角田光代さんの『世界は終わりそうにない』を紹介します。

角田光代さんは、1967年神奈川県生まれ。
早稲田大学第一文学部卒業。
1988年「お子様ランチ・ロックソース」で第11回コバルト・ノベル大賞(彩河杏)、
1990年「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞、
1996年「まどろむ夜のUFO」で第18回野間文芸新人賞、
1998年「ぼくはきみのおにいさん」で第13回坪田譲治文学賞、
1999年「キッドナップ・ツアー」で第46回産経児童出版文化賞フジテレビ賞、第22回路傍の石文学賞、
2005年「対岸の彼女」で直木賞、
2006年「ロック母」で川端康成文学賞など、
2011年「ツリーハウス」で第22回伊藤整文学賞、
2012年「かなたの子」で第40回泉鏡花文学賞、
2014年「私のなかの彼女」で第2回河合隼雄物語賞、
多数の受賞歴があります。

また、映画化された作品は、
「空中庭園」(2005年 主演 小泉今日子)、
「八日目の蟬」(2011年 主演 井上真央)、
「紙の月」(2014年 主演 宮沢りえ)、
「愛がなんだ」(2019年 主演 岸井ゆきの)、
など、
ドラマ化された作品は、
「対岸の彼女」(2006年 主演 夏川結衣)、
「八日目の蟬」(2010年 主演 檀れい)、
「紙の月」(2014年 主演 原田知世)、
など沢山あります。


さて本書、
エッセイや対談がてんこ盛りで楽しめる本です。
角田光代さんのことがいろんな角度から知れて楽しいです。


ご自身のことを、
「きちんとできないだろうから、結婚に不向きとずっと思っていた」と書かれています。
そして、
どこか仰々しいし、無意識に重々しく考えていた。
しかし、
どのような結婚にするかは、
自分自身の資質に合わせて作り上げていくしかないのだと今は思う。
きちんとする必要はないし、
「ふつう」と思われるだれかを真似る必要もない。
他人から見て奇妙でも一般的ではなくても、
自分たちの結婚生活というものは二人で作り上げていくしかないらしい、とし、
せっかく折り合いをつけたと思った仕事も、
辞めざるをえないこともあるだろうし、
苦手だと決めつけて避けている人と思わずわかり合える日もある。
そうした変化の波を受け入れていけるしなやかさを、
いつも身につけていたいと最近思うようになったと
かかれています。


また、
「紙の月」で書きたかったこと、について書かれてます。
私が書きたかったのは、横領事件そのものではなく、
あるひとつの恋愛だった。
自分自身がどんな人間かわからないまま過ごしてきた女性が、
年下の男と恋に落ちる。
恋愛というものの成り立たせ方を、
ずっと受け身で生きてきた彼女は知らない。

そして、
最後の校了時に致命的なミスが見つかり、
「もう、この本出すの無理です。やめましょう。」と訴えた、そうです。
結局、出せてベストセラーになったわけですが、
機会があれば、このミスの内容も聞いてみたいですね。



ブックデザイナーの祖父江慎さんらとの対談では、
文庫の活字で盛り上がります。
祖父江慎さんは、
「ピノッキオ」だけで本棚四棹分、
「八犬伝」だけで右廊下半分全部あって、
内容以上に本の形好きと言います。
例えば、
「坊っちゃん」は三棹分あるけど、
どこで改版したのか探したり、
出版社や仮名遣い、紙質、ルビの振り方、活字、組みの違いを楽しむそう。
祖父江慎さんは、「坊っちやん」は「つ」が小書きで「や」が並字で、昭和3年の全集がしなやかな9ポイント活字で美しい、と言います。



「八日目の蟬」の成島出(いずる)監督との対談では、
小豆島が、人間と自然と神々とが全て同じ地平にいて、
ある種、日本の原風景的な残っていて、
この映画を見て、
自分のふるさとではないのになんだかふるさとを思い出すという感想をよくいただく、
という監督の話や、
小豆島の歌舞伎のシーンが本物のこと、
火を持って進むお祭りのシーンは村の人たちにお願いしてやってもらったことなど、
が興味深く確認できます。

これを読んだら、また、「八日目の蟬」を読んだり見たりしたくなります。



関連ブログ
  『空の拳』角田光代
  『拳の先』角田光代
  『ボクシング日和』角田光代 
  『八日目の蟬』角田光代
  『紙の月』角田光代
  『ボックス!』百田尚樹


人気ブログランキング人気ブログランキングへ