2010年01月

【演奏会場】
朝日カルチャーセンター新宿教室

【演奏曲目】
貧者のミサ
逃げ出させる歌
歪んだ踊り
びっくり箱
舞踏への小序曲
愛撫
貧しき者の夢想
世俗的で豪華な唱句
エンパイア劇場のプリマドンナ
ジュ・トゥ・ヴー

フランスの作曲家、エリック・サティ(1866-1925)のピアノ曲を実演しながら解説していくという高橋アキさんの公開講座への参加で、「貧者のミサ」と「エンパイア劇場のプリマドンナ」、「ジュ・トゥ・ヴー」を歌いました。

【管理人コメント】
吉川真澄さんの関連ブログです。演奏前

この講座への出演が決まった時、とても嬉しそうな真澄さんでしたが、尊敬する高橋アキさんのピアノで歌うということで、緊張もあったそうです(^_^)

エリック・サティというのはあまり聞かない名前ですが、ドビュッシーやラヴェルなどの印象派の作曲家に大きな影響を与えた、西洋音楽史上たいへん重要な人物なのだそうです。宗教の神秘性に惹かれて宗教曲を書く一方、酒場で演奏活動を行うなど、幅広く活動したとのこと。

最初の「貧者のミサ」は、オルガンのために書かれた曲で、最初に混声合唱を伴っているものを、ピアノと吉川真澄さんのソプラノで演奏してみたということでした。オルガンの感じが出るように工夫して演奏したとの高橋アキさんの言葉通り、オルガン重厚な感じがよく出ていたと思います。吉川真澄さんも、ソプラノとバスのパートを受け持ったそうです。随分低い音もありましたが、そのままバスのパートを歌えるはずはありませんので、どう編曲したんでしょうか?それにしても凄い。

最後の2曲はシャンソンです。「ジュ・トゥ・ヴー」は、誰でも耳にしたことがあるとても有名な曲ですね。どちらもピアノ曲としても演奏されるそうで、ピアノと、歌とピアノ伴奏という形で2回ずつ演奏されました。ピアノ曲の講座なので、本当は歌が入る余地はなかったのかも知れませんが、講座に彩りを入れるためか、あるいはサティの本質を語るのに不可欠だったからかも知れませんが、吉川真澄さんの美しいシャンソンを受講者の方々と一緒に楽しませてもらいました。

高橋アキさんが吉川真澄さんのことを話す度に、「きれいな声で」という言葉が必ず付いていたのが印象的でした(^_^) その「きれいな声」でシャンソンを歌うとどうなるか、想像してみてください。すごくいいですよ、みなさん!

【演奏会場】
淀橋教会小笠原記念チャペル(新大久保)

【演奏曲目】
Ian Dickson作曲 Deflections
   for koto and soprano
郭元作曲 揺籃曲(ゆりかごの曲)
   for soprano and viola

演奏:
ソプラノ 吉川真澄
ヴィオラ 般若佳子(旧姓佐藤)
筝 菊池奈緒子

【管理人コメント】
まずは、ご本人のブログをお読み下さい。

この演奏会は、「三大陸、四カ国から五人の作曲家が結集」して作曲した5曲を、オトナリの演奏家が演奏するというものですが、異文化の交流からどのような音楽が生み出されるか、というのが面白さのポイントだったようです。

最初の曲は、イギリスの方の作曲によるもので、琴の調弦を、本来の伝統的調弦ではなく型にはまらない全く新しいものにしてあったそうです。真澄さんの声と絡み合って、静謐な、不思議に日本的な響きを醸し出していました(真澄さんによると、この曲は「ピアニシモとの戦い」だったそうです)。作曲家が意図されたとおり、私は日本的ワビサビの世界を十二分に感じ取っていました。

2曲目は打って変わって、荒々しく咆哮するかのようなヴィオラの演奏と、古代の呪文を唱えているような激しい歌声が交錯するダイナミックな曲で、とてもインパクトのある曲でした。舞台の左端にヴィオラ、右端にヴォーカルを配置し、演奏しながら徐々に演奏者が場所を変えて行き、最後には場所が逆転しているという、面白い趣向を取り入れて演奏されていました。伝統的な子守唄のイメージではなく、母のイメージを表わしたとのことでしたが、私が受けたイメージは、母のイメージというのなら、「母の胎内で受精卵に初めて命が吹き込まれる瞬間」、というものでしょうか? ところどころに出てくるヴィオラの活力に満ちた京劇風の楽節が印象的でした。

そして、こういう実験的な曲で、かくあるべしという演奏をいつもきちんと示してくれる吉川真澄は、プロフェッショナルだなぁと改めて感じているところです。ご当人には当たり前のことなんでしょうが。

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