October 2009

October 31, 2009

空間での方程式(その3)

・空間内の直線

空間内での直線の方程式は, まずは, 次のように考えます。

点A(α, β, γ)を通り, ↑d=(a, b, c)に平行な直線上の点をP(x, y, z)とすると,

 (↑d) // (↑(AP))

であり, ↑(AP)=(x-α, y-β, z-γ)から,

 a:b:c=x-α:y-β:z-γ

すなわち

 ((x-α)/a)=((y-β)/b)=((z-γ)/c) …(4)

が成り立ちます。

そしてこれが, 点A(α, β, γ)を通り, ↑d=(a, b, c)に平行な直線を表す方程式となるわけです。

ところでこの式(4)というのは,

 ((x-α)/a)=((y-β)/b) かつ ((y-β)/b)=((z-γ)/c)

という2つの式が表す平面の共通部分として考えることができます。

先の話から, この2つの式はともに平面を表すので, 結局, 空間の中での直線は

 2つの(平行ではない)平面の共通部分(=2つの平面の交線)

として定義されているようになっているわけです。


また, 逆に直線の方程式が(4)のように表すことができれば, その直線に平行なベクトル(=その直線の方向ベクトル)の一つに

 ↑d=(a, b, c)

があるということがいえます。




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October 30, 2009

空間での方程式(その2)

さて, 平面の方程式の話を使うと, こんなことができます。

x軸上の点A(p, 0, 0), y軸上の点B(0, q, 0), z軸上の点C(0, 0, r)というのを用意し, それに対して,

 方程式 (x/p)+(y/q)+(z/r)=1 …(3)

というのを考えてみましょう。

先の話から方程式(3)の表す空間内の図形は、平面であることがわかります。

一方, (3)の式は

 y=0かつz=0のとき, x=p
 x=0かつz=0のとき, y=q
 x=0かつy=0のとき, z=r

となるので, (3)の表す平面が点A, B, Cを通ることがわかります。

よって, (3)はA, B, Cを通る平面を表すことになります。

また, (3)が表す平面の法線ベクトルの一つに

 ↑n=((1/p), (1/q), (1/r))

があるので, これが平面ABCの法線ベクトルの一つになるわけです。


例えば, A(1, 0, 0), B(0, 2, 0), C(0, 0, 3)を通る平面の法線ベクトルを一つ求めたいときに, このA, B, Cを通る平面の方程式は

 (x/1)+(y/2)+(z/3)=1

すなわち

 6x+3y+2z=6

と表すことができるので, A, B, Cを通る平面の法線ベクトルの一つに

 ↑n=(6, 3, 2)

があるということがあっさりと求めることができます。




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October 29, 2009

空間での方程式(その1)

今から2つ前の教育課程では高2での数学(代数幾何・基礎解析)で扱っていた話です。

今となっては空間の話はすべて「ベクトル」だけで処理をしてしまうことになっているのですが、「空間での図形と方程式」を知っておくとお得なこともあることはあります。

今回はそんな「空間での図形と方程式」のお話しです。

以下、表記上のルールとして、
 「↑n」というのは「ベクトルn」
 「↑(AB)」というのは「ベクトルAB」
のことを指すことにします。


・平面の方程式

まず、xy平面での直線の一般形「ax+by+c=0」というものについて考えてみましょう。

xy平面において, A(α, β)を通り↑n=(a, b)に垂直な直線上の点をP(x, y)とすると, ↑nと↑(AP)(=(x-α, y-β))は垂直なので,

 (↑n)・(↑(AP))=0

すなわち,

 a(x-α)+b(y-β)=0

が成り立ちます。これを展開すると,

 ax+by-(aα+bβ)=0 …(1)

という具合になり、「ax+by+c=0」という形になります。
このことから, xy平面上のありとあらゆる直線はこのような点Aと↑nを設定することができるので, ax+by+c=0の形で表すことができる, ということになります。


逆に「ax+by+c=0」という式を式(1)に変形することもできます。
ということは、直線ax+by+c=0に垂直なベクトル(=この直線の法線ベクトル)に

 ↑n=(a, b)

があるということになります。


同じように空間での平面を考えてみましょう。

xyz空間内に, 点A(α, β, γ)を通り↑n=(a, b, c)に垂直な平面があったとき, その平面上の点をP(x, y, z)とすると, ↑(AP)(=(x-α, y-β, z-γ))と↑nが垂直なので,

 (↑n)・(↑(AP))=0

すなわち

 a(x-α)+b(y-β)+c(z-γ)=0 …(2)

が成り立ちます。これを展開すると

 ax+by+cz=aα+bβ+cγ

という具合になり, 「ax+by+cz=d」の形になります。

xyz空間内のありとあらゆる平面は, このような点Aと↑nを設定することができるので, 以上のことから, 空間内のありとあらゆる平面は「ax+by+cz=0」の形で表すことができることとなります。


逆に, 方程式「ax+by+cz=d」が表す空間内の図形は, この式を式(2)に変形することができるので, 結局, 空間内の平面を表し, その平面に垂直なベクトル(=この平面の法線ベクトル)の一つとして↑n=(a, b, c)がある, ということになります。



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October 28, 2009

新型インフルエンザ特別措置

センターまではあと3ヶ月を切り、いよいよですが、今年は新型インフルエンザが心配です。

現在のところ、センター試験では「追試験」について例年全国2カ所である追試験場を各都道府県に設置することとなり、また、追試験もインフルエンザの症状を考慮して1週間後ろ倒しになりました。

各大学でも特別措置を予定しているところがあるようです。

早いうちにネットなどで情報を得ておくことも大切です。

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October 27, 2009

季節の変わり目

今夜は台風が近づいていますが、この頃、北からの空気がずいぶんと入ってきて関東地方はずいぶんと寒い日が続いています。

新型インフルエンザに気を取られがちですが、季節性のインフルエンザやそれ以外にも、普通(?)の風邪などにも注意が必要です。


ちなみに季節性インフルエンザについては、例年ある予防接種用のワクチンが新型インフルエンザ用のワクチン生産のために7割程度しか生産されていないようです。
したがって、その予防接種についても「早い者勝ち」という状況のようです。


ワクチンに頼らずに、ということとなると、しっかり栄養を取って、しっかり睡眠を取ることで健康体でいることが一つ大切なこととなるようです。

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October 26, 2009

不定期連載・数学は難しい(第6回)

「不定期連載」です。
過去の記事はカテゴリーの「数学は難しい」からご覧ください。


#####
・中学まではよかったが・続々編


さて、近年では公立の学校までも「中高一貫」での教育を始めるようになってきた。

中高一貫で数学のカリキュラムを組むことができるのであれば、ここまで述べてきた「中学までの数学」と「高校からの数学」という分離を避けることができ、中学の頃から高校数学を見据えた「考え方」を重視した方向の数学教育を提供できるはずであろうと思われる。

しかし実際には「中学部」と「高等部」で分離していることが多く、一貫にした意味が薄くなっている学校もあるのではないだろうか。

ところで、中高一貫教育には「利点」と「欠点」がそれぞれある。

まず利点としては、中学から高校へと連続しているため、高校数学の初期の内容を中学時代に終わらせることが可能だということがある。

大学受験を前提とした場合、「高校3年で受験に特化した勉強をする」というのが理想である。したがって、高校2年までに高校での学習内容を一通り終わらせることができる中高一貫はその点でその理想を実現することが可能となる。

一方、欠点としては、進度が速くなるため、生徒の理解度を考慮する余裕が無くなることが多く、生徒が理解しないまま、置き去りで先へ進むしかないということがますある。
置いてけぼりを食らってしまった生徒はどんどん先へ進んでいく内容について行くことができず、挫折せざるを得ないようになる。

また、「高校受験」というプレッシャーがないため、中学時代に「なんとなく」で勉強を進めてしまい、その結果、高校になったら全くついて行けないということが出てくる。
さらには6年間のうちの「中弛み」の底にあたる中学3年から高校1年の辺りに、数学に対する考え方の基本として最も重要な分野である数学IAがあるため、この辺りを「なんとなく」で流してしまい、結果、さらに先の数学になったときに全く理解できないままになってしまう。

そんなこともあり、最近では「中高一貫の学校に入れたから安心」というわけでなく、中高一貫に入れたからこそ、中学1年のうちから塾に通わせるというケースも多いようである。



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October 25, 2009

リンクのご案内

水野の数学参考書レビュー[高校数学・大学入試]
http://green.ap.teacup.com/reviewermizuno/


ある日、小生がGoogleで検索していたところ、「当侍従長が懇意にしている数学講師」の執筆した問題集(PCでは右側にある「推薦図書」、あるいは「出版物」のカテゴリー参照)の書評を書いてくださっていたのが水野先生でした。

それをきっかけにコンタクトをmixi上で取り始め、今回、相互リンクをさせていただけることとなりました。

数学の様々な問題集・参考書の書評や、学習の進捗に応じた「おすすめ問題集・参考書」を紹介してくれています。

その他にも様々なことをされていらっしゃるので、ぜひともアクセスしてみてください。


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October 24, 2009

数学II・図形と方程式の後半(全3回)・その3

・軌跡

点がある条件を満たしながら動くとき, その点の動いた跡を求めるのが「軌跡」の問題です.

例えば,

 定点A, Bから等距離である点Pの軌跡を求めよ.

というとき, Pは線分ABの垂直二等分線を動きます. 具体的にA(a,0), B(b,0), P(x,y)とすると,

 AP=BP
 ⇔ (x-a)^2+y^2=(x-b)^2+y^2
 ⇔ 2(a-b)x=a^2-b^2
 ⇔ x=((a+b)/2)

となります.

軌跡を求める際には, その点の座標を(x,y)として, このxとyの関係式を作っていけばいいのです.


点P(x,y)の軌跡を求める問題で,

 x=t^2, y=t^4-1

とx, yがtの式で表されているとき, このtを消去してx, yの関係式を作っていきます. このtを媒介変数といい, このようにして表されることを「媒介変数表示」と言います.

この媒介変数を消去する際には, この媒介変数のとり得る値に応じたx, yのとり得る値を確認する必要があります. 上記の場合, tが実数全体をとるにしても, x=t^2なのでx≧0となります. したがって, この場合の点Pの軌跡は,

 y=x^2-1 ただし x≧0

となるのです。


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October 23, 2009

数学II・図形と方程式の後半(全3回)・その2

・領域

y=f(x)の表すグラフが,

 「y=f(x)を満たす点(x,y)の集合」

であるのに対し, y≧f(x)の表す領域は,

 「y≧f(x)を満たす点(x,y)の集合」

であるにすぎません. その上で, 不等式と領域の対応は, 以下のようになります.

 y>f(x): y=f(x)の表すグラフの上側の領域
 y<f(x): y=f(x)の表すグラフの下側の領域

また, 円を表す方程式を用いた不等式は, 以下のような領域を表すことができます. 円C:(x-a)^2+(y-b)^2=r^2に対して,

 (x-a)^2+(y-b)^2>r^2: 円Cの外側
 (x-a)^2+(y-b)^2<r^2: 円Cの内側

となります.
~
 f(x,y)・g(x,y)>0

等の領域の場合には,

 「f(x,y)>0 かつ g(x,y)>0」
 または
 「f(x,y)<0 かつ g(x,y)<0」

という式に変えて, そのそれぞれの領域を描いていけばいいのです.
~

・領域と最大最小

x, yが条件Dを満たして動いているとき, x, yの関数f(x,y)のとり得る値は,

 Dの表す領域とf(x,y)=kの表すグラフが共有点をもつようなkの値の範囲

となります.

Dの表す領域とf(x,y)=k_1の表すグラフが共有点をもたないときには,

 Dの中のどんな点(x,y)をf(x,y)に代入してもk_1にはならない

のですが, Dの表す領域とf(x,y)=k_2が共有点をもっているときには,

 この共有点の座標(x,y)をf(x,y)に代入するとk_2になります.


このことを用いて, x, yの関数f(x,y)の最大値と最小値をもとめることができます. これは「数理計画法(mathematical programming)」といわれ, 経済などの分野でも応用されます.



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October 22, 2009

数学II・図形と方程式の後半(全3回)・その1

図形と方程式も「やり方」ではなく「考え方」が実は大切だったりします。
そんな辺りのお話しを昔、軽くまとめたものを載せてみます。

・共有点を通る曲線

2つの曲線

 F(x,y)=0, G(x,y)=0

に共有点があるとき, この2つの関数から作られる

 pF(x,y)+qG(x,y)=0

という曲線は, もとの2曲線のすべての共有点を通ります. 実際に,

 F(x,y)=0, G(x,y)=0

の共有点の一つを(α, β)とすると, この点はF(x,y)=0上の点なので,

 F(α,β)=0

が成り立ちます. さらに, この点はG(x,y)=0上の点でもあるので,

 G(α,β)=0

も成り立ちます. このことから, pF(α,β)+qG(α,β)を計算すると

 pF(α,β)+qG(α,β)=p・0+q・0=0

となります. よって, 点(α,β)はpF(x,y)+qG(x,y)=0上の点になります.

このことからこの曲線は, 2つの曲線のすべての共有点を通ることがわかります.


このことを用いると,

 2x-y+1=0とx+3y-4=0の交点を通り(2,-8)を通る直線

を, 以下のようにして求めることができます. 2直線の交点を通る直線は,

 2x-y+1+k(x+3y-4)=0

と表すことができ, (上記のpに1を, qにkを代入したものと考えればいいです)これが, (2,-8)を通ることから,

 4+8+1+k(2-24-4)=0 ∴ k=-(1/2)

となります. したがって, 2直線の交点を通って, (2,-8)を通る直線は,

 2x-y+1-(1/2)(x+3y-4)=0 ∴ 5x+y-2=0

であることがわかります.

2曲線の共有点をわざわざ求める必要がなく, 計算が楽になるので知っておくといいでしょう. これを用いると, 2つの円が2点で交わっているときの, その2交点を通る直線(共通弦)の式を求めることも簡単です.



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