これね〜1日の夜にNHKで放送されたドラマなんですけど・・
かなり記事を書くのが遅くなっちゃった・・

 福島県磐梯山のふもとの小さな町に住む遠藤君子(17歳)(多部未華子)という少女が主人公。学校でも孤立した存在の彼女は友達もいない。
7年前に離婚して大型スーパーで働いている母和代(秋野暢子)は疲れきっている。
おじいちゃんは7年前に脳卒中で倒れ、体が不自由で寝たきりの生活。
夕食の世話は君子がしている。

 そんな君子の夢は宝塚音楽学校に合格して、この街を出ること。
誰にもないしょでバレエ教室へ通い、音楽室で先生に歌のレッスンをつけてもらっている。
 そんな君子を見守るのが同じクラスで演劇部の高井勇介(濱田岳)と
久保純一(柄本時生)。
 2人は演劇部で君子も演劇部だったのだが、顔を出さなくなったので
心配している。
 勇介の家は自動車修理工場。
でも、商店街は寂れていて活気はまるでない。
父は交通事故で妻と片足を失ってから、生きる気力を失っている。
 そんな父の姿に苛立ちを感じながら、自分の将来への不安を抱いている
勇介の姿も平行して描かれる。
 君子に対しても将来の夢をもっている姿に羨ましさと嫉妬、応援したい気持ちが
ないまぜとなってついからかった態度を取ってしまう。

 「演劇部もクラスのみんなも、みんな田舎もん!!
バカばっか!!」君子
「だったら受かったらとか言わないで、さっさと辞めちまえ!!」勇介
「もうじき辞めるんだから!!こんなとこ出て行くんだから!!」

 宝塚って、北海道に住んでいるとTVの舞台中継ぐらいでしか見る機会が
ないから、普通の劇団よりもミステリアスで不思議な存在かも・・
 だからドラマの中でクラスの子達に君子が宝塚を目指しているって知られて
白い目って訳でもないけど、ちょっとからかいの目で見られてるっ描写も
何となくわかる。
 何だか遠い世界の現実的じゃない話みたいに思えるんですよ・・ 
 でも、2年ぐらい前に娘と同じピアノ教室に通ってるお嬢さんが
高校を中退して宝塚音楽学校に入学することになって・・
ちょっと気になる存在になりましたよ〜。
 
 たいていのお嬢さんは小さい頃からバレエやピアノを習っていた方ばかりなんでしょうけど、ドラマの君子は思い立って一年前からバレエと歌を習い始めたので
バレエの先生からも「今のままじゃ厳しいわよ」と言われてるし、
自分でもわかっている。

 母親にも秘密でバイト代で列車に乗ってバレエ教室へ行ってるから
レッスンが終わったら慌てて帰って、駅からは全速力で家へ。
 おじいちゃんの食事も本当は食卓へ移動させてきちんとリハビリを見守りながら
食事にしなければならないのに、
あわてて作ってベッドでぐいぐい食べさせるという状態。
 母親には帰りが遅いからばれていない。
おじいちゃんには悪いと思っている。
でも、夢を捨てることができない。

 ある日、風邪で母親が早めに帰って来て全てがバレてしまう。
おじいちゃんのベッドに食事を置いたままで部屋は真っ暗。
不自由な片手でなんとかご飯を食べて寝入ってしまったおじいちゃんの様子と
離婚後、2人で一生懸命生きてきたと思っていたのに娘が秘密を持っていたと
いうショックで怒りをぶつける母。

 「おまえの夢はじっちゃんを、あんな犬みたいにあつかわなきゃなんないの?!
それがお前の夢なのかよ!
じっちゃんどうなってもいいの?!!
母ちゃんはおまえの何なの?!なさけねぇ・・
なして母ちゃんに言ってくれなかったの?」母

 「だって、父ちゃんと約束した・・
一年前、遠くに行くからって、宝塚連れてってくれて、そん時約束した・・
いつか宝塚の舞台に立つから・・
父ちゃん迎えに来てくれるって!
そだらこと母ちゃんに言える?!言えないべ!!」君子

 家を飛び出した君子は勇介達の元へ行って、初めて家の状況と自分の気持ちを話す。
 「父ちゃん生きてんだろ?又会える・・すっげえ羨ましい・・
父ちゃん、ずっとストーブを見ている。
交通事故で片足と母ちゃんを亡くしてからずっとだ・・・
自分を燃やしてるみたいだ・・・
 あ〜ぁ・・、人生って難しいな〜!」勇介

 若くても子供でもちゃんと人生生きてるんですョ・・
三人で朝焼けをじ〜っと見つめる姿が良かったです。
若いってこういうことなんですよね・・
迷いながらも前を向いていこうという気持ちが自然と湧き上がってくるって言うか・・

 朝帰ってきた娘に何も言わずに
「今ごはんできるから、そこで待ってな・・」と言って、風邪をひいてるのにがんばってご飯を作ってる姿にも和代の姿に娘への強い愛情を感じました。
 その姿をじっと見つめていた君子はやっと素直に宝塚のことが言えたようです。

 母親の許可も出て、ついに試験の日がやってきた。
不自由な手で折った鶴を渡す祖父。
 見送りに来てくれた勇介。
でも、乗った高速バスを君子は降りてしまう。

 「おい!行かねぇのか?!」勇介
「いいんだって!
私、母ちゃん嫌いだった・・
じっちゃん嫌いだった・・この町嫌いだった・・なんもかも嫌だった・・
何もかも捨てたかった・・・
 別に宝塚じゃなくて良かった・・みんな捨てられるなら何だって良かった!
私ってすっごくずるい!すっごく汚い!!」君子

 祖父や和子の愛情、勇介の友情を感じて、初めてこの町が、そして自分が好きになれたんですね・・
宝塚は君子にとって、唯一の支えであり希望であり、憧れであり、夢だった。
その夢にすがることで一人ぼっちでも生きていたともいえる。
 でも、今は一人ぼっちじゃない・・その事に気づいたからだからこそこの町を出て行きたくないし出られない。
君子は自分でちゃんと選択したんですね。
 
 いや〜主演の多部未華子さんが良かったですね〜
母親の脱ぎ捨てたストッキングを見る嫌悪の目、
おじいちゃんの口をふいたタオルをじ〜っと見つめる目、
からかわれた勇介に臨みかかるように見返す目。
 純粋な生の感情が伝わってくるようでした。
別の作品も見て見たいです〜

 祖父役の笑福亭松之介さんも全然しゃべらなかったけどすばらしかったです。
震える手で鶴を渡す時の表情で君子の今までのこと全てちゃんと許してくれてるんだな〜と感じましたね。

 最初は「中学生日記」か高校演劇の演目みたいだな〜って感じもなきにしもあらずだったんですが、いつのまにか引き込まれていました。
いいドラマでした。