今回は運の使い方と師匠のお話。
その一例として様々なギャンブルにチャレンジする和田編集長(松重豊)の姿も描かれました。
「社長 久慈勝 伝」もあり、いつもとちょいと違った構成の「重版出来!」でしたぞ。
HPはこちら

 さて、五百旗頭(オダギリジョー)は最近、誰かの視線を感じており、編集部ではストーカー被害疑惑が湧き上がっていた。
って、その時ストーカー候補として「元妻」ってワードが出て、ドキン!
五百旗頭、離婚経験者なのね〜
で、今は独身なのね〜ヾ( 〃∇〃)ツ キャッ!


 実はストーカーは心(黒木華)だった。
五百旗頭を心の師匠と仰ぐ心(ややこしや)は彼を観察することで何とか近づこうとしていたのさ〜
心によると五百旗頭は希に見る善人。
買い物のおつりは必ず募金箱へ入れる。
困っている人がいれば、すかさず助ける。
車が来なくても信号順守。

「あんなに仕事ができる上に尋常じゃないレベルの善人だなんて!」

 編集者としても人間としてもすばらしい!
サウイフモノニ ワタシハナリタイ!!
でも男性としては見ていないらしい・・・( ̄∇ ̄;)

 
重版出来! 1 (ビッグコミックス)
 心を失恋させた東江さん(高月彩良)は原作サイドのオッケーも出て製作に入りました。
でも安井との打ち合わせんに不安を感じているようです。
3話分のネームもすんなりオッケー。会話は締切日の伝達のみ。

 一方、中田(永山絢斗)は心の細かい直し案を元に漫画を何度も描きなおし、
新人賞応募の原稿を作成していた。

 どちらも不安要素はあるけど、自分が決めた道を歩いていくしかないやねぇ・・・

 さて、心は五百旗頭から大塚(中川大志)の初単行本(これまでの読み切りのオムニバス)化の手伝いを命じられ大ハッスル。
五百旗頭に初めて作ったのは誰の単行本か尋ねております。

「大先輩。漫画じゃないけどさ」

 それは五百旗頭のデスクにいつもある本。
「宮沢賢治詩集」だった。
五百旗頭は最初は文芸部に所属していたらしい。


 単行本設計図ができあがり、五百旗頭と心は大塚と打ち合わせ開始。
初めて手にした設計図に大塚も感激しております。
単行本は今まで描いたもんをそのまま出すだけじゃないんだね。
加筆修正したり、あとがき漫画を描いたり、表紙となるカバーラフを何点か考える。
それを元にデザイナーさんが装丁デザインを考えるんだって〜。

 いや〜ドキドキわくわく心踊る作業だろうねぇ・・・
緊張とプレッシャーもあるだろうけどさ。
一巻目が売れなきゃ次がないからホント大事だわーー


「新人の編集者が見落としがちなのが重版がかかった時の収支。
つまり重版でどれだけ儲けられるか。
かっこいい装丁にしようって張り切りすぎて高い原価で作ってしまうと本が死ぬ」
「・・・・・死ぬ?」
「儲けが出ない本は重版をかけてもらえない。
重版が無理でも、せめて黒字の実績が残るよう作れ」
「・・・実績が残せなかったら・・?」
「あの作家は売れないって会社にレッテルを貼られる。
そうなると次の単行本が出しにくくなる。
新人に限っては絶対に重版のかかりやすい本の設計をしろ。
作家の可能性に傷をつけるな

 ほわ〜〜o(@.@)o 編集者の判断力というか決断力というか方向性によって
作家さんの運命が変わってしまう場合もあるんやろね〜


 五百旗頭は本の装丁を売れっ子デザイナーの野呂(ヒャダイン)に頼んだ。
忙しい野呂だからスケジュールの話をする前にちゃんと刷りだしを送っておいたそうな。
元々サッカーをやっていた野呂は作品が気に入り、他の人に仕事を取られたくないとまで言って引き受けてくれた。

「方向性は?」野呂
「売れるデザインで。
大塚先生にとって初めての単行本です。
この後、本格的な連載に持ち込んで次の単行本ではマルイチ、
第一巻の印をつけたい。
そのためにはこれを確実に売らなければならないんです」
五百旗頭

 もちろん作家に実力があってこそでしょうが、完璧なリサーチや法則性を知ることで「売れるもの」を創るのは可能でしょう。
でも多分ヒットするものはそれだけじゃない。
その時の空気やいろんな人間の発想や技、偶然の思い付きの組み合わせで思いがけない魅力に到達することがあるんじゃないかな。
関わり合う人間の方向性は一致していても到達点は見えていないのかもしれないね。その方がおもしろい。


 さて、心は五百旗頭のいい人の秘密を知ることができました。

「常に良い行いをするってのは、うちの久慈社長のポリシー。
俺はただそれを真似てるだけ」五百旗頭

 五百旗頭は自分が作った初めての単行本「宮沢賢治詩集」を心に見せた。
この本は社長の肝いりで出版されたもので、製作中にしょっちゅう顔を見せてくれていたそうな。
それで社長のことを知るようになったんだけど、久慈は大手出版社の社長であるにも関わらず電車通勤をしているそうな。
酒も煙草もギャンブルもやらない。
家は借家で必要最低限の暮らしを守っているんだって〜

「まるで聖人ですね」心
「俺も最初はそう思った。
でも聞いたらさ、どれも運を貯めるためだって言うんだ」五百旗頭

 ここから、久慈社長の一代記始まり始まり〜

 久慈勝は貧しい炭鉱町で生れた。
炭鉱夫だった父は肺を壊して亡くなり母一人子一人で育った。
中学の担任は頭のいい勝を高校へ行かせるよう母を説得してくれたが
母はがんとして受け入れなかった。
「貧乏人には貧乏人の生き方があるとです!」

 勝は高校進学を諦め炭坑で働くことにしたが、
卒業式の日、母は男と消えてしまった。
人生に希望を失くした勝は悪い仲間とつるんで博打や強盗に手を染めるようになていった。
ある夜、川べりで釣りをしていた金持ちの爺さん(火野正平)を襲おうと鎌を喉元に付きつけた勝は爺さんの言葉に固まったしまった。

「おいを殺したら、わいの運は尽きるぞ。
ええこと教えちゃる。運ば貯められると。
世の中はな、足して引いてゼロになるごとできとう。
生れた時に持ってるもんに差があっても、札はおんなじ数だけ配られよる。
ええことしたら運は貯まる。悪いことしたら、すぐに運は減りよる。
人殺しげな、一巻の終わりたい。
運ば味方にすりゃ、何十倍も幸せは膨れあがりよる」
爺さん
「・・・・・・・・」勝

 爺さんは鎌の刃を手で持ちましたで。

「問題は、どこで勝ちたいかや・・・
自分が、どがんなりたかか、自分の頭で考えろ。
考えて考えて吐くほど考えて・・・見極めろ。運ば使いこなせ」

「・・・・・そがんこと・・・(´゚Д゚`;)」
「おいの言うことが信じられんか?信じられんなら、それがわいの運たい」
「・・・・・・・」


 いや〜またしてもナイスキャスティング!
火野正平さん・・・地獄と極楽の両方を見ているかのような・・・
人間臭さもありながら仙人のようでもあり、神がかり的雰囲気が静かに伝わってくる。
ええとこにいますなぁ・・・


 その後、地元のゴロツキに半殺しの目に遭わされた勝は町を出る決意をした。
上京し、町工場で、ただ生きるためにひたすら働いた。

 ある日、同僚が『俺の田舎の詩人だ』と言って本をくれた。
『宮沢賢治詩集』・・・
本を開いた勝はそこに新しい世界を見た。。
特に『雨ニモマケズ』には激しく心が揺さぶられた。

『ただ、文字が並んでいるだけなのに、どうしてそんなに泣けたのか・・・』


 その詩に力を得、導かれた勝は仕事をしながら学ぶようになった。
いつしか勝はその詩の『デクノボー』のように困っている人がいたら助け、
ただ前を向き、やるべきことをやり、日々を大切に生きるようになっていった。


 10年後、勝は『宮沢賢治詩集』を出版した興都館の編集者となっていた。
ある夜、麻雀で「九蓮宝燈」(よくわからんが究極の役満ということで運を使い果たして死ぬと言われているそうな)で上がった勝は、あの爺さんの言葉を思い出した。

『問題はどこで勝ちたいかや・・・運ば使いこなせ・・』

 すると、そこにアパートが火事になったという電話がかかってきた。
隣の家からのもらい火でアパートは全焼し家財一式を失ったが、妻子は無事だった。

『私はギャンブルを止めた。酒も煙草もやめた。
趣味は散歩と掃除。家は借家。車も持たない。
贅沢はせず、必要最低限の生活。
そうして一年が経つ頃、偶然に買い付けた無名作家の
海外ミステリーがモンスター級の大ヒット。
重版に次ぐ重版出来』


『もし運が貯められるなら、私は仕事で勝ちたい。
すべての運をヒットに継ぎこみたい。
そのために私は運を貯め続けるのです』


「俺も勝つなら、ここぞってとこで勝ちたい。
だから運を貯めてる。まぁ、半信半疑だけどな」五百旗頭

 二人の会話を聞いていた和田編集長・・・
本に挟んであった宝くじ(本屋さんでもらった)を「これでうまいもんでも食え」と
壬生に渡しましたぞ。

「(一瞬大喜び)・・・・食えねぇし!!」壬生(荒川良々)

 う〜む・・・おもしろいですなぁ・・・「善行銀行」か・・・
よく『こんなとこで運使いたくないし』って言葉を聞くけど、
要は、なら、どこで使うかだよね。
でも勝は運の貯め方というよりも、生き方を教えてもらったよね。
あの時の勝は真っ暗闇の中の分かれ道にいて、そのままなら地獄へまっしぐらだった。
お爺さんの言葉が光の言霊となり導いてくれた。
そしてその先にあった『宮沢賢治詩集』が灯となった。
出会いとは不思議なもんだす。
でも選択をしてきたのは勝本人なんだよね。


 さて『KICKS』単行本のカバーラフが3案できあがった。
社内の意見はそれぞれ年代により分かれ、決めかねていたんだけど
和田の一言で横顔がアップになっているものは外された。
残りは主人公がボールを蹴っているものと仲間と並んでいるもの。
心は書店員の河さん(濱田マリ)に相談した。

 ここもおもしろかったな〜
書店員の視点で真剣に考えてくれた河さん。
実際と同じように本に巻いてみて平台に並べる、
発売日を確認し、平台に並ぶ他のコミックスの中に置いてみる。
河のアドバイスのおかげで、ベースの色は白に決定。
どちらの案でいくかは野呂に任せることにした。


 野呂さんマジックに期待をかける心でしたが、実は野呂も師匠に言われたことを守ってきたそうな。

「『世の中をよく見ろ。世間は遊びで溢れている。
書店へ行けば途方もない数の本が並んでいる。
その中から一冊を選んでもらう魔法はない。
だから、考えろ。
考えて考えて決められた予算の中でできうる限り最大最高の仕事をしろ。
常に己に問え。
自分の仕事だと胸を張れるものを世の中に送り出せているのか』」
野呂
「『胸を張れるものを、世の中に』・・・・」心

 野呂の創作過程を覗けたのは興味深かったですなぁ。
イメージを広げるためにサッカーの練習場に行ってみたり
連想ゲームのように脳内でイメージを繋いでみたり・・・
自分で自分にダメ出しをし、創造と破壊を繰り返し、そぎ落とす。
今の自分にできる最高のものを産みだすため努力する(でも楽しそう)姿がリアルでした。


 そして中田の新人賞応募原稿は完成しました。

「何回もの描きなおし、お疲れ様でした!」心
「・・・・この・・・あとは・・?」中田
「この原稿を編集部内の新人賞の会議のかけます。
大賞を取れれば本誌に掲載。デビューです!
「取れますか?」
「やれることは全部やりました。
今の中田さんが描ける最高の原稿です。
胸を張って提出できる作品になったと思います」


 ダメ出しをされている時、なんか困惑しているような表情だったから
ちょっと精神的にキツクなってるようで心配だったんだけど、
やっと中田に笑顔が出たね。
心を信じてやってきたというよりも、中田も心の指摘を受け止め
選択しながら自分の中に吸収発酵させてきたんだろうな。
出会いを生かすも殺すも本人次第。
たとえ新人賞が取れなかったとしても、この日々は中田の糧になるはず。


 さて、営業部では年に一度の「大掃除」の時期が近づいており、
小泉(坂口健太郎)も葛藤しつつ作業を進めていた。
「大掃除」とは担当している単行本の在庫を確認し廃棄する数を決めるというもの。

 五百旗頭はそんな小泉と心に、翌日社長が行く場所に同行するよう命じた。
そこは『古紙再生流通センター』。
社長は毎年、この時期になると必ずここに来て廃棄が決まった雑誌や単行本が断裁されるのを見届けていた。

「社長は毎年、ここへ?」心
「はい。我々は毎年多くの本を出版しています。それは誇りです。
生きていくのに必ずしも本は必要じゃないかもしれない。
読まなくとも生きていけるかもしれない。
だが、たった一冊の本が人生を動かすこともある。
誰かに救いをもたらすこともある。
だから私は一冊でも多くの本を読者に届けたい。
それが本への恩返しなんです」
社長
「恩返し・・?」
「本が・・・本が私を人間にしてくれた」
「・・・・・・」
「これからも私は本を売ります。
だから、ここへ来るんです。この痛みを忘れないために」


 社長の真摯な言葉に泣けたよ・・・
本に救われ、本に導かれたきた社長だからこそ言える言葉。
あの本に出会えた奇跡のおかげで今の自分がある。
「痛みを忘れないために」という言葉から本への強い愛情と責任感が伝わって来た。

 業界で最初に電子出版部を立ち上げた久慈でしたが、紙の本は出版し続けると言っていた。
私も、本を手に取り、ページを捲り、文字を辿ることで出会える特別な世界があると思う。
紙の本という形があるからこそ起こる奇跡もある。


「忘れません。この光景、決して」
「・・・・・・」小泉
「・・・・・・」社長

 同時に描かれた書店で自分の初単行本に対面する大塚と見守る五百旗頭の姿。

「僕、忘れません。決して忘れません。この光景」

 生れてきた本と消えて行く本。
断裁された本はゴミになってしまうのかもしれないけど、それだけじゃない。
心も小泉も仕事をする者として大切なことを教わったと思います。


 新人賞の会議で中田への評価はAとDで真っ二つに分かれた。

「Dを付けた人も話のおもしろさは認めています。
唯一無二の発想力、ストーリーセンス・・・」五百旗頭
「だからって、この絵じゃ売れないよ」安井(安田顕)
「前よりマシじゃない?」
「マシレベルが事故レベルなんだから」安井
「内容はおもしろいです!」心
「絵がヘタな漫画は、う〜れ〜な〜い〜の〜!」安井

 絵がきれいでも物語がパッとしないというか、つるんとして
何のひっかかりもなかったら読まなくなると思うワ。
ヘタでも(まぁ、ヘタにも限界あるが)、いやヘタだからこそ響いてくる漫画もあるし


「これだけ独創性あれば通用するんじゃないですか?」菊池(永岡佑)
「ハハッ・・この絵じゃなぁ〜〜」壬生
「絵は未熟でも人の心に訴えかけるものがあると思います!
誰かの人生を動かすほどの作品をいつか描ける人だと思います!」

「いつかって、いつ?」安井
「これ、載せたら前代未聞だよ〜」壬生

「・・・・前代未聞・・・いいじゃねぇかよ。
見たことないもん載ってるのが雑誌のおもしろさだよ」
和田

 和田編集長の一言で中田の新人賞は決定!
中田の掲載を決める・・・これもまた和田のギャンブルなのかも。
競馬に競艇、ことごとくはずしてきた和田だけど、
そのギャンブル運は『バイブス』に注ぎこまれている。
でも、まだ社長ほどは悟れていないようで・・・
当たり宝くじが社長の元にいってしまったのは一生忘れないだろうなぁ・・・

 そして当たりを確認しながら、その宝くじを孫に折り紙として渡す社長・・・
やっぱり違うねぇ・・・そこまでやるかい・・・( ̄∇ ̄;)
当たった時点で運の焦点があっちゃったような気がするけど
使わなきゃいいのかい?
換金されなかった宝くじは慈善事業に寄付されるんだって〜
善行銀行に預金がガッポガポよ〜!


 中田君の新人賞受賞は三蔵山先生(小日向文世)の事務所内にもすぐに伝わった。
衝撃を受ける沼田(ムロツヨシ)・・・
アシスタントが楽しいって言いきれるならいいけど、そうじゃないもんねぇ?
デビューしてくているんだもんねぇ・・・
ちょっと進退考えちゃうかも。

 そして東江さんは安井からいきなり今まで描いたものを全部ボツと言われてしまった。
どういうことよ?なんで〜?もしかして他の人にも描かせていたの?
それとも企画自体がつぶれたの??
東江さん、漫画界に不審を募らせてしまうよね〜
はたして生き残れるのでしょうか〜?


 第1話 夢を描いて感動を売れ! 涙と勇気がわきだす新人編集者奮闘記!
 第2話 これが僕の仕事だ! 幽霊社員の本気の営業 !
 第3話 天才 VS ド新人編集!先生の信頼を守りたい
 第4話 目指せ金の卵発掘! 新人ツブシに宣戦布告
 第6話 勝ち続ける仕事術・・・新人ツブシの秘密とは?
 第7話 天才 VS 凡人・・・マンガの神様に愛されたい!
 第8話 鬼編集長男泣き! 14歳の笑顔を取り戻せ!
 第9話 好きです 突然、愛の告白…成るか!?初連載!
 最終話 私は忘れない!心が震える瞬間を…

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