【演奏会場】
杉並公会堂大ホール
 
【演奏曲目】
V.トルミス男声合唱曲選より
  Helletused(幼き日の思い出)
 
【管理人コメント】
3ステージあった演奏会の2番目のステージは、Veljo Tormisというエストニアの作曲家が作った無伴奏の男声合唱で、吉川真澄さんはその最後の曲"Helletused(幼き日の思い出)"で、男声合唱をバックにソプラノ独唱をされました。
 
プログラムの解説によると、エストニアはフィンランドと同じフィン族の国で、この曲もフィン族に古くから伝わる叙事詩「カレワラ」に強く影響されたものだそうです。「カレワラ」はフィンランドに伝わる「叙事詩」ということで、私はテキストだけが残っている物語だと思っていましたが、(編者の創作などもあって全部ではないようですが)実際は伝承歌謡として残されたもののようです。テルミスの曲には、その伝承歌謡の音楽的要素も取り込まれているとのことでした。
 
この最終曲では、黒スーツに黒いワイシャツを着た30名ばかりの男性コーラスが、上手と下手の二つに分かれ、中央奥に一段と高い舞台が現れる。吉川真澄さんは、光沢のあるグレーのドレスに、青と薔薇色で彩られた長いケープを肩にまとい現れて(コロンビア映画のオープニングに出てくる女神をちょっと彷彿とさせる姿)、中央の高みに上り歌うという演出がとられていました。
 
ソプラノは、低音唱と高音唱が交互に現れたり、重々しい男声合唱の響きをきらめく高音で引き裂いたりと、聴衆を神秘的な太古に引き込んでいくような素晴らしい歌唱でしたが、なかなか激しい曲で、"Helletused(幼き日の思い出)"というイメージとはちょっと違っていました。むしろ音楽を聴く内に、上記のような演出や、北国のエストニアということもあって、黒々とした兵士どもを支配する「雪の女王」というイメージが湧いてきました(あのデズニー映画とは無関係)。
 
演奏会を終わって杉並公会堂を出ると、東京にはこの冬初めての雪がちらついていました。
やはり、「雪の女王」だったんだ…。
 
---
ところで、管理人がまだ20代の若者のころ所属していた職場の混声合唱団には、中心メンバーに大学のグリークラブ出身者が何人もいたこともあり、並行して男声合唱も歌っていました。にも拘らず、大学のグリークラブの定期演奏会で男声合唱を聴くのは初めてで、興味津々で演奏会に行ってきました。
 
男声合唱特有の濃密なハーモニー、そして学生らしい思い切り弾けた分厚いプログラムと思い入れたっぷりの(ややしつこかった)アンコール。期待通り、大いに楽しませて貰いました。