世界で初めての研究には“出る杭は打たれる”で何かと批判が集中します。
36年前に始めたサケ白子核酸の研究についてもそうでした。

「京都大学を出たMという先生は最近おかしなことを言う。ほかの生物の遺伝子(DNA)を食べると健康になると言う。ではブタの遺伝子を食べると鼻が丸くなるか。ならない。それは吸収されないからだ。」
といった批判が某大手週刊誌に記載されたことを今でも鮮明に覚えています。

もちろん、DNAは消化酵素によって分解されて吸収されるため、遺伝情報が喪失されておりまったく問題はないのですが、それを理解させるために講演や本の出版など多くの努力を積み重ねてきました。
その甲斐もあって、今では核酸と核酸成分は粉ミルクに添加されるまでになっています。

しかしながら、前回のブログでお話ししましたように、ある販売会社が二重らせんDNAを含む高分子DNAがそのまま吸収され効果を発揮する可能性があると発表しました。
三つのサケ白子抽出物(A:高分子DNA、B:スペルミンやアルギニンを含む高分子DNA、C:低分子DNA)をミックスしたドリンクを今年6月から発売するとの事です。
Aは肝機能、血管系、筋系に
Bは筋系、血管系に
Cは脳機能、肝機能に
働くことが期待されるとの事です。

しかし、この発表には大きな問題があります。
ひとつは二重らせんDNAなどの高分子DNAは消化器系から体内に吸収されないということです。
第2はもし吸収されたなら、抗原抗体反応で排除されアレルギーの原因にもなるということです。
第3は生理機能について触れるならしっかりとした研究に基づいて行うべきだということです。
第4は食の機能性をまったく研究もしないで肝機能などが改善される可能性があると発表することは消費者を誤認させるものでしかないということです。

核酸の消化・吸収や核酸の機能性について長年研究をしてきたものとして、以上の発表を行った企業と先生に対して、「いい加減なことを言って消費者を惑わせるな」と強く警告したいと思います。

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