おもしろかったわ〜100分越えるとちょっと辛い私が、237分夢中で見たぞ・・
好き嫌いあると思うけどね・・・
この映画全編を貫く「変さ」が、私は結構好きかも・・
そもそもこのタイトルがすごい・・・なんだよ「愛のむきだし」って・・((-∀- )
これはR−15指定映画です。HPはこちら

 敬虔なカトリックの家庭で育ったユウ(西島隆弘)は、いつも穏やかな神父の父と二人暮らし。
ユウにとって女性のイメージは祈り続ける母の神聖な美しさ・・マリア像・・・
亡くなった母との約束「マリア様みたいなお嫁さんを見つけるのよ」という言葉を胸に、
いつか自分だけのマリアに出会える日を待っている。

 ある日、愛欲の塊のようなカオリ(渡辺真起子)という女が父テツ(渡部篤郎)の前に現れてから、平和な日常が激変してしまう。
カオリは恐ろしいほどの情熱でテツを手に入れ、家庭に入り込み、突然去っていく。
 カオリに捨てられたテツは性格が豹変し、ユウに懺悔の強要をするようになる。
一生懸命懺悔するが、若くてもともとよい子のユウにそれほど罪があるわけもなく、すぐに罪は尽きてしまう。
でも、父は許さない・・・
ユウに罪人であることを要求し懺悔させ、それを神父である父が許すという日々が続く。

 ユウは愛する父に懺悔するために、罪を製造することを思いつく。
で、偶然知り合ったとユウジ(清水優)、タカヒロ(尾上寛之)、先輩(永岡佑)たちと
細かい罪を重ね、教会にいる父の元へウキウキと懺悔に通うのでした。
 その後、ロイドマスター(大口広司)と呼ばれる盗撮の師匠を紹介されたユウは、
彼から才能を見込まれ、修行を積むうちに盗撮マスターへと成長するのさ〜

 盗撮の罪を聞いた父は激しくユウを罵倒し教会から追い出した。
しかし、いつもの神父の仮面がずれて父の顔を見られたことに喜びを感じたユウは
ますます盗撮の世界へとのめりこんでいくのでした。
 ここからは、多分ネタバレ的な内容になると思います・・・(´∀`;)
愛のむきだし [DVD]愛のむきだし空洞です
 ヨーコ(満島ひかり)は男を憎んでいる。
幼い頃から自分の存在を無視し、女をとっかえひっかえ連れてくる父親とその性を。
自分を襲おうとした父親を殺したかった・・
蓄積された父親への怒りは、世の中の男たちすべてに向けられる。

 コイケ(安藤サクラ)は、17の顔を持つ女・・・
『霊感絵画の販売』『インチキボランティア団体の支部長』『コカインを売りさばくディーラー』
『植物状態で眠り続ける男の娘』など・・
本当のコイケは新興宗教ゼロ教会の地区リーダーだ。

 幼い頃から聖職者の父(板尾創路)の抑圧的な教えと暴力にさらされてきたため
愛の感情が浮かび上がると同時に男への憎しみも感じ、自傷と他傷の衝動が抑えられない。
 男性とセックスを憎んでいるコイケは、BFを斬りつけて(生死は不明)
少年院へ入り、戻って来たその日に倒れている父親の男根を切り捨てた。

 そんなコイケが、雨の中懺悔しているユウと出会い、今まで感じた事のない不思議な感情に取り付かれ、ユウを監視し始める。

 ヨーコとコイケは、生まれた時には持っていた「愛」というものを、
強い怒りや悲しみ、憎しみによって心のどこかに埋没させてしまっている。
無意識に愛を求めながらも、愛がむきだしになることを恐れている。
そんな不安を埋めてくれるのが「神の愛」・・・
 ユウの場合は、「神」が父とのコミュニケーション手段となっている。
父は「神」をバリアーのように身にまとっており、ユウは「神」を通してしか父とふれあうことはできない・・
 
 ある日、ユウは女番長サソリに女装している時、パンチラさせながら男たちと戦うヨーコを見て、
初めての衝撃を感じる。この人が、ずっと自分が求めていたマリアだと・・
そして、ヨーコも女装したユウと知らずにサソリに恋をする。

 父がカオリとの再婚を決め、その連れ子としてヨーコに引き合わされた時から、
ユウの苦悩はどんどん深まっていく・・
同じクラスで隣に座っている義理の兄としてのユウを毛嫌いしているのに、
サソリにはどんどん心を開き、素直に甘えるヨーコ・・・

 その後、ユウがサソリだと告げられずにいるうちに、転校して来たコイケがサソリを名乗りヨーコの心を自分のものにし、ユウの家族をも取り込んでいく・・

 洗脳されたヨーコをこちらの世界に戻すために、ユウは先輩たちの協力の元、
彼女を拉致監禁するが、ヨーコはユウを「変態」として拒絶し、あくまで「神の愛」を選ぶ。
ヨーコにとってはセックスの介在しない神の愛こそが本物で、男性として自分を求めて勃起するユウの姿は変態以外の何者でもないのだ。

 それでも諦めきれずゼロ教会の本部にサソリの姿で現れたユウをヨーコは殺そうとする・・・
ユウの男としての愛、家族としての愛、そのむきだしの愛に耐えられなかった・・・この愛を受け入れたら自分は死ぬと思った。

 コイケとその部下たちと共に鍋をかこむヨーコとカオリとテツ・・・
それはまるで神に守られたひとつの家族のよう・・・
コイケはやっと望んだものを手に入れられたのか?
神の名の元に集合した擬似家族・・・それが欲しかったのか?
それとも「家族」という存在をゼロにしてしまいたかったのか・・?

 やっと見つけた自分の愛を否定され、ユウの精神は崩壊・・・
ユウが自分と同じ世界にやってきたのを確認して、コイケは刀を突き刺してこの世界から去っていく。
解放され、微笑むコイケ・・・何から?愛から・・・
そのために、ユウとヨーコを出会わせ、ユウの愛するヨーコを自分のものにし、
家族を取り込み、追いつめた。

 コイケは、この世に愛がない事を証明したかったのか?
でも私には、コイケが愛から逃げようとするのと同じように心の奥底で
愛を求めていたような気がしてならない。

 この映画はユウとヨーコの愛を中心に描いているけれど、コイケという絶望と愛を同時に見ている存在があったからこそ、まだ愛を模索中の、このお二人さんの存在が生きてきたんだと思う・・

 いや〜わたしゃ、このコイケを演じる安藤サクラさんの魅力にノックアウトされちまったわ〜
お若いのに、すごく深い演技をするおもしろい女優さんですね〜
もちろん西島隆弘さんも満島ひかりさんもすばらしかった・・・
最高のキャスティングだったと思います。

 それと、渡部篤郎さんのホンモノのニセモノさ、
何ともいえないいやらしさと生命力を感じさせた渡辺真起子さんも印象的でしたわ〜
この人、一度見たら忘れられないよね・・・

 ヨーコとユウが、破壊と再生を繰り返しながらたどりついた愛・・
私には、ハッピーエンディングとは思えないけど、手を握り合ったこの一瞬がすべてになると思う。
おもしろかったデス・・・10点満点で9点ですわ・・

 音楽もこの映画にぴったりと合っていたわ〜
も〜頭の中でゆらゆら帝国のあの歌が流れ続けてるよ・・・

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