2008年03月

【演奏会場】
渋谷公園通りクラシックス

【演奏曲目】
シェーンベルク 6つのピアノ曲 Op.19
ウェーベルン  三つの歌曲 Op.10
レプエルタス  バイオリンとピアノのための三つの小品より
ロバート・ディック Flames Must Not Encircle Sides
          フルートの特殊奏法-循環呼吸-重音を使った独奏曲
~ 休憩 ~
ウェーベルン  三つの歌曲 Op.10
福士 則夫   クラリネットとコントラバス「パラタクシス」
米倉 香織   東京即興曲
徳永 崇    潮招蟹(ヤクジャーマ)の呪文

ウェーベルンの「三つの歌曲 Op.10」(sop,cl.g)と徳永崇の「潮招蟹(ヤクジャーマ)の呪文」(sop,fl,g)に出演。

【管理人コメント】
とても楽しい演奏会でした!演奏の素晴らしさに加え、アンサンブルノマドの主宰者である佐藤紀雄さんの解説がとても分かりやすく、私のような素人でも、現代音楽の楽しみ方が分かったような気にさせてくれる演奏会でした。
上のプログラムを見て気付かれると思いますが、ウェーベルンの「三つの歌曲」が2ステージ目と休憩を挟んだ後半の最初のステージで演奏されています。これは、最初のステージで一度演奏をした後、佐藤紀雄さんが曲を部分部分に分けて解説され、その後でもう一度全体を演奏してみせて頂いた、ということなのです。
吉川真澄さんはこのような現代曲の演奏会に度々出演され、その結果私も現代曲を良く聞くのですが、このウェーベルンのような先鋭的(と言う表現が適切かどうか分かりませんが)な曲は私の理解を超えたところがあります。こういう演奏会では、だいたい観客の方は音楽家の方が殆どで、こういったもの(モノ?)に対する共通理解は成立しているのでしょうが、私自身には到達できない世界だ、というのが正直な気持ちでした。そんな中で佐藤紀雄さんの解説を聞けたのは、とても幸運なことで、得がたい経験でした。解説を聞いた後の演奏が、他の曲も含め、全く今までと違う視点から鑑賞できたような気がします。
吉川真澄さんの話では、今回の演奏曲、特にウェーベルンは、あのブソッティに劣らぬ難曲だったそうです。確かに大きく飛躍する音程の連続で、見るからに、というか、聴くからに人間が歌うもんじゃないと思える曲でした(笑)。ギターを背景に、クラリネットが「(私には)意味不明」の音程を鳴らし、それに吉川さんの歌声が絡みつくという感じの曲なのですが、何故か不思議と納得感のある演奏でした。つまり、クラリネットがこういうメチャな音程を鳴らすなら、歌はこういうメチャぶりでなければならない、という納得感です。そして佐藤紀雄さんの解説で、この不思議な納得感の種明かしがされ、再度演奏を聞き、完璧に腑に落ちてしまったような気になりました。まぁ、その瞬間だけだったのかも知れませんが。。。(笑)
最後の曲、「潮招蟹(ヤクジャーマ)」は、「しおまねき」のことだそうです。そう、大きな左右非対称のハサミを持った、あの砂浜のカニのことです。それを沖縄ではヤクジャーマというんだそうです。これは、擬音や擬態語をふんだんに使った楽しい曲で、舌を動かして「レロレロ」とやったり、唇を「ブルブル」とやったり、果ては紙を口にあて「ブーブー」やって丸めてポイしたり(勿論フルートやギターではこんなことはできません)、吉川真澄の面目躍如でしたね(^_^)
他の演奏も素晴らしいものでした。特にフルート、コントラバスの特殊奏法は初めて聞くもので面白かったです。

他の方が書かれたコメントを見つけました。

【演奏会場】
東京オペラシティ リサイタルホール

【演奏曲目】
・クロード・ヴィヴィエ:フルートとピアノのための小品
・クロード・ヴィヴィエ:ヴァイオリンとピアノのための小品
・クロード・ヴィヴィエ:パラミラボ~フルート、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための
・ベアート・フラー:粘土の足で立って[日本初演]~声とフルートのための
・フィリップ・ユレル:墓(トンボー)ジェラール・グリゼーの思い出に~打楽器とピアノのための
・セバスチャン・ガクシー:ジグゾーパズル[日本初演]~テナー・サクソフォンのための
・アラン・ゴーサン:球体のハーモニー[日本初演]~フルート、クラリネット、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ、打楽器のための

吉川真澄さんが参加されたステージは、クロード・ヴィヴィエの「パラミラボ」とベアート・フラーの「粘土の足で立って」でした。

【管理人コメント】
「パラミラボ」ではナント口笛での参加、「粘土の足で立って」では朗読(ドイツ語)での参加でした。
口笛は、 art-Link上野-谷中2007 音ストリートで経験済み(?)とは言え、ビックリ。朗読は、私の乏しいドイツ語能力ではフレーズの最初に繰り返される"Etwas, wie ..."ぐらいしか聞き取れませんでしたが、ドイツ語らしい摩擦音が心地よかったです(^_^)。
ところで、プログラムの最初の方で演奏されたクロード・ヴィヴィエという人の作品ですが、現代曲ながら(という言い方はヘン?)とても繊細でなかなかいい感じでした。

【演奏会場】
渋谷公園通りクラシックス

【演奏曲目】
J.ダウランド
  来たれ、深き眠り
  ご婦人向きの素敵な小間物
  流れよ涙
W.A.モーツアルト:「フィガロの結婚」より
  恋とはどんなものか
W.ウォルトン:恋する人
  1.喜んで音を変えよう
  2.まって、愛しい人よ
  3.バラを見つめる時
  4.愛する人の装いは
  5.恋人にお菓子とビールをあげた
  6.結婚はしきたり
大場陽子:ハナウタ(改訂版初演)
B.ブリテン:中国の歌
  1.大きな牛車
  2.古い琵琶
  3.秋風
  4.牛飼いの少年
  5.ゆううつ
  6.舞歌
V.ベッリーニ:お行き、幸せなバラよ
G.ドニゼッティ:ジプシー女
G.ロッシーニ:アラゴネーゼ

3回目のデュオコンサートは、1回目のイタリア歌曲、2回目のドイツ歌曲に続いて、イギリスの歌を中心に据えて選曲し、最後にイタリア歌曲を3曲歌ってしめるという構成になっています。途中にモーツアルトがあるのは、次のW.ウォルトンが元々テノール曲であることから、フォガロの結婚でソプラノが歌う習慣になっている、お小姓(つまり若い男性)ケルビーノのアリアを挟んで、ケルビーノが続いて歌っている気になって頂こうとしたものだそうです。

【管理人コメント】
吉川真澄さん得意のダウランドから始まり、これまた大得意の、きらびやかなコロラトゥーラで締めくくった、見どころ(聞きどころ)たっぷりの素敵なコンサートでした。小さな会場でしたが、特に最後の2曲は盛り上がりましたね。ギターでコロラトゥーラというのも、なかなか聞けませんし、素晴らしかったです。
今回の中心となった、ダウランド、ウォルトン、ブリテンの曲は、リュートやギターを伴奏楽器として作曲されたものだそうですが、このコンサートの楽しみのひとつである佐藤紀雄さんのピアノ譜のギター演奏もお約束どおりちゃんと入っていたのは嬉しかったです。特にフォガロは、ギターという楽器のイメージを完全に変えてしまうような演奏でした。いつものことながら驚いてしまいます。
大場さんのハナウタは、「art-Link 上野-谷中 音ストリート」「音の反映Vol.4 ソプラノとギターの演奏 ~さいとうかこみ展によせて~」に続いて3回目ですが、今回は全体にギターの伴奏を入れた新しいバージョンでした。ギターは、早春の雪解け水が流れる山里のせせらぎの音、といった感じでしょうか。丁度今の時期にふさわしいと思いながら聞かせていただきました。演奏時間も短くして、コンサート向きに直されたようです。
この企画、もっともっと続けていって欲しいものです。

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