July 2009

July 31, 2009

考えて解ききる・問題

入試数学で重要なことは「典型的な問題のinput」と「考えて解ききる経験」という話は、さんざんこのブログで言ってきたことですが、「考えて解ききる経験」のためにいい問題はないかと思ったとき、こんな問題なんかはいい問題かな、と思ったので、掲載しておきます。


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(2008.京大)

空間の1点Oを通る4直線で、どの3直線も同一平面上にないようなものを考える。
このとき、4直線のいずれともO以外の点で交わる平面で、4つの交点が平行四辺形の頂点になるようなものが存在することを示せ。
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次回以降、3回に分けてこの証明を掲載しますが、解ききるまではその証明を見ないように我慢しましょう。




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math_palace at 06:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 数学講座 

July 30, 2009

センター試験データ・2008

昨日に引き続き、センター試験に関するデータです。


・2008年度センター試験

数学IA・試験時間60分・100点満点・所要時間30分
第1問[1](2次不等式)図形問題と思いきや、普通に2次不等式の問題。立式は中学レベル
[2](命題と論理)必要十分系4択問題。最初の枠が決まると、その対偶が次の枠というサービス問題付き。
第2問(2次関数)「四の五の言わず平方完成」は今回も変わらず。2次関数の最大最小が例年に比べたら簡単か。
第3問(三角比と平面図形)前半は正弦定理・余弦定理、後半になり三角形の相似や接弦定理、方べきの定理を使うというのは去年からの傾向。「AD」や「AE」といったものを選択肢から選ぶタイプの旧課程第4問の形式が復帰。
第4問(場合の数・確率)去年に比べて簡単になったか。ただ、数え上げを慎重に行う必要あり。

ごたごた言わず、どんどん解いていくことがポイント。計算力のあるなしで大きく差が出る。


数学IIB・試験時間60分・100点満点・所要時間40分
第1問[1](指数・対数関数)ここ2年と違い、三角関数より指数対数が先になった。計算は指数法則と最後に対数の定義を用いるのみ。途中で、相加平均と相乗平均の関係が紛れ込んでいる。
[2](三角関数)Pがx軸から反時計回りに上がり、Qがy軸から時計回りに降りてくるという状況をつかめられたかどうか。扇形にしろ、PQの長さにしろ、中心角がわかれば秒殺。
第2問(微分積分)定2次関数に接しながら動く2次関数の問題。1/6公式がわかっていれば早く解ける問題もあり、計算力でかなり差が出る。後半は、図形の様子の変遷がつかめれば楽。
第3問(数列)必要条件だけでがんがん解いていけば、かなり楽な問題。後半、dnの漸化式からdnが等比数列であることにはすぐに気がつかないといけない。
第4問(空間ベクトル)すべての辺の長さがわかっている四面体の計算。大きさと内積の計算をどんどんやっていけばいいだけ。


第1問は「指数対数」「三角関数」、第2問は「微分積分」がメインテーマだが、その中に数学IIのその他のジャンル「数と式」「図形と方程式」が紛れ込むスタイルはこれからも続くのかしら。
計算量が多いのは例年のこと。問題を見てすぐに解き方の方針がつかめないと厳しいかも。





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math_palace at 06:00|PermalinkComments(2)TrackBack(0) 入試関連データ 

July 29, 2009

センター試験データ・2007

今日・明日は2007年と2008年度のセンター試験の速報の際に作った記事を掲載します。

過去問を解いた後の参考にしてみてください。



・2007年度センター試験

<数学IA>
[全体的感想]
去年より問題自体が難化している。量的には去年と同じ。
「段落が変わったら解き方が変わる」ことを念頭に置くと良かったのかも。

[第1問](必須問題)
去年と同じで[1]2次方程式, [2]集合と論理
[1]は初っぱなから絶対値がついた方程式だったので、唖然とした学生もいた可能性はあり。ただ、y=2(x-2)^2とy=|3x-5|のグラフを考えながら解けば、時間がかからなかったものと考えられる。
[2]は論理と集合からそれぞれ出題。「『AならばB』が真」というのを集合でとらえられたかどうかと、UnitとIntersectionの記号が使いこなせたかどうかがポイント。

[第2問](必須問題)
去年と同様、2次関数の問題。
「2次関数をみつけたら、四の五の言わず、すぐに平方完成」で、うまくいく。
x軸との2交点がともに負の場合や、最大値を場合分けで求め、最後は次数下げを旨く使って値を求めるなど、普通の勉強の中で出てくる話が満載だった。

[第3問](必須問題)
三角比を中心とした図形問題。去年と違って立体ではなく平面。
最初は、正弦定理、余弦定理、円に内接する四角形、三角形の面積公式などをどんどん使っていき、後半は(方べきの定理の元となる)三角形の相似などに着目をし、最後はS1+S2+S4=S3に気がつけば解ける。
しかしこの後半部分は、図形問題になれていないとかなり苦戦したのではないだろうか。

[第4問](必須問題)
去年と同様、場合の数と確率の問題。
サイコロを3回投げて、出た目の分だけ正六角形の頂点を移動する話。
「段落が変わったら解き方が変わる」というのはここで見られる。
(1)の1段落目は5C2=10通りで解き、2段落目は5^3=125で解く。
(2)の1段落目は直接数えていき、2段落目は余事象を使う。
このように試行をころころ変える必要性にとまどった学生も多いことのようである。


<数学B>
[全体的感想]
例年通り、分量の多いB。
今年は更にその度合いが増した気がする。

[第1問](必須問題)
[1]が三角関数、[2]が対数と領域
[1]は三角関数を加法定理で分解し、最終的には(2sinx-1)(2cosx+1)>0の不等式を解く。「暗記」的な数学の勉強をしている人には難しいところだったのではないだろうか。
[2]は対数を含む不等式を底の変換公式で変形していき、最後は真数を比較することによって出てくる領域を選択する。流れに乗ってしまえばなんて事はないが、真数条件、底の条件などを当たり前のように使いこなせていないといけない。

[第2問](必須問題)
微積分を中心とした問題。
g(x)-f(x)を求め、しばらくは2次関数の最大最小の問題。
後半、積分をするときに1/6公式が使え、最後の2接線のなす角の正接を求めるのに公式を使う。公式を知っていて、かつ、使いこなせるかどうかがポイント。
ここで短時間で解いて、他の問題を解くための時間を確保したい。

[第3問](選択問題)
数列の問題。
ここ10数年、センターでは見かけなかったa_n+1=3a_n+60という形の漸化式が出題。しかも、初項と漸化式を与えた直後に、一般項を聞いていることから、「このくらいは当然できるよね?」というメッセージが込められているのかいないのか。
ちなみに、枠が「a_n=(ア)^n-(イウ)」となっているので、アに漸化式のa_nの係数の3をいれ、初項が-27なのでその調整のために30をイウに入れればおしまい。
その後、二つの数列{b_n}{c_n}について{2b_n+c_n}が等差数列、{b_n-2c_n}が等比数列、{b_n+c_n}の階差数列がa_nなどなど、手早い処理が必要。

[第4問](選択問題)
ベクトルの問題。
空間だが、成分が与えられているのでかなり簡単。
流れに任せて手早く解けば、短時間で処理が可能なはず。

[第5問](選択問題)
統計処理の問題。
あらかじめ表が与えられているので、統計関連をちょっとでも勉強しその式と用語を抑えておけば意外と楽だったはず。
場合によっては、数列ではなくこれを解くのが作戦としては有効だったと思われるし、現にそれでうまくいった学生もいるようだ。


<その他>
「ミスするはずのない」IAでなかなか点が取れず、そのショックから昼休みに食事も喉を通らず、そのままBへ突入し、焦って焦ってBも崩壊、という結果になった受験生が少なからずいると思われる。
「解法を丸暗記する」という勉強法であったりすると、このような問題の出し方には対処できない。やっぱり「理解をする」ということを中心に勉強をしなければならない。
「センターのために数学をやる」というのでは今回は残念な結果だったのではないだろうか。現に、うちの予備校の私立文系クラスの受験生の数学の平均点は壊滅的だったとの情報もある。






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math_palace at 06:00|PermalinkComments(7)TrackBack(0) 入試関連データ 

July 28, 2009

答案の書き方

国公立大の2次試験や私立大の試験での数学で、証明や解答を記述する必要がある場合、その答案を書く際に、「採点する人に読んでもらう」という気持ちを忘れないようにしなければなりません。

もちろん、内容としても正しいことを書かなければならないですが、それとともに「日本語」の部分にも気をつけてほしいところです。「しっかりと採点する人に説明をする」つもりで答案を書くことが大切です。

夏休みの「典型的な問題のinput」から「実際の入試問題を考えて解ききる」勉強へ移項していく中で、是非この「答案を書く」ということも、訓練をしていってみてください。

math_palace at 06:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 大学受験数学 

July 27, 2009

現実にアイはない。

複素数のお話。

実数a, bを用いて表される複素数「a+bi」について、

 aが実部、biが虚部

といいます。英語では実部がreal part、虚部がimaginary partです。


iは2乗して-1になる数(虚数単位;imaginary unit)ですが、

 「imaginaryな部分にはiがあるが、realにはiがない」

ということになるわけです。

アイは現実(real)のものではなく、想像(imaginary)上のものということになります。

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July 26, 2009

センター対策模試

今日、小生の勤務している予備校では「全国マーク模試」が実施されるようです。

マーク模試のターゲットとしている試験は「センター試験」なので、基本的にはセンター試験と同じ形式になるはずです。


数学のセンター試験の問題は、先に記事にしたようにIIBでは「時間が足りない」というのが実情です。
したがって、「なりふり構わず解く」という数学の素養とはまた違うものが必要となってきます。

また、「短距離走」みたいなものなので、試験開始までのウォーミングアップなども必要となってきます。

数学のテストが始まる前に、軽く計算問題を解いてみるといったあたりも効果的かもしれません。

また、食後は眠たくなり、試験に集中できなくなる恐れもあります。
昼休みが長いのであれば、その早いうちに昼食をとり、少し仮眠をするというのも手であるようです。


模試はあくまで「模擬」の試験なので、この点数で合否が決まるわけではありません。
しかし、本番でいい点を取るためのリハーサルとして、模試を受ける際に「本番だ」というつもりで受けてみるのも大切です。
そして、テストでの時間の使い方などを反省し、次に生かすということも大切です。

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July 25, 2009

夏期講習という集中

小生の勤務している予備校では、夏期講習が本格的に始まりました。

うちの予備校の夏期講習は基本的には一講座あたり12コマ(1コマあたり50分)あります。
この12コマというのは、前期(1学期)が11週であることを考えると、前期の一つの授業に割り当てられたコマよりも多いということになります。

しかも、12時間連続だ、ということもあり、前期の時みたいに「前の週にはこれをやり…」といった前置きが必要ないので、よりいっそう多くのことを扱えます。


ということは、通常の授業よりも予習や復習の分量が多くなるということも言えます。


今、夏期講習の授業を受けているときに、その授業の内容がしっかりアタマに入ってきているかどうか、というのは「どれだけ予習をしたかどうか」にかかっています。
通常授業よりも分量が多いということを踏まえて予習をしていないと、授業にはなかなかついていけない可能性があります。


様々な時間のやりくりをしながら、しっかり予習の時間を確保するように努力してみてください。

math_palace at 06:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) コラム | 勉強方法

July 24, 2009

「夏休みの活用法」・その2

昨日の続きです。

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(2)に関しては「1週間や半月かかってもいいから一つの入試問題を自力で解ききる」という経験が実は重要である。

数学においてよくあるのが「典型的な問題は解けるが、実際の入試問題になると手が出ない」ということ。これは「ここの数学の知識が何となく繋がっていない」または「数学の知識をつなげることができない」ことに起因すると考えられる。そして、これを解決する一つの方法としては「実際の入試問題でやや難しいものを自力で解ききる」という経験をあげることができる。

この「自力で解ききる」ということにおいて、問題集や参考書などを利用してもかまわない。ただし、その問題の直接のヒントとなるものだけは見てはいけない。

この結果、「問題の解答」に頼る勉強から「自ら答えを導き出していく」という方向の勉強に代わり、数学の各知識の理解度を高めるだけでなく、実際の入試問題の正答率も高くなる。

最終的には「人や物に頼る勉強」ではなく「自立した勉強ができるようになる」ことがこの夏の大きな目的となるのではないだろうか。

ということを考えると、夏休み中に闇雲に授業を組むのはあまりよい方法ではなく、自習をさせる中でその手助けやアドバイスを与える形が適切なように思われる。

とにかく学生を「自立して勉強ができるようになる」ようにしていくことが大切である。

math_palace at 06:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) 勉強方法 | 第一志望に受からせる会

July 23, 2009

「夏休みの活用法」・その1

某イベントのために作った資料をそのまま掲載です。


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夏休みの一番の利点は、「自分のペースで勉強ができる」ということ。

「自分のペースで」というのはあくまで、「物事の理解のペースを自分のペースでできる」という意味で、「自分に会っているのは一日2時間だから、このペースで」という意味ではない。

ということから、勉強時間は、基本的には普段よりも長くなるはずで、もし、勉強時間が普段よりも短くなっているのであれば、それは単にだらけてしまっている証拠であると考えることができる。\\

さて、数学を中心とした夏休みにおける課題としては

(1) 今までやってきた「典型的な問題」の再確認
(2) 入試問題を解けるようにするための下準備

である。

(1)については、教科書やチャート式数学といった問題集に載っているような「受験生であれば一度は解いておかないといけない問題」をその解法を「暗記する」のではなく、しっかりと理解をすることである。

また、意外と重要でありながら軽視されがちなのが(2)であり、これは「自力で入試問題が解ける」ようにするためのものである。

<明日に続く>

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July 22, 2009

「何のために勉強するの」・その2

「数学の問題を解く」ということは、「与えられた条件下で、問題を処理していく」という訓練としては非常に大切なものであり、また、数学ほど論理的に問題を処理していく分野はないのではないか、とも思うのです。

例えば、文系の大学でも東大や一橋大学では(センターではなく)2次試験で数学が科せられています。経済学などでは「数学そのもの」を扱うことが多いので、必要性がよくわかりますが、それ以外の、例えば文学や法学といったものに「数学」は必要がないように思われます。しかしそれは、数学の問題を解く上で必要な「論理的思考力」などがあるかないかを問うているのではないだろうか、と思うのです。


一見、数学の図形問題なんて意味がないと思われがちですが、「問題を解決する力」をつける訓練としては極めて大切なことなのです。

こういった「一見無意味に見えるものの有意義性」を、この投稿を書いた中学生のような人たちに説けるかどうか。

これもまた、一つの教育なのではないかとおもいます。

短絡的に「意味があるか無いか」に決着をつけようとするのではなく、もっといろんな見方をする必要があるのだと思います。


ところで、この勉強における「意味があるかどうか」という見方と同様なことが、「研究」に対しての社会の見方、少なくともこの国の研究に対する見方としてあるように思えます。

「何か価値が見いだされる研究」でなければ、研究助成金も出ない、企業からの援助もないというのが昨今の大学を中心とした研究現場の現状のようです。

産業や社会の発展のために「直接」寄与するものでなければ援助も乏しいとのこと。

しかし、いわゆる「基礎研究」と呼ばれる部分は、産業などに「直接」関わる分野の基礎となる部分であり、これらの研究がおろそかにするというのは、極めて目先の利益にとらわれすぎている証拠になるのではないでしょうか。


長期的な目で考えれば、「勉強」や「研究」というものは、いずれの分野であっても役に立つものなのではなかろうか、と思うのです。

math_palace at 06:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0) コラム