概略を松岡のほうでまとめますと、まず長崎県議会の麻生隆先生からは、「長崎県や長崎市の食品ロス対策や食品リサイクル対策は遅れている。その要因として、長崎市も焼却炉のキャパシティに余力があり、本来、食リ法でリサイクルされるべき事業系の食品廃棄物は分別されずに、家庭の生ごみと合わせて１キロあたり６円と安価で税金で燃やされている。焼却灰の処理については、最終処分場の残余年数はこの先約５０年も確保されており、これは市の焼却処理による適正処理の観点から見ると恵まれた環境だ。反面、分別不要のため、事業系の食品リサイクルが大幅に遅れ、民間の食品リサイクル業者が育ちにくい要因にもなっている。」
「一方、長崎市のリサイクル率は全体で約１５％、県は１６％と頭打ちとなっており、資源ごみはおおむね達成されているものの、燃やせるごみに含まれるている、まだ食べられるのに捨てられている事業系の食品ロス廃棄物は、大量廃棄されて焼却処理しているのが現状だ。非常にもったいない。課題としては、食品ロスや事業系食品廃棄物をこれからどのように削減し、リサイクルすべきか？地方行政の大きな課題として残っている。１０月１６日〜１７日に長崎市で開催予定の環境省主催「食品リサイクルマッチングセミナー」と、農水省・全食リ事務連主催「飼料化事業進出セミナー」を契機に、行政も食品ロスや食品リサイクルを勉強していく契機にしたい。」
「長崎県は畜産・農業もあり、私の兄も養鶏場などを経営してきた。7/6読売新聞（長崎地域版）「廃棄食品 家畜の飼料に」の見出しで、ゼリーシロップ、酒かす等を利用したエコフィードからブランド化を目指す長崎県内の養豚業者も取り上げられた。食品ロスを回収し、「エサ代年間４，０００万円を削減し、肉質をアップ」をしたという記事だ。私は、こういう取り組みを後押ししていきたい。今日は、エコフィード事業の日本の先駆者である、全食リ事務連会長で獣医師でもある、�蠧�本フードエコロジセンターの高橋社長（神奈川県・相模原市）も良い機会なので来ていただいた。今後、食品リサイクル事業では、飼料化・肥料化・バイオガス（メタン化）など、新規民間事業を応援しながら、衰退する農業を活性化させ、新たな県内雇用の創出のためにも、農産品の食品リサイクル製品ブランド化に向けて取り組んでいきたいと考えている。」（つづく）
