2005年05月31日

祭りの跡 〜日本ダービー回顧〜

 日曜日の午後9時半。閉店したばかりのいきつけの美容院に予約を取りに行く。閉ざされたドアを軽くノックすると、そこそこ美人な美容師が出てくる。
「あのぅ、火曜日の3時に予約取りたいんですけど」
「はい、ありがとうございます。えーと、カットでよろしかったですか?」
「はい、カットオンリーバットオールソーで」
「・・・・・・・・はい・・・えー、カットですね・・・」
 街灯に照らされた新緑がやけにまぶしく見えた5月最後の日曜日のできごとであった。
 
 さて、みなさんはダービーを見てどう思っただろうか。期待通りだった、期待以上だった、あるいは期待はずれだった。人によって感じ方は様々だろう。私は期待通りだった方で感動もしたが、腹から這い上がってくるような「身震い」は感じなかった。例えばミホノブルボンの逃げ切り、ナリタブライアンの圧勝劇、アグネスフライト、エアシャカールの叩き合い、キングカメハメハのロングスパートのように。贅沢なことだが、それは期待通りだったからかもしれない。期待通り強い勝ち方をした。しかし、期待以上ではなかった。ディープインパクトは未だ過去の名馬の範疇内にあると。そんなところだろうか。本当に贅沢な感じだが・・・。
 
 ディープインパクトのスタートは相変わらずで、皐月賞ほどではなかったが、もはや定番となった出遅れ。今回のメンバーでは致命傷とはならなかったわけだが、もっと上のレベルと走った場合、これは致命傷になり得るだろう。
 ハナはコスモオースティンが奪い、これは大方の予想通りだったが、ペースが思ったより速かった。前半5Fが59.9秒、6Fが72.2秒。後半6Fが71.1秒だったからまずまずのペース。ラップタイムも12秒台前半をキープしていたのだから、コスモオースティンはレースを盛り上げるいい役目を果たしたと言える。また、先行陣が踏ん張りきれなかったのも仕方なしか。後半3Fは全て11秒台で34.5秒と速かった。
 
 ディープインパクトのライバルは今回のメンバー中にはいなかった。ディープインパクトと比較されたのは過去の名馬であって、ルドルフしかり、ブライアンしかりだった。ミホノブルボン以来13年ぶりの無敗の2冠を目指し、その先にはシンボリルドルフ以来21年ぶりの無敗の3冠が。レースではナリタブライアンのように圧勝し、勝ちタイムはキングカメハメハのダービーレコードタイ。過去の名馬との比較が必ずしも意味を持つわけではないが、ディープインパクトは過去の名馬となんら遜色のない器を持っていると思う。この夏を無事に過ごし、過去の名馬を超える名馬になって欲しいと心から思う次第である。
 インティライミは先行集団に取り付き、最後は早めに抜け出しタップダンスシチーを彷彿とさせる内ラチ粘りこみを見せ、自身も35.1秒で上がったが相手が悪かった。例年のダービーなら間違いなく勝っていただろう。今回はやっと間に合ったレベルで、ここまでの好走を見せた。秋には大いに期待を持てる馬だろう。また、佐藤哲騎手のここ一番の騎乗も見事だった。昨年の宝塚記念、有馬記念といい、魅せるレースのできる数少ない騎手である。
 3.4着のシックスセンス、アドマイヤフジはディープインパクトを意識した位置取りでレースを進め、ともに34秒台で上がってきている。馬の力を出し切れたのではないだろうか。
 5着マイネルレコルトは、最後方に待機し直線に賭けたが、シルクトゥルーパーにぶつけられたのが痛かった。体勢を立て直したときにはすでに勝敗が決していた。これがなければと悔やまれるレースだった。
 個人的に注目していたローゼンクロイツは、枠の利を活かし内に張り付くと思われたが、1コーナーではすでにディープインパクトが内にいた。道中は終始ディープインパクトをマークする位置にいたが、勝負どころではついていけず直線でも伸び切れなかった。今回は全く持って不甲斐ない負け方。秋に巻き返しを期待したい。
 
 どの年、どんなメンバーであってもダービーは特別なものであって、胸が躍る。昨年や今年のように特別な馬が出走してこればなおのこと。また来年、昨年や今年のように歴史的瞬間に出会えることを期待する。
 
第72回 日本ダービー
´ゥ妊ープインパクト 2分23秒3
↓きДぅ鵐謄ライミ
Лシックスセンス
きΕ▲疋泪ぅ筌侫
キΝマイネルレコルト
Ν´▲縫轡離疋灰泪妊
Л↓ぅ┘ぅ轡鵐法璽競
┃↓ローゼンクロイツ
´.屮譟璽凜蓮璽
Лアドマイヤジャパン
キコンゴウリキシオー
┃吋轡襯ネクサス
Лダンツキッチョウ
┃殴瀬鵐好ぅ鵐競皀
Νペールギュント
悪き┘轡礇疋Ε殴ぅ
鵜キコスモオースティン
沖┃哀轡襯トゥルーパー

2005年05月28日

パリは燃えているか! 〜日本ダービー予想〜

 「パリは燃えているか」
 かの名作映画の代表的なシーンに、投降したドイツ将軍の部屋の受話器からヒトラー総統のヒステリックな叫び声で「パリは燃えているか!」と聞こえるシーンがある。ヒトラー総統は事前に、「連合軍が進攻してきたらパリを焼き払え」と命令していたためである。明日、仕事である私はこれと同じようにきっと競馬仲間に電話するに違いない。府中は燃えているか!」と。
 
 さて、昨年の衝撃的なダービーからもう1年も経ってしまったわけだが、今年もすごいダービーが見られるのではないかという期待感があり、非常に楽しみだ。もちろん、その期待感はディープインパクトがどういう勝ち方をするかであって、どの馬が勝つかというレベルの話ではない。
 思い起こせば、衝撃的なダービーは何度かあった。例えばミホノb(昔話中につき省略)
 
 今回のダービー、良くも悪くもディープインパクトの出方ひとつか。というのはガンガン引っ張る馬が不在で、ハナに立ちそうなシャドウゲイト、コスモオースティン辺りは平均以下でレースをしたい馬。コスモオースティンなどは、マイネルレコルトのペースメーカーとなり得るかも知れないが、マイネルレコルトが折り合いに不安を持つため可能性は薄いと思う。コスモバルクの二の舞だけはしたくないはず。といっても、マイネル&コスモ、シルク軍団はオリンピック精神っぽいが・・・。それで、基本は平均よりやや遅いペースとしながらも、ディープインパクトの位置取り次第でペースが変わってしまうのではないかと見ている。
 
 先ほども言ったが、今回のダービーはどの馬が勝つかではなく、ディープインパクトがどういう勝ち方をするかが問題で、残念ながらというべきか、今年のメンバーにディープインパクトを脅かす存在はいない。ディープインパクトには是非歴史的名馬になってもらいたいという願望もあるが、それだけの器を持っている。あとは神のみぞ知るだ、コンチクショウ!
 2番手にはローゼンクロイツ。前走の皐月賞では初の長距離輸送が響きパドックから入れ込み、ついに力を出し切れずに終わった。今回はすでに経験済みで体調もベスト。内枠に入ったのも好感が持てる。鞍上が安藤騎手だから、スズカマンボ乗り再びな予感。
 3番手は皐月賞には目もくれずダービーにやってきたダンツキッチョウ。2歳時にストーミーカフェと肉薄した能力は相当なもの。先行力もあり、すんなり好位をキープできるのもいい。
 あとは父ダンスインザダークと府中が合いそうなダンスインザモアと京都新聞杯を勝ったインティライミ、もう一度だけ信じてみたいマイネルレコルトで。
 
◎ディープインパクト
○ローゼンクロイツ
▲ダンツキッチョウ
△ダンスインザモア
×インティライミ マイネルレコルト
 
 しかしあれですなぁ、酔っ払って文章書くと、途中で何書いているのか分からなくなりますなぁ。あと、5番ってのは武騎手がスペシャルウィークでダービー初制覇した思い出の枠なんですか。どーでもいいですか、あーそうですか・・・。

matthew11 at 21:33|この記事のURLComments(0)TrackBack(3)予想 

2005年05月23日

珍事らしい 〜オークス回顧〜

 オークスは荒れるというのが競馬ファン共通の認識。事実、2000年のシルクプリマドンナが勝って以来、1番人気の連対がなかった。しかし、今年は1番人気のシーザリオが勝ち、2着は2番人気のエアメサイア、3着も3番人気のディアデラノビアで人気順どおり。これはオークス史上3回目、77年以来28年ぶりの「珍事」だったらしい。
 
 スタートはランタナ、ジョウノビクトリアが1馬身の出遅れ、シーザリオも半馬身ほど出遅れた。逃げると思われたブリトンが積極策に出ず、外からエイシンテンダーがハナに立った。偶然だと思うが、スタートで武兄弟によるシーザリオ包囲網ができた。スタート直後、シーザリオが立ち遅れたのを確認すると、武豊騎手はシーザリオの進路に入り、彼女を後ろへ追いやった。そして、弟の武幸四郎騎手がハナを奪い絶妙なスローペースへ落とす。道中ではどの馬も動けない状況を作り上げ、5F通過が63.1秒の超スローペース。事前に打ち合わせしていてもこの状況を作り出すのは難しい。兄弟ならではの偶然だろうか。
 
 勝ったシーザリオは鞍上福永騎手の言うとおりちぐはぐな競馬だった。半馬身の出遅れで進路を塞がれるとそのまま包まれ、結局、最後の直線まで後方にいるはめになった。直線の入り口もたまたま開いた隙間を割り込んできただけで、前が開かなかったら違う結果になっていたと思う。ただ、それも狭い隙間を強引に割り込める脚と強靭な身体があってこそのもので、33.3秒の末脚といい他馬とは一線を画していた。今後は状態を見て僚馬ディアデラノビアとアメリカンオークスへ向かうようだ。あの勝ち方を見る限り、期待せずにはいられない。
 2着エアメサイアは武豊騎手の完璧な騎乗にも関わらず、最後の最後で交わされてしまった。現時点では勝ち馬に二枚ほど劣るが、夏以降の成長次第で期待は持てそう。
 3着ディアデラノビアはパドックでの入れ込みほどレースでは入れ込まず、道中はしっかり折り合っていた。最後も強烈な決め脚を見せ、見せ場十分だった。シーザリオには一気に交わされてしまったが、エアメサイアとは位置取りの差。体が小さいだけにぶつかり合う内よりは外を回ったのだろう。今後はシーザリオとともにアメリカンオークスへ向かうプランもあるようだが、個人的には放牧に出して小さな体を大きくさせて欲しいところ。
 4着エイシンテンダーは思い通りの競馬をしてこの結果なら致し方なし。G1を勝つにはまだまだということ。
 2歳女王ショウナンパントルは直線で不利が影響して7着。今春は不甲斐ないレースばかりだった。秋に巻き返しを期待したい。レースパイロットも力が出せず仕舞いで9着。奥がありそうな血統だけに見限りるのは早計か。

2005年05月18日

who is

 競馬界において、騎手、調教師などとマスコミにおける関係は馴れ合いが常で、騎手らにとって都合の悪い情報はなかなかファンの下には届かない。情報の発信源が騎手、調教師で、彼らの情報を元に記事を書いているのだから仕方がないと言えば仕方がない。マスコミは情報を得なければ仕事にならず、それ故に競馬界におけるマスコミの地位は騎手、調教師>マスコミとなっている。
 
 今週の中日スポーツのターフビジョンというコーナーに、オークスに有力馬を送り出す「敏腕トレーナー」の取材拒否の話が載っていた。記事によると、事の発端は一部のスポーツ紙がホームページを参考にオークス出走馬の記事を書き、その内容が「敏腕トレーナー」の意図しないものだったためだという。これにより、感情的になった同調教師は全てのスポーツ紙の取材を拒否し、同調教師が管理するオークス有力馬の1週前情報が伝えられなかったようだ。また、スポーツ紙の取材には居留守を使い、その間、専門紙記者だけを集め情報を流すという「大人気ない」こともしたようだ。
 この「敏腕トレーナー」の名誉のために言っておくが、記事には非があるのは「裏取り」という基本作業をしなかった一部のスポーツ紙であると書いている。しかし、同調教師がとった行動は適切だったかどうかは、誰が見ても分かる。
 競馬界、殊に現場においては騎手、調教師らとマスコミ関係者がほとんどで、立場の弱いマスコミが軽視されがちなのだろう。だが、マスコミの後ろには彼らの情報を待つファンがいるわけで、今回、「敏腕トレーナー」がとった行動は「ファン軽視」そのものではないだろうか。
 
 と、まあゴタクはここまでで、この「敏腕トレーナー」が誰だかすごく気になる。記事からヒントを拾うと
・「敏腕トレーナー」
・オークスに有力馬を送り出す
・毎週のように有力馬を送り出している
・先週のスポーツ紙のオークス情報には同調教師のコメントがない可能性が高い
・先週、一部のスポーツ紙でホームページを参考にした記事を書かれた
ぐらいか。ちょっとわからないかなぁ・・・。情報提供求む!
 
追記
情報提供ありました。
 
 
royceさま、ありがとうございました!

2005年05月09日

えー・・・ 〜NHKマイルC回顧〜

 エイシンヴァイデンがハナに立った瞬間、「おい、幸四郎!何やってんだよ!」と思ったのは私だけではないはず。案の定レースは落ち着き、前残りの展開となった。
 
 スタートはコスモフォーチュン以外はきれいに揃ったが、ビッグプラネットとディープサマーがお見合いしている間にエイシンヴァイデンがハナを切った。前述したとおり、これでペースは落ち着き、前半4Fが47.6秒、5Fが59.2秒の超スローとも言える流れとなった。ラスト3Fは34.2秒で勝ち馬のラインクラフトが33.6秒、2着のデアリングハートが33.8秒なのだから、後ろからレースを進めた馬たちにとっては酷だった。
 
 ラインクラフトのマイル適正は現時点では3歳1と言える。決め手も強烈だったし、何より自在な位置取りができるのが強み。今回はそれを活かした福永騎手も見事だった。エイシンヴァイデンがハナに立ち、流れが遅くなると見るや好位をキープ。仕掛けのタイミングも絶妙だった。今後は夏休みをはさんで秋華賞へ向かう模様。今年に入りグングン腕を上げた感じのある福永騎手の手綱捌きも注目したい。
 2着デアリングハートは勝ち馬ラインクラフトを徹底マークするレース運びだったが、最後の直線で外を回るロスがあった。これがなかったら、もう少し差は詰まっていただろう。
 ペールギュント、マイネルハーティーは流れが向かなかったのが痛いが、これも後ろから行く馬の宿命。自らレースを作れない弱みが出た。今回は器用さも求められるレース展開だっただけに、この2頭には辛かった。
 ビッグプラネットは力を出し切れなかった。東京のマイルを意識し過ぎたのだろうか、いつものようにすんなりハナには立たず、エイシンヴァイデンを先に行かせた。いつもと勝手が違うため、道中では馬がエキサイトして掛かり気味だった。見せ場も作れずに着外に沈んだのは不甲斐ない。だが、今回の経験が秋には大きくなりそうな予感もする。
 注目していたシルクトゥルーパーも流れが向かなかったが、地力不足の感もいなめず。今後に期待したい。
 
 えーと、馬券ってなんですか?

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競馬を中心とした馬事関連を書き綴るblogです。
「Aria on the G」はJ.S.Bachの名曲から、Matthewはキリストの十二使徒の1人から命名。Matthewは新約聖書の第一福音書を書いた人物です。J.S.Bachの曲に「マタイ受難曲」という曲があります。

管理人@Matthew(マタイ)


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