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男おひとりさま術 (中澤まゆみ著)

 献本いただきありがとうございます。さっそく読ませていただきました。

 男が高齢になってからひとりになると、きっと面倒なことがいろいろあるだろうな、というのは想像できる話です。それが、現実になってくると、学生時代にちょっとぐらい自炊した程度の経験では、太刀打ちできないかもしれませんよね。
 だいたい、若くない。仲間も少ない。やることもない。

 そんなとまどいに、いきなり突入する前に、本書を一通り読んでおくべき「実用的すぎる実用書」なのでは、と思いました。

 20年ぐらい前に、ある米国人経営者から「私が大好きな日本語は『浪人』(ローニン、と発音していました)です。なぜなら、彼は幕府にも殿様にも仕えず、自分一人で立っているから」とおっしゃるのです。
 多分に誤解もあるとは思いますが、どうやらイメージとしては、黒沢映画の「椿三十郎」あたりらしいですね。

 しかし、「日本ではそういう価値観はないの? 自分一人で立っているって、大変なことでしょう? 尊敬に値するじゃないですか」としきりに言うのですが、当時の私たちにはピンと来ませんでした。

 そういう教育はあまりしていない、というのはいまでも同じかもしれません。

 むしろ、世界的に女性の自立については、一貫した歴史があり、その流れで自覚している女性は若い人にもいるのが現状でしょう。
 だから男はダメなのかな?

 ま、ともかく。

 いやおうなく、「ひとり」になってしまうよりは、「ひとり」でもいられるのだ、というスタンスが必要なことは確かなようです。

 163ページには森清先生の「男パートナーの心得」というのがあって、もしいま、一人ではない人がいるなら、このあたりは日頃から鍛えておいたほうが、なにかといいのではないでしょうか。

 とくに「添う、真似る、することをわけてもらう」などは、すぐにでもできますし……。私もときどき、することをわけてもらっていますが、やっぱり、やってみないとわからないことがけっこうあるんですよね。

 本書を読むと、暮らし、お金、健康などなど、考えるべきことはたくさんあります。
 こうして生きていくことそのものが、大切な時代だな、とも思ったりしました。
 役に立つ本であることは間違いありません。