さて、ある日のこと、弘樹(勝地涼)が
「大変だよ!!大変だよーー!!」
と騒ぎながら裏庭になだれ込んできました。

 なんでも、昨日車に轢かれたんだけど、その相手が同級生の武田武蔵(藤原竜也)だった。
で、武蔵は今じゃIT会社の社長になり年商一億以上稼いでいるっていうのさ〜
んが、それを聞いてもまった動じない太郎(オダギリジョー)。
弘樹はおもしろくないぞ。


「たかが一億だろ・・」太郎
あぁ?!・・・え・・・剛とシマさんは驚いてますよね?」弘樹
「驚いています・・」剛(前野朋哉)
「驚いたよ」シマさん(嶋田久作)
「ですよね?!ね!太郎、俺らの同級生が年収一億超えてんだぞ!」
「・・・・・・(駄菓子を食べとる)」太郎
じゃあオマエの年収はいくらなんだよ?!
こんな客も全然来ない店続けてよ。ちょっとは焦ったり嫉妬したり、
自分も頑張ろう!みたいにならねぇのかよ!
だからダメなんだよ!オマエは!!


「はあ〜〜そっか・・・俺はダメな奴か」太郎
「ダメな奴じゃねぇかよ!」弘樹
「そっかあ〜一億円なんかより車に轢かれた友達の方を心配した俺は・・
ダメな奴なのか・・・」
「・・・・・えっ・・・」
「あっ、そうか。わかったよ。もういいよ」
・・・・・ごめん・・・悪く言って・・(・д・`)」
もういい・・・(駄菓子むしゃむしゃ)」
「……俺の体は大丈夫だからさぁ・・怒んなよぅ・・・」
怒ってないよ
「怒ってんじゃん!」
「俺はただ、オマエのことが心配だっただけだよ」

「だからそれは・・・ほんと・・サンキュー」弘樹
どうせ俺なんか武田武蔵に比べるとダメな奴だよ。・・・ITじゃないし」太郎
「ナニ言ってんだよ。ITだよ。お前は」
「・・・・???」剛
「どうせ俺なんてダメなITだよ」太郎
「・・・・???」シマさん
「オマエは・・・すごいITな奴だよ」弘樹
「・・・・・・(。-_-。) ポッ」太郎
ITって何だっけ」シマ
IT・・・」剛

 ナンだ、この会話・・・柱| ̄m ̄) ウププッ
おバカな会話を繰り広げるオダジョーと前髪クネ男が愛おしい。
「IT」とはとお〜〜く離れた所にある『さくらや』さんなのでした。
HPはこちら


Baby a Go Go
 問題はここからさ。
弘樹が『さくらや』の裏庭でいつも集ってるって教えたら、その武蔵が今度遊びに行くって言ってたんだって〜

「ほーーーーーそいつは大変だな」太郎
「だろ?」弘樹

 きっと勝ち組の武蔵は自分達をバカにするはずだって言うのさ。

「でも・・現に僕ら、毎日ここでぼんやり過ごしてるだけっスから。
仕方なくないですか?向うは年収一億な訳ですし」剛
「オマエふざけんなよ」太郎  おんや?
「え・・・?」
「オマエじゃあ、アレか!
俺達が毎日、何の意味もなくここで無為の時間を過ごしてるって、
そういう浅はかな考えで今日までやってきたのか?」

「・・・・え・・・じゃあ、何か意味あるんスか?」
「・・・・(マジ?)」弘樹
「・・・・・・」目をそらす太郎
「・・・・え?」剛

 言ってからその意味を考える太郎なのでした。
なんか佇まいが寅さんぽいぞ。
そうすっと、いろんな疑問が湧き上がる。


「何で健さん、八百屋始めたんだろう?」
「ハンマー投げの人もさ、何でハンマー投げようと思ったんだろ?」

「何でじいちゃんは駄菓子屋始めたんだろう?」
「じゃあ、どうして太郎はここを継ごうと思ったの?」明子(八千草薫)
「・・・・・・・」

 太郎の中にははっきりした理由があるんだけど、おばあちゃんに負担をかけてはアレなんで、今は答えない。
でも、店を継ぐことが太郎にとっては自然だったのだろうと思う。
祖父や祖母と暮らした何年間か、その時間が太郎の心に行き先を教えてくれたんじゃないかな。

 祖母と二人でつつましい食事を食べて、店の売上台帳を記入して、夜のバイトに出かける。
描かれる太郎の淡々とした日常から静かな張り合いのようなものが伝わってきました。


 仕事を終えて帰宅途中の太郎を礼子(尾野真千子)がまた橋の上で待っていました。
手作りのお弁当を渡してくれましたぞ。

「・・・・・悪いな(ちょい困惑)」太郎
「・・うん」礼子
歩きながら食べる太郎の後ろを礼子がちょこちょこと自転車を押しながらついてくる。

「うま〜い!」太郎
「・・・・・でもおばあちゃんが作ったおにぎりの方が美味しいでしょ」
「いや、そんなことないけど」
「なに?」
「うん?」
「美味しいの?」
「なんだよ。もう言っただろ」
「・・・・・・」

 なんでしょ・・・お互いに細心の注意を払いながら近づいて行ってる感じ?
礼子は恋をしているというよりも、人のぬくもりが欲しいんじゃないのかな〜
こういう何気ない会話をしたいというか・・・
自分以外の誰かと関わることで「自分」を確認したいんじゃないのかねぇ・・
自信を失ってるのかもしれない。


 さて、武蔵さんが運転手付きのお車にのって、さりげなく高級スーツを身に着け
『さくらや』に現れましたよ〜
みなさん、緊張しながら構えていたんだけど当の武蔵は何だかとっても無邪気。
来られたのが嬉しくってたまらないようです。


 で・・・太郎を見つけると思いっきりハグ!
びっくりしつつもうっとりと目を閉じる太郎・・・
「武蔵・・・・いい匂いがする・・

 武蔵は駄菓子を食べながら、心からリラックスして過ごしているようでした。
バカにするどころか「お前たちがうらやましい」とまで言っております。
「そ、それはどういうことですか?」剛

 そりゃ聞きたいわよね。

「昨今、世界はめまぐるしく変わっている。
しかも誰がどう見てもいい方向に向かっているとは思えない。
だからってどうすりゃいいかわからないし、どうにもできない。
それなら太郎達みたいに、じっとここにいて考えていればいい」武蔵

 いや・・・特に考えているとも思えないが・・・( ̄∇ ̄;)

「何を・・・考えるんだ?」太郎    やっぱり・・・
「・・・・本当に大切なものは何か」武蔵
「・・・・・・」
「そういう時間が必要なんだよ。だからお前たちはここに居ていい。
いやむしろ、居るべきだと俺は思うけどな」

「・・・・太郎さん・・やっぱり意味はあったんですね」剛
「・・・だろ?(よくわからんけど)」太郎

 武蔵は太郎たちに「意味」を与えて去って行った。
帰り際にまた太郎をぎゅっと抱きしめて恍惚とさせていったぞ。


「はあーーーやっぱりいい匂いがする・・・」太郎
剛と弘樹もその匂いががぎたくてふらふら〜っと二人に近寄って行ったけどハグしてもらえなかったわ。

 その後、太郎は武蔵にお呼ばれ。
いつものTシャツにおじいちゃんの背広を着用。
まぁ、元がいいからさ、昭和の普通ーーの背広でもそれなりに様になっております。


「コレ・・・大丈夫?」太郎
「バッチリよ!」明子

 なんかこんな二人がかわいい・・・(*´∇`*)
明子は武蔵へのおみやげに袋一杯の駄菓子を持たせてくれました。


 オサレなバーに行ってみると・・・
武蔵は『さくらや』の経営状態を正確に把握しておりました。

「で、そんな店をオマエは何のために守ってるんだ?」
「決まってんだろ。おばあちゃんのためだよ」
「即答だな」
「そりゃそうだよ。まぁ・・あんまこういうことは考えたくないけど、
おばあちゃんが死ぬまではあの店を続けようと決めている。
『もう店閉めよう』とか口ではなんだって言うけどさ、
あの店潰れたら、おばあちゃん絶対悲しむもん。
じいちゃんが残した店だからさ・・・」
「やっぱりオマエが羨ましいよ」
「はあ?ナニがだよ。一億円男のくせに」
「オマエと違って、俺大切なものを見失っている・・・・
30過ぎて自分の人生振り返るだろ?
びっくりするほど何もないぜ。ハハハハハハ・・・」

 武蔵は『さくらや』のためにならお金を都合すると言ってくれたけど、太郎は断ったさ。
きっと断るって武蔵もわかっていた。
そういう太郎だからこそ会いたかったんだろうなぁ・・・


 武蔵は駄菓子のお礼に銀座で経営しているレストランに招待してくれた。
で、太郎はおばあちゃんの他に礼子親子を呼びました。
久しぶりのお銀座での外食に緊張しつつも、よそゆきを着てお化粧する明子が微笑ましい。
ぎこちない家族のように4人で出かけました。

 って、奢りなんだから高いコース料理でもいっちゃえばいいのに・・・
4人してカレー食べとる・・・(≡^∇^≡)ニャハハ
礼子たちは太郎に合わせたんだろうけど、なんかいいなぁ・・って思ったよ。
この人たち、生き方がきれいだな〜って。


 帰り際、太郎は出口で待っていてくれた武蔵のハグを期待し胸を差し出したけど・・
さすがに無かったわ・・・

 その後、武蔵が脱税容疑で逮捕されたという記事が新聞に載った。

「メディアでさんざん叩かれていますね・・武蔵さん・・」剛
「ああ。おもしろおかしく悪者に仕立て上げられてる」シマ
「・・・・・誰かにハメられたのかなぁ・・・」弘樹
「・・・・今度武蔵に会ったらさ・・・
香水いっぱいつけて、強く・・きつくハグしてやる」太郎
「・・・・・( ̄ー ̄)」弘樹

 んだな!きっと武蔵は会いにきてくれるはず。
一緒にあの裏庭で過ごした時間があるから大丈夫さ。

 懐かしい記憶が呼び覚まされる・・おもしろ切ないドラマですなぁ・・


 第一話 恋と恐怖
 第三話 後悔
 第四話 痛み
 第五話 愛
 第六話 夢
 第七話 夢の続き
 第八話 覚悟
 第九話 戦い

こたつ