純一(神木隆之介)は絞殺した直子(臼田あさ美)を山中に埋めた。
車に戻ってみると、心配した恵(二階堂ふみ)から不在着信が21件入っていた。
「・・・・もう・・戻れない」純一

 そんな純一に恵と付き合い始めた頃の記憶が蘇ってきた。
ずっと気になっていた恵に声をかけられ、舞い上がってしまったこと。
絵を見せて欲しいと言われて、自信作を持ってきたけど、他のお客にも絵のことを尋ねているのを見て、社交辞令だったのかとがっかりしたこと。
 恵から再度、絵を見せて欲しいと頼まれ、家に誘ったこと。
恵をモデルに絵を描いたこと。彼女のそばかすが好きだったこと・・・

 流れる涙・・・
今、『成瀬純一』の心が泣いている・・・
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 一方、倉田(村上淳)は以前、京極瞬介の事件捜査を途中ではずされた後異動させられた同僚・石清水(正名僕蔵)を訪ね事情を聞こうとしたんだけど・・・
「これ以上あの事件に首つっこむな。俺と同じ目に合うぞ」と釘を刺されてしまった。

 でも、そこにちょうど直子の遺体発見の連絡が入り、石清水は自分わかったことを教えてくれました。
「堂元教授のバックには製薬会社のボストン・シード・ファーマがついている」

 直子殺害・死体遺棄のニュースを見た堂元教授(伊武雅刀)たちは成瀬純一確保のために『ボストン・シード・ファーム』に連絡を取り動き始めました。

 自宅に戻った純一は頭痛と戦いながら「成瀬純一」でいる間に絵を描き残そうとしていた。
『俺に残された時間は多くない。
警察に捕まるか、完全に京極に支配されるかのどちらかでしかない。
俺はわずかに残っている成瀬純一の意識だけは大切にしたかった。
最期の時間を誰にも邪魔されず、静かに絵を描くのだ。
たとえ・・・どんなに苦しくても。

鍵盤をひとつ叩く度に成瀬純一の脳細胞が消えていく。
わかっていても俺の心を鎮めるのに、このピアノに頼らざるを得なかった』


 亮子(本田翼)から譲り受けた京極(渡部豪太)が使っていたおもちゃのピアノを確認するように弾く純一・・・
そこに恵が現れました。

「何があったの?」恵
「消えるんだ・・・」純一
「どこへ・・?」
「この世から消えるんだよ。・・・・俺は人殺しなんだよ」
そう言って、直子殺害と死体遺棄のニュースを見せました。

変身 (講談社文庫)
「わかっただろ。早くここから出て行け」純
「いや」
「どうして?!」
「純が好きだから」
もう俺は前の成瀬純一じゃないんだよ!わかってるだろ!
京極の脳に侵されて・・・どんどん変わっちまった・・・どんどん狂っていく・・・」
「私も一緒に行く」
「最期だけは一人にさせてくれよ!」
「死ぬなら私の前で死んで。純との関係をこんな形で終わらせたくない」

「俺、もう狂ってるんだぞ?」
「それでもいい。だから私も一緒に行く」
「・・・・・うぅ・・・・(また頭痛に襲われピアノを叩く)」
「・・・・私と一緒に来て」
「・・・・・絶対に俺を裏切るなよ」
「裏切ったら殺していい」

 純一は、恵が新たに借りたアパートの部屋に籠り、キャンパスに向き合い続けた。
でも、何を描いたらいいのか、どうやって描いたらいいのかもわからず、イライラしていた。
眠ってしまうとかすかに残っている「成瀬純一」が消えてしまいそうで怖い・・
だから眠れない。

 倉田は岩清水に脳移植を受けた純一の存在を教え、凶暴化した純一が直子を殺害した恐れがあると話そうとしたんだけど、石清水は直子殺害犯として3人の男たちが特定されたと報告。
明らかに偽装工作だった。
実は「ボストン・シード・ファーマ」という製薬会社には顧問に警察官僚OBや大物政治家が入っていた。

「脳移植の研究に失敗例はいらない。彼らにとって俺はもう使用済みなんだよ」純一

 その通り、純一が殺人を犯したことを知った「ボストン・シード・ファーマ」は脳移植プロジェクトの中止を堂元に告げた。
どうやら若生(東根作寿英)がチクったようで・・・
互いに責め合い、チームも仲間割れ。

 恵は倉田から電話が来ても、今居る場所を明かさなかった。
が、純一のキャッシュカードを使ってお金をおろした事から位置が特定され「ボストン・シード・ファーマ」の手の者達が純一を工場に拉致。
工場ごと燃やして抹殺を計ろうとしたが、寸でのところで脱出。
奴らが恵のおかげと言ったもんだから、彼女が裏切ったと思った純一は殺すために部屋に戻ってきた。

「裏切っただろ・・・お前がここを教えたんだろ」
「違う・・・」
「言い訳をするな」
「・・・・・・・」
「裏切ったんだろ・・・」
純一は恐ろしい形相で恵の首を絞め始めた。
「殺す・・?」

 その時、頭痛が起こり、手が緩んだ純一を恵は抱きしめました。
それが純一の中に眠っていた母の記憶を呼び覚ました。
いつも自分をかばい、あるがままの純一を愛し抱きしめてくれていた母・・・
本物の愛・・・

 純一はピアノを床に叩きつけ壊しました。
「メグ・・・・今なら描けるかもしれない・・・」
「描いて。私を描いて」
純一はそのままの、何も身に着けていない恵を描こうとしましたが、描けない・・・
かつて恵をモデルに描いた時に着ていた服を見つけて纏わせました。

 若さと生命力が感じられる恵の裸身が美しく切なかった。
蘇る二人で過ごした幸せだった時間の記憶・・・
その大切な一秒一秒を刻みつけるように純一は描き続けた。


 いつのまにか眠ってしまった恵を見つめながら純一はずっとキャンパスに向き合った。

『俺は完全に元に戻った訳じゃなかった。
それでも彼女を思い出し、そして自分の中に残そうとした。
・・・・メグ・・・君を愛したことを忘れない』


 絵が完成し、目覚めた恵に純一は告げた。
「行ってくる」
「うん・・・」
「自分自身を取り戻しに」
「いってらっしゃい」

 警官を襲い銃を手に入れた純一は堂元の元へ。
「移植した部分をそっくり取り除いて欲しいんです。
そうすれば、凶暴な俺をまた封じ込めるかもしれない」純一
「それは無理だ。そんなことをすれば君は廃人になってしまう」堂元
「廃人でもかまわない」
「ヘタをすれば死んでしまう!」
「それも・・・覚悟の上です」
「・・・・・・・」
「自分を愛してくれる人を殺そうとする人間として生きるより、死んだ方がマシです」
「・・・・・・・・・・」

「お願いします」
「・・・・・・・・私は医者だ。とてもそんな要望には応えられない・・・」
「あなたに・・・断られたら・・・どうしようもないですね」
「君の治療のためなら全力を尽くす!」
「脳のスペアってあるんでしょうか・・・移植可能な脳・・・」
「残念ながら・・今はない・・・」
「それを聞いて安心しました。もうこりごりですから・・」

 研究室を出た純一は奪った銃で頭を撃ちぬきました。
すぐに緊急手術が行われました。

『それからまもなくして・・・純は私の所へ帰ってきました。
意識もなく、その体はピクリとも動かない状態でしたが、
純は自分自身をやっと取り戻したのかもしれません』


 一週間後、大学で講義を終えた堂元教授を倉田が訪ねました。
「皮肉なものですねぇ〜あなたが臓器移植の倫理を語っているとは。
そろそろ話してもらえませんか。
去年のイブの夜、この病院で何が行われていたのか」倉田
「あなたはどう考えているんですか?聞かせてくれませんか」堂元

「あなたは製薬会社ボストン・シード・ファーマ社とそれに群がる政治家や官僚をバックに脳移植の研究を行っていた。そして神経幹細胞を活性化させる新薬の誕生により生体間脳移植を理論上可能にした。
あなたはその理論を試したくてウズウズしていた。

そんな時・・・・奇跡が起きた。
頭を拳銃で撃ち抜かれて右脳の大部分を損傷した成瀬純一と、
そのドナーとして10万分の一の確率でしか適応しないドナー、京極瞬介が時を同じくして運ばれて来た。こんなチャンス・・・二度とない。
しかし、臓器移植に必要な法的脳死判定には少なくても10時間はかかる。
なのに成瀬純一は一刻を争う危険な状態だった。
倫理や法律を守っていては脳移植はとうてい不可能だ。
IPS細胞に匹敵する医療界の革命・生体間脳移植のチャンスを・・・絶対に逃してはならなかった。
できるだけ早く、ドナーから神経幹細胞を取り出してしまおう。
ドナーは・・・・どうせ助からない。だったら早い方がいい。
あなたは法的脳死判定することなく、まだ生きている京極の脳から神経幹細胞を取り出した。

そして最後に・・・あなたたちはしなければならないことがあった。
司法解剖で京極の無傷の脳を取り出したことを隠すために、
ドナー登録していた関谷時雄の脳とすりかえた。
これがあのイブの夜にこの病院で起こったことだ。違いますか・・・」
「・・・確かな証拠があっておっしゃってるんですか?」
「あっはっは・・・いいえ!ありません。
当事者のうち、一人は死に、残された一人は植物状態。
そして、医療という密室の中で行われたことを語ってくれる人は誰もいない。
京極を殺した証拠は・・・見事なまでに何もありません」
「ふふふ・・・あなた一体何をしにここに来たんだ」

アンタ!アンタは確かに成瀬純一の命を救った。
・・・・・・・命ってなんスか。
心臓も動いて呼吸して、脳波が出ていれば、それで命ですか?!
人格が変わってしまって・・彼はそのため死ぬほど苦しんだ!
彼が救ってもらった命は・・・・いったい誰のためのものだったんですか?
一つの臓器はひとつの人生なんじゃないですか?」

「刑事さん、今の言葉、今度の講義で使わせてもらいますよ・・」

 その頃、恵が見守る中で「成瀬純一」の命が消えて行った。
「純・・・・終ったよ・・・・」

 そばにかざられていた恵の肖像画。
その顔には純一の手で命を吹き込むようにそばかすがひとつひとつ描きこまれていた。
あの時、恵の愛の中で純一は「成瀬純一」を取り戻し、「成瀬純一」として生きていた。

 倉田の『一つの臓器はひとつの人生なんじゃないですか?』という言葉が心に残りました。
堂元にとって移植するために取り出した臓器はモノでしかない。
人体という集合体の中のパーツの一つ。

 でも、そのひとつひとつにはその人の歴史や人生が重なっている。
こころはその人の肉体全体を包んで生きている・・そう感じました。
脳の移植により変化させられ、自分自身を失ってしまった純一を蘇らせたのは抱きしめられた感触・・・
肉体を通して伝えられた恵の愛情が体が記憶していた愛情を呼び覚ました。

 わたしゃ、今まで肉体は単なるこころの容器のように思っていたけど、
こころと肉体はお互いに影響を与え合い生きているんだな〜と思ったよ。

 堂元の功名心から行われた移植手術により、純一の人生と純一自身は踏みにじられたけど、恵の愛に包まれその中に身を委ね絵を描いている純一は本当に幸せそうだった。

 いや〜主演のお二人さんの存在感に圧倒され、最初から最後まで引き込まれました。
神木君の狂気、そして悲しみ、苦しみの果てに辿り着いた愛。
二階堂ふみさんの大地の母を思わせるような柔らかくて深い愛を感じさせる表情に見惚れましたぞ。

 かなり難しい役だったと思いますが、さすが神木君とふみちゃんだよぅ・・・
見て良かった。
エンディングの高橋優君の歌、最初は優しすぎるんじゃ〜って思ったけど
、最終回になってみるとぴったりだな〜と思ったよ。

 いいドラマでした。

 第1話 覚醒
 第2話 予兆
 第3話 ドナー
 第4話 共鳴効果

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