大正12年(1923年)9月末。 
震災後、篤蔵たちは桐塚先生(武田鉄矢)のお宅にお世話になっていた。
桐塚家には下宿を失った学生たちも住んでおり、俊子(黒木華)は幼い周二郎の面倒を見ながら女中さんと二人で家事全般をこなし、産婆さんの仕事もあり、忙しくて休む間もない日々を送っていた。

 俊子の疲労を気遣いながらも、篤蔵(佐藤健)も救護活動を続けながら、人手不足の大膳寮を回していかねばならず多忙を極めていた。

『私は幸せでした。
あの震災で家族全員無事を得るなど何という幸せ者なのだろうと。
私は幸せでございました』

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 そして年が明け大正13年(1924年)1月26日、
国民感情をおもんばかり延期になっていた皇太子のご成婚の儀が執り行われた。

「やっぱりいいですね、祝宴の料理は。
作ってるほうも明るい気持ちになりますよ」篤蔵
「さようでございますね」宮前(木場勝己)

 なんて言ってると入沼さん(天野義之)がご成婚騒ぎに紛れて宮城内に侵入をはかった男がいると知らせにきましたぞ。
行ってみると・・・そこには腰紐で縛られた新太郎ちゃん(桐谷健太)が!

「お前さん!お前さんお前さん!」
「あっ・・・!」篤蔵
「お知り合いですか?」入沼
「大変申し訳ございませんでした!」篤蔵

 も〜相変わらずお騒がせなんだからぁ〜
でも、アンタの「お前さん」が聞けて、わたしゃ嬉しいよ。
(ノ∀;`) よく無事で戻ってきておくれだね。
って、納得できる絵が描けたからではなく、震災で呼ばれた(稼ぎ時?)気がして帰国したらしい。

 新太郎ちゃんって・・・もしかして芸術家ではなくて商売人なんじゃ・・
時流を感じる野生の勘はあるみたいだから、何か商売でも始めたら成功するんぢゃ・・・
取りあえずバンザイ軒に下宿させてもらうことになりました。


天皇の料理番 (上) (集英社文庫)天皇の料理番 (下) (集英社文庫)天皇陛下料理番の和のレシピ
 あっと言う間に2年が過ぎ・・・
大正15年(1926年)12月25日、大正天皇が崩御。
1927年は篤蔵にとって悲しみの年明けとなりました。

 わたしゃ、大正天皇がお隠れになったら料理番も入れ替わるのかしら・・って心配していたんだけど、そのようなことは無く、大膳寮の皆様もそのまま昭和天皇にお仕えすることになったらしい(´▽`) ホッ

「皆さん今年もよろしくお願いします!
昨年はお食事をお作りしていた我々としては
ふがいないことこの上ない年の瀬となってしまいました。
この悔しさを忘れずに今上陛下のお食事について
健康の面からももっともっと考えていきましょう」
篤蔵
「はい」一同

 で、篤蔵は早速、「剣葬の儀」の翌週の豊明殿の午餐の相談を宮前さんとしていたんだけど、何と、宮前さんから引退宣言をされてしまったぞ。

「えっ・・・わし、宮前さんおらんと何もできませんよ」篤蔵
やりたい放題だったお姿しか記憶にございませんが」宮前
「ほれは・・・」
「お名残惜しいんですがあいにく耳が遠くなり、声も大きくなってしまいましたので。
新しいお上にふさわしい新しい大膳をおつくりくださいませ」
「はい」

 宮前さんらしい潔い幕の引き方だったね。
多少耳が遠くなっても料理の腕に変わりはないんだから、まだまだやれただろうけど
料理番としての自分に妥協を許したくなかったんだろうね。
残る者達への信頼と期待を込めた引退の決断だったと思う。


 そんな事があったと俊子に話していたら、俊子が発作で苦しみ倒れてしまった。
すぐに医者を呼び、診てもらったら「心不全」と診断され、絶対安静を言い渡されました。
今までにもちょいちょい発作は起きてたんだけど、心配かけまいと篤蔵には言わなかったんだよね。

 篤蔵は眠っている俊子のそばでつぶやきました。
「言ってくれや、俊子。どれだけ我慢してたんや・・・」

 しょぼん・・とする篤蔵・・・
なのに翌朝、俊子が起きてきたらキッツイ感じで怒鳴ってしまうという・・( ̄▽ ̄;)


寝とらんか、このだわもんがあ!
おかしいなと思ったら 何ですぐ病院 行かんのじゃ
アホなんか お前は!
倒れたんです あんたは
倒れて 医者 呼んで
あんたは絶対安静やて言われたんです!」

「私・・・ほんなことになってるんですか?」
「大変やったんやぞ 夜中に一太郎が医者呼び行って
ほやから医者のお墨付きが出るまで
動いたらいかんのです
分かったら、はい、ほらっ、布団!」


 それでも俊子は篤蔵が料理する背中を嬉しそうに見つめていました。
ホントに好きなんだねぇ・・・
篤蔵が料理する姿を見たのは、華族会館に行った時ぐらいか・・・
家で料理をしたことなんてないんだろうねぇ・・
子供達も篤蔵の作った料理の完成度と旨そうなビジュアルに驚いてたぞ。


 俊子に絶対安静、掃除も洗濯も一切しちゃダメ!と言い置いて仕事に向かった篤蔵ですが・・・
心配で心配でしょうがない。厨房でもイライラしております。

「厨司長のお心の乱れはお上のお食事の乱れにもつながりかねないと存じますが」宮前
「妻が・・・その・・・少し」篤蔵
「少し?」
「少し体を壊しまして」
「では落ち着くまでお食事のほうは私どもでやりますんで
厨司長は 献立作りのみに専念なさってください」
「ほんな・・・」
「最後ぐらい私も厨司長のまね事をしてみたいので」

 宮前さんの心遣いが嬉しいやねぇ・・・
周二郎は新太郎ちゃんが見てくれることになりました。
この日から新太郎は秋山家の一員となりました。


 そんな訳で早目に帰宅して見ると・・・台所に宇佐美(小林薫)さんが!
梅(高岡早紀)から事情を聞いて力になろうと来てくれたようです。
でも、大先輩がこんな普通の家で料理をねぇ・・・篤蔵大慌て・・・

「余計なことするな」宇佐見
「余計?」篤蔵
「おじさん調理場を離れたから今日は腕をふるいたいんだって」初江
「いや、けど・・・」

 俊子も宇佐美さんが料理をしてくださるのに普段使いの食器じゃ申し訳ないとお客様用のものを出そうとしてまた倒れてしまいました。

「頼むから、これからは静かにしててくれ。約束したんやからの」篤蔵
「約束?」俊子
「約束したやろ。わしより長生きするって」
「はい」

 俊子は忘れていたみたいだけど、篤蔵はしっかり憶えてましたぞ。
俊子のあの言葉が篤蔵を救ってくれたんだよね。


 そして篤蔵の作ったおかゆを嬉しそうに味わう俊子・・・
俊子は本当に幸せだったんだと思う。


 てか、宇佐美さんいつのまにか華族会館を引退してたのね・・・
まだまだ元気ですのにぃ〜
そしていい年になった篤蔵だけど、今でも父親のように気にかけていてくれる。


 宇佐美さんの「食べられなくなったら体力が落ちる」というアドバイスを受け、篤蔵は目にも美味しそうな「食養生」レシピを工夫しました。
でも俊子は少しづつ弱っていき、だんだん食べられなくなっていった。

 床の上で俊子は雨の中あじさいの葉を歩いているかたつむりを見つめていた。

「行ってしまいましたね・・・」俊子
悲しそうな顔になったもんだから、篤蔵は窓を開けてかたつむりを引き戻したさ。
「ほら、戻ってきたぞ」
二人は肩を並べかたつむりを見守り続けました。

 かつて子供を失った時、かたつむりの殻を見つめて「うちみたいや」とつぶやいていた俊子。
「殻がなかったらカタツムリも少しは早く歩けるさけ」と篤蔵と決別した日もあった。
そして今、雨の中かなたに消えていくかたつむりと自分を重ねている。
強引にかたつむりを引き戻してくれた篤蔵の優しさが沁みるやねぇ・・・
でも、俊子は覚悟を決めていたんだと思う。


 子供達は俊子がそんなに悪いとは知らされていなかった。
お母さんとした何気ない会話が大切な思い出になるなんて気づいていない。


 一太郎は「将来の夢」という作文の宿題の相談にきたぞ。
いいなと思うものはいろいろあるんだけど、まだ決められないらしい。

 俊子は篤蔵がのく蔵と言われていた頃のエピソードを教えました。

「お父さんはね、あれになりたいこれになりたいって手をつけちゃ放り出してたのよ。
お坊さんになるって出家までしたのよ」
「ホント?」一太郎
「ホント。それで周りの人にさんざん怒られて、
お料理をやってみて、やっとこれが夢だったって分かったの」
「ふ〜ん・・・・」
「やってみないと意外と分からないのかもしれないね」

 そして初枝は学校のお裁縫の宿題を俊子にやってもらおうとしております。

「鯖江のおじいちゃんのお店でね、お母さん、小さい頃はっぴや前掛けの繕いをよくやらされたの。みんなにとっても喜ばれて・・・
お針は好きじゃなかったけど役に立つのは嬉しかったな」俊子
「そんなの何かヤダ。
私、人の役に立つよりあなたの役に立ちたいって
言われるようになりたい」初江  ゞ( ̄∇ ̄;)オイオイ、何様だよ
「それもいいけど、役に立つってホントに嬉しいのよ。
それを知らないなんて損だと思うわよ」

 そして昭和2年(1927年)大晦日の日。
俊子のことを思っている篤蔵を気遣い黒川(林泰文)が帰宅するよう言ってくれました。

 で、俊子の部屋を覗くと俊子が息を詰まらせ苦しそうにしとる!
痰のせいだと気づいた篤蔵はすぐにマウス・トゥー・マウス!(非常事態なのにキュンとした私を許して〜)
事なきを得ましたが、篤蔵が戻るのがもう少し遅かったら危なかった。

「私・・・迷惑しかかけてないですね・・・」俊子
「・・・・・・ほう思うんやったら、いい加減 治ってくれんかのう!」

 部屋から出た後に声を押し殺し泣き崩れる篤蔵・・・
今日のような事があると大変なので篤蔵は仕事を休み俊子に付いていようと考えていた。

「おいらじゃダメかい?」新太郎
「・・・・・・・」篤蔵
「ダメだよな・・・」
「でも助かってます。本当に色々・・・」

 不思議な関係だよね。縁があるってこういうこと。
パリでも再会し、また日本で会って、今は家族になっている。
最終回までに新太郎ちゃんが立派になった姿を見ておきたいけど・・・
こういう親戚のおもしろいおじさん的位置もいいもんだよね。


 その夜、秋山家では篤蔵の打った蕎麦を俊子の部屋で味わいながら、
家族が一緒に年越しできた幸せを噛みしめました。

「お母さん・・・明けまして・・・おめでとうございます(涙」一太郎
「おめでとう・・・お母さん(涙」初枝
「母さん!お母さん・・・(泣」周二郎
「明けまして・・おめでとうございます・・・」俊子
「お母さん」篤蔵
「はい」
「今年もよろしくお願いします」
「はい」

 篤蔵が俊子のために作った蕎麦は、そば粉にほうれん草とニンジンを練り込んである小さな蕎麦団子入りスープ。
「きれい・・・私は幸せですね。陛下のお料理番にこんな工夫までしていただいて」

 熱くないか確認するために、俊子の口に運ぶ前に佐藤さんが自分の唇にちょこっと付ける姿に俊子への愛情を感じました。

 俊子は財布につけていた思い出の鈴を手に取り、篤蔵に言いました。

「篤蔵さんが昔くれたお守りについていた鈴です」
「えっ?ほうやったんか」
「どうしても捨てられなくって、ずっとつけていて・・・もう私の一部みたいなものです」
「財布の一部やろ( ゞ( ̄∇ ̄;)コレコレ!)よし、いい具合になった」

「篤蔵さん・・・・私、ひとつだけ心配なことがあるんです」俊子
「食べてからでいいやろ」篤蔵
「私・・・篤蔵さんが癇癪持ちなことが心配なんです。
篤蔵さんの場合、お仕事上それがとんでもない事態に繋がることがあるかもしれません。
ほやからどうか、これからこの鈴をポケットにでも。
鈴が鳴ったら、あいつがほんなこと言ってたなって思い出して」俊子
「いい加減食べえ。冷めるやろ!
これ作るのどれだけ手間やと思ってるんや!」

「・・・・・」
「あっ・・・ああ、これがいかんのやな・・・すいません」
「こちらこそ差し出がましくてすみません。いただけますか?」
「はい」
「あの・・・『ジュテーム』って何ですか?昔、お手紙に書いてあった・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・「食う」いうことや。今日も明日もあさっても。
私はあなたより長生きしますって・・・そういう意味や」
「はい・・・はい〜」

 篤蔵が俊子のために作った養生レシピ。
口ではうまいこと言えない篤蔵は料理に全ての思いを込めたはず。
「ジュテーム」は「食ういうこと」。料理人に命を賭けた篤蔵の人生が伝わってくる愛の言葉。
その命のスープを一杯、そしてまた一杯と俊子の口に運ぶ篤蔵とそれを大切に頂く俊子。静かに優しく二人の気持ちが伝わってくるラブシーンでした。


 そうして俊子は逝った。
眠っているように目を閉じている俊子を見つめている篤蔵が切なかったよぅ・・・

 篤蔵はしばらく家に引きこもっていたようですが大宮様(貞明皇后)(和久井映見)からお悔やみの手紙をもらい、青山御所へと出向きました。
大宮様には会えなかったんだけど、滝川女官(伊藤かずえ)が大宮様からだと箱を渡しました。開けると中には金太郎の人形が。

「亡くなったのは妻ですが・・(???)」篤蔵
「これをと仰せでした」滝川

 帰宅すると初枝が文句を言いながら篤蔵の靴下の穴を繕っていた。

「お帰りなさいお父さん。明日から仕事でしょ?靴下穴開いてたから。
役に立つと嬉しいよってお母さん 言ってたから。感謝してよ」

 そして台所では一太郎が宇佐美さんの指導を受けながら晩御飯を作っていた。

「なりたいものはやってみないと分からないってお母さん言ってたからさ。
宇佐美さんに習ってるんだ」一太郎
「大した奥さんだな」宇佐見
「えっ?」篤蔵
「奥さんの真心はこの子達の中で生きてる。ずっと生き続ける」

 宇佐美さんはいつまでたっても、篤蔵の人生の師匠だよう・・・(ノ∀;`)

 そして周二郎も。
俊子から習ったオバQ口をして篤蔵を笑わせようとしております。

 コレは反則やろ・・(`;ω;´)
耐えきれずに篤蔵は外に飛び出したさ。
そして泣きながら自分の中にも俊子が生き生きと息づいているのを感じました。


『寒い冬でした。身も心も しばれるような』

「どやっじゃあ・・・」

『けれど、どこか温かい雪でした』

「どやっじゃあ・・・」

 俊子の位牌のそばには、新太郎が描いた秋山家の食事風景の絵が飾られていた。俊子と共に過ごした時間が失われることはない。
何気ない家族との日常に俊子がどんなに幸せを感じていたか。
その幸せな瞬間を絵に留めてくれた新太郎ちゃん・・・(*TーT)bグッジョブ!


 仕事に戻った篤蔵の背広のポッケには俊子の鈴が入っていた。
ポンと叩くとチリン・・と応える。
よし・・・行くで。俊子」

 俊子とはこれからもずっと一緒。
このお守りのおかげで篤蔵は、もう癇癪を起さずにすんだんじゃないかな。


 大膳寮で滝川女官に会った篤蔵は感謝の思いを伝えました。

「あの・・・あの人形は残された子供を大切にしなさいってお心ですよね」
「私には お心ははかりかねますが」滝川
「よろしくお伝えください」

 篤蔵は大宮様からのまごころを受け取ったんだよね。
はっきりと告げるのではなく願いを人形に託す。
日本人らしい控えめで美しい心のやり取りに心うたれたよ。


『決意も新たに。時は昭和。
この男は料理番として激動の時代を包丁一本を武器に
戦っていくことになるのでございます』


 ついに来週は最終回!
皆さま、共に料理にすべてを捧げた男・秋山篤蔵を見守りましょうぞ!


 第1話 〜時代を超える人間の愛と命の感動物語〜どうしようもない男が百年前に見た料理への果てなき夢・・・
 第2話 料理はまごころ
 第3話 あいしてるの決断
 第4話 愛し君よサラバ
 第5話 おさな夫婦の結末
 第6話 愛と命の果てパリ
 第7話 パリと差別と結婚
 第8話 パリでの卒業式
 第9話 皇居編〜ザリガニと御即位の御大礼
 第10話 皇居編〜関東大震災と家族の決意
 第12話(最終話) 完結〜料理番の人生 敗戦の料理番がGHQに起こした愛の結末

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