとすれば、かなり危険です。また、完璧に修正を終えたのに、印刷所に送ったデータは前のバージョンだった、なんてこともあり得る。
 本来、最後の砦として印刷所に送ったデータこそ、チェックしなければならないわけですが、それをやる人がいなければスルーしちゃう。

 こういうところこそ、AI(人工知能)にやってほしいけど。AIは外野手ではなく、いまはピッチャーかキャッチャーを目指しているように見えるし。

 つまり、しっかり校正しても、別のファクターによって間違えることはあるわけで。

 よーく考えると、けっこう怖い。そんな話でした。

……蛇足の蛇足……

 校正はいまも紙でやっていることが多いと思います。
 私の経験では、校正してほしいデータをPDFで送付。校正さんはそれをプリントアウトして手書きで校正。それをスキャンしてPDFで戻ってくる。

 編集は、PDFを見ながら、データをいじることになる。これもけっこう怖い。

 それが嫌なら、私なら、校正さんのPDFをプリントアウト(カラープリンターが必要だ)、そこに著者からの赤字、編集部の赤字を追加して、最終的な1つの校正紙にする。
 この紙を見て、データを修正するのが、比較的、作業としてはやりやすそう。紙だと、そこに簡単にメモできるので、「これは修正しない」などを○や×でメモしておけるし、どこまでデータ修正したかも折り目をつけたり、日付を記入するなどして明白にしておけると思います。

 PDFを見ながら、データをいじるときは、ディスプレイを2つ用意するなどして、画面切り換えしないでできるようにしないと、たぶん、かなりヤバイ。1章まるまる飛ばしちゃった、とかね。

 最近のPCは、SNSのお知らせなどが入ることもあるので、そういうのは全部OFFにしておきたいところですね。オフラインにしちゃってもいいけど、クラウドの場合はそうはいかない。

 私は以前からここで書いていますが、PDFはiPad miniで表示して、それをキーボードの手前に置いて、それを見ながらディスプレイに表示されたデータを修正するスタイルがいまは定番です。

 それから、書籍の編集をされている人たちの中にも、PCとかキーボードとかクラウドとか、あまり得意ではない人もいます。編集作業と高度なITリテラシーは必ずしもシンクロしていません。私の回りにも、LINEやFBメッセージで仕事のやり取りをする、スカイプで打ち合わせをする、といったことに強い抵抗を感じている編集関係者は一定数おります。タバコをやめられない編集者と同様、一定数いるのです。だから、ITなどの技術的なことで、プロセスを見直したり、チェック体制をつくることは、あまり実効性がないかもしれません……。

 編集という仕事において、これは悪いことではないと思います。ITで本を作らないという決断もそれはそれで尊重されていいのではないでしょうか。

 とすれば、今回の問題はプロセスやシステムの問題ではなく、担当した個人に帰する問題、となります。または、それでよしとした組織の問題となります。(←ここは蛇足の蛇足としての結論なので、ここだけ読まないでね。)

 編集は、いわゆる集めて編んで、新たな価値の創造をするクリエイティブな側面(ここばかり強調されがち)と、プロジェクトを完遂するマネジメントと、さらに細かな技術的な面への対応をしつつ、コンテンツの源泉である著者との関係性を築き、印刷・製本、営業、流通、書店、読者といったサプライチェーンとの関係性にも気を配っていく存在なので、それだけのマンパワーをかけないとミスが出やすい仕事だと思います。
 そしてミスで萎縮し、嫌気がさせば、簡単にクリエイティブな側面を含めて崩壊していく可能性のある仕事でもあるでしょう。

 
 
 

書籍って、みんなで同じように稼ぐことはできない

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 こんばんは。またもやそこはかとない話です。






 どちらもアダルトの作品なので、一般性はないかもしれませんが、上段の方は本の売れ行き以上に読み放題で大きな収益を上げています。下段の方は、ケタ違いに大きな収益を上げたものの、いまになって一部作品が販売できないとなって、今後はマルチストア配信へ移行しようという話です。

 上段の人は、それほどの売り上げでもないのに1位を取り続けたのは不思議だと言っていますが、毎日1万ページ以上も読み放題で読まれていれば、売れなくても上位に来るのではないかと思います。

 とにかく、KDPがスタートしてから、「なかなかKDPで稼ぐのは難しいよね」という話を繰り返しているわけですけども……。少なくとも、きっちり稼いでいる事例は出ています。とはいえ、私がKDPで理想とする「毎月15万円」は簡単ではなさそうだな、というのもわかってきましたけど。

 えーと、毎日1万ページ読まれたら、月30万ページ、1ページ0.5円換算とすれば、15万円。不可能じゃなさそうだけど、1位をずっと取り続けるぐらいじゃないとムリかあ……。

 ところで。

 以前、上位に入りやすいジャンルを選んだ方がいいんじゃないか、という話を書きました。

 電子書籍 セルフパブリッシング 売るものか、読まれるものか?(追記あり)両方だろうけども

 上記の人たちのジャンルを見て見ると……。Kindle 本 アダルト 小説 サブカルチャーというカテゴリーで、今日のところで5,692タイトルもあります。これは、ニッチじゃないですね。むしろメジャー。
ミステリー・サスペンス・ハードボイルド (2,927)
SF・ホラー・ファンタジー (1,383)
 というのが同じ日のタイトル数(Kindle本のみ)。

 つまり、アダルトで勝負するよりも、SFやホラーの方が上位に行きやすいはずです。狙うならこっちかな。

 いま見たら、SF・ホラー・ファンタジーのトップ10に、読み放題対応の本は3作品入っています。あれ、なんか印象的に少ないな。トップ20まで広げると10作品。なかなかですよね。

 で、さきほどのアダルト 小説 サブカルチャーでは、トップ10がすべて読み放題対象。20位までいっても同様。ええ、どこまで? 40位までいってもだ。100位まで表示されますが、読み放題に対応していない作品は数えるほどしかないのです。

 おっと、ここで話が変わってきちゃったぞ。

 1、本が売れていなくても、読み放題で読まれると収益になるよね!
 2、ジャンルの上位にいった方が、よりたくさん読まれる可能性があるよね!
 3、読み放題の読者が多いジャンルなら、なおチャンスがあるよね!

 って、ことになっちゃうのかな?
 SF・ホラー・ファンタジーの上位にいるKDP作家さんの売り上げがわからないので、なんとも言えませんけども。

 仮説としては、タイトル数が少なくて上位に行きやすいであろうジャンルであっても、そのジャンルの読者数が多くない、または読み放題で読む読者数が多くないジャンルでは、KDPでセレクトにして読み放題に参加しても、あんまり楽しい結果にならないかもしれないですね。

 一方、上位に読み放題がいっぱい入っているジャンルであれば、あまり売れなくても、読み放題読者によって、ある程度の収益が見込めるかもしれません。だったら、マルチストアではなく、セレクトにして読み放題で稼ぐこともありなのか?

 


 という鷹野さんの見方が、なかなか考えさせられます。
 読み放題の読者は、熟読するわけではなく、パーッと飛ばして必要なところだけ読むのかもしれませんね。

 そうなると、本当に著者のファンになるのかどうか。アダルトは特殊なカテゴリーすぎて応用がきかない気もしますけど、そこにはたくさんの読者がいるというよりも、1人でより多くの本を試す人がいるのかもしれません。また、紙の本では手に入らない(手に入れにくい)から読み放題の価値があるのかも。

 私がいくらミステリー好きだからといって、読み放題に参加したとしても、1位から10位までざーっと数日で読んで、それから好きな作品をゆっくり読む、といった読み方は、たぶんできません。ミステリーなので、ざーっと読んでしまったらネタバレしちゃうから、というのもあるけれども、ゆっくり読みたい、楽しみたい。
 だったら、読み放題じゃなくて、買っても同じだし。コスト的にどっちが得か、と。

 そこへ行くと、アダルト分野は、ザーッと見てまわって、気に入ったものを読む、という読者がいる可能性があるのではないか。
 マイクロコンテンツという点では、おそらくページ数であるとか本の構成(写真やイラストが多いなど)にもよるのかもしれませんね。

 そして、こうして俯瞰してみると、「稼ぐ人は稼ぎ、稼げない人は稼げない」。これは、電子書籍市場の大きさもさることながら、そもそも書籍はそうだなあ、という気がしています。
 私が主に関わっているビジネス書、実用書でも、ほとんど同じテーマ、同じジャンルなのに、ある本はベストセラーとなり、ある本はまったく売れない。
 著者の責任ではないし、内容にそれほどの差もない。「勝てば官軍」なので、ベストセラーをいくら分析しても、それを次に応用することは難しい。
 10万部と0.5万部ぐらいの差が簡単に出てしまうので、怖ろしいですよね。印税で100倍の差がけっこう簡単についちゃいます。努力は報われないかもしれないのです。同じ努力をして書き上げても、なぜか収益で100倍もの差がつくとしたら、このチャンレンジはけっこう厳しいですよね。

 よく著者に相談されて「これぐらいはいくのでは?」みたいな皮算用をされますが、さっぱり予測できません。というのも、同じジャンルの本が10万部いったとしても、だからってその著者の本が1万部いくかどうか、さっぱりわからないのです。

 勝者の総取り、という感じになりやすいのが書籍の世界です。一度弾みのついた著者は、次々出す本も、しばらくはある程度は売れます。
 その一方、売れない著者の本が突然火がついて売れるケースはホントに奇跡。滅多にありません。それに、売れない著者の本は、火がつくまで店頭にあるのか、倉庫にあるのか。断裁されて廃棄されちゃう。

 この点、電子書籍は在庫なしで売り続けられるから、火がつく可能性はゼロではないけど。それは、よくない喩えでいえば、宝くじを、10枚買うか100枚買うか、ぐらいの差でしかないのではないか、なんて思うのですが……。

 書籍で起きていたことは、電子書籍でも普通に起こるなあ、ということを再確認したような気がします。

 このとき、大切なことは、「みんなで同じように稼ぐことはできない」を前提に考えること。ある人は電子書籍で儲ける。だけど、それは私にも起こるとは限らない。だったら、どうするか。どこで、なにで稼ぐか。収益を上げるのか。売れる人は売れ、売れない人は売れない。売れない人は、どうやって食べていくのか。そこを考えていくしかないかなと思います。

 1つのマルチ展開としては、本の売れ行きはそこそこでも、その本に関わるビジネスを展開するとか、情報を提供してアフィリエイトで稼ぐとか、物販をするとか、さまざまなユニットを組み合わせてみることです。

 単純な例として、本を書く、売りたいのでSNSで拡散する仕組みをつくる、フォロワーを増やす、だったら、そのフォロワーに本以外のものも売れるのではないか?

 みたいなことです。私がちょっと気になるのは、DJという存在です。音楽関係ですけど。DJは必ずしもミュージシャンではない。楽器はやれないかもしれない。ラッパーでもないかもしれない。それでも、DJは作詞、作曲、イベント、プロデュース、タレント、コンサルタント、先生などいろいろな収益源に絡む可能性があります。ナンバーワンでなくても、オンリーワン路線で稼ぐ道は、あるのではないか。自分だけのブルーオーシャンがあるのではないか。

 少なくとも、書籍をつくることができるぐらいの能力があるのなら。みんなで同じように稼ぐことはできないことを前提として、自分だけでそこそこ稼ぐ道を見つける必要があると思います。
 目的として、少ない読者であっても、その人たちに自分の作品を届け続けたいと思っているのなら、続けるための仕組みが必要なのです。それをつくることが大事ですよね。

 あと、読み放題で読者層が広がると期待している私ですけれども、まだまだ時間がかかりそうだな、と感じています。
 とはいえ、アダルトの活況はこれまでも新しいメディアには不可欠な突破口だったので(ビデオ、DVD、ネット)、その点でも電子書籍はまだそこの段階なのだ、と自分に言い聞かせているところです。「まだ、これはレンタルビデオ店が登場した頃なのだ」と。1988年頃ですか? だとすれば、これからが成長期ですね(いや、それがわからないのであって……)。これから、いろんなことが起きるんだろうな、という期待もありますよね。あるなあ、たぶん。あるでしょう。そのときに、みなさまの著書が売れていることを、切にお祈りする次第なのです。

 ちなみに、このような発言もありました。追記します。






 売れないのも困るけど、売れすぎて目立つのもダメというのは、不条理なシステムに見えますけども。なんとなく、「勝ち逃げかよ、お兄さん」とヤクザ映画で賭場で揉めるきっかけのシーンを思い出してしまうなあ。


 

 

 
 

 

NFL 第51回スーパーボウル 初の延長戦 ペイトリオッツは強かった!



 いやあ、すさまじい試合でした。スーパーボウルはすさまじい試合を希望と書いた以上におもしろかったですね。

 第51回スーパーボウル。50回は「L」となるので紛らわしいからと「50」を使ったNFLですが、今回は戻して「LI」となりました。だからフィールドのセンターには、LとIがあしらわれていて、その真ん中にトロフィー(ヴィンス・ロンバルディ・トロフィー)が描かれているわけです。

 ブッシュ元大統領(パパの方)が車椅子で登場してコイントス。ヘッドを選んだペイトリオッツでしたがテールでファルコンズの勝ち。ファルコンズは後半のレシーブを選びました。
 ジンクスですが、やっぱりコイントスで勝つと勝利する確率が高くなるかな? いや確率は変わらないはずですが……。スポーツではわずかにコイントスで勝ったチームの勝率はいいみたいな話を以前に見聞きしたのですけども。出典が不明。

 まさかの1Qが0-0で終わりました。お互いにディフェンスが勝っている印象です。様子見をしていますね。たとえばプレイアクションでバックスがどう動くか。マンツーマンとゾーンの切り換え。パスとランでLBの動きなどなど。データ的には、守備のペイトリオッツ、攻撃のファルコンズですが、ブレイディを2連続サックとファルコンズのディフェンスも頑張っています。

 2Q。レッドゾーンまで入ったペイトリオッツが、まさかのファンブルロストでターンオーバー。これはシーズンではあまりないことではないでしょうか。
 ファルコンズは、ここでフリオ・ジョーンズへのパス。フリーマンのランも有効です。そしてTD。やっとゲームが動きました。ジョーンズ、ジョーンズとミドル、ロングにパスを連続し、フリーマンが中、中、左オープンと走り抜けての得点はいつものファルコンズです。
 ペイトリオッツを3&アウトにし、またまたTD。BSNHKの解説河口正史さんは、フィールドからの解説。「いつものファルコンズのプレイで戦っている。スーパーボウル用のプレイはまだ出していない」。0-14。
 ペイトリオッツは苦しみながらも、ファルコンズのディフェンスの度重なるホールディングで久しぶりにゴールに近づきましたが、肝心なところでインターセプトリターンTDをくらってしまいました。CB23アルフォードはなかなか元気がいいですね。アメンドラをウォッチしていたんですね。ブレイディからは他の選手に重なって見えない位置だったことも幸いしました。ペイトリオッツは、オフェンスが苦しんでいるとき、アメンドラなど大型の選手にパスしてランアフターキャッチでTDまたはそれに近いところまでゲインするのが定石。しっかりそのことが頭に入っていたのでしょう。
 0-21。ペイトリオッツが前半無得点で終わるのか? このままファルコンズの圧勝か?
 とにかくFGを入れて3-21。後半ではペイトリオッツはガラッと変わるかもしれないと予感させました。
 ファルコンズは早く30点超を奪う必要があります。ペイトリオッツはパッカーズよりしつこく、ハードですから。

 レディーガガのハーフタイムショーは完璧。複数アーティストが多かったのに、今回は彼女のみで、バシッと決めてくれました。

 後半。ペイトリオッツはなんとかTDを入れる。珍しくブレイディも走りました。時すでに遅しかもしれない。だいたいTDあとのキックに失敗するって。3Qで9-28。

 TD2本では追いつかないペイトリオッツはどういう4Qを見せるのか。
 思ったよりも冷静なブレイディはリズムを取り戻していきます。TDできずFG。12-28。DT97ジャレットが2連続サックするんだよね。ペイトリオッツのオフェンスラインが微妙に狂ってきてしまったな。いや、ブレイディがサック覚悟でパスターゲットを狙いはじめたのだ。この努力は報われるだろうか?

 ペイトリオッツ守備は、ハイタワーがQBライアンをサック。ファンブル。ターンオーバー。そこからの攻撃でTDを奪いました。アメンドラ。さらに2ポイントもダイレクトスナップのトリックプレーで成功。20-28。接戦になってきた。やっぱりなあ。そういうものだよ。これがペイトリオッツの凄味。歴戦の勇者の貫禄。勝ちを知っているチームならでは。

 ファルコンズも、流れを引き戻そうとします。フリオ・ジョーンズにとんでもないパスが決まりました。いっきにレッドゾーンに入るファルコンズ。スーパーキャッチだ。前にディフェンダーがいるのによく投げたし、よくキャッチしたな。FGでもいいので、とにかく30点圏内に逃げ込むことが重要なシーン。

 FGレンジに到達したところでサック、そしてホールディングで下がってしまった。なんで?

 ヤバイな。ここでパスを失敗するライアンに若さを見た。ここはFGでいい。時間も使いたい。だったらパスはないのだ。反則しなくていいコンサバのプレイコールをしなければならない。サイドラインがアホでもQBが冷静に地味で確実なプレーを選択すべきだろう。
 あとで思ったが、ここまでならMVPはWRジョーンズかもしれないと頭を過ぎったのかもしれない。QBライアンがこの試合で勝利してMVPを得るには、ここでTDパスを決めたい、という欲望があったのではないか。もちろん、そのほうがカッコいいのは間違いない。

 しかし、モメンタムが劣勢になっときは、感情的なプレーは裏目に出やすい。時間を稼ぎながら、30点圏内に行くには、冷静さが不可欠。ライアンは冷静に見えたんだけど……。

 ミスをすれば、つけ込まれる。
 あれよあれよという間に同点にされてしまった。
 この4Qだけで、ペイトリオッツは19点も取ったのだ。それも、2回続けてPATで2ポイントを決めたのである。

 こうして延長戦になってしまった。

 またしてもコイントスの勝負。延長戦のコイントスはペイトリオッツが勝利。レシーブではじめる。これで勝負あったな、と思いました。出かける支度をしよう……。

 いまのルールでは、延長で先手がFGだったらキックオフをして、ファルコンズにも攻撃のチャンスがあったのですが、TDを奪われてしまったら、その時点で試合終了です。

 ペイトリオッツは当然のようにTDを狙ってきます。このときのプレーコールはすばらしい。ファルコンズのアグレッシブな守備をかわすために、とても素直で鉄板のプレーをやります。スーパーボウル向けのスペシャルプレーもやらなければ、目立ちたいがための個人技も出さない。

 ちゃんとタッチバックを選択。ムチャなリターンはしません。連続でショットガンからショートパスだけを狙います。とくに利いたのは、RBにハンドオフフェイクをし、右に走ったWRにフレアパス。そこから走るプレー。これはまずINTはされないし、前がかりになったディフェンスの裏をかくチャンスがあり、なおかつサイドライン側なので外に出れば時間も止められます。ファルコンズは浮き足立っていたのか、ここで、マークが甘くなっている。
 ホワイト、アメンドラ、ホーガン、エデルマン、ホワイトと、それほど多くないパスターゲットなのに、カバーしきれない。また、レシーバーがカムバックするタイプでは、どこで曲がるのか判断がつかないからどうしても遅れてしまう。1発TDを警戒するファルコンズとしては、このカバーはとてもシンドイ。CBやFSを前にあげたら、間違いなく後ろを突かれてしまうから。
 おそらくファルコンズ側はFGにさせようとしていたのだろうと思います。だから、ショートパスはかなりの確率で成功する。
 ファルコンズとしては、TDを奪われたくないために、アグレッシブに行くしかなく、それが結果的に反則となってしまう。ここは勝負だからしょうがない面もあるけど。
 TDを奪ったプレーは、ホワイト(#28 RB James White )に普通にトスしてデイライトで自由に走るような、やや崩れたプレーでした。これは、ファルコンズのディフェンスがどう出るのかわからないからでもあり、パスをインターセプトしようと狙っているのは明らかでしたから。
 また、前半にもやったプレーで7ヤードぐらいは稼げることがわかっていました(このときのシリーズは最後にINTされてしまったんですけども)。OTに入っても1回やってるんですが、このときもファルコンズのディフェンスは対応できていませんでした。それを、最後の最後、試合を決めるところで選択する。実に賢明です。

 ここで無得点で相手にボールを渡すのは最悪です。せめてFGはしたい。
 実に無欲の、そしてコンサバなプレーコールでギリギリのTDを決めました。ペイトリオッツ、そしてブレイディはこういう無私無欲のプレーコールができる。これが強さだなあ、と思いました。

 こうして、ペイトリオッツは、試合時間に1度もリードすることなく勝利したわけです。追いかけ続けて最後に追いつき、最後の最後にリードしたところで試合終了です。

 終わってみればペイトリオッツの手の中で行われていた試合だったようにも思えてしまうのが不思議です。MVPはブレディ。62回投げて43回の成功は、7割を切り、それほどではない成功率ですが、466ヤードも獲得したのはいかにもすごいです。気迫です。鬼神とも言うべき活躍です。
 ファルコンズのライアンは23の17。73%の成功率ですが、そもそも17本しか通していない。23回しかアタックしていない。これでは、ハイパーオフェンスとは言えません。シーズン中のあの得点力を思えばまるで物足りない結果となりました。
「ツインターボ」と私は称していた2人のRBですが、フリーマンはランとキャッチと活躍したものの、コールマンは活躍できず。ケガもしてしまって。2人合わせて104ヤードの成績。
 これといったRBがいない印象のペイトリオッツですが、ブレイディの15ヤードやエデルマンの1ヤードを含めて、5人がかりでファルコンズと同じ104ヤードは見事な作戦でした。あくまでブレイディのパスを生かすためのランと割り切っていた感じが見受けられます。
 それだけに、最後のTDをランで決めたのは印象的です。ファルコンズは意表を突かれたのでしょうね。

 このホワイトのハイライト映像を見ると、彼がとても優れたターゲットだったことがわかります。この日はエデルマンがいまいちだったのと、マークもきつかったこともあって、ホワイトが活躍できたとも言えます。このホワイト、5-10つまり5フィート10インチの身長(177センチぐらいか)で、審判よりも背が低いぐらいの小柄な選手なんですが、この日はパスで2TD、ランで1TDと大活躍でした。3年目の今季、とくに目立つ活躍をするようになってきた選手です。

 ファルコンズのサック王ビック・ビースリー(Vic Beasley)は出ず、なんとコルツ時代が懐かしいフリーニー(15年目! Dwight Freeney)が出ていたぐらいなので、ファルコンズの守備はかなり厳しい状態だったのかもしれません。とはいえ、そもそもが、ディフェンスが得点するようなタイプのチームではないので、ブレイディを5サック、1INTしただけでも、褒めてもいい出来だったのではと思います。

 また、スペシャルプレーを用意していたのかどうかはわかりませんが、前半がいつもの調子でまずまずだったので、ファルコンズは結局、とくに目に付くようなスペシャルプレーはできないままで終わりました。これも、「なにをしてでも絶対勝つんだ」という気迫を表現できないまま、モメンタムをペイトリオッツに奪われていった一因かもしれません。
 ペイトリオッツは4dギャンブルもすれば、エデルマンがパスを投げてみたり(惜しくも失敗でした)、とにかくスペシャルなプレーをやり続けました。

 なお、シーズンのMVPは総合でもオフェンスでも、ファルコンズのQBライアンでした。この結果、スーパーボウルでは、そのシーズン最高のQBは勝てない、というジンクスはまたしても生き延びてしまったようです。ライアンが、マイアミ全盛期の名QBダン・マリーノみたいにならなければいいな、とは思いますけども。
 そして、スーパーボウルでは、ディフェンスの強いチームが有利という点も、引き続き言えそうですね。

 というわけで、今シーズンも終了です。来季もNHKは放送してくれるかな?

 30ものスーパーボウル新記録およびタイ記録があったとのことです。
 At least 30 records set or tied in Super Bowl LI

 ブレイディは、最多出場、最多勝利QBであり、最多MVP。さらにパス62本、パス成功43本、パス獲得ヤード466。RBホワイトも、RBとしてパスの14キャッチ、110ヤードは新記録。3TDはタイ記録。2ポイントコンバージョンを含めて1人で20点も獲得したのも記録です。こう考えると、ホワイトがMVPでもよかったよね。

 ペイトリオッツは、最多ファーストダウン数37、最多パスによるファーストダウン獲得数26も記録。
 両チーム合わせて93プレイも記録ですが、OTになったのだからしょうがないですよね。

 そしてペイトリオッツによる4Qだけで19点獲得、後半だけで25点獲得も記録です。

そのほかの新記録
最多スーパーボウル出場ヘッドコーチ Bill Belichick (7)
同最多勝利ヘッドコーチ  Bill Belichick (5)
最多TDパス成功 Tom Brady (15)
最多出場チーム Patriots (9)
両チーム合計の最多ファーストダウン Falcons and Patriots (54)
両チーム合計の最多パスによるファーストダウン Falcons and Patriots (39)
両チーム合計の最長パス獲得ヤード Falcons and Patriots (682)

そのほかのタイ記録
最多勝利QB Tom Brady (5)
1982年以降で最多サック数 Grady Jarrett (3)
 ※1982年シーズンはストライキで試合数が少なかったのですが。
最多2ポイントコンバージョン Patriots (2)
最多ファーストダウンでのペナルティ数 Patriots (4)

 いやはや、まさに語り継がれるであろう試合でした。

NovelJam 2017 勇気ある挑戦。作品はBCCKSで読むことができます

 遅ればせながら。NPO法人日本独立作家同盟によるNovelJam 2017が終了。2日間で作品を仕上げて刊行する。著者と編集者によるチームに加えて、表紙をつくるデザイナーも参加してその場で完成させていく、日本初のジャム。大成功だったとのことです。おめでとうございます。
 そして参加された著者、編集者のみなさん、関係者のみなさん、すごいです。勇気ある挑戦です。

 日本の出版文化に、新しい時代がやってきたことを感じさせるイベントだと思います。歴史ですね。




 こちらにも詳細が……。
2日で書いた小説は果たして面白いのか。電書リリース大会「NovelJam」審査員興奮レポ

 正式なリリースも出ています。当日の様子の写真も。こちら。

 また、原稿から仕上げていく段階までを追うことができる「Novel Jam 途中成果物公開用フォルダ」が公開されています(Googleドライブ)。著者と編集者のやり取りなどが垣間見え、書き直していくうちに完成していく過程が読み取れます。

 作品はBCCKSで読むことができます


 全17作品を読むことができますので、お好みの作品を見つけてみてはいかがでしょうか?
 

 思えば『月刊群雛 (GunSu) 』が休刊となったのちに、複数の同人誌が創刊されたように、このNovelJamの試みから、いろいろなジャムセッションが沸き起こっていくのではないか。そんな期待もありますね。

 以下、紹介しがてら、読んだ作品には一言感想などを記してます。BCCKS以外でも販売をしています。キーワードは、「群雛NovelJam」。
Kindleはこちら
ブックウォーカーはこちら
koboはこちら


☆最優秀賞
『原稿は来週水曜までに』 新城カズマ(著)
賀屋聡子(編集)

原稿は来週水曜までに』 新城カズマ:著 賀屋聡子:編集 著
──さっそく読ませていただきました。語り口がなめらかで、言葉の選択もいい。やはりリズムというか、読んでいる快感を誘うことは、とても重要だと思います。って、プロの作家さんだから当然か!

☆優秀賞
『PAUSA』
澤 俊之(著)
波野發作(編)

PAUSA』 (著)澤 俊之 (編)波野發作 (表紙デザイン)亀山鶴子著
──詩情あふれる旅、音楽、食べ物の話。ひとときを主人公と一緒に過ごしてみると、心地良いサウンドと風を感じることができます。

☆藤井太洋賞
『輝家魔法的肉包子店』
かずはし とも(著)
藤澤千尋(編)

輝家魔法的肉包子店』 かずはし とも(著) 藤澤千尋(編) 藤沢チヒロ(装画・デザイン)著
──説話的なつくりで楽しませてくれます。どうなるのかと引き込まれますね。おいしそうな話と残酷な話がいいコントラストです。オチもある意味、残酷ですね。いい味の作品。なお、肉包子のルビで「にくパオズ」とありますが、ここは「ロウパオズ」でいいのではないか、なんて思ったりもして。

☆米光一成賞
『スパアン』
米田淳一(著)
波野發作(編)

スパアン』 米田淳一(著) 波野發作(編) 松野美穂(アートディレクター) 有田満弘(表紙イラスト) 波野發作(表紙デザイン)著
──大正時代。著名な作家たちが偶然にも広島でひとときを過ごしています。雰囲気に浸る楽しみですね。長編で読みたい設定。なお本編もおもしろいですが、脚注がさらに楽しいですから飛ばさないように。
 なお、この著者の参戦記「食い詰め作家のノベルジャム参戦記!」を合わせて読むとさらにおもしろいです。

☆海猫沢めろん賞
『老人とプログラム言語』
松永肇一(著)
賀屋聡子(編)

老人とプログラム言語』 松永肇一(著) 賀屋聡子(編) 松野美穂(アートディレクター) kasuga(デザイン) 有田満弘(イラスト)著
──とてもSF的な作品で、それでいて詩情を感じました。短時間にこれだけの作品が完成するとは……。AIは一般名称すぎるので、ここでは別の名称を使った方がよかったかもしれませんね。後半の会話部分はもっとよくすることができそう。



☆日本独立作家同盟賞
『世界を救っても恋は実らない』
マテバ牛乳(著) 高橋文樹(編)

世界を救っても恋は実らない』 マテバ牛乳(著) 高橋文樹(編) 松野美穂(アートディレクター) 亀山鶴子(デザイン) jitari(イラスト)著
──すまぬ、私の範疇ではないタイプの作品だった。苦手なのだ、こういう話は。スーパーヒーローや戦士が日常と交錯していく。正義のためという原動力はやがて恋愛へと変わり、そのとき現実と向き合う戦士たちは、いったいどうするのか?


『愚者ぐしゃ』
牧野楠葉(著)
田坂苑子(編)

愚者ぐしゃ』 牧野楠葉(著) 田坂苑子(編) 松野美穂(アートディレクター) 亀山鶴子(デザイン) 有田満弘(イラスト)著
──すれ違う心。葛藤する心。悩み苦しみの果てに、理解する日は来るのか。たとえ幽霊になっても。ほかの作品も読みたい。こういう出会いがあるからおもしろいですよね。

はい、買いました。

『白虹』
小沢かな(著)
小沢高広(うめ)(編)

白虹』 小沢かな(著) 小沢高広(うめ)(編) 松野美穂(表紙デザイン)著
──仕事であれ表現であれ、なにかを通じて誰かと心を通わせる行為は、すべて恋愛なのかもしれない。大げさではないけれども、大事なことが起きた瞬間を捉える。細やかな作品。人の息づかいを耳元で聞くような。

『助けて!池波正太郎!!』
菊池健(著)
小沢高広(編)

助けて!池波正太郎!!』 菊池健(著) 小沢高広(編) 松野美穂(アートディレクター・イラスト) 亀山鶴子(デザイン)著
──蘊蓄が身を助ける、というお話。テンポのよさと明るさで満喫。私は池波ファンではないので、よくわからないけど、わからなくてもちゃんと楽しめる構成。日光編はあるのか。その前に神田に行かないといけないか。

『メテオライト』
結城紫雄(著)
高橋文樹(編)

メテオライト』 結城紫雄(著) 高橋文樹(編) 松野美穂(アートディレクター) jitari(デザイン/イラスト)著
──時代小説でありながら現代の視点を強く感じる作品。宇宙から授かったもので刀をつくる。屑には屑がふさわしいとばかりに。独特の文体に慣れた頃に終わってしまうけれども、余韻がいい。


『ワナビよ、(死んでも)大志を抱け!』
坂東太郎(著)
古田靖(編) 

ワナビよ、(死んでも)大志を抱け!』 坂東太郎(著) 古田靖(編) 松野美穂(アートディレクター) kasuga(デザイン) jitari(イラスト)著
──その話を読んでみたい気もしますね。理解できないかもしれませんが。隔世遺伝なのか。本を書く息子を認めたくない父。その理由はさらに時代を遡る。


『30年後へ「逃げ残り」』
和良拓馬(著)
澁野義一(編)

30年後へ「逃げ残り」』 和良拓馬(著) 澁野義一(編) 松野美穂(アートディレクター) kasuga(デザイン)著
──ある種の競馬小説と言えるか。父が父であった理由は、あるレースにあった、と。もう少し時間と文字数をかけていくと、さらにおもしろくなりそうな作品。


『裸身讃歌 〜いかに私は恥を捨て身体を愛するようになったか〜』
添牙いろは(著)
澁野義一(編)

裸身讃歌 〜いかに私は恥を捨て身体を愛するようになったか〜』 添牙いろは(著) 澁野義一(編) 松野美穂(アートディレクター) 亀山鶴子(デザイン)著
──うん、私には難しすぎた。ポップな作品で、ジェンダーを扱う。ちょっと私がうまくこの作品に入ることができなかったのです。




『空を飛べない僕と死にたがりの先輩』
中村龍(著)
鈴木沓子(編)

空を飛べない僕と死にたがりの先輩』 中村龍(著) 鈴木沓子(編) 松野美穂(アートディレクター) 有田満弘(イラスト) kasuga(表紙デザイン)著
──観念的で幻想的。男と女。先輩とぼくの人生の交錯。深いものがありそうだけど、残念ながら一読しても、それがよくわからなかったのは、私とは決定的に波長の違う作品世界だったからもしれない。だけど、少し理解してみたいな、と思う魅力がありました。

『低体温症ガール』
ふくだりょうこ(著)
鈴木沓子(編)

低体温症ガール』 ふくだりょうこ(著) 鈴木沓子(編) 亀山鶴子(表紙デザイン)著
──魅力的なアイデアと設定。ちょっと引き込まれる語り口。しかし完結していないように感じた。環が開いたままに思えた。そこが残念。もう少し長い作品になるのではないか。


『平成三侠伝』
小野寺ひかり(著)
阿曽淳史(編)

平成三侠伝』 小野寺ひかり(著) 阿曽淳史(編) 松野美穂(アートディレクター・デザイン・イラスト)著
──懐かしい任侠映画の世界。そこに憧れる男が出会うべくして出会った男という話は気に入りました。ですがエンディングが……。私ははっきり最後を見たい。読みたい。

『8番になった8日間』
工藤ダイキ(著)
阿曽淳史(編)

8番になった8日間』 工藤ダイキ(著) 阿曽淳史(編) 松野美穂(アートディレクター) 亀山鶴子(デザイン) 有田満弘(イラスト)著
──あれ、話が現実的すぎるなあ、と思ったら実話なのか? 軽い語り口に誘われてついつい引き込まれてしまった。これだけの体験をしたのだから、思い切ったフィクションにしてもよかったのではないか。

●全体の感想●
 読む側は、これが何日かけて書いたものかは、正直関係ない。受賞している作品とそうでない作品の違いは、受賞している作品は読者に開かれているものが多く、そうでない作品は著者の中に閉じこもったままなものが多いように感じました。作品が世に出たら、それはある部分、読者のもの。その余地があるかないかは、読む人の満足度に大きく影響するなあ。あと、読んでいるときはまったく意識していなかったのですが、このNovelJam 2017には作品のテーマがあって、それが「破」でした。あとで思い返しても、このテーマを上手に使った作品が思い浮かばないのは残念です。結果的にテーマを意識しなくても、楽しめる作品は楽しめたのでよかったですけど。

●蛇足●
 ジャムセッションは、その場の空気によって変化し、決定的なことが起きる瞬間を楽しむことができる。その点は大いに成功したと思われます。
 ですが、次の点については当事者のみなさんがより多く発言していってほしいな、というのが外から眺めていた者としての考えです。
 ・この形式で作られた作品は、いったいどこがどう違うのか?違わないのか?
 ・こういう方式で作品を作り世に出す意味は、どこにあるのか?
 おそらく、小説を作る方法は人それぞれでいいと思うので、その中でこうしたオープンな手法が、どう発展できるのか。または、よくないのか。そういう議論を参加者のみなさんがバシバシとやってくれたらありがたいな、なんて思います。というか、受賞した作品に対する文句とか、そういうレベルでもいいので、当事者同士でやり合ってもいいような気もするんですけどね。あくまで蛇足です。外から批判するのは簡単だけど生産的ではないので、ぜひ内側でガシガシとやっていただきたいな、と思ったりします。あ、もうしてるんですか。それはすばらしい!

■ある意味、作品以上におもしろい参戦記、観戦記■
 このイベントをより深く知り、楽しむには当事者のみなさんによるレポートをあわせてお読みになるとよろしいのではないでしょうか。ほかにもあるでしょうが、取り急ぎ。















News 最新刊『課長・部長のための知っておきたいビジネス常識と教養』


電子版、書籍版ともにあります。

『課長・部長のための知っておきたいビジネス常識と教養』(フレアビジネス研究会著、マイナビ出版)

 私もお手伝いさせていただいた本が刊行されました。フレアビジネス研究会は、主にビジネス系、実用系のベテランの著者、ライター、編集者からなるチームです。この中から4人が参加して、それぞれの得意分野を執筆するスタイルで製作しました。

 できるだけ幅広い分野から最新の動向、 キーワード、 キーパーソンをギュッと圧縮してまとめ、 短時間で幅広い教養を身につける手掛かりとしていただこうと企画したものです。

『課長・部長のための』というタイトルにもあるように、いわゆる言葉の解説本ではなく、書籍としては難しいとは思うものの、刊行後の変化を恐れずに可能な限り動きのある現状を捉えること、可能な限りキーパーソンの名を出すこと、読者が今後、深掘りするためのヒントやキーワードを可能な限り入れることを心がけました。
 このため、「これぐらいの言葉の意味は課長、部長ならご存じだろう」と思われるものは、解説を省略していますのでご了承ください(例:パクス・アメリカーナ)。

 CHAPTER1では、 激変する国際情勢の一端に触れる章です。 本書編集中にも米国大統領選をはじめ、 予想外の変化が起きており、校正時までけっこう大変でした。

 CHAPTER2は経済のいまを考えるために必要な項目を網羅しています。いわゆる「経済学」の部分と実態経済の教養をカバーしています。

 CHAPTER3では政治の仕組みについて。おさらい的にご覧いただくと、今後の日本の政治、地方政治の変化を嗅ぎ取るための基礎が理解できるはず。

 CHAPTER4では法律。 法律も変化が大きくなっています。とくに企業やビジネスとの関連を重視して話題を絞り込んであります。

 CHAPTER5は注目の産業や政策をピックアップしました。 今後数年にわたって話題になるであろう項目を意識しております。また、政府の政策ともからめて数年後を見通せるようにした項目もあります。

 CHAPTER6では教育と文化の視点から注目ポイントを厳選。文化面と学校教育(主に大学)の現状とこれからを俯瞰しています。

 また、今回は可能な限り多くの参考文献を一覧にしていますので、そちらにあたれば、より深い知識が得られます。

 各項目、2ページから4ページとし、必ず図表ページを設けています。

 ぜひ、よろしくお願いいたします。

目次
Chapter 1 知らないと恥をかく世界情勢の常識
 「ハラール」で知るイスラム 観光誘致から見る世界情勢
 ブレクジットから読み解くEU EUに未来はあるか
 形骸化している?国連 戦後脱却と改革が進行中
 PKOで知る国際平和 テロや紛争を誰が止めるのか
 パリ協定、TPPで知る協定と条約 国の権利と利益
 国際会議から見る力関係 どの国の発言権が高まっているのか

Chapter 2 会社では覚えられない経済の常識
 経済停滞2年0、デフレ15年 アベノミクスで抜け出せるか
 アベノミクスと経済政策 長期のデフレからの脱却を目指す
 日本銀行と異次元緩和 物価上昇は起きるのか
 TPP(環太平洋経済連携協定)の行方 自由貿易は国を豊かにする
 イノベーション 成長戦略には不可欠
 トマ・ピケティ『21世紀の資本』が与えた衝撃 資本主義社会で格差が広がっている
 下流老人が増える? 日本の経済格差
 主流派は時代時代で入れ替わる 最近の経済思想の流れ
 ミステリ『エウレカの確率』と行動経済学 人は合理的ではない
 ノーベル経済学賞とその傾向 偉大な人物から分野(理論発見)へ

Chapter 3 ビジネス現場で話題になる政治の常識
 戦後の日本政治と政党の変遷 「一強多弱」の先にあるものは
 国政選挙の仕組み 定数削減と一票の格差是正はどうなる?
 国会議員の歳費 こんなにもらっているのか
 知事と議会との関係 都知事のイスは魅力的?
 議員の世襲と政党公募制 誰もが議員になる時代へ
 政党と圧力団体の関係 国民の声はどう政治に反映されるのか?
 米国大統領選挙はなぜ特別か? 伝統と新しい動きの中で

Chapter 4 知っておきたい法律の常識
 ガバナンスとコンプライアンス 知っておきたい会社法の知識と取締役の義務
 働き方をめぐる部課長の常識 労働法の知識と労務管理のあり方
 知財の保護 国際競争力を高めるために
 談合・下請けいじめ 企業の公正な競争
 製造物責任(PL)法 企業の責任とは?
 個人、消費者、企業をめぐる法律 個人情報保護法/マイナンバー法
 会社の終わりとその再生 さまざまな倒産処理の方法がある

Chapter 5 変革する業界を知る常識
 ビッグデータが起こすイノベーション 従来、見えなかったものを「見える化」する
 エシカル消費が静かなトレンド イギリス発祥の倫理的な行動
 日本のロボットの未来 ペッパーからドローンまで、形はいろいろ
 体にいい食品の常識 トクホや機能性食品
 仮想通貨が注目されるワケ 大手金融機関も参入
 フィンテックってなんだ? ITが金融を変える
 VRがこれだけもてはやされる理由は? 新しい体験が消費を変える
 IoTが秘める未来市場 すべての物をネットでつなぐ
 注文から一時間で配達? 万年人手不足の中での物流革命
 サブスクリプションが消費を変える コンテンツ産業はどう収益を得るのか?
 iPS細胞と再生医療 世界的な大競争で日本は?
 エネルギー革命 原発・電力自由化・新エネルギー

Chapter 6 文化・教育の常識
 生き残れるか伝統芸能 経済面と後継者の両面で
 美術による地方再生・街の再生 新しい体験を求める人々
 オリンピックと文化の関係 スポーツと文化と教育
 世界で注目される江戸の芸術 浮世絵、琳派はクール・ジャパンの原点
 大学入試改革の行方 新テストでは思考力・判断力・表現力が問われる
 変わる大学地図 枠組みを壊す大学に加え、職業訓練校化も
 就職率のいい大学の秘密 「実学」と「面倒見」が就職に強い大学の特徴
 専門職大学院は買いか? 法科大学院、会計大学院で募集停止が相次ぐ

 参考文献 索引



NFL スーパーボウルはすさまじい試合を希望

Free-Atlanta-Falcons


 こんばんは。とうとうチャンピオンシップも終わり、スーパーボウルは日本時間2月6日(月)朝、ということになりました。

 ではチャンピオンシップの振り返り。

 AFC
 スティーラーズatペイトリオッツ 17−36
 ペイトリオッツのオフェンスとディフェンスは、一体感がありますよね。選手は入れ替わるのに同じように強固でアグレッシブで。スティーラーズは早々にRBベルがサイドラインに下がってしまったのが痛かった。ディアンジェロ(DeAngelo Williams)は悪くないRBですが、パンサーズからスティーラーズに来た2015年シーズンはよかったものの、ベルが台頭してくるとあっという間にその座を奪われてしまった感じなんです。今季はランとパスのバランスでヤードを稼いでいたスティーラーズから、そのランが失われてしまうと、残ったのは決定力不足で悩んだ今季そのままの展開となってしまいました。
 もっとも、ペイトリオッツももっとも怖ろしいターゲットであるグロンカオスキーは負傷でいないのです。しかし、このチームはいつも誰かが穴を埋める。この日の当たりはホーガン(Chris Hogan )。ビルズから来た選手。それほど目立つ存在とは言えずTDはペイトリオッツに来てからシーズン中4つ。ビルズでもそれぐらいの活躍でした。それが、この日は2TDですからね。見事です。お馴染みのエデルマンとホーガンで3TD稼いだのです。
 ペイトリオッツの試合運びはなかなかよくて、最初から最後まで変わらぬ強さで得点を重ねました。とくに序盤(2Q)でフリーフリッカーまで使って点を取りにいった迫力に驚きました。このチームは勝利のためにはなんでもするのです。

 NFC
 パッカーズatファルコンズ 21−44
 44点も取ったのか、と思ったのですが、試合後のインタビューでQBライアンがパッカーズは逆転がうまいから取れるだけ取らないと、みたいなことを言っていました。
 いやあ、パッカーズは守備が崩壊しちゃったなあ。前半、0−24ですから。オフェンスで点が取れなかったことはまあしょうがない面もあるとはいえ、24点は取られすぎ。できれば10点、取られても14点に抑えたかったでしょうね。この日はQBライアンも果敢に走りました。フリーマン、コールマンという2人のRBはパスキャッチもうまいし、WRフリオ・ジョーンズは足が速くて人にも強いので、ランアフターキャッチで見せる。「前へ前へ」なチームなんです。だから、どうにかして止めないといけませんでした。
 実際、パッカーズのディフェンスもちょっと当たっていたときもあって、ファルコンズはミスもします。それがたまたま最悪の結果にならずに済んでしまった点はホームフィールドアドバンテージもあったかなと思います。
 とはいえ、後半になってファルコンズの守備はなかなかの活躍を見せて、点を取らせません。焦るから余計にミスが出やすいパッカーズ。
 QBライアンは1度もサックされなかったんですよね。パスは27/38。392ヤード、4TD。見事です。これは強い。期待できると思いました。ベテランのロジャースは同じ27本決めていますが、45本も投げてのこと。ドロップするし、うまくレシーバーとコンタクトが取れていないときもあるし、INTもくらったし。サックも2回ぐらい。ほぼ追いかけ回されて余裕のないパスになっていました。

 というわけで、スーパーボウルは……。

 ペイトリオッツatファルコンズ

 場所はヒューストンですが、形式上、ファルコンズのホーム試合。
 データで見る限り、オフェンスはほぼ全てをファルコンズが上回っています。順当ならファルコンズの勝利です。ただ、ペイトリオッツは、いまのヘッドコーチ・ベリチェックとQBブレイディの組み合わせでスーパーボウルで4勝していますからね。慣れている。出場回数も通算9回目で史上最多(スティーラーズ、カウボーイズ、ブロンコスはともに8回)。
 しかし、スーパーボウルで負けている試合もある。2008年の42回ではジャイアンツに3点差で負けています。2012年の46回でもまたジャイアンツとの対戦となって、今度は4点差で負けています。勝っている試合はいずれもペイトリオッツは20点以上取っていて、負けた試合は20点以内でした。
 上記のパッカーズ戦でファルコンズはパッカーズを21点に抑えています。このディフェンスができれば、勝てるでしょう。もっとも、このディフェンスをやるには、オフェンスがリードしていないと難しいかもしれません。今季はとても調子がよかったファルコンズは、常に高い得点力を見せつけてきました。それだけに、オフェンスが空回りしたときは危険です。
 たとえばWEEK6で、シーホークスに24−26で負けた試合。前半からサックされるなど調子の出ないまま、シーホークスに先行されて、そのままズルズルと、という感じ。3Qだけで21点も取ったファルコンズはスゴイけども、してやられた印象です。このときのシーホークスはオフェンスラインとRBのパワーでいくプレーがよく決まっていたので、ペイトリオッツとはかなり違いますけども。ブレイディのほうが正確だし、ペイトリオッツのパスターゲットは人に強い点を考慮すると、このように先行される試合をしたらファルコンズは追いつけない可能性があります。
 WEEK10のイーグルス戦も同様に先行されるとなかなか追いつけない。焦って投げるとINTもある。ライアンはすばらしいQBですが、ファルコンズは守備から点を取るようなタイプではありません。
 データではペイトリオッツのディフェンスはなかなかよい。シーズンの最初の4試合はブレイディがいないので参考になりませんが、WEEK15、16と相手をわずか3点に抑えています(ブロンコス、ジェッツともに今季はいまいちだったことは事実ですが)。プレイオフに入っても、初戦のテキサンズを16点、スティーラーズを17点に抑えています。
 守備と攻撃の対戦になったときは、守備の強い方が有利とされています。
 フットボールでは攻守が交代になるのですが、試合の時間というものがあるために、相手の攻撃時間を減らすことが重要となります。ファーストダウンを取らせなければ、守備の勝ちです。派手なINTがなくても、相手に攻撃をさせなければ勝ちやすくなるのですから。
 ということからすると、ペイトリオッツはそのようなゲームプランで来るでしょう。誰をターゲットにするかはわかりませんが、WRジョーンズはダブルカバーするでしょうし、RBを多少走らせても、QBライアンを狙いにいく可能性はあります。スクリーンやトリックプレー、スペシャルプレーでそれを封じることができるのか。
 点の取り合いになった試合では、ペイトリオッツは負ける可能性が高いです。
 たとえば、やはりここでもシーホークス。WEEK10の試合。グロンカオスキーもいた時です。31−24でペイトリオッツは負けています。シーホークスはFGが多かった(4発)のですが、どうにも追いつけなかった。最後にTDすれば逆転できたのにショートヤーデージがどうしても取れず、負けてしまったわけです。
 これに懲りたのか、WEEK14のレイヴンズ戦では、23−30で勝利しています。この日は前半に16-3とレイヴンズを3点に抑えたのが効きました。セーフティを奪い、FGをブロックして、チーム一丸という感じ。この雰囲気はいまも続いています。

 さて、予想は極めてしにくいですよね。巧者としてのペイトリオッツ。ファルコンズは大舞台で実力を発揮できるのかも試されるし。マット・ライアンはQBとして歴史に名を刻めるのか。
 ファルコンズのヘッドコーチはダン・クイン(Dan Quinn)。2015年から就任していますが、その前はシーホークスのディフェンシブ・コーディネーターでした。2014年第48回スーパーボウルで、シーホークスはブロンコスと対戦して8−43という大勝利を得ます。ブロンコスを8点に抑えたのです。そうです、ブロンコスのQBはペイトン・マニングでした。名QBを倒しての勝利をすでに経験しているヘッドコーチというわけです。

 あと心配なのは負傷者ですね。ファルコンズはオフェンスの要であるセンターが少し負傷していますし、エースWRジョーンズはシーズン中からしょっちゅう故障していました。また、ファルコンズにはビック・ビースリー(Vic Beasley)という今季15.5サックもしているプロボウル選出のOLBがいるのですけれども、この2試合ほどはほとんど出ていません。レギュラーシーズンのセインツ戦でサックしていたけど、それからは出ていないのでなにかあったのかな。彼が万全で出るようなら、ブレイディはかなりキツイでしょう。

 ということで、30点を争うような試合になってくれれば、どちらが勝利しても楽しいと思います。
 20点で争う場合は、かなり緊迫した展開になりそうです。最後のプレーで決まるようなゲームですね。

 楽しみです。
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