「楽しいなあ!ひろし!」
「おおっ!俺はよ、ピョン吉!」
「おう!」
「終わらせねぇぜ、絶対によ!」
「お〜う!どうした、遅いぞ!ひろし!」
「分かってるよ!」
「根性 根性・・・根性 根性・・・
ど根性〜!!ど根性〜!!」


 ひろしとピョン吉の物語は続いていく。
「ひろしの物語」ではなく、「ピョン吉の物語」でもなく、
二人が選んだ「ひろしとピョン吉の物語」。
大人にならなくたっていい。みんなに合わせなくたっていい。
大人でもない、子供でもない、コナン君でもないぞ。ひろしはひろしだ。

 変わったけど変わらないひろしとピョン吉は今を生きている。
それでいいのだ!
平面ガエルのピョン吉とひろしは、いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
HPはこちら


 さて・・・ピョン吉がいなくなった後もひろし(松山ケンイチ)の生活は続いていた。
いや、続けていた。
いつもの日常をなぞっていたが「頑張っているひろし」と干してある「ピョン吉の消えたTシャツの存在」が違った日常が始まっていることを教えていた。

 なんだかネジがはずれちまったようないい子ちゃんになってしまったひろし・・・
これが大人になるってことなんだろうか・・・
そんなひろしを見守りつつも、みなさんも戸惑っている。
物語をどう続けていいものやら・・・


 玄関前にカエルがいたのを見つけた母ちゃん(薬師丸ひろ子)は、もしやピョン吉?!と思い、皿に盛った大好物の焼きそばを置いておいたら、翌日にはなくなっていた。
近所ではゴリラパン、牛乳などが盗まれる事件が発生していた。
もしかして、コレはピョン吉が生きている証拠なのか?

ど根性ガエル (1) (集英社文庫―コミック版)ど根性ガエル (2) (集英社文庫―コミック版)
 ひろしを励まそうと五郎(勝地涼)の音頭で宝寿司でいつものメンバーが集まりました。
もちろんひろしは自分が『慰められる存在』であることを全否定したけれど、あっという間に酔っ払ってしまったわ〜。

「だからよ〜。
『ガキの頃からず〜っと一緒だった不思議な生き物ピョン吉くんが
いなくなってしまった。ねぇ!
寂しいけれど、これからはど根性で1人で生きて行くんだ・・・
そうやってひろし少年は大人になって行くのでした〜』
そういうふうに思ってんだろ?みんな、えぇ?!」
ひろし
「まぁ、そうかもな」
「・・・でやんすかね」五郎

「俺もよ〜そういうことかと思おうとしたんだけどよ。
でもやっぱおかしいわ。
だってよ〜!
何で俺が大人になるためにピョン吉がいなくなんなきゃいけねえんだよ!えぇ?
ピョン吉は俺のために生きてたっていうのかい?
そりゃ失礼ってもんだ。ピョン吉っていう生き物に対してよ。
カエル仲間守るためにど根性で俺に張り付いてよ、えぇ?
そしたら、おめぇ、今度は俺のために生きて俺のために死んじまうっていうのかよ!
それは おかしいだろ!」

「じゃあ、ピョン吉はどうなってしまったんで・・・?」
「知るか〜!んなもん!何度考えたって全然分かんねぇ。
でもよ、つまんねぇだろうが!このまま終わりなんてよ、えぇ?
そういう話は本の中だけで十分だぜ!」


 そうだよね。ひろし、いいこと言うぜ。
私も、これはひろしが大人になるためのドラマなんだろうと思っていた。
回りもそれを望んでいるし、ひろしもそれを受け入れ変わっていくんだろうって。
だから現在のひろしの世界を壊し成長するために「ピョン吉の死」が捧げられるのだろうと。

 でも、ホントにひろしが大人になるためにピョン吉の死が必然なんてピョン吉の人生に失礼だよね。
できの悪いドラマじゃ、主人公以外のキャラは引き立て役で、主人公に振り回されたあげく死んだりフェイドアウトしていく。まるでその生き方が役柄と同じように添え物で主人公のための人生であるかのように。

 でも本当は違う。
ピョン吉にはピョン吉のただひとつだけの人生があり、五郎には五郎の、梅さんには梅さんの、京子ちゃんには京子ちゃんの人生があり、その人生では主人公だ。
重なりあうことはあっても誰かの影になっちゃいけない。
相手の人生を大切にするってことが自分の人生を真摯にに生きるってことにもなるんじゃないのかい。


 母ちゃんはひろしが小さい頃に読んであげた本の結末を変えたことを話し始めた。
ひろしが大好きだった「かばのばー君と男の子」の物語。
まるでひろしとピョン吉のように仲良しでいつも一緒に過ごしていたんだけど、最後にはお別れの時が来る。

「ひろし君のお話と一緒ね。で、少年は少し大人になる」京子のおばあちゃん(白石加代子)
「最後のページを読んだ後ね、本気で泣きながら怒って。
『こんなのおかしい!絶対おかしい!俺は嫌だ!』って。
『何でずっと一緒にいちゃいけないんだ。
いいじゃないか!大人になってもず〜っと一緒でいいじゃないか。
大人になるのにばーくんがいなくなるなら、大人にならないぞ!俺は
って」母ちゃん

 ひろしは自分でその続きを書いたらしいが、詳しいことは教えてくれなかった。

『終わりは どうなんだい?』って聞いたら、
『俺は終わりは嫌いだ。だから終わらない』って」

 なるほどねぇ・・・・
ひろしは小さい頃からひろしだったんだね。
物語は踏襲しなくたっていい。自分なりの物語を作っていいんだよね。
それがちょっと変であろうと、人に理解されないものであろうと。


 ひろしの物語が途切れてしまったことに納得がいかない京子ちゃん(前田敦子)は一計を案じた。
元々超自然的な力が働いて平面ガエルになっちまったピョン吉だから、そうなった訳もいなくなった訳も理屈で考えてもしょうがない。
出会いの瞬間を再現すればピョン吉が戻ってくるかもしれないってね。

 ゴリライモ(新井浩文)も五郎もすぐにその計画に乗ってくれたさ。
で、あの橋の上であの時のように待った。
ところが、やって来たのは最近出没しているひろしそっくりの男(松山ケンイチ)。
その瞬間を察知してピョン吉が呼び寄せたのか、その役割を担って現れたのか、
たまたまその男が元のピョン吉Tシャツを身に着けてるぞ。

 そいつをひろしと思ったゴリライモが投げ飛ばしたら、
落ちる場所にカエルが現れた!
カエルは自らシャツの中に飛び込みましたぞ!

 で・・・・黄色いシミになっちゃって・・・・失敗か・・・と思いきや・・・
そのシミは変化し・・・妖怪人間じゃなくて・・・ピョン吉になった!


「え〜〜〜!?」みんな
え〜〜!?あ・・・ひろし・・・・」ピョン吉(満島ひかり)
「な・・・何だよ、お前?」男
「えっ?「何だよ」って何だよ!
「ピョン吉!」ひろし
「ん?え〜!?」
「ひろしは俺だ!」
「えっ?ひろしか? じゃあこいつは?」

 すぐにひろしはピョン吉Tシャツ奪還開始。
ピョン吉もど根性で男からTシャツを脱がし、ひろしの元へと収まったさ。
魔法のランプと違って、持ち主を選ぶことができますんでね。
みんなピョン吉との再会を涙と共に喜びあいました。


 さて、こうなると気になるのはひろしそっくりの男の存在。
ひろしの家に集合したみなさんは男の居直り強盗的リアクションを経て、
話をきくことに。

 男は名前もひろし。育った環境も同じで家庭も母一人子一人。
顔もそっくりだが性質もひろしそのもの。
違うのはへび柄のTシャツを着ていることと、ピョン吉に出会わなかったことだけ。

「子供の頃はそれなりに楽しかったんですけど、
勉強も他のことも何やってもうまく行かなくなって。
だんだん取り残されたみたいになって。
ダメなヤツになってったんです。
幼なじみだった好きな女のコとも口も利けなくなって。
でも何とか頑張って営業の仕事に就いたんです。
で、今言った好きだった女のコと仕事先で偶然会って。
ちょっと いい感じになって、結婚したいななんて思ったんですけど、
まぁ、それも言えなくて。
そのうち会社の業績も悪化して自分の成績も悪くなって。
それで家を出て、どこにも行くとこなくて現在に至る・・・です」

 あちこちで無銭飲食して逃げ回りながら生活していたそうな。
ゴリラパンや京子ちゃんちの牛乳を盗んだのもこっちのひろしだった。
京子ちゃんは、何でその幼馴染の女の子にプロポーズしなかったんだって怒ったけど、いろんなことに弾みがつかないっていうか・・・
あきらめムードになっちゃったのかねぇ。


「ひろし君はうちのひろしみたいだね。
ピョン吉と出会わなかったひろしみたいだね。
今言ったよね、ひろし君。
『自分はいらない存在なんじゃないか』って。
何だいソレ!そんなわけあるかい!
自分の居場所が見つからない、生きている価値がない。
だから自分は必要ない。それは間違ってるよ。
居場所が見つからなくてもね、生きてていいんだよ。
役に立たなくても生きてていいんだよ。
生まれて来たんだから生きてていいんだよ。

ピョン吉は今年の夏、そんなことばっかり言ってたよ。
『おいらがいないほうがいいんじゃないか』。
『おいらは、もういらないんじゃないか』って。そう言ってたよね?」母ちゃん
「うん」ピョン吉
「そんなことばっかり考えてるから剥がれちまうんだよ。
自分でお話を終わりにするようなこと考えちゃダメなんだよ」

 なんかちょっとズレてしまうかもしれませんが、母ちゃんの言葉を聞いて、私は父のことを思いました。
現在85歳。認知症で毎日ほとんどの時間を寝て過ごしています。
エネルギッシュで人を笑わせるのが大好きだった父はいなくなり、かなりの記憶が消え去っています。
母は前向きな人間ではあるのですが、功利的というか父の生活を生産性がないものとジャッジしているところがあります。アレもできなくなった、これもできなくなった、これをやらせても無意味だ。
日々一緒にいるから、できないことを数えずにはいられない。
母にとって父は夫であり、変わってしまった父を私以上に受け入れ難いのでしょう。

 でも、生きていてくれるだけで十分じゃないか・・と思う。
生きることは一日一日が戦いです。だから生きているだけですごいじゃん。
父が今、何を考えているのかはわからないけど、そこに居てくれるんだからいいじゃん・・なんてね。

 そして自分の物語は人に終わらせられたり、回りを気にして物語を変えたりするもんじゃない。
自分の物語は自分て発見して作っていくもんなんだな・・とも思いました。


「しょぼい顔してんじゃねぇよ、おめぇは。
同じ顔だと嫌になっちまうぜ。しっかりしろってんだよ!
っていうかよ、おめぇには礼言わねぇとな。
ピョン吉復活させてくれたのはおめぇなんだからな。
おめぇがいなかったら、俺とピョン吉の物語は終わっちまってたかもしれねえからな。それを続けさせてくれたのは、おめぇだ。
それと ゴリライモと五郎と京子ちゃん、サンキューな。
みんな サンキュー。ひろし2号も サンキュー」
ひろし
「僕はただ投げ飛ばされただけで何の役にも立ってないですよ」ひろし
「大丈夫だって!
こんな俺でもよ ちゃ〜んと楽しく生きてんだからよ。
あんただってちゃんとやれるって。こんな俺でも、なぁ?」

 ひろし2号は別の時間軸からやって来たひろしなのか?
だとしたらピョン吉と再会できなかったひろしもいるのかもしれない。
あるいはもっとずっとずっとあとにピョン吉と再会できたひろしもいるのかもね。
でも、そんな事考えてもしかたない。
今のひろしにはピョン吉がいて、みんながいる。
その時間を大切に生きるだけだぁね。


 ひろし2号は五郎が無事、生まれた町に送っていきました。
この事件を経て、みなさんそれぞれ決意を新たにしましたぞ。

「俺さ、分かりました。
どんな人でも、ダメなヤツでも、変なヤツでも、ちゃんと生きれるそういう社会を
俺つくります」ゴリライモ
「あっしも、この町のみんなを、いや、どんな人でも守って行くのが、
あっしの一生の仕事でヤンス」
五郎
「教師生活42年はやって来るとは思わなかったが、教師生活も一生の仕事である!目指すは教師生活50年!」校長先生(でんでん)
「粋だね!」
「60年!」
「お〜!」
「いや、70年!」
「お〜!」
「まだ行けるか!?」
「やっちまいなよ!」
「素晴らしいわ。
私は女性生活72年。
100年を目指すわ(ちょっと怖いぞ)」京子のおばあちゃん
ばあちゃんなら行けるっしょ!
・・・っていうかよ、またいい話かよ!
ヤダヤダ・・・もう ホントによ」ひろし

 そして梅さんもついに・・・

「よし子先生!俺とけっ・・・」
「こん!」
みんな
「けっ・・・」
「こん!」
「結婚・・・!」
「やった!おめでと〜う!ハッピー ウエディング!」
「結婚を前提にお付き合いしてください!」

「はぁ〜?」よし子先生
「そこからかよ?!梅さん」
「終わっちまったら面白くねぇじゃねぇかよ。ねっ?」梅さん
「よ・・・・よろしくお願いいたします」よし子先生
「よろしくお願いします」
「いいねぇ、最後がいい話じゃなくてくだらなくて。
そう来なくっちゃね! ヘヘっ・・・死ぬまでやってろ、ハハハ・・・!」
ひろし

 一件落着。
夜になって布団の上のひろしと窓辺のピョン吉・・・
いつもの二人だけど、以前の二人とはちょいと違う「いつもの日常」。


「なぁ、ひろし」
「あぁ?」
「何でおいら、またシャツの中に入れたんだろうな」
「さぁな。そっちのほうが面白いからなんじゃねぇのか?」
「何だよ、ソレ。相変わらずバカだなぁ」
「うるせぇ」
「おいらここで生きてていいんだよな?」
「いいんじゃねえの?」
「そうか。お前も生きてていいぜ。
おいらのシャツの下で。生きてていいぜ。
フフフ・・・」
「ヘヘっ。そりゃあどうも」
「なぁ、ひろし。おいら・・・」
「分かってるよ!」
「フフフ・・・」

 終わってしまいましたね。
楽しかった〜!!
この時間帯のスタッフとキャストはいつも思いがけないプレゼントをくれる。
自分の中にあるのに気付いていないものを教えてくれる。

 すごいドラマだったと思う。
どの方もすばらしかったけど、ピョン吉とひろしの人生をくっきりと心に残してくれた松ケンと満島さんは、やっぱりとんでもない役者さんだワ。怪物だねゞ( ̄∇ ̄;)ヲイヲイ
キャストとスタッフのみなさん、どうもありがとう。
いい時間をもらいました。

 そうそう、多分母ちゃんのTシャツにピョン子ちゃんが張り付いたと思われ・・・
家族が増えてさらに楽しくなりそうだね。


 第1話 伝説漫画が実写化!ダメ男と平面ガエルが大暴れ!
 第2話 ひろしが泥棒 !? ピョン吉大追跡 !
 第3話 決死のパン作り!初月給で親孝行
 第4話 雷雨決行!父に捧げる花火大会!!
 第5話 バカ社長 VS 悪徳社長!20円の攻防
 第7話 ピョン吉別れ旅!カエルに戻る日
 第8話 16年の恋に決着!死ぬなピョン吉
 第9話 ピョン吉最後の日!最後のど根性

br_banner_cosmos