『人は嘘をつく』
この懐かしいフレーズと共に加賀恭一郎が戻ってきましたョ〜
(HPはこちら
いや〜おもしろかった!これがSPドラマだよね。
ちゃんと独立した作品として成立しながら、シリーズのおもしろさを受け継ぎ補足する。

 修平を絡めた加賀と父との関係、そして加害者家族の前原家を描きながら
家族のあり方を考えさせてくれました。
昨年の連ドラを見ていない方にも、そして連ドラを楽しんだ方にとっても充実した内容だったと思います。
また、連ドラを見直したくなったわ〜

『人は嘘をつく。
自分の心を隠すため。
かけがえのないものを守るため。
逃れられない苦しみから目をそらすため。

みな、心に秘密を抱えて生きている。
嘘は真実の影。
目を見て向き合わなければ、心に隠された真実を見ることはできない。

これは、どこの家でも起こり得ること。
だけど、それは我が家じゃないと誰もが思っていた。
あの雨上がりの夕暮れまでは・・・』

 これは、加賀恭一郎(阿部寛)が人形町に赴任する2年前の話・・・
練馬西署にいた加賀は、捜査一課に配属された甥の脩平(溝端淳平)と共に
絞殺され公園のトイレに遺棄されていた少女の殺人事件の捜査をしていた。
 
 ドラマは捜査にあたる加賀たち刑事の姿と息子の殺人を隠蔽しようとする前原家の様子が並行して描かれます。
新参者赤い指


 
 父亡き後、母政恵(佐々木すみ江)の住む家で同居生活を始めた前原家は
それぞれが苦しみを抱えていた。
そりの合わない姑との暮らしにストレスを募らせ、その後認知症となった義母に疲れ果てている八重子(西田尚美)。
 学校でのいじめに耐えて、壊れそうになっている息子直巳(泉澤祐希)。
日々の不満を訴える妻や鬱憤を抱える息子から逃れるように仕事に向きあう昭夫(杉本哲太)。
 そして、そんな兄夫婦ど同居する母を心配し、毎日、前原家に通う昭夫の妹春美(富田靖子)。

 そんな中、息子が小学生の女児を殺害したことを知った八重子は、警察に通報しようとする夫を止め、隠蔽するよう頼み、昭夫も同意してしまう。
昭夫は、庭の角に寝かされていた遺体をダンボールに入れて、自転車で運び、
近くの公園のトイレに遺棄するのでした。
だか、遺体が発見された朝、はやくも加賀恭一郎が前原家を訪ねて来たぞ!

 地道な捜査の結果、加賀は、
遺体発見現場付近の自転車のタイヤ痕を消したような泥の盛り上がり、
遺体に付着していた芝生と前原家の庭のものが一致したこと、
少女が履いていた靴の紐の結び方が両足で違っていること、
前原家の2階の天井に貼られていた殺された少女が好きだったアニメ「スパプリ」のポスターなどから、徐々に犯人を前原家に絞り、追い詰めていく。

 その頃、入院中の加賀の父隆正(山崎努)には、死期が迫っていた。
忙しい中、叔父の元に通う修平は、まったく病室を訪れない恭一郎に怒りを感じていた。
看護師の登紀子(田中麗奈)にその不満を訴える修平から、恭一郎と隆正が疎遠になっていた理由が語られます。

 仕事一徹で家庭を顧みない父に嫌気が差したのか、恭一郎の母は彼が小学生の頃、
蒸発してしまった。
母の居場所がわかったのは死後だった。
仙台のアパートで孤独に死んでいった母の遺骨を恭一郎は一人で引き取りに行ったそうな。
その事で恭一郎は叔父のことをずっと恨んでいるのだと。

 修平にとって叔父の隆正は、父の死後、家庭を味合わせてくれた大切な存在。
修平に見せる顔と息子である恭一郎に見せる顔は違っていたんでしょうね。

 看護師役の田中麗奈さんも良かったですね〜
「きっと家族には家族にしかわからないことあるんでしょうね」
いろんな事に気づきながらも、ベテラン看護師らしく一人の胸にしまって、
患者さんをしっかり見送ろうとしている。
 死を受け入れながらも、無意識のうちに、一瞬、目の前の「生」にしがみついてしまった隆正を「ちょっとだけですよ」と受けとめる優しさ。
いい女優さんになったな〜(偉そうだぞ)なんて・・・

 そして、『新参者』で再会する前の青山(黒木メイサ)と恭一郎。
まだ新聞社に勤めていた青山は捜査中の恭一郎に気が付き、後輩と名乗り情報を得ようとする。
 幼い少女を殺害した異常者が許せないと、犯人が断定されていない状況で記事にしようとしている彼女に、その責任の重さを伝える恭一郎。

「記事を書かれた人間のその後を考えたことがあるのか?」
「もちろんあります」青山
「だったら、殺人事件に慣れたなんて言えないはずだ。
刑事も記者も同じだ。
俺達は遺族の泣く姿に決して慣れてはならない。
そのペン1本で人を救うことも殺すこともできるんだ」

 人生の先輩として、相手にまっすぐに向き合い、静かに導こうとする加賀の姿にじ〜ん・・
それは修平に対しても同じ。
 反感から始まった恭一郎との再会でしたが、着実に犯人に近づいていく恭一郎の揺るぎない刑事としての姿に修平の思いも変化していきました。

 加賀は、相変わらず、ちょいちょい前原家にホラーな雰囲気で姿を現し、
昭夫をイラッとさせながら追いつめていきますョ〜
もう逃れられない!と悟った昭夫と八重子がとった道は、認知症の母を殺人者に仕立てること。
その葛藤の中、昭夫に蘇る母との思い出・・・
それでも昭夫は、母に罪を着せることを止めようとしなかった。

 しかし、口紅が塗られた真っ赤な政恵の手に気づいた恭一郎は、直巳が犯人であると確信していた。
昭夫の告白を本部に知らせようとする修平を止める恭一郎・・・

「刑事というのは、ただ真相を明らかにすればいいというものじゃない。
いつ、どのように、明らかにされるのか、それが大切なんだ。
この家には、まだ隠されている真実がある。
それは取調室で強引に明かされるべきことじゃない。
この家で、彼ら自身によって明かされなければならないんだ」

 にゃるほど〜
『新参者』で、いつも加賀がギリギリのところで真実を明らかにしていたのは
そういう理由からだったんだね。
「真実は相手の目の奥にある。自分の目で確かめるんだ」
恭一郎の言葉を受けて、直巳と対峙した修平も彼が犯人であることに気づきました。

 そして、明かされた真実・・・
にゃんと、政恵は認知症のフリをしており、それを知っている娘の春美と携帯電話で連絡を取り合っていた。
同居後、全く家族の絆を失ってしまっている息子夫婦に絶望した末のことだった。
 政恵は殺人を隠蔽し、自分を殺人者にしようとする息子に過ちに気づいて欲しくて、
遺棄の時使った軍手を加賀にアピールしたり、自分が殺したら少女の首に口紅の跡が付いているはずだと無言で訴えていた。

 政恵の気持を知った恭一郎は、拘置所の待遇の悪さを話したり、わざと手錠をかけようとしたりするんだけど、昭夫が気づくことはなかった。
恭一郎から、母が子供の頃にあげたキーホルダーを今でも大切にしていることを知らされ、やっと真実を見つめることができたのさ〜

 なんかね・・切なすぎる事件だった。
バラバラだった前原家が事件を隠蔽するという目的を得て、初めてお互いに本当の姿を晒し結びつく姿も悲しかったし、最後まで息子を信じようとした政恵の心がね、苦しくて・・・どうしてこうなっちゃったんだろう・・・
でも『これは、どこの家でも起こり得ること。
だけど、それは我が家じゃないと誰もが思っていた』・・・その通りなんだよね。
 息子が殺したと白状して、初めて直巳を抱きしめることができた昭夫が哀れだった。

 事件は解決。
小林主任(松重豊)の記者会見の内容をメモっている青山のペンのインクが切れて・・
その時加賀が貸してくれたペンを、彼女はずっと大事に持っていたんだね。
「私、いつかあなたのような記者になろうと思います」
加賀との出会いで成長した青山の言葉が聞けてほっとしたわ〜

 そして、修平は叔父の最期を看取っていた時、病院の外から見守っている恭一郎の姿に気づきました。
そこで明かされた恭一郎と隆正の真実・・・

 たった一人で息子にも会わせず妻を死なせてしまったことを隆正はずっと後悔していた。
だから隆正は、「自分が息を引き取るまでは絶対にそばに寄るな」と恭一郎に伝えていた。
同じようにたった一人で死んでいくこと、それが妻への贖罪であり愛情だった。
それを理解していた恭一郎は、父の思いを尊重し従っていたんですね。
だから、決して病室には入らず、父には知らせず携帯で看護師に指示を送りながら将棋の相手をし続けた。

 愛する人の見送り方は人それぞれ・・・
隆正も何も言わなかったけど、恭一郎の思いには気づいていた。
顔を合わせず、話もしなかったけど、ちゃんと二人はわかりあっていたんだね。
それが修平にも伝わって、ほっとしたョ。

 父の手には「桂馬」が握られていた。
「おそらくここに置きたかったんだろ・・・見事に詰だ。親父の勝ちだよ。良かったな」恭一郎
(TmT)ウゥゥ・・・ここで例によって絶妙のタイミングで「街物語」が流れるんだ・・・

「どれだけ事件を解決したかは問題じゃない。
どれだけ人を救ったかだ。それが刑事なんだ」
その父の思いを、恭一郎はしっかりと受け継いでいるんだね〜

 う〜む・・加賀恭一郎という人間の深さが伝わってくるドラマでした。
そして、いろんな人間との関わりの中で人は生きて、成長しているんだな〜ということも。
 自分のついた嘘を乗り越え、また家族として生きている前原家の姿が見られたラストも良かったよ〜
また、いつか、加賀恭一郎様とお会いできる日を楽しみにしております〜

 2010年4月から放送された『新参者』の記事
こたつ
やっぱ阿部ちゃん最高。惚れ直したよ。
今年、1本目の記事がコレでよかった〜!ヾ(*ΦωΦ)ノ