こんばんは。またまた深夜更新となっちゃいました。
 実はいろいろ重なってスケジュールが混雑してしまい、自分でもよくわからんことになっていて、昨日も土曜日というのにあっちこっちと、いろいろなことをしていたしだいです。

 4月17日は、グレイプス(渋谷)の出版記念パーティーにお邪魔しました。

 この著者、数多さんを囲んでの会でした。数多さんは元自衛官。KDPで出した本が、「つんどく速報」の佐々木さん経由で、グレイプスCOOの高橋芳明さんに伝わり、祥伝社で刊行、となったわけです。

 このスキームがおもしろいのですが、内幕すぎるので、それはまたの機会に。
 いずれレビューを書きますが、『黎明の笛』は冒険小説として楽しめます。著者の数多さんは「トム・クランシーが好き」とおっしゃっていました。

 重要なことは、「個人がKDPで本を出す」→「誰かの目にとまる」→「商業出版」という流れが、今後も続くだろうということです。

 しかも、それだけではありません。

 高橋さんは「セルフパブリッシング、自己出版といった世界と、商業出版には大きな溝があるけれども、実は自己出版と商業出版の間に、ニッチで少部数の出版市場があるはず。で、今後は電子で出すか、紙で出すか以前に、この少部数の世界がおもしろくなる」と分析しています。

 KDP作家が全員、商業出版につながる、というのは幻想にすぎませんが(そんなには売れないので)、それよりも、最初から「読者は少数。だけど確実にいるよね」という市場が、熱くなっていくのではないか。

 このグレイプスは、こういうこともしています。STORYS.JPに参加している人で、編集者のアドバイスがほしかったら、つながってますよ、ということ。

 この高橋さんはBCCKSの取締役でもあるので、そのプラットフォームも利用でき、電子出版だけではなく、オンデマンド出版も可能ですから、ニッチな本でいわば非商業出版のものでも、扱えます。

 つまり、KDP作家は、「売れない」「儲からない」というのが前提ですけど、宝くじを当てるようにたまに商業出版まで行く例があることを心の拠り所にしつつも、もうちょっとしっかりマーケティングすれば、ニッチ市場でそこそこ売れる世界を作ることができるのです。

 そして今後はそこに、商業出版で活躍している編集者など専門家も助言しながら、接近していき、「売れないというけど、それなりに売りやすくはできるよね」とか「もうちょっと稼げる方向性がこっちにあるよ」といったアドバイスをしながら、拡大できるかもしれません。

 4月18日にはJEPAのセミナー「セルフパブリッシング(自己出版)の 現状と今後について」を聞きにいきました。スピーカーはライターの鷹野凌さん。日本独立作家同盟を立ち上げて、月刊『群雛(ぐんすう)』を発行しています。



 こちらはセルフパブリッシング側の話をうかがえました。「儲かると思ってやっちゃだめ」的な話になりましたが、もちろん、それはそうですよね。

 今回の話は電子書籍の話が中心になりました。
 ただ、この月刊『群雛』はBCCKSを利用して編集し、各ストアに流通させており、オンデマンドで紙の本としても受け取ることができます。


月刊群雛 (GunSu) 2014年 02月号 〜 インディーズ作家を応援するマガジン 〜』 鷹野凌(編) ソメイヨシノ(表紙イラスト) 晴海まどか(著) 笠井康平(著) 竹久秀二(著) Kurokiti(著) 山田佳江(著) 鈴乃あみ(著) 塩澤源太(著) 海野李白(著) 犬子蓮木(著) 十千しゃなお(著) 米田淳一(著) コユキキミ(著) 橘川真古一(著) 城田博樹(著) 土居豊(著) 仲俣暁生(著) 宮比のん(ロゴ) 竹元かつみ(編)著

 BCCKSはこのような「読めるブログパーツ」も特徴で、ここで出している本は、PC、デバイス、スマホ、そして紙で読むことができます。

 鷹野さんが強調していたことは、「電子書籍はまだキャズムを越えていません」。

 最初の話題性で注目を浴び、そこから定着へ、そして大きく成長するという現代のITを中心とした話からすれば、死の谷を越えていかなければならないわけで、電子書籍は今後、統廃合やサービスの見直しなどを含めて大きな変革を経て、定着発展していくのだろうな、という話です。

 こうしたことを総合して考えてみますと、私が思うには、間違いなく、3つのことが起ころうとしています。

 1、新しい市場が生まれる
   これまで自費出版、個人出版、小規模出版社などによるニッチで少部数の出版世界が拡大する。

 2、もはや、誰でも出版はできるが、それは電子でも紙でもできる
   電子書籍ばかりが注目された数年ですけど、それは選択肢の一つになる、ということですね。
   オンデマンド出版、少部数出版もありますからね。ネットで電子、イベントで紙。

 3、印税だけが収益源というのは過去の話になる
   たとえば、少部数の販売で印税だけで食べていくのはムリ。そこになにを加えるのか。
   ブログなどのアフィリエイト収入、アドバイスやイベント収入、物販などなど。

 上の2について、電子書籍がなくなるという話をしているのではありません。むしろ拡大するでしょう。いろいろなパターンが考えられますが、それは著者主導だったり、読者主導だったり、ケースバイケースで活用が変わっていくということです。

 私の考えるパターンとしては、すでに起きていますけど、
 a, 紙の本のおまけとして電子書籍がついてくる
 b, 頻繁なアップデートがあるので電子書籍だけになる(どうしてもという場合だけオンデマンドで印刷)
 c, 読み放題の電子書籍ストアで、底辺拡大
 d, ブログ、noteのようなSNSと連動して書籍とメルマガ、雑誌が渾然となったメディアが定着する

 なんてことでしょう。

 結論めいたものは今日はありませんが、私の感覚では、セルフパブリッシングは、メチャクチャHOTで燃えている、という感じではありません。ただし、あちらこちらで、ポツポツと灯火が見えて、けっこう目立つようにはなってきたんじゃないか、と思っています。ただし周辺を明るく照らすほどではない。あくまで光っているところだけが明るいので、近づかないといけません。

 というわけで、ごきげんよう、じゃない、おやすみなさい。電気羊の夢でも見ますか。