マタハラ弁護団東海

マタハラに悩む全ての女性のために、愛知県弁護士会所属の女性弁護士が集結したのが、マタハラ弁護団愛知です。 無料相談、セミナー、勉強会への講師派遣など、随時開催しています。

妊娠・出産・育休を理由にした不利益な取り扱いを「マタニティ・ハラスメント」と言い、これらは違法とされています。
マタハラ弁護団東海では、このようなマタハラのご相談を随時お受けしています。また、勉強会への講師派遣も行っております。お気軽にお問い合わせ下さい。
弁護団事務局:弁護士法人名古屋南部法律事務所
住所:名古屋市中区正木4-8-13金山フクマルビル
電話:052-682-3211
担当弁護士:岡村・田巻

 こんにちは。マタハラ弁護団東海・岡村です。

 8月31日,豊山町役場の安全衛生講習会で研修の講師を務めました。

 テーマは、「ハラスメント対策講座~マタニティハラスメントを中心に職場のハラスメントを考える~」。豊山町役場の全職員が対象で、90人ずつ2回に分けて行いました。

 

 この研修は、以前にこのブログでもご紹介した、平成2911日施行の改正育児介護休業法が、事業主にマタハラ等の防止措置をとることを義務付けたことを受けて実施されたものです。
 管理職のみの研修ではなく、全職員を対象とする意気込みが素晴らしいですよね♪
 
 image2 (2)

 職場でのハラスメントは、マタニティハラスメント以外にも、パワーハラスメント、モラルハラスメント、セクシュアルハラスメントなどがあります。
 ハラスメントが起こる職場では、全てのハラスメントが起こりやすいと言われています。
 ハラスメントは、被害者の心の健康を廃し、職場の風土を悪くし、生産性の低下、優秀な人材の流出を招きます。ハラスメントをなくす努力は、自然と風通しのよい関係性が構築され、部下が上司に意見を言いやすく、良いアイデアもうかぶし、実行力にも富む職場へとつながります。
 そんなことをお伝えしたくて、各ハラスメントの定義、マタハラが社会問題として認知されるようになった経緯、何がマタハラに該当するのか、どうしてマタハラをなくさないといけないのか等々を説明させていただきました。

 

 豊山町では、男性の育児休暇取得を目標に掲げているそうです。
 小さい職場だけに、仕事の引き継ぎなど周囲への負担がかかると思うと、嫌がらせがあるわけではないけれど、つい遠慮してしまうという状況もあるようでした。
 妊娠・出産・育児による時短勤務や休業などで、引き継ぎなどは周囲への負担となる場合もあるでしょうが、それは皆で支え合っていける工夫で乗り越えなければなりません。
 職場の仲間の妊娠が分かったときに、「おめでとう」と言える職場でこそ、チームワークの良い仕事ができることでしょう。

 

 全職員対象にこのような研修を行ったことをきっかけに、該当者がいる職場では、上司から、「育児休暇をとってみたらどう?」と声をかけてみるということをおすすめしました。
 遅くない時期に、男性育休の第
1号取得者が表れると良いですね!
 役場の仕事は、市民への行政サービスですから、男性が育休を取得することは、将来的にきっと職場でも役に立つ経験となることでしょう。期待しています。

 image4 (2)

  受講者の方から、「多様性を認める企業の方が強く生き残っていくという研修を受けたことがあるのですが、今回の話でも、同じような印象を持ちました」という感想をいただいたのですが、全くその通りですよね。

 いろんな生き方、いろんな性質、いろんな人材・・・。
 違っていても認め合うというダイバーシティの考え方とマタハラ防止の取り組みは、重なり合うところが多いと思いました。

 

 講師として行きましたが、私の方も働く現場の声をうかがうことができ、勉強になりましたし、刺激も受けました。
 豊山町役場の皆様、ありがとうございました。

 こんにちは。マタハラ弁護団東海・渥美です。
 2017年6月16日、参議院本会議で可決されたことにより、刑法第177条など強姦罪に関する規定が次のように改正され、同年7月13日から施行されました。
 今日は改正内容についてご説明致します。

 第177条
  13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交または口腔性交(以下、性交等)
 をした者は、強制性行等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
  13歳未満の者に対し性交等をした者も同様とする。
  *以前は被害者は女性に限られ、行為も「姦淫」に限られていたのが、行為の内容が拡大されまし 
 た。また以前は「3年以上の懲役」になっていたのですが「5年以上の懲役」になりました。

 第178条
   1 人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて、
   わいせつな行為をした者は第176条の例による。
   2  人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、または心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、性
  交等をした者は、前条の例による。
   *177条が大きく改正されたので、この第2項も改正されたのです。

 第179条
   1  18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわ
  いせつな行為をした者は、第176条の例による。
   2  18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性
  交等をした者は、第177条の例による。
   *このような条文は、今までありませんでしたが、例えば父親が幼い娘にわいせつな行為をしたり
  性的関係を強要するケースがあったので、新設されました。

 第180条
   *以前は、第176条(強制わいせつ罪)から第178条までは、親告罪として「告訴がなければ
  公訴を提起することができない」という条文がありましたが、この条文が削除されました。
   つまり、被害者が告訴しなくても加害者は起訴されることになったのです。

  ところで、この改正については衆議員及び参議院の法務委員会では付帯決議が出されています。
 衆議院については、9項目に亘って決議されていますが、例えば、6項では「性犯罪が重大かつ深刻な被害を生じさせる上、性犯罪被害者がその被害の性質上支援を求めることが困難であり、その被害が潜在化しやすいという性犯罪被害の特性を踏まえ、・・・・・被害者の負担の軽減や被害の潜在化の防止のため、ワンストップ支援センターの整備を推進すること」とあります。

  女性に対する性暴力がなくなる日が来ると良いですね。

 こんにちは。
 マタハラ弁護団東海・横地です!

 濱口桂一郎氏の『働く女子の運命』(文春新書)を読みました。

 日本の女性労働者の働き方や雇用のあり方を戦前からたどる内容ですが,日本では,職務も勤務地も無限定で,実質的な労働時間規制もなく,いわば“無制限”に働くことができる事を前提に,いわゆる正社員が雇用されてきて,それは専業主婦等の妻と子をもつ男性が想定されてきたこと,賃金の決め方は,男性労働者が妻子を養うことを前提とした“生活給”の意味合いが大きく,終身雇用を前提に年功序列的に昇給し,昇進・昇格も,能力評価を前提とした適材適所というより教育訓練を受けて基幹的職務を経験しながらポストが上がっていく等,欧米に比べて色々な面で特殊だということが改めてわかりました。

 このような雇用環境に,男性は仕事,女性が家事・育児をするという性別役割分業が加わると,“働く女子”は家庭も仕事もするか仕事をやめざるをえないことになります。

 もし,労働条件として職務や勤務地を限定し,賃金はシンプルに職務に対する対価として,かつ “同一労働同一賃金”で定め,労働時間を厳しく規制し,転職しやすい雇用環境を目指していくならば,男女問わず仕事以外の生活時間を確保しつつ,家庭役割等とも両立しながら働くことができるので,性別役割分業解消も現実的に可能になってきますし,雇用する側もされる側も,「女性であること」が働き方を制約する事情になりにくくなり,ひいてはマタハラ問題もなくなっていくのではないかと思いました。

↑このページのトップヘ