2009年12月

【演奏会場】
公園通りクラシックス

【演奏曲目】

《前半》
1 昨日のしみ:詞谷川俊太郎 作曲武満徹 編曲渡辺裕紀子
2 問い「小さな宗教的な協奏曲」:ロイター
3 ウェインスコット・ボンド「森の中で」:作曲武満徹
4 ワルツ「他人の顔」:詞岩淵達治 作曲武満徹 編曲渡辺裕紀子
5 イースターの土曜日「小さな宗教的な協奏曲」:ロイター
6 ローズデール「森のなかで」:作曲武満徹
7 島へ:詞井澤満 作曲武満徹 編曲渡辺裕紀子
8 大きな終業「小さな宗教的な協奏曲」:ロイター
9 ミュアーウッズ「森のなかで」:作曲武満徹
10見えないこども:詞谷川俊太郎 作曲武満徹 編曲MOMO
11さよなら:詞秋山邦晴 作曲武満徹 編曲MOMO

《後半》
1 全て、しかし街:作曲レインダート
2 ペトラルカ歌曲集より(世界初演)
  汽ンツォニエーレ 第7歌
  胸爐両〕
         詞フランチェスコ・ペトラルカ
         作曲レインダート

演奏:
ソプラノ:吉川真澄 ヴィオラ:甲斐史子 ギター:佐藤紀雄 山田岳

【管理人コメント】
前半は、ギター伴奏での武満徹の歌、ロイター(ドイツに作曲家)のヴィオラとアルトのために書かれた曲、そして武満徹のギターソロ曲を三つ編みのように縒り合わせた構成でプログラムが組まれていました。

この前半は、何も知らされてなかったので、私にとっては思いがけないクリスマスプレゼントとなりました。武満徹の歌曲のいくつかは、2006年12月の佐藤紀雄さん(ギター)とのデュオコンサート2008年6月岸和田での「吉川真澄・佐藤紀雄デュオコンサート」でも演奏されたものでしたが、新しいレパートリーも加わっていました。またロイターの曲も、2009年2月の森岡書店での「音の反映 Vol.7 ~生きつづけるもの~」で演奏されたもので、アルトの曲ながら、吉川真澄さんが大変気に入ったというものです。

佐藤紀雄さんと吉川真澄さんは、武満徹の曲(歌曲とギターソロ)でCDを作成することを計画されているそうで、今日はその中から選んで演奏されたとのこと。武満徹の歌曲はとてもお洒落で聞きやすい曲が多いし、今日演奏されたギターソロも、静謐さに溢れる素敵な曲と演奏でした。何時どういう形でリリースされるのか分かりませんが、とても待ち遠しく思います。

後半は、オランダの現代作曲家、レインダート・ファン・ヴァウデンベルグの曲でした。レインダートは今年(2009年)の2月にも来日して、「アンサンブル・ノマ定期演奏会#34 ~オランダ紀行2~ 」で郵便配達人をテーマにしたオペラ(未完成)の一部を、アンサンブルノマドと吉川真澄さんの歌で世界初演された方です。

幸いにも直接お話しする機会がありましたが、作曲においては常に聴衆を意識している。音楽は聴衆の心に何かを呼び起こすものでなくてはならない。現代曲の中にはあまりに難しくて聴衆に理解されない、というような曲があるが、自分はそういうことではいけないと思う、ということを語っておられました。

レインダートの音楽は、彼の言葉通り、美しい響きで聴衆の私に語りかけてきてくれました。前回のオペラ向けの曲も楽しい音楽でした。これからもノマドや吉川真澄さんと連携し、日本とオランダでの活動の企画に取り組んで行くそうです。期待したいと思います。

【演奏会場】
武蔵野公会堂(東京)
(他に、山形(11/23)、岸和田(12/6)で開催)

【演奏曲目】
1.キー・ヨンチョン:「鐘の音はまだ心に響いて」(va)
2.ブリテン:「辛苦の花弁は眠りに就く」(sop,pf,va)
3.フランス近代歌曲の精華(sop,pf)
 ドビッシー:「星月夜」
 アーン:「牢獄にて」
 ミヨー:「泉によせて」
 プーランク:オペラ『ティレジアスの乳房』より、
        テレーズのアリア「いいえ、旦那様」
4.ミヨー:「四つの顔」(ca,pf)
5.湯浅譲二:
 『R.D.レインからの二篇』より「愛は似る。降りくる雪の…」(sop) 詩:R.D.レイン
 「空」(sop,pf) 詩:谷川俊太郎
 「Subliminal Hey J.」(pf)
6.間宮芳生:『日本民謡集』より「子守唄」「まいまい」(sop,pf)
7.シューマン:「3つのロマンス」(va,pf)
8.レッフラー:「4つの詩」(sop,va,pf)

ビオラの般若佳子さん(旧姓佐藤)、ピアノの藤田朗子さんとの共演。

【管理人コメント】
山形、東京、岸和田の3会場で公演された、音の果実コンサート2009秋、私は東京吉祥寺の武蔵野公会堂に行ってきました。

会場には、間宮芳生先生、佐藤紀雄先生の姿がありました。私は気付きませんでしたが、イタリア在住の平山美智子先生も丁度帰国され、会場に来られていたそうです。

吉川真澄さんの歌は、どのステージも素晴らしく、演奏会からの帰り電車の中から次の日の朝目が覚めるまで、ずっと心地よい興奮の余韻が私を包んでくれました。ブリテンやフランス近代歌曲のモダンな響き、プーランクのオペラアリアの華やかさ…このアリアは前にも聴いたことがあるはずですが、初めて字幕で歌詞の意味を知りました(笑)

間宮芳生先生の『日本民謡集』から2曲、「子守唄」と「まいまい」を歌われましたが、真澄さんの飾らない素直な歌唱が美しく、素朴な味わいを出していたと思います。

最後の3人で演奏されたレッフラーの「4つの詩」も、なかなかこの編成の曲は少ないと思いますが、ヴィオラの奏でる副旋律が効いていて、素晴らしい演奏でした。

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