2017年10月

【演奏会会場】
渋谷 公園通りクラシックス

【演奏曲目】
-間宮芳生(佐藤紀雄編) 富山民謡「まいまい」
                 岩手民謡「さそり節」
-沖縄民謡(G.C.タッカーニ編)「てぃんさぐぬ花」
《演奏者》 Duoうたほぎ(吉川真澄&佐藤紀雄)

-ミエ・ウルクズノフ「サイクリング・イン・ザ・レイン」
《演奏者》ミエ・ウルクズノフ(Flute)、吉川真澄(Voice)、佐藤翔(Cello)
      アタナス・ウルクズノフ、森田綾乃、佐藤紀雄(Guiters)、佐藤洋嗣(Contrabass)

-ミエ・ウルクズノフ「ビューティフル・リング」
            「スパイラル・メロディー」
《演奏者》ミエ・ウルクズノフ(Flute)、吉川真澄(Voice)、アタナス・ウルクズノフ(Guiter)、佐藤洋嗣(Contrabass)

【管理人コメント】
ミエ・ウルクズノフ夫妻を迎え3回目のコンサート。「10分か15分休憩します」・・・なんていうオーガナイズされない感が何とも言えないリラックスした雰囲気を醸し出していて、たまりません。なにせ、Duoうたほぎの演奏では、演奏者が客席からよっこらしょと現れて、佐藤紀雄さんがケースからギターを取り出すところから始まるんですから(^^)Duoうたほぎの演奏を聴くのは久し振りです。もっと聞きたい。

「サイクリング・イン・ザ・レイン」。去年は楽器だけで演奏して、再挑戦リハーサルに及んだいわくつきの難曲(といっても私には再挑戦がなぜ必要なのか分かりませんでしたが(^^;))。今年はヴォーカルの吉川真澄さんも参加しての新ヴァージョンで演奏されました。現代曲の超難曲のメロディーを声で演奏するというのは私には想像を絶する技なのですが、吉川さんに言わせると、「身体で覚える」んだそうです。新体操の技を身に着けるのと似てると思う、と。う~む、やはり想像できない(笑)聴いているだけでアドレナリンが出て来る名熱演でした!

「ビューティフル・リング」、「スパイラル・メロディー」は去年に続いての演奏。去年自分が書いた感想を読み返してみると、今回の感覚とはまたちょっと違うなぁ、という感じがします。前回はかなり構えて聴いていたような気がしますが、今回は(2回目だからということではなくて)、2曲とも素直にいい曲、いい演奏だなぁと感じました。生演奏を聞くというのは、こういうところが楽しみですよね。




【演奏会場】
東京オペラシティ近江楽堂

【演奏曲目】
(省略)

【管理人コメント】
正面で木箱に寄り掛かって眠るMasumi。やがて、物陰から聞こえるEmaの歌声がMasumiに呼び掛けます。「あーそーぼ。」いえ、Emaは、「遊ぼう」と声を掛けたわけではありません。あーおーあ?でも、誰もが子供の頃何度も口にしたあの節回しを聞けば、すぐ「あーそーぼ」と呼び掛けていると分かります。

このコンサートの最後に演奏された、平野一郎さんに委嘱作曲された『鏡の国の歌遊び』は、そのように始まりました。そして私はあっと気付かされます。子供たちの世界が、自分が子供だった頃の日々が、如何に唄に満ち溢れていたことか。それが自分の骨身、魂の奥まで浸みこんでいて、しかも、このくにに育ったすべての人々に共有されていることの不思議、いやその幸福感といっていいかも知れません(そうか、この幸福感こそが平野作品の魅力ではないのか?)。

『鏡の国の歌遊び』はテンポよく場面転換しながら展開していきます。昔聞いた懐かしい旋律、美しい二重唱、ユーモア溢れる擬音唱(私の造語です-笑)、表情豊かな足踏みパーカッション。その中に、なかよく遊ぶ二人、ケンカ、なかなおり、などの物語が織り込まれていきます。万華鏡に中で色セロファンがつくる様々な形に想像を膨らませる子供のような気分で聴いてしまう、とても楽しく、美しい作品でした。最後は、「もーいーかい」、「まーだだよ」。やはり言葉はありませんが、節回しで二人がそう言い交わしているのが自明という最初に回帰して『歌遊び』は終わります。

説明の順序が逆になってしまいましたが、今日は吉川真澄(Masumi)さんと宮本絵真(Ema)さんが結成したソプラノ・デュオ「La Vérité~真~」のデビューコンサートでした。アカペラの、女声、それも同じソプラノの二重唱。お互いが高音部になったり低音部になったり、糸が撚り合い紡がれていくように歌声が流れ、近江楽堂のドーム天井に美しく響いて、とても素晴らしい演奏会でした。

14世紀から16世紀のポリフォニー音楽と現代曲との組み合わせが素晴らしいマッチングを見せるというのは、EmaとMasumiの最初の共演の舞台となった、京都での「四季の遊び」で既に証明済みです。今回はそれに日本民謡も加えて独創に満ちたプログラム構成となっていました。特に、クルタークのど真ん中にテレマンを持ってくるなんて、私は素人なので何とも言えませんが、かなり衝撃的な試みではないでしょうか?でも、テレマンが間奏曲のようになって、とても自然な流れでした。

実は私は、このデュオの結成を大変嬉しく思っています。数年前、私は生意気にも、Masumiさんにイギリスの声楽アンサンブル、タリス・スコラーズのパレストリーナのCDをプレゼントし、こういうジャンルにも取り組んで欲しいと言ったことがあります。真澄さんの声は、私の好きなこのジャンルの楽曲に絶対に合うと思っていたからです。その時のMasumiさんの応えは、「チャンスがあったらねェ~」というものでした(笑)

Emaさんはフランスに長らく滞在し、この分野の音楽を研究されてこられた方と聞いています。であれば当然、La Véritéのレパートリーにも含まれる筈だと楽しみにしていました。そして、実際そうなって、私の期待どおり、それ以上の歌声を聞けたのです。ホントに嬉しい。ヴェリテ結成おめでとう!万歳\(^o^)/

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