みんな、それぞれ大切な場所に帰っていくんだね。
暖かくて、ほっとできる、大好きな人のいるところへ。
そうやって繰り返しながら、いつか、みんな集まるんだと思う。
おかえりなさい。
そして、また、いつか、いってらっしゃい・・・・

 さて、クーナ一族にも異変があったようです。
父クーナが亡くなりました。
「100年も一緒にいたのに、何もしてやれなかった。こういう時、人間はどうするんだ?」サダヲクーナ
「どうするって・・」良多(阿部寛)
「俺たちは小さくて弱いから、こういう時は自然の助けを借りるんだ。でも、人は大きいから、そんな助けは必要ないんだろ?」
「・・・・・・・」良多
「羨ましいな・・・俺も人間に生まれたかった・・」サダヲ

 まだ、良多にはわからない。父が死んだことが実感できない。
クーナのように後悔すらわかない。こういうもんなんだろうか・・・
敏子(吉行和子)と多希子(YOU)は「さんざん好きなことをやって」なんて文句を言いながらも受け入れているふう・・・
それに婦人部はいろいろやることがあるからね。
目の前のことがすっかり片付いて、一人になった時に、初めていなくなってしまったんだな〜って寂しくなるのかも。
悲しみの受け止め方もそれぞれなんだろうな。

 敏子はこの家を売って、オートロックのMSで一人ぐらしするんだって。
多希子は、ほっとしたような申し訳ないような・・・
 男子はこういう現実的な話には、すぐにはついていけないやね〜
「そういう話するのさ、早くない?」良多
「早い方がいいのよ、こういう話は。食べるんでしょ?朝ごはん。納豆と卵ぐらいしかないけど」敏子
とりあえず、日常に溶けこますの巻ですョ。
クーナ (こどもプレス)四つ葉のクローバー

 さて、栄輔さんのお葬式の準備が始まりました。
まずは遺影選び。
ちょうどいい具合の写真が見つかったけど、敏子さんは二人で群馬の温泉に行ったときのものがいいそうな。
でも、浴衣着た遺影ってねぇ・・・(´∀`;)
「1回だけなんだから、私に決めさせてよ!」敏子

 そりゃそうだ。
で、秘書の山下さん(清水章吾)のナイスアシストで顔だけ使ってうまいことやってくれることに。
ホントにねぇ・・・死んだ後のことは何から何まで人にやってもらわなきゃならないんもんね。
葬儀しなくていいって言ったって、焼いてもらうのも人にお願いするしかないもんなぁ。
でも、治さん(西田敏行)が言っていたように「順番」なんだろうね。
見送って、見送られて、続いていく。

 さらに、搬送車を外車にするか国産車にするか。
「違うのかな?乗り心地」敏子
「乗り心地ったってねぇ、もう、死んじゃってるしねぇ・・・」多希子
「あぁ・・そうよねぇ、死んじゃってんだもんねぇ・・」敏子
「じゃあ、国産にするよ」良多

 あと、坊さん関連。
敏子は先代のおじいちゃんのお坊さん希望らしい。
入れ歯で何言ってるかわからないってツッコミがあったけど、後を継いだ息子はやんちゃで有名だった子でシンナーで歯が溶けてるんだと。
「親子して、歯悪いのかよ」良多
息子はその歯をぜ〜んぶ治したそうで、どんだけもうかってんだよ・・って感じで敏子は気にらないそうな。

 まぁねぇ・・・選択の巾も狭いけどさ・・(-∀-`;)そういうもんだよね。
そうそう、栄輔との約束通り、沙江(山口智子)が手作りの精進料理を作りますぞ。
萌江(蒔田彩珠)と時子(りりィ)はお手伝い。じゅんじゅん(菅野莉央)も来てくれました。
で、盛り付けを時子に指導しながら頼む沙江。
「何か逆だけど」と言いながら、ちょっと嬉しそうでしたね。

 なんかふっきれたのかな?
母親が料理ができなかったし、しなかったから、料理に興味を持ち、フードスタイリストにまでなった。
でも、沙江には、自分たちは母から娘へと伝えられる、「普通」の親子関係ではなかったというにコンプレックスがあったんだと思う。
それが消えて、母親がデキなければ私が教えればいいんじゃん・・というような自分を縛っていたものが消えて自由になれた雰囲気が伝わってきました。

 それは、沙江がそういう年代になったからなのか、クーナ体験のせいなのかはわからないけどね。
栄輔のために作られた、素朴だけど繊細で懐かしさも感じられる美味しそうな料理の数々からは沙江らしい愛情がじんわりと伝わってきました。
萌江も、きっと美味しく食べたと思います。

 みんなが忙しく動いている中、良多だけ手持無沙汰というか・・・
どういうスタンスで臨めばいいのか・・・なんかもやもやしてるような・・
同僚たちが来てくれて、ちょっとほっとしたかな?
「ペロンチョコ」のCM、大好評につき第二弾決まったそうで、真田(新井浩文)に「戻って来て下さいよ」と言われ、ちょい嬉しそう。

 そんな中、栄輔さん(夏八木勲)が亡くなってから、息つく間もなく忙しい思いをしている敏子を多希子がさりげなく気遣う声がありましたね。
私はそんなふうにできる自信ないけど、やっぱり娘がいると有難いね。
「大丈夫」って答えながらの、こういう普通の会話が気力を繋がせてくれる。

 って、良多が棺を覗いてみると・・・にゃんと、栄輔さんのお口がぽかーーんと開いちゃってるのを発見!
「あら、やだ」敏子
「固まっちゃうよ」良多
「父さん、よく、がああ〜っていびきかいて寝てたもんね」多希子
「縛っちゃいますかぁ〜?」健次(安田顕)
「なんか・・・ここんとこ(アゴ)にこういうの(あてもの的な)、こう(装着)します?」沙江
「します。・・・・・あら・・・ひげが伸びてる。さっき剃ったばかりなのに」敏子
「あれ、ホントだ」多希子
「これ、ひげが伸びてるんじゃなくて、死後硬直」健次
「ちょっと、そういうのいいから!今」多希子
「だって、この間「ためしてガッテン!」で」健次
「いいんだって!うるさい」多希子
「お父さん、鈍感だから、ここらあたり、まだ死んだって気がついてないんじゃないかしら。
おとう〜さん、もう、死んでるんですからね」敏子

 結局、アゴのあたりに筒状のものを入れて対応することに。
お口閉まったのかな〜?

 この辺の真面目にやってるんだけど笑える的な会話が絶妙でしたな〜
そして、淡々とした口調ながら、敏子の愛情も感じられました。
このドラマはとにかく会話がおもしろかったんだよな〜
普段何気なく話してるような内容で憶えちゃいないような話、家族だけに通じるいつものヤツとか、クスッと笑っちゃうんだけど後から思うと切なさが残るような。
家族ならではの独特の空気感がしっかり伝わってくるのがスゴイと思ったわ〜

 兄弟の会話、親子の会話、夫婦の会話、子供同士の会話・・・
その内容は文章にすると、すごく普通なんだけど、どれもしっくりくるし、なぜか忘れられないものばかりなんだよね・・・
それは、もちろん役者さん達の力もあるし、奇をてらわない選びぬかれた言葉の中に、いろんなものが込められているからだと思うんだよね。

 お葬式は、ちょっとした同窓会。
良多も、同級生に久々に会うことができました。
「なぁ、仲直りしたのか?親父さんと」
「仲直り?」良多
「だって、昔から全然話してないって言ってたからさぁ、オマエ」
「いや、別にケンカしてた訳じゃないからさ」良多
「なんだ・・来ないのかマツケン・・」

 
 ( ̄w ̄) ぷっ 
でも、そういうふうに父親との事言われちゃうと、改めてそうだったんだよな〜って思うよね。
子供の頃の感覚と大人になってからの父への思い、同じでありながら何か違う、でも違うと否定できないものが残ってる。

 弔問客も帰り、しんとした静けさの中、ひとりで御棺の前にいた良多は、また口をあけちゃっているのを直そうとして栄輔の頬に触れているうちに、幼い頃の記憶が蘇りました。
手に残る、このざらっとした感触・・・
小さい頃、父さんの膝の上に座り、そのヒゲをじょりじょりと撫でていたっけ・・・
いつまでもいつまでも撫でる良多にされるがままになっていた栄輔。
スキージャンプの真似をした時にしっかりと自分の足を握ってくれていたあの手の感覚・・・
俺は父さんが大好きだった。

 良多の目からは自然と涙がこぼれ落ち、激しい後悔が胸に湧き上がりました。
「もっといろいろ話しときゃよかった・・・」
「もう話すことなんてないって、言ってたのにね」沙江
「・・・・・・はぁ・・・後悔か・・」良多
「そこに、愛があったってことなんでしょ・・」沙江
「だったら、後悔も良かったかもしれないな」良多
「そうね・・・悪くないかもね」沙江

 翌日、長野から治、菜穂(宮あおい)たちが来てくれました。
大地君(大西利空)は降ったばかりの雪で赤い△帽子をかぶった雪だるまを作ってきてくれたんだけど、溶けちゃった。

 って、この3人を前に多希子がちょい暴走。
「あの・・・父はホントは誰・・・あの〜クミとかクーナっていうのは」って言いだしたんけど、治がナイスパフォロー。
「長野ではかぶとむしをクーナと言うんだ」と即答。
さらに、「本当は帰りたかったんじゃないでしょうかね?故郷に」という敏子の疑問にも「栄輔、死ぬ時はこの家でって、家族のそばでって言ってましたから。満足だったんじゃないでしょうか、ここで死ねて。奥さんのそばで」と不安を打ち消してくれました。菜穂も「そうだと思います」としっかり援護。

 ε= (*^o^*) ほっ
ホントの事言ったって誰も救われない。
敏子だって、うすうす気づいてはいたかもしれないけど、ここはやっぱり否定して欲しいよね。
治の言葉のおかげで敏子は、後ろを振り向かずに生きていけると思う
親友が親子でついてくれた嘘に栄輔も感謝していると思うよ。

 読経の間、萌江と大地は広い裏庭へ向かいました。
クーナの話し声に導かれ、覗いてみると、そこにはりんどうの花が咲いていました。
静かにちゃんと怖がっているような萌江と大地の目には、きっとクーナ達の姿が見えていたんでしょう。
「お葬式にきたんだね、おじいちゃんの」萌江
「そうだよ、きっと」大地

 サダヲクーナが「俺たちは小さくて弱いから、こういう時は自然の助けを借りるんだ」って、言ってましたね。
まだ幼い萌江と大地が悲しみに耐えられるように、クーナが二人を呼んだのかもしれません。
夜の闇を一人でみつめている萌江の姿も、自然の優しさに助けられているような気がしてほっとしました。
そして、クーナの声を一緒に感じてくれる良多と手を伸ばせば握ってくれる沙江の存在があれば、小さくても乗り越えていける。

 出棺の前のお別れの時。
口が開いている栄輔さんに大笑いする治と栄輔の弟信輔(小野武彦)。
なんか、こういうお葬式いいやね〜
 その後の家族だけの火葬場あるある話・・・(≧m≦)ぷっ!
栄輔さんと同じいびきでみんなをびっくりさせてくれた信輔にも笑わせてもらいました。
なんか親戚のおじさんの雰囲気出てたなぁ〜

 良多一家と治一家、栄輔が残してくれたこの縁は、まだまだ続きそうです。
「また父の話聞かせてください。僕の知らない、あの人の話を」良多
「いろいろあるぞお」小指をつきだす治
「お父さん!」菜穂
「いや、いろいろあるんだ、まだ。話してないことが。話したいことがいっぱい」治
「また行きますから」良多
「待ってるから」治

 栄輔が話したかったこと、でも話せなかったことも治が代わりに伝えてくれる。
多分、栄輔が生きていたらそういう時間は持てなかったでしょう。
栄輔の死が、治にとっても良多にとっても、癒しとなるような、そんな時間をもたせてくれる。
不思議なもんですね。死は失うだけではないと、わかりました。

 長野に着いた菜穂達はタクシーを待ちながら、自然と久実のことを思い出していました。
「死んでも、いなくなったりしないんだね」菜穂
「そうさ、いなくなったりしないさ」治
一緒に懐かしむことができて良かった。
語り合うことで自分の中にいる久実の存在を確かめることができる。
その時、久実さんは、そこにいるんだよね。

 家に帰っていく良多たち。
お葬式の帰りにも関わらず、3人は楽しそうに見えました。
それぞれが、栄輔の死に向き合うことでプレゼントをもらったように思います。

 一人になり、つぶやく良多。
「もう、いないのか・・・」
ソファの下を見つめ、そこにはいないクーナの姿を思うのでした。

 そして、萌江の部屋からもフロドはいなくなり・・・
(多分、クーナ達が伝えたかったことは、もうしっかり伝わったから、いなくなったんだと思います。
でも、もしかしたら、またいつか、良多が死を身近に感じた時、萌江が母になった時に会えるかもしれません)
寂しくなった萌江は枕を手に沙江のベッドへ。
抱きしめてくれた沙江の胸は暖かい、その萌江の暖かさを沙江も感じていました。

 治と菜穂と大地、そして良多と沙江と萌江、その3人が手を繋いで歩く後ろ姿が忘れられません。
家族って、一緒に雨宿りしているようなものなのかな。
たとえ雨をよけるものが、大きな蕗の葉っぱだとしても、肩が雨に濡れていたとしても、その時一緒に笑えたらそれでいい。
家族のかたちはひとつじゃないし、その姿も変わっていく。
でも、心から寄り添える一瞬があれば、それでいい。
クーナは信じないと言っていた沙江が作ってくれたスープの中のクーナ帽のように。

 このドラマは大好きでした。
のんびりゆったりしたテンポに、ちょっといろいろ視聴率とか考えてヒヤリとした瞬間があったのは事実だけど、私は、最初から最後まで、その世界観に安心して浸ることができました。
見終わった後は毎回、「見えないけどある大切なもの」をもらっているような、ほっこりした気持ちになると同時に自分の心の中に隠していたものを見つけられたような怖さも感じました。

 家族、死、別れ、重たいテーマだったのかもしれないけど、見ていて苦しくはありませんでしたよ。
役者さんたちの演技を感じさせない自然な存在感に惹きこまれ、その普通の人間たちの日常とその先に繋がっている死というものを見つめることができたと思います。
死を思うことは今現在の生を生きることにも繋がる。
笑って、時に泣かされ、言葉の意味を考えたりしながら、このドラマの時間を大いに楽しみましたョ〜。

 今はファンタジーが入り込むのは難しい時代だと思うけど、クーナという存在に導かれ、いつのまか良多と共に驚き、ときめきながらクーナを追いかけていました。
クーナ劇場には癒されたなぁ〜スピンオフとか作って欲しいよ。

 とにかくスタッフとキャストのみなさんの信念と愛情が伝わってくる、すばらしいドラマだったと思います。
何年かして見直したら、また別の見方ができるのかもしれないなぁ・・
それも、また楽しみ(* ̄m ̄)
そうそう、軽やかにドラマを盛り上げてくれたゴンチチさんの音楽も最高でした。

  またまた文章が長くなっちゃったわりに、伝えられなかった思いがいっぱいで、アレなんだけどさ・・・
このドラマは、時々記憶の中から取り出しては、見つめ直し、またしまってはほくそ笑むような・・そんな存在になりそうです。

第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話
第7話 第8話 第9話

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沙江がスープを作ってるのを見て、
私も食器棚にしまいこんでいるバーミックス活用しなきゃ〜と思ったぞ
( ̄m ̄* )