どうしようもなかったんだ。
男は西に向かって逃げた。
何よりも速く、なんとしても捕まってたまるものか。
男の額には汗が滲み、でも表情は恍惚にも見えた。
「不思議なものだ」
それを見ていた商人は言った。

取り返せない自分と思想と現実の日々よ。
ここに救いはない、見つけ出せだけ告げよう。

どうしようもなかったんだ。
男はどこまでも西に向かって逃げた。
光よりも速く、なんとしてもお前のものになるものか。
男の体から汗がほとばしり、やはり表情は恍惚にも見える。
「物騒な世の中じゃ」
それを見た神は言った。

そのあとは言う間でもない。