手術は成功したが、アルジャーノンに起きたような目ざましい変化は咲人(山下智久)に顕れなかった。
蜂須賀(石丸幹二)は「ACC(脳内において心の痛みや嫉妬を司る部位)」に刺激を与えれば、それが引き金となり脳が活性化すると考え、そのために遥香(栗山千明)を使おうと考えたようです。
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 退院した咲人は投薬のために時々病院に通うことになった。
「ぼく・・・おりこうになりました?」
「まだ効果は出てこないけど、もう少し待てば効果が出てくるはずだから」遥香
「いつ、おりこうになりますか?いつおりこうになる?」
「それは・・・まだ何とも言えないけど・・・こう考えたらどう?
このハンバーガーは列に並ぶ時間が長ければ長いほど
お腹がすいて美味しく感じると思うの。
今回の手術だって同じ。
待つ時間が長ければ長いほどお利口になった時は嬉しいと思うの」
「うん」
「必ずお利口になるから信じて待ってみようね」

 職場に戻った咲人が以前と変わらなかったので、社長(萩原聖人)も隆一(窪田正孝)も康介(工藤阿須加)も手術の効果は無かったとみなし、ちょっとほっ・・・。
退院祝いの鍋の席で手術のことを聞いた梨央(谷村美月)も「私は咲人さんは変わらなくて良かったと思います」と。

 でも静かに変化は起きていた。

 「ドリームフラワーサービス」では草野球の試合を控え、みな練習に励んでおります。
いつも咲人がいる限り勝てないと諦めていたんだけど、康介を加えたんで勝てる可能性が出てきましたぞ。
おかげで咲人は補欠になっちゃった。

 野球にはお父さん(いしだ壱成)との思い出があった。
咲人の力を信じ「咲人が輝けること」を一緒に探してくれた久人・・・
パパとキャッチボールをした時間を思いだす度に咲人は懐かしく、そして切ない気持ちになる。

『ぼくのパパ ぼくにたくさんのことおしえてくれました。
でも ぼく ばかだからいっこもできません。
おりこうなったら パパよろこぶでしょう。
きっとままもぼくに いいこいいこしてくれるでしょう』


 パパのために、そしてママに認めてもらうためにも、ホームランが打ちたい。
それが咲人の願いなのです。


アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV)
 さて、遥香と共に咲人を食事に誘いだした蜂須賀は嫉妬心を起こさせようと『もし自分が君から遥香を奪ったらどうする?』と尋ね、遥香の手を握ったりして難問に苦しむ咲人をさらに追い詰めましたぞ。

「ううううーーーだめーーだめーーいやあーー!

 蜂須賀の思惑通り、咲人のACCは刺激され、背外側前頭前皮質が活性化しており(常に咲人は小久保(菊池風磨)にデータチェックされているのよ〜)ます。

「だめーーだめーー」咲人
「落ち着いて。たとえばの話だから」遥香
「それでいい」蜂須賀
「ぼくやだ!ぼくやだー!」

「俺にはあいつが賢くなったようには思えないんだけどな〜」社長
「・・・それは・・・そんなにすぐには」遥香
「もう、これくらいにしてもらえませんか?
あなた、どうしてあいつが『利口になりたい』なんて言いだしたかわかりますか?」
「・・・・・・」
「周りがね、そうであれと期待するからです。
頭がいいことがすばらしい、高尚なことが偉いって世の中が、我々がそういう空気だからです。
でも、俺はそういうのって世の中の思い込みなんじゃって思うんですよ。
違いますかね?
子供と一緒ですよ。『このままで十分。大丈夫だよ〜』って包んでやることが大事なんじゃないかって思うんですよね。
それに期待させておいて後でガッカリなんてのは酷なんじゃないかな」

 ところで舞(大政絢)は梨央の父親の河口(中原丈雄)から彼女を監視するよう頼まれていたんだね。
父親の職場復帰を条件に協力していたらしい。
河口から梨央の病気のことを聞いた舞は初めて本気で友達として彼女を支えたいと思ったようです。

 その頃、梨央は試合に出るかもしれない咲人のためにバットとヘルメットを届けに行っていた。
でも偶然梨央が興帝メディカル産業の社長令嬢だと知った康介は一言言わずにはいられなかったさ。

「冗談にしても咲人と遊ぶつもりならやめとけよ」
「遊びじゃありません。
ずっと誰かを好きになる勇気がもてませんでした。
咲人さんなら、突然私がいなくなっても傷つけずに済むと思ったんです」
「突然いなくなる?親の決めた相手でもいるのか?
突然そいつと一緒になっても、咲人ならバカだから傷つかないって?
咲人ならすぐ忘れるし、一時の恋愛でちょうどいいってことか」
「違います!」
「じゃあ、何だよ?人を見下すのもたいがいにしろよ!
「そんなんじゃありません!」
 
 河口は娘の病気のことを『ただ咲いているだけの花。散るのを待つばかりだ』と表現していた。
自分の中から「自分」が消えていく恐怖・・・
そしてからっぽになった自分に生きている意味はあるのか・・
生きている事で家族を苦しめてしまうんじゃないか・・・
それでも自分を愛してくれる人はいるんだろうか・・
梨央はその答えを咲人から掴もうとしているのでしょうか。


 そして咲人は自分の中に生まれた初めての衝動を意識し始めていた。
グラビアアイドルの写真を見ても、以前なら「おっぱい」とか言って無邪気に笑っていたのに照れて表現できない。
さらに同僚に連れられてナンパに行っても恥ずかしくて声がかけられない。
一番大好きな女の子は遥香なのに別の女の子に迫られたらドキドキしてしまう。

 今までの自分とは違う感覚に混乱し女の子から逃げ出した咲人は道端で苦しげに頭を抱えているところを小久保に助けられ、蜂須賀の元へ連れて行かれました。

「ぼく へんです」咲人
「いや、ちっとも変じゃないよ。それは君が男だからだ。
アダムとイブが禁断の果実を食べた時から人類はそういうものだ。
君が成長している証拠なんだ」
「はかせも はるか どきどきしますか?」
「いやしない。私はただ彼女をそばに置いておきたいだけだ」
「そばにおきたいは・・・すきだからですか」

「違うよ。私は望月君を女性として愛している訳ではないんだ。
愛という感情は突き詰めれば独占欲だ。
誰かを独占し同時に独占されたいという極めて利己的な感情だ。
私はそういう意味のない感情は持たない主義なんだよ。
だが愛は利用しようと思えば、これ以上はない有用な手段となりうる」
「ぼく わかりません・・」
「いや、わかる。今の君ならわかるはずだ。考えるんだ」
りよう?はかせはあいを・・・・はかせは・・・はるかのあいを・・
うーーうーーーはかせだめ!はかせわるい!

 咲人は研究室を出て行ってしまいました。

 かなり複雑な内容を咲人は理解した。
でも蜂須賀の様子は咲人の成長を喜ぶというよりも、天使のようだった咲人が人間に堕ちてきたのをほくそ笑んでいるように見える。
苦しみを知らない人間を憎んでいるかのように。


 そして遥香には迷いが生まれていた。
蜂須賀のため、そして蜂須賀を愛している自分のために咲人を被験者に推薦したけど、彼から頼られ母親のように接しているうちに客観的になれなくなっている自分に戸惑っていた。
実験のための咲人ではなく、咲人のために実験は必要なのかを考えるようになった。

 って、研究センターに行こうとしたら、玄関の前に咲人が座っていた。
どうやら夜中開けてくれるのを待っていたらしい。
咲人はどうしても遥香に危険を知らせたかった。

「はかせだめ。あのひとだめです」
「どうしたの急に。何かあったの?」
「はるか、はかせすきですか?」
「・・・・・・」
「すき?」
「・・・・・どうしてそんなこと」
「はかせははるかのことすきじゃありません。あいしてないといいました」
「!」
「はかせははるかのあい りようしてます。
はかせははるかりようして そばおいてます だからだめ あのひと」
「止めて!・・・ごめんね。でもわかってるの。
分かってるけどね、どうしようもないことってあるの。
自分でも自分が嫌になるけど、それでも・・・しょうがないことってあるの(涙
だから・・・そのことはもう言わないで」

「おこったの?」
「違うの」
「かなしいきもち?」
「・・・・・・・」
「どうしてですか。ぼくおりこうなったのに はるかのきもちわかりません・・
おりこうなったのに・・・あるじゃのんとたいとうなれません・・・
やきゅうのぼーるうてません・・・(涙
ともだちとたいとう なれません・・・なにもできません・・・
うーーーうーーーうーーー」
「ごめんね。苦しませてごめん・・・」
「うーーなにもできないよう・・・(泣」

 (ノω;`)・・・
咲人はおりこうになって、みんなを笑顔にしたかったんだね。
なのにおりこうになって言った言葉が遥香を苦しめている。

 そして言い方は悪いけど愛玩動物のような存在だった咲人は
人間になり真実を告げるようになってしまった。
おりこうになるということは、見て欲しくないことも見えてしまうということ。
きれいな光を通すだけだった世界がいろんな意味を持ってしまうという事。


 野球の試合の日が来ました。
舞も梨央も応援に来ております。遥香も見守ってますぞ。
記録係の小久保もビデオを手に待機。
でも咲人の出番はない。
2対1で迎えた9回裏。バッターとして立った康介は怪我のフリをして咲人に出番を譲りました。

 終った・・・と思いつつ空振りする咲人を見守ったメンバーですが・・・
バッターボックスの咲人の脳内は活発に働き、投げられた球の軌道を学習していることが記録されていた。

「あいつ・・まさか・・・」隆一
「咲人さん!打って!」遥香

 咲人はホームランを打ちましたぞ。
みんな大喜びさ〜
「やった!やった!やった!」咲人
咲人を胴上げじゃ〜い!

『ともだち よろこんでくれました
しゃちょうさんも やながわくんも ひやまくんも りおちゃんも まいちゃんも
それから・・・はるかも
かみさま ありがとう
ぼくは・・・ぼくは・・・』


 これは脳全体の機能上昇に伴い運動機能も上昇した結果なのでしょう。
でも、脳は心が支えている。
一緒にキャッチボールしてくれたお父さんのために打ちたい、
お母さんを笑顔にしたい、そしてお母さんに褒められたい、
みんなを喜ばせたい、その強い思いが脳を働かせ、学習へ導き、体を動かせた。
お利口であることが自分だけでなくみんなをも幸せにしてくれたのです。


 手術の効果が確実に顕れてきたことににんまりする蜂須賀・・・
アンタが悪魔にしか見えないよ・・・( ̄▼ ̄;)
賢くなること、お利口になることは咲人の幸せに繋がるのでしょうか・・・
そして周りの人々は変わっていく彼を受け入れることができるのでしょうか・・

 今回も山下さんの演技に惹きつけられました。
静かだけど内側から確実に変化してきているのが伝わってきました。
来週は咲人にさらなる変貌が見られるのね。楽しみだわ〜


 第1話 無垢な夢、愛・友情がもたらす奇跡
 第2話 対等な友情、親友のために溢れでる涙
 第3話 超知能への手術!世界一好きな人の為
 第5話 輝く世界の果てに待つ愛 奪われたキス
 第6話 孤独が天才を連れてくる…蓋された心
 第7話 壊れる絆・・・全てを失っても愛に生きる
 第8話 最終章!儚い夢の終焉と最後の希望!
 第9話 終幕・・・対等のトモダチとの永遠の別れ
 第10話(最終話) 奇跡のラスト!〜私から僕への遺言

もぐら