さて、今回の犯人はIQの高い者しか入れない『シグマ協会』というクラブの会員、
セオドア・バイケル演じるオリバー・ブラント。
殺した相手は同じくクラブの会員であり、会計事務所の共同経営者であるバーティ・ヘイスティング(ソレル・ブーク)。
動機は、ブラントが顧客の金を横領していたことをバーティに知られちゃったから・・・

 クラブの例会が行われている時に2階にある図書室で殺しのセッティングをするブラントは、とても楽しそう・・
自分の頭脳に自信を持っているブラントは、この計画が成功するのを確信しており、
秘密の実験を行うようにウキウキしているのだ。

 さて、図書室にバーティを誘い込んだブラントは、横領を責められると
消音付きの銃で2発撃って殺すのさ・・
その後、強盗に撃たれたと偽装するために財布を抜き取り側に置いて・・・
チャイコフスキーの『幻想序曲 ロメオとジュリエット』の2曲目から始まるようにセットしておいたプレイヤーをオンにして部屋から出てきました。

 今回は追いつめられる犯人目線で描かれる場面もあり、結構ドキドキしたぞ・・
コロンボとの初めての対面の前に、顔にすすが付いているのに気づいて
慌ててチーフでふき取ったり、犯行に使った銃を公園のゴミ箱に捨てたら、
次の人がゴミを乗っけたせいで、銃が露になってコロンボに見つかりそうでヒヤヒヤとか・・・

 この犯人はとにかく相手の頭のレベルが気になるようで、コロンボのことをたいしたことない奴だとは思いながらも、ある問題を出してチェックしようとしてたわ〜
別冊宝島 『刑事コロンボ完全捜査記録』 (別冊宝島 (1330))刑事コロンボ―レインコートの中のすべて
 その問題とは・・・
金貨の入った袋が何個があって、そのうちの1袋だけがニセ金貨で重量が違っている。
で、秤を一度だけ使って、どの袋にニセ金貨が入ってるのかを調べるにはどうしたらいいか?というもの。

 もちろんコロンボは正解を見つけましたョ・・・
自分じゃなくてカミさんが解いたとは言ってましたがね。

 とりあえず、金貨の袋は3個ってことにして、その中のどれかがニセ金貨の袋とします。
金貨の重さは本物の金貨が1枚100g、ニセ金貨の重さが1枚110gってことにします。
 で、1番の袋からは1枚、2番の袋からは2枚、3番の袋からは3枚の金貨を出して
それを一緒に秤にかけます。
もし、1番の袋がニセ金貨なら重さは610gになる。
そして2番の袋がニセ金貨なら重さは620g、3番目なら630gになるというわけ。

 (´・∀・`) にゃるほどね〜たいしたもんだ・・

 さて、銃声が聞こえ誰かの倒れる音、そしてもう一発の銃声が聞こえ・・・
何事かと2階の図書室に協会のみなさんが駆けつけ、バーティの死体を発見します。、
その時、部屋の扉を開けた途端に奥にある扉がバタンと閉まり、逃げていく者がいたそうな・・
 現場検証の後、コロンボが逃げて行った者の印象を聞くと、みんなてんでバラバラ・・・
こりゃいったいどういうことだ・・・?

 そういえば、今回は現場に頭のいい方たちがたくさんいらっしゃったので、
それぞれが自分の仮説を伝えにコロンボの所にやってくるのがおもしろかったわ・・
いつもと反対だよね・・・

 それと、今回はコロンボの人間心理に精通している面が描かれましたョ〜
シグマ協会には最年少の会員、キャロラインという14歳の少女がいるのですが、
自説を話しに来た彼女にコロンボは伝えるのです。
「キャロライン、君はすごく頭がいいだけじゃない、とってもかわいくてきれいなお嬢さんだ」
「白状しちゃうけどね、頭のことじゃなくて外見で人に褒めてもらったのって、
これが初めて」
とびっきりの笑顔になるキャロライン・・・・

 コロンボの優しさが感じられる結構好きな場面です。

 犯人が逃げたと思わせるトリックは、コロンボにはすぐわかりました。
図書室では窓を開けた状態にして、手前の扉を開けると、その拍子に開けっ放しにしておいた奥の扉は自動的にバタンとしまるのです。
銃声の音で駆けつけたみなさんが逃げる者を見たと思ったのはイメージによる錯覚でした。

 そして、みなさんが聞いた銃声は時間差を作るためのトリックだと気づき、その方法もレコードプレイヤーのアームに付いていた小さな傷から推理を広げていった結果わかりました。
しかし、証拠がない。

 ブラントを呼び出したコロンボは、今まですばらしい頭脳の人間にはたくさん会ってきたと話し始めました。
警察学校にも優秀な人間はたくさんいて、その中で抜きん出るためにかなり努力をしたそうな・・
「私、考えました。連中よりせっせと働いて、もっと時間かけて、本を読んで、
注意深くなりゃモノになるんじゃないかって・・・
なりました。
私はこの仕事が心底好きなんです」

 ブラントの方は優秀な頭脳を持つが故の悲哀と孤独にまみれた人生だったようです。
「『生まれつきの天才』・・・そう呼ばれた。
しかし、これは不幸だ。私には子供時代がなかった。
人は利口な人間を好まないし、子供たちは神童というと軽蔑するもんです。
だから幼い時から、私は才能を隠すように努力した。
兄弟からも学校の友達からも戦友からも。
苦痛に満ちた孤独な人生だった・・・」

 彼は妻にさえも本当の姿を見せない・・・
殺されたバーティは、いつも彼にジョークの種にされ不快感を感じていたようですが
ブラントにとっては自分よりもすぐれた脳を持つ彼をからかっている時だけが安らげる時だったのかもしれません。
 しかし、ブラントは自分の天才性にうんざりしながらも、その能力には強い自信を持っておりました。
コロンボは彼のその自尊心を利用したのです。

 コロンボは「犯人はすこぶる頭のいい男です」と言いながらブラントにトリックの説明をはじめました。

 まず、使った銃をコウモリ傘の中に入れて、暖炉の奥に隠します。
それからバッテリーに繋がった電線を用意して、バッテリー側は2個の爆竹と共に
傘に入れておきます。
電線のもう片方は二股にしてそれぞれアームの付け根の端と端にクリップで止めます。

 レコードは4分で終わるようにあらかじめセットしてあるので、
出て行くときにオンにしていくだけでいい。
4分経つと曲が終わりアームは元の位置に戻ろうとするから、その時の接触でバッテリーがオンになり爆竹が1つ鳴る。
 その後、またプレイヤーが動こうとした接触で2発目の爆竹がなる。

「しかし、その合間に倒れる音がしている」ブラント
「そう、そこで犯人はイチかバチかの冒険をやったんです」
ギリギリの位置で平行を保っていた辞書を落とさせて、倒れる音を偽装したと話すコロンボ。

「しかし、タイミングが取れまい」ブラント
「そこが、この犯人の頭のいいところだ」コロンボ
「銃声の合間にうまく本が落とせるのか?」ブラント
「ええ、できます。今、お目にかけます」コロンボ
「それができれば、まさに天才だ!」ブラント
「私もそう思いますよ〜残念ながら私が思いついた訳じゃないんです。
このクラブには世界でもトップクラスの秀才がおられて、みんなで考えてくださったんです。
いや〜助かった!」
「ハハハ、あのバカどもに何ができる・・」ブラント
「支部長のジェンスンさん、あの方はバカじゃありませんよ」コロンボ
「あああーーそうかね?!」ブラント
「ジェンスンさんのアイディアなんですよ!本は振動で落ちる!」コロンボ
「振動だと?何を言ってるんだ、君は?」
「最初の爆発のですよ!ジェンスンさんはいとも簡単に解いてくれましたよ。
第一発がバーン!といくと、その振動で本がドサッと落ちるんだ。
あのジェンスンさんは、まさに天才だあ!!」コロンボ
「振動とは恐れ入ったもんだ!そんなたわごとを信じさせた奴は救いようのないバカだ!
犯人はこうやったんだ!」

 太いボールペン(マッキーみたいの)をプレイヤーのアームの隣に置くブラント。
「これさ!!」
アームが定位置に戻って来た時、ペンに当たり、それが転がって辞書に当たり、
落ちていく途中で爆竹が一発バーン!辞書が床に落ちてドーン!さらにもう一発爆竹がバーン!

「ほうら、どうだ?!!ハハハハハハハ!ハハハハハハハハハーー!!!」
笑っているブラントを冷静に見つめているコロンボ・・・
ブラントの笑が止まり・・・やっとコロンボの意図に気づいたようです。

 トリックが暴かれたことに呆然としながらも、コロンボのIQが気になるブラント・・
自分のトリックが稚拙だから暴かれたのではなく、優秀な頭脳に負けたと思いたいのでしょうか・・
この期に及んでIQテストの問題を出すのでした。

「単語を4つ出しますが、ひとつ共通点のないのをあげて下さい。借用、外泊、敗北、欠勤」
「待ってくださいよ〜「借用」って言うと「無断借用」・・・
あ、コレ「敗北」でしょう?
「無断外泊」に「無断借用」、「無断欠勤」、でも「無断敗北」はありませんからね」
「あなたは・・・警察においておくには惜しいですな・・」ブラント
「とんでもない、上司に叱られる。無断で警察辞めたら」コロンボ

 チャンチャン♪ ヘ( -∀-)ノ お後がよろしいようで・・・

 天才ゆえの孤独と傲慢さから心を閉ざし、殺人者になってしまったブラント・・・
天才ではないかもしれませんが、鋭い頭脳を持ちながら仕事を愛し、人生を愛しているコロンボ・・・
その姿が対照的でした。
 なかなか味わい深い作品でした。
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コーディネートに季節感ゼロのコロンボ・・・真夏もコート着てたっけ( ´д`)?
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