「自然な英語」に触れることが重要です。
今回は、リスニングの時に「頭の中で起こっていること」の問題点を解説したいと思います。
ダイアログ形式であれ、モノローグ形式であれ、リスニングというのは、
何も見ないで、100% 想像力を働かせて「映像を思い浮かべる」ことです。
自分がリスニング問題を解く時の頭の中の働きは、次のどれに当てはまるでしょうか。
(1)「英語音声」→「映像」=「理解」
(2)「英語音声」→「英文」→「映像」=「理解」
(3)「英語音声」→「英文」→「日本語訳」→「映像」=「理解」
(1)が最も自然なリスニングのはずですが、多くの日本人は(3)でしょう。
英文を日本語に訳さなくても理解できる人なら、(2)が可能です。
「映像」というのは「理解」とイコールの関係にあります。
「映像」を見れば理解できることであれば、当然見た瞬間に「理解」になるからです。
問題は「英語音声」から「映像」を作り出せるかどうかです。
これが難しい理由は、「英語音声」と「映像」を結びつける練習をする機会が少ないからです。
この練習をするために最適なのは、海外ドラマや洋画を見ることです。
そうすることで、「英語音声」と「映像」のセットが頭の中に蓄積されていき、
(1)が自然なリスニングであるということが実感できるでしょう。
「英語音声の内容」が「単純な場合」はともかく、
「抽象的な概念」の場合は(3)になってしまうという反論があるでしょう。
では、「日本語音声」で「抽象的な概念」を聞いた場合はどうでしょうか。
母国語とはいえ、よく理解できない場合も多いでしょう。
このレベルになると、言語の種類の問題ではなく、「抽象的な概念」を「理解する能力」の問題です。
「抽象的な概念」の理解度は、言語の種類に関係なく、
「具体的な事例」をどれだけ思い浮かべられるかにかかっています。
つまり、「英語音声」と「具体的な事例」のセットを頭の中に多く蓄積した人の方が、
理解度は高くなります。
ということは、海外ドラマや洋画を利用することで、「抽象的な概念」も、
徐々に理解できるようになるはずです。
ペーパーバックを利用して(2)の直読直解の力を養成しながら、
海外ドラマや洋画を利用して(1)の直聴直解の力をつけましょう。