毎週、すさまじい吸引力で視聴者を惹きつけてきた、このドラマも終わっちゃいましたね。
予想通り、ちょいもやもやのあるラストでしたが、このドラマらしいいい最終回だったと思います。
最初から最後まで、うまくミスリードされ、その中で楽しく盛り上げれたドラマでした。
終わってしまって、寂しい限りです。

 さて、振り返ってみましょう。
杏子(長澤まさみ)がなぜ「入試をぶっつぶす!」委員会に加担したのか・・その動機をカミングアウト中だったわね。
恋人の高校教師・寺島(姜暢雄)が亡くなったのは、受験生が自殺した3ヶ月後だった。
「彼には言ってあげたかった。
あなたが担当した試験に採点ミスが見つかり、その受験生が不合格を苦に自殺していても同じ過ちを繰り返さないためにも教師を続けなければならないって」

 彼の死後、彼の死と向き合うために、そして彼が死なねばならなかった理由を知るために、杏子は教師になった。
教師と学校という世界を知るために。
でも、現場に入ってみて、ますますわからなくなった。
学校という特別な組織の中では、すべてが絶対な独特のルールの中で処理される。
巨大な鉄の箱の中にいるように、その中にいる個人の叫びは、教師であろうと生徒であろうと、外にはほとんど届かないし、学校が変わることはない。
寺島は一人で、そんな巨大な相手と戦うことに疲れてしまったんだろうか・・・

 そもそも、なぜ高校受験の半年もたってから採点ミスが発覚したのか?
それを調べているうちに杏子は田辺光一(中村倫也)のサイトに辿り着き、彼の創ったドキュメンタリーを知った。

 光一が嘆いていた「運が悪い」の意味・・・
それは入試会場の試験官についてだった。
光一は開示請求の結果、不合格の原因が英語の答案に受験番号を書き忘れたことだと知った。
同時に、他の会場では回答用紙提出の前に試験官から受験番号を記入したかどうかの確認があったことも。
もし、自分がいた教室の試験管が一言言ってくれていたら・・・・
試験官によって対応が一貫していないのはおかしいのでは・・?そんな疑問が湧き上がり、問いかけずにはいられなかった。

 う〜む・・・・受験番号書き忘れは明らかに本人のミスだよね。
でも、開示請求してその受験番号が書いていない用紙が提出されたってことは光一のものだと確定されたからでしょ?
それでも0点を付けられたのは、受験番号が未記入のものは0点にすると入試要項で決められていたから。

 このドキュメンタリーは全国大会で賞を取り、それをきっかけに一高への開示請求が殺到し、その中で採点ミスが発覚したため、坂本先生(高橋ひとみ)、宮下先生(小松利昌)、水野先生(阪田マサノブ)が処分を受けたそうな。
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 光一がどうしているのかを知りたくてサイトにメッセージを送った杏子は現在の管理人である46番の田辺淳一(柾木玲弥)から光一の状況を知り衝撃を受けた。
彼もまた「高校入試」によって人生が変わってしまった一人だった。

 ドキュメンタリーの内容が認められ、さらにわずかではあるけれど入試制度を改革する結果に繋がったことで光一は高校受験問題を乗り越えられた・・・かに思えたが・・・
彼のサイトには励まし以上に、無記名の悪意ある書き込みが繰り返され、自信を失った光一は心を病み、高校を中退することになってしまった。
そして、彼はいまだに、その闇から抜け出せずにいる。

 「勇気を持って踏み出した行動は、心ない言葉たちにつぶされてしまったんです」杏子

 坂本先生は「そんなの気にしなきゃいいじゃない」って言ってたけど、こういう攻撃って、ホント心がやられちゃうよね。
無記名だから、その相手と話し合うこともできない、一方的に投げかけられた悪意は胸の中に蓄積し固まってしまうもの。

 そして、淳一は掲示板に書き込みをした人間の中に一高の教師がおり、しかも、光一が受験した時の試験管であったことを知ったんだと。
その書き込みは執拗で、微妙に流れを否定的なものにコントロールしていた。

 そんな中、淳一から復讐計画を持ちかけられた杏子は同意した。
でも、杏子はその教師が誰かまでは知らされていなかった。

 それは、にゃんと!荻野先生(斉木しげる)だった。
まさか、荻野先生がそげな卑怯なことをするとは・・・
サイトを見つけ、教師としても、管理職候補としても、自分を正当化せずにはいられなかったらしい。
 
 そして、「入試をぶっつぶす!」委員会の教師側のもう一人のメンバーも荻野だった。
自ら光一を苦しめる首謀者となりながら、弟の復讐計画にメインメンバーとして立候補したのはなぜか・・

「私は 受験番号の書き忘れを0点にしたことは今でも間違っているとは思っていません。
入試要項に、そう書いてあるからです。
でも、ネットに書き込みをしたことは深く後悔しています」荻野

 偶然光一の姿を見て、自分の行動の結果の大きさと恐ろしさに気づいた荻野っちは管理職試験を辞退し、その後淳一とコンタクトを取り、償いをさせて欲しいと申し出た。
今現在の掲示板を仕切っているのは荻野先生らしい。

 この計画の発案者は荻野先生。
それに気付かずに杏子と衣里奈もそれぞれの思惑から参加した。
入試の時、杏子が2Bの担当になったのも荻野の操作。
入試問題を石川衣里奈(山崎紘菜)に送ったのも、受験後の実況をさせたのも荻野先生だった。

 携帯事件で杏子が受取れなかった46番の回答を合否結果発表の場に張り付けたのも荻野っち。
沢村会長(入江雅人)が見つけたのは偶然だった。

 この事件は、事なかれ主義に収まってしまった校長(山本圭)の心を動かしたいという荻野の思いから、一方向から見ただけではわからない状態になっていたけれど、偶然の要素(衣里奈のジェラシー、麻美の携帯が鳴ったこと等)が加わったことにより、さらに複雑化してしまった。

 全貌が明らかになり、事件はあっというまに収束しました。
その結果、校長は決断しました。
「今回の件を受けて、色々と 変えていかないといけないことはあるだろう。
携帯電話の対策は取ったはずだったが試験中に鳴ってしまった。
立ち入り禁止の校内に在校生が紛れ込んでいたし、校舎内に保護者も入ってきた。
答案用紙が足りなかったり2枚出てきたり。
付け入られる隙があり過ぎるということだ。
これを受けて、今後起こり得る事例を挙げながら、要望書を作成し県に統一した対策を取ってもらうように働き掛けよう」校長

 そして、校長はすべての責任をとり、学校から去った。
「それが、上に立つ者の役割なんだよ」

 それぞれの思いから、発足した「入試をぶっつぶす!」委員会。
「サクラチル」その一文で消えてしまったサイト。
荻野や杏子が行ったことは、すべて無駄だったのだろうか・・・そしてメンバーの心に何を残したのだろうか。

 杏子の思いに決着はついていないし疑問への答えもはっきりでていない。
でも、寺島が死なねばならなかった理由はわからないけど、死ぬべきではなかったことだけはわかる。

 杏子は事件に加担した責任を取り辞職を申し出たが、校長から教師を続けるよう説得され受け入れた。
教師として現場に残ることがが杏子が起こした事への償いであり、寺島を死に追い詰めた原因や無念の思いで入試を終える生徒を無くすことに繋がるかもしれない。

 46番田辺淳一は不合格になった。
それは彼が入試を混乱させたからではなく、受験番号を書いていなかったから。
46番が清煌学園に合格していたことを知らなかった杏子は「全てを懸けてってわけじゃなかったんだ」と落胆していたけれど、それは杏子も同じ。
46番と荻野先生の計画にのっただけだからな。
そもそも、杏子は入試に関わることで生まれた違和感や疑問の原因を知りたい、それでさらに現状を見直すことになってくれればめっけもんって感じだったんだろうし。

 46番の淳一の動機は兄のための復讐だったけれど、清煌学園合格という安全圏から、しかも匿名で行った事であり、ゲーム感覚があったことも否めない。結果的に兄をさらに傷つけることになってしまった。
でも、淳一が自分のために動いてくれたことを知った光一は、やっと一歩を踏み出すことができた。
それが淳一の一番の願いだったんだから、成果はあったのかな。

 「失う覚悟のない者は責任すら取らせてもらえない。その代わり身代わりになった人の思いを背負わなければならない」杏子
自分自身にも向けて発せられたこの言葉の重さを淳一も、いずれ理解するでしょう。

 今回の事件で、一石を投じることには成功したけれど、杏子も言っていたように、何かを本気で変えようと思ったら、自分自身の責任を賭ける覚悟が必要なんだよね。その覚悟があって初めて戦うスタートラインに立つことができる。
私自身の心にも宿題を出されたような気持ちです。

 ちなみに46番が不合格になったせいか、カンニング疑惑のあった55番の沢村翔太(清水尋也)と芝田麻美(美山加恋)は合格。
回答用紙にカンニングの密告を書いた松島良隆(高杉真宙)も合格。

 春になり、荻野先生、相田先生(中尾明慶)、水野先生(阪田マサノブ)、松島先生(羽場裕一)が異動になり、村井(篠田光亮)も松島の尽力で松島と同じ高校の非常勤講師として採用された。
残った杏子は入学してきた生徒たちに、教師としてまっすぐに向き合う意志と責任を表明していました。

 非常におもしろいテーマのドラマでした。そしてうまく構成されたドラマでした。
「高校入試」をぶっつぶそうとしているのは誰なのか?それを探りながら、入試の様々な問題点に向き合うことができた。
毎週、今迄の推理を打ち消す細かい新展開があり、驚きながらも、その度に登場人物たちの立ち位置や背景を見直す作業がすごく楽しかった。
誰もが怪しく思えて、犯人の特定が難しかったけど、ドラマを見る醍醐味を再確認させてもらったドラマでした。
次回が待ち遠しくてたまらない、そんなドラマに出あえてわくわくしながら見ることができて幸せでしたよん。

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今年最後のドラマが終わった〜!もう30日だよ〜
年末のご挨拶の記事はのちほどアップします。