さて、先週ラストの比奈子(波瑠)と中島(林遣都)との会話の続きからスタート。
鑑定を行うような中島の探りに、あえて乗った比奈子は隠すことなく自分について教えた。


「藤堂さん、あなたはどうして殺人事件の犯人に
それほど興味を抱いているんですか?」中島
「それは・・・自分を知りたいからです。
このナイフ、いつも鞄の奥にしまってあるんです。
いざという時のために」比奈子
「・・・今が・・・その、いざという時なんですか?」
「いいえ。殺人犯に対面した時です」
「・・・・それはつまり・・殺人犯を自分の手で殺害したいと?」
「結果的に正当防衛で殺すかもしれない・・という意味です」

 それは『正当防衛』という法律的に許された状況で「殺したい」ということだろうか・・
「かもしれない」と言いながら、比奈子からは能動的な「殺人」への欲求が見えた。


「怖くはないんですか・・?逆にそれは・・・
殺されてしまうかもしれないということですよ?!」

「・・・・「怖い」・・・という感情が理解できないので」
「あなたは恐怖だけでなく・・・感情自体も・・・」
「ええ」

 まさに感情がないらしく淡々と比奈子は話した。
対する中島こそが恐怖と深い動揺を感じている。
この様子を見ていると、彼は殺人者にはなれないと思ったぞ。


「中島先生は私のこと、いつから気づいていたんですか?」
「違和感を感じたのは・・・
あなたの同僚が殺害された事件の現場でお会いした時です。
あの場に笑顔で現れたことも、その後の表情の変化も、あまりにも不自然でした」
「仁美はとてもいい子でした。
ですから、彼女の死を悲しいと思うべきだと判断した結果です」
「『思うべきだと判断した結果』・・・・
ただそれなら、僕と話している時も笑顔は慎むべきでした」
「子供の頃からずっとこうでした。
演技もうまくなったつもりでしたけど・・・わかる人にはわかるんですね」

 子供の頃から・・・
普通、感情を失うというとショックを受けるできごとに遭遇したり、激しい抑圧の結果だと想像するけど、比奈子の場合は生まれつき感情がない?
それとも、そう思っているだけ?

 理解できない「感情」というものを様々な場面から学習し演技として体現してきた。
今までバレずに生活を送ることができたのは常に人間というものを観察し、考え、先を読み行動できた頭の良さなんだろうね。

 彼女が警察官になったのは殺人者と接する機会を利用して自分の中にある殺人衝動のスイッチを探ろうと思ったのか。
それとも犯罪者になる恐れのある自分への抑止力になると考えたのか?


「先ほど、殺人犯に興味がある理由について自分を知りたいからと
おっしゃっていましたが、それは子供の頃からですか?」
「中島先生、ひとつ聞いてもいいですか?
私のような人間は・・・・いつか必ず人を殺すんでしょうか?
私はそれが知りたくて警察官になったんです」

 自分のことを見抜き、それでも気持ち悪いと思わずに、
さらに探求しようとする中島、
そして一歩一歩と内面へと侵入してくる中島を何の抵抗も無く受け入れる比奈子・・・
これはお互いにとって実りのある興味深い時間だったと思います。

 前回の冷凍殺人の犯人ケンジ(間宮祥太朗)は中島のことを『あなたの二人目の理解者』と呼んでいたけど、一人目はやはり母・香織(奥貫薫)なんだろうね。
感情のない比奈子にとって母親は『良心』だったはず。
だから母親を失った後の比奈子は七味を味わうことで、母親の存在を意識して
なんとか社会生活を送っていられるのかもしれない。


 比奈子との会話からわかったことを中島はPCに記録していたんだけど、
そこには・・・
『反社会的性質 良心、共感能力の欠如 冷酷 無慈悲 サイコパス』
の文字が・・・
HPはこちら

ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)AID 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
 今回の異常犯罪は幽霊屋敷と呼ばれている館で見つかった4体の女性の遺体。
ぞれぞれ両腕、臀部、胸部から腹部、両足を切断されていた。
そしてドレスやネグリジェ、エプロンなど遺体のために用意したと思われる衣類を身に着け邸の各部屋に配置されていた。

 検死をした石上(原田美枝子)によると遺体を切り取るために使ったのは裁ちばさみのような大きなはさみ。
ミイラ化した遺体のみ紐で絞殺されていたが、他の三体は首の頸動脈を切られた失血死。
絞殺死体は衝動的殺人のようだが、3体は切り取った部分の腐敗を遅らせるために血抜きをしたと思われ計画性が見られた。

 容疑者として比奈子と倉島(要潤)が聞き込み中に知り合った吉田佐和(中島亜梨沙)のストーカーである永山宗一郎(罐献腑鵐潺腑鵝砲鮖情聴取したが、証拠が見つからないうちに弁護士が現れ保釈することになった。

 さて、前回のプロファイリングが犯人逮捕に繋がったことから厚田(渡部篤郎)が中島にプロファイリングを依頼。

 普段の挙動不審でオドオドな姿とプロファイリング画面に現れる知的でかっちょいい姿とのギャップに萌えるわぁ〜
プロファイリングの結果説明の場面はなかなか盛り上がりますな〜
ま、中島が優秀すぎて刑事さん達が後手後手になってしまうのは、よくあることだす( ̄∇ ̄;)


『この事件の犯人にとって、この廃墟となった洋館と損壊された遺体は
一種の作品のようなものです。

犯人は被害者となった女性達から最も美しい部分、腕や足、胸などを
奪い取り館の各所に配置した。
暖炉のある部屋の遺体にはイブニングドレスを着せ、調理場の遺体はエプロン姿。
和室の布団の上に寝かされた遺体はネグリジェ姿。
そしてホールの遺体にはパーティドレスというように。
廃墟となった各ある場所に体の欠損した遺体を置くことで
いわば完全な不完全という状況を意図的に生み出している。

一方、その行動には脅迫的なコンプレックスが垣間見えます。
犯人は自らの体が不完全であることを嫌悪し、完全な人体パーツを奪い去ることで完全な自分になることを望んでいる。
遺棄された遺体はすべて犯人自身のコンプレックスを投影した存在。
自分が完全な美しさを奪われた同じ苦しみを被害者にぶつけ
彼女たちになり替わろうとしている。

つまり、この事件の犯人は女性です。
それも被害者達とごく近しい一見すると何のコンプレックスもなさそうな・・・』


 犯人は佐和の友達の佐藤都夜(佐々木希)だった。
遺体の一部を持ち去ったのはその皮膚をはいで完璧なマネキンを創るためだった。
永山を殺害し洋館に隠した後、佐和と比奈子も拉致。
それに気づいた厚田達が動き始めるってとこで、今回は終わり。

 比奈子も中島のプロファイリングを読んだ時点で気づいたのかもしれないけど
その時はすでに睡眠薬盛られていたからな〜
比奈子のお顔の皮膚を狙って都夜が裁ちばさみを手に迫ってきましたぞ〜

「ちょうだ〜い・・・あなたの顔の皮も」都夜
「取れるならどうぞ。
私も最初から助けを呼ぶ気はなかったですから」
比奈子

 縛られた背後の手にはあのナイフが握られていた。
ついに殺人犯を殺す時が来たのか・・?
比奈子は自分自身を知ることができるのでしょうか。


「私のような人間は・・いつか必ず人を殺すんでしょうか?
私はそれが知りたくて警察官になったんです。
殺人という一線を超えてしまった人間・・・
その衝動のスイッチを押した彼らと心を持たずに生まれてきた私は
同じ種類の人間なのかどうかを」


 なぜだろう・・
殺人者と対する比奈子の姿からは聖らかな気配すら感じる。
自分が殺す側の人間なのか知りたいという切実な疑問は
自分は生きていていい人間なのか知りたいという思いにも通じるようで。
波瑠さんの横顔から美しく清らかな獣の生きる力を感じました。

 比奈子という人間の姿が徐々に見えてきましたな。
波瑠さんの公の場でのオンの表情、そしてある種のワードに敏感に反応しオフになった時のうつろな、本当になにもない表情へのチェンジが自然ですばらしいです。

 そして・・・波瑠さんができる子すぎるからか、対する都夜は貫禄不足に思えました。
獲物を獲得した喜びも異常さもほとんど伝わってこない。
もったいないな〜こんないい役なのに。
佐和の娘・遥香(住田萌乃)の「あの人も怖い」というセリフも生きてこないよ。
殺人者が魅力的じゃないと、このドラマのおもしろさも半減してしまうわ〜惜しいよ。


 そうそう、自殺事件には進展がありました。
自殺した強姦殺人犯の宮原(清水優)、仁美を殺害した大友(三浦貴大)、強盗殺人犯の鮫島の頭部を調べたMRI画像を石上が確認すると、みな脳内の同じ場所に腫瘍が発生していた。
もしかしたらその腫瘍が異常な自殺を引き起こした原因かもしれない。
しかし3人には外科的な手術を受けた痕跡はなかった。
腫瘍を人為的に脳内に発生させる方法は石上も未だかつて聞いたこともないそうな。

 秘密裡にそういう実験をしている者がいるんでしょうよ〜
最もクロに近いのはやはり早坂院長(光石研)よね。
比奈子と会った件について中島に探りを入れていたし、何等かの密命を中島に与えている雰囲気が・・・
もしかして中島は早坂を探るために奴のところにいるのか?

 中島の精神的な危うさがたまに見えるところが興味深い。
彼も何かと戦い続けている。
それぞれの人物像が少しづつ立体的に深くなってきているのがいいですな。
来週も楽しみ。


 第1話 新人刑事が殺人者への探求心で難事件を暴く 型破り捜査班&最高に危ないヒロイン誕生
 第2話 謎の凍結遺体…犯人への危険な興味
 第4話 女刑事VS女殺人鬼・・・自死操作の陰謀
 第5話 猟奇自殺事件の謎・・・裁かれる罪人
 第6話 リッチマン殺人事件・・・比奈子の過去
 第7話 毒物死へ誘うAID・・・比奈子の殺意
 第8話 美しき殺人鬼が脱走・・・悪夢の扉開く
 第9話(最終回) 私は刑事か、怪物なのか

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