June 2009

June 30, 2009

整数の基本事項・その6

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・例題4
n^2-1が3で割り切れるときの自然数nを求めよ.
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先に出てきた「合同式」では

 aとbがnで割った余りが同じなときに
  a≡b (mod n)
 と表すことができる

ということになっていました.
これは

 自然数は「nで割った余り」で分類ができる

という話に繋がっていきます. このような自然数の分類を「剰余類」といいます.

この考え方を使っていくと, この問題はうまく解決ができます.

 「n^2-1が3で割り切れるときの自然数nを求めよ.」

となっているので, nが3で割ったときに「1余る」「2余る」「割り切れる」のそれぞれのときに「n^2-1」がどうなるのかを調べてみましょう.

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(1) nが3で割りきれるとき, n=3k(kは整数)とおけるので, このとき,

 n^2-1=(3k)^2-1=3(3k^2)-1

となりこれは3で割り切れない.

(2) nを3で割ると1余るとき, n=3k+1とおけるので, このとき,

 n^2-1=(3k+1)^2-1=3(3k^2+2k)

となり, これは3で割り切れる

(3) nを3で割ると2余るとき, n=3k+2とおけるので, このとき,

 n^2-1=(3k+2)^2-1=3(3k^2+2k+1)

となり, これは3で割り切れる


よって, n^2-1が3で割りきれるのは

 nが3で割りきれない数のとき

である.
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ちなみに, これらの話は合同式を用いると,

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(1) nが3で割りきれるとき, n≡0(mod 3) (以下, 「mod 3」を省略)より,

 n^2-1≡0^2-1≡-1≡2

となりn^2-1は3で割り切れない.

(2) nを3で割ると1余るとき, n≡1より,

 n^2-1≡1^2-1=0

となり, n^2-1は3で割り切れる

(3) nを3で割ると2余るとき, n≡2より,

 n^2-1≡2^2-1=3≡0

となり, n^2-1は3で割り切れる
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という具合になります.



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June 29, 2009

整数の基本事項・その5

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・例題3
次の式を満たす整数の組(x, y)を求めよ.
  xy+x+2y-3=0
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整数においては「足し算」よりも「かけ算」の方が見通しが良くなることが多いです. だから. この方程式も「無理矢理に積の形にしてしまう」ということをしてみましょう.

 xy+x+2y-3=0

をその方針で式変形すると

 x(y+1)+2(y+1)-5=0
 (x+2)(y+1)=5

となります.
こうなると, x+2とy+1は両方とも整数なのでこれらをかけて5になるのは

 (x+2, y+1)=(1, 5), (5, 1), (-1, -5), (-5, -1)

の4組しかないということから,

 (x, y)=(-1, 4), (3, 0), (-3, -6), (-7, -2)

だけがこの方程式の解になるということがわかります.



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June 28, 2009

整数の基本事項・その4

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・例題2
次の式を満たす整数(x, y)の組をすべて求めよ.
  3x+5y=1
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 3x+5y=1

をうまく式変形をして

3×(整数)=5×(整数)

の形にすれば例題1をうまく活用することができます.

そこで, このような式変形をするために, 「3x+5y=1」を満たす1組の(x, y)を見つけてみます.
すると,

 3×(-3)+5×2=1 …

であるので, (x, y)=(-3, 2)が「3x+5y=1」を満たす1組の(x, y)であることがわかります.
,亮阿論気靴ぜ阿任垢里

 3x+5y=1
 3(-3)+5・2=1

の差を取った

 3(x+3)+5(y-2)=0

も正しい式になります.
よって, 3x+5y=1は

 3(x+3)=5(2-y)

と式変形できるということがわかるのです. そして, これと例題1の結果から,\\

 (x+3, 2-y)=(5k, 3k) (kは整数)
 ∴ (x, y)=(5k-3, 2-3k)

と解を求めることができるのです.

この方法はいろいろな参考書に書いてはありますが, 実際には「3x+5y=1」を満たす一つの解を見つける, というのは「3×(整数)=5×(整数)」の形に式を変形するためにする作業なのです.


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June 27, 2009

整数の基本事項・その3

<いろいろな整数問題>

ここからは、ここまでに出てきた基本事項を踏まえた上での「整数の問題」について考えていきましょう。


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・例題1
次の式を満たす整数x, yをすべて求めよ.
  3x=5y
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 3x=5y

となっているとき, 3xも5yも「3の倍数でもあり, 5の倍数でもある」となっていないといけません.

でも, 3と5は互いに素な自然数なので, 「5が3の倍数」や「3が5の倍数」となるわけにはいかないのです。

ということで, まず, 3xが5の倍数であるのだから,

 xが5の倍数

ということになり,

 x=5k (kは整数)

とおけるのです. そしてこれを元の式に代入すると

 3・5k=5y
 ∴ y=3k

となります. これより,

 (x, y)=(5k, 3k) (kは整数)

がこの問題の答えになります.
ちなみにこれは,

 (x, y)=(-10, -6), (-5, -3), (0, 0), (5, 3), (10, 6)…

といったものをまとめたものです.

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June 26, 2009

整数の基本事項・その2

<合同式>

「…の倍数である」とか「…で割ると\circ余る」などどいった問題のときにはこの「合同式」が役に立ちます.

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・定義2(合同式)
整数a, b, nについて,
「a-bがnの倍数」であることを,
  a≡b (mod n)
と表す.
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定義はこのようになっていますが, つまりは「aとbはnで割った余りが同じ」という意味です. この合同式は, 次のような性質があります.

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・定理1(合同式の演算)

a≡b, c≡d (mod n)であるとき,
  a+c≡b+d, ac≡bd
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[証明]
a-b, c-dがnの倍数であり,
  (a+c)-(b+d)=(a-b)+(c-d)
となるので, (a+c)-(b+d)もnの倍数となります. よって,
  a+c≡b+d
また,
  ac-bd=ac-ad+ad-bd=a(c-d)+d(a-b)
となるので, ac-bdもnの倍数になります. よって,
  ac≡bd
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この演算を用いると「a^nを3で割った余り」とか「a^nの一の位(a^nを10で割ったときの余り)」などを計算する上で楽になります.



<ユークリッドの互除法>

最大公約数を求める方法として用いられてきた「ユークリッド互除法」は, それをそのまま整数問題として応用させることが多いようです. 知っておいても悪くはないものです.

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・定理2(ユークリッド互除法)
a>bのとき, aをbでわったときの商をq, 余りをrとすると
  a=bq+r
となり, このとき,
  (a, bの最大公約数)=(b, rの最大公約数)
となる.
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[証明]
a, bの最大公約数をmとすると,
  a=a'm, b=b'm
と表せ, このとき,
  a=bq+r ⇔ a'm=m(b'q)+r
となるので, rがmの倍数となります.
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~
これを用いると, 128と24の最大公約数は,
  128=24\times 5+8
  (128と24の最大公約数)=(24と8の最大公約数)
  24=8\times3(+0)
  (24と8の最大公約数)=8
となるので, 8であることがわかるのです.


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June 25, 2009

整数の基本事項・その1

ここから何回かで「整数」についてみていきましょう。


<倍数・約数>

倍数とか, 約数という整数に関する話は, 知っているようで実はまとめたことはないかもしれないですね. 整数問題が解きにくいというのは, この「整数の性質」にふれる機会が少ないからかもしれません. 倍数とか約数とかは「知っていること」なのですが, 実査に使えないのは, 「ふれる回数がすくないから」ということに他なりません.


日常生活も含め整数を見たら, いろいろ考えてみる習慣をつけるといいですね. 複数の桁の数字, 例えば, 「切符の右下の4桁の発券番号」「歩いているときに擦れ違う自動車のナンバープレートの番号」などなど. その数字の各桁の合計とかを計算してみたりするといいかと思います.


さて, 倍数は以下のように定義されます.

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・定義1(倍数・約数)

「aがbの倍数」であるとは, 「aがbの整数倍」となっていることである.

このとき, bをaの約数という.
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このことから, 0は「すべての整数の倍数」となります. 実際, どんな整数nにたいしても,
  n・0=0
となります.

なお, bがaの約数であることを「a|b」と表すことがあります.


<素数・公約数・公倍数>

「1よりも大きい」自然数のうちで, その数と1以外の正の約数をもたない数を, 素数(prime number)といいます. 1は素数にはなりません. また, 素数でない数を合成数(composite number)といいます. そして, 1より大きい整数を素数の積で表すことを, 素因数分解といいます.

文字でおかれた整数でも, その数が合成数であるときは素因数分解ができると思うと問題が解決できることがあります.

ちなみに, 1つの自然数に対して, 素因数分解の仕方は1通りに定まります. というよりも, 素因数分解の仕方がどの自然数に対してもそれぞれ1通りになるようにするために, 1を素数から外した, と考えることもできます。


2つの整数a, bにたいして, a, b両方の倍数となる数を公倍数といいその宰相のものを最小公倍数といいます. また, a, b両方の約数となる数を公約数といい, その最大のものを最大公約数といいます. 最大公約数が1であるとき, その2つの数は「互いに素」であるといいます.

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June 24, 2009

「典型的」から「難問」へ

小生の勤務する予備校においては、前期(一学期)の授業が残り二週間となりました。
その後は夏期講習へと突入していきます。

どんなに遅くてもそろそろこの時期になったら始めなくてはいけないことがあります。
それは、

「入試問題を解ききる訓練」

です。

当ブログの「数学の成績を上げ, 合格するために(連載・第2回)」でも書いたことなのですが、実際の入試問題を解くためには、今まで習ってきた知識を最大限に利用し、試行錯誤をした上で、問題を解ききることが大切になります。

その際、「典型的な問題」で使ってきた考え方がしっかりしているかどうかも同時に確認する必要があります。

「この問題に、あの問題の解きに使った考え方を使ってみようと思うが、それが使えるのかどうか」

といったあたりは典型的な問題の考え方がしっかりわかっていないと使えないものです。

とにかく頭をどんどん使って考えていくことが大切です

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June 23, 2009

得られる情報

今年の春の入試でめでたく大学に入学を決めた人の何人かに個人的にアンケートをとりました。

その中で印象的だったものの一つのお話です。

それは一浪して東大文一に受かった2人に対してのアンケートでの話です。
その2人の間には全く接点がなく、浪人していた際の予備校は同じだったが校舎は異なっていました。でも、その2人のアンケートの回答には共通点がいくらかありました。

その中で一際、目立ったのは、

「(カリキュラムに入っている)全ての授業に出た」

ということです。

浪人になると、授業を切ったりする人もいる中、その2人は全ての授業に出席したのでした。

その全ての授業の中には、数学の授業で内容の極めて易しいものも含まれているのです。
彼らにしてみたら、この授業内容の98%はよくわかっていることなはずで、予習もあっさり終わらせられたはずなのです。
それでもこの授業も切らずに出た、ということです。

きっと、「授業に出ることで得られる(2%ではあるが未知の)情報を無駄にしない」ということと「基礎的な話で自分の持っている認識に間違いはないのかどうかを確認する」という点で出ていたのではないかと思うのです。


基礎的な点で油断をしない。
少しでも情報を貪欲に手に入れる。

この姿勢は受験生としては大切な姿勢なのかもしれません。

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June 22, 2009

数学の成績が上がるきっかけ

高校数学は中学数学までと違って、チンプンカンプンになってしまうことが多いようです。

それは「解き方を覚えているだけでは、対処できない問題が多い」からです。


しかし実は「微分積分」の問題は「やり方さえ知っていれば解ける」という問題が多いのです。
したがって、受験の段階でいまいち数学が苦手な人は、まずはこの微分積分の分野の問題がしっかりできるようにしていくのが一つの手だと思います。

そこで解ける問題が増えてくると、次第に数学に対して自信が持てるようになり、それが他の分野にも波及して、他の分野もどんどんと理解が進むようになるのだと思います。


数学が苦手な人は「解ける」という経験が少ないということがあるかもしれません。ですから、「解ける」という経験を増やしていくことも一つ大切なことなのだと思います。

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June 21, 2009

ケアレスミス

数学でよくあるのが「ケアレスミス」です。

「試験で高得点をとらなくてはいけない」というときに、このミスは致命傷になることがあります。

例えばセンター試験の場合、その答えに至るプロセスが合っていても結果が間違っていれば0点になってしまいます。
さらに、問題の最初の方で計算ミスをしてしまうと、その結果を使って後の問題を解かなくてはいけないときにはそれらの問題がすべて間違いになってしまう可能性もあり、とても危険です。


本来の数学においては「論理的に正しいかどうか」が重要なので、計算をちょこっとミスした程度はそんなに重大な問題ではないのです。しかし、試験で点を取るということを考えると、どうしてもそのミスを減らしていかなくてはいけません。


さて、このミスを減らしていくにはどうすればいいのでしょうか?


一つ目の対策としては、「計算力をつける」ことがあります。
短時間で計算ができるようになれば、ミスをチェックして計算するだけの余裕ができるようになります。百マス計算とかで計算力をつけていくことが一つの対処法です。

計算力がつくと、数値に関しての感覚がつくので、「このような結果になるはずがない」など、ミスをして変な結果が出てしまったとしてもそれに気がつけるようになります。


さて、もう一つの対策としては、

 「ケアレスミスの傾向を調べる」

ということです。
実は人それぞれでケアレスミスをしやすいところと、あまりミスをしないところとがあったりします。
今までにしてしまったケアレスミスをリストアップしてみると、意外と傾向があることに気がつくかもしれません。

展開の際に符号をつけ忘れたり、移項の際に符号を変え忘れたり、数字を写し間違えたりと、いろいろなミスの種類がありますが、やってしまうミスは意外と限られていたりします。

傾向をつかんで、そして、それらのミスをしないようにその部分では慎重になる、というのも手の一つだと思います。

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