箱根の仙石原にある六郎兵衛に建設予定の別荘です。
湿生花園に隣接した場所のため非常に湿気が多く調査をしてみましたが湧水が溢れるほどの特異な敷地状況です。
10年後、20年後になっても地盤沈下等を起こさないような精密な設計が必要です。
8月くらいまでは設計期間をいただきたいと伝えています。この状況を打破する事がまずは最重要な要素になってきます。
デザイン上のコンセプトは以下の3つです
1.大きな切妻の屋根を持つ周囲に溶け込む外観
屋根を分節しない一つの屋根が希望という要件から建物全体を大きく包み込む大屋根の家にしました。
外壁は周囲のサイディングやログハウスのような建売住宅のような佇まいを避けケンパス材による木製の外壁材としています。
周囲の樹木と一体になるだけでなく他の住宅とは違う雰囲気を醸し出します。
2.大きな吹き抜けを持つ家
パブリックスペースであるリビング・DKは大きな吹き抜け空間としています。
この吹き抜けには暖炉を設けることで一層の非日常の空間をつくりだしています。
またこの吹き抜け空間に接続するように、通常のテラスだけでなくリビング・DKの部屋の延長のような外部と内部の中間領域となるインナーテラスを設け自然を身体化できるように考慮しています。
3.大きな敷地と既存のサンショウバラを生かしたランドスケープ
サンショウバラを移設することは避け既存の位置のままで建物を計画しています。
1階の和室、リビング、2階段の洋室、テラス、バルコニーからも眺める事が可能です。
駐車場からのアプローチは将来の事を考慮して階段でなくスロープにしています。
大きな屋根の軒下を通り玄関に向かいアプローチします。
南側の境界に接するように小川を利用してその周りをビオトープ園を計画しました。
水辺に降り立つことでよりアヤメ、ショウブ等の水生植物を新たに加えることでより自然と共生できる場所をつくりだす意図です。